のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1910

2021-07-10 00:45:59 | 新しい子猫たち 
商会は 洋治の奥さんの有希 と洋治と有希の娘婿が役員でまだ残り、その影響を受けている勢力もかなり 役員としているが 洋太郎 の家系としてはいない。それだけに洋太郎の怖さは知らない、洋太郎の息子の太郎 は商会の次期社長の本命として知られていたが、誰かのお尻触っただの、スボンのチャックが開いていた との噂が流れ、社長就任直前に 役員も辞めた。この時は洋太郎も怒ったが そのままになって洋太郎の力も限界があると思われていた。 ただその後 有希の娘婿がいつしか社長になって、太郎の社長 昇任に反対して 小細工していった奴らは 悉く 排除され、子会社の果てからも 追放されていた。太郎の事件は この娘婿の細工と洋太郎は思ったから最初は黙っていたが、そうではないらしいと判り、逆に 有希にあんまりキツイ事をするなよ と言った程だった。


太郎は奥さんの正子の財力と自身のネットワークでアフリカ カミカミを立ち上げ、いまではアフリカの大きな勢力となっていて、この勢力に媚びるためには こうした連中の一掃が必要との論理が効いた。


この有希の娘婿は 政則の兄弟にして 女たらしとして知られ、たらし込んだ、有希と洋治の娘が妊娠した時にシラン顔をした。根性は最低の男だった。


が政則とよく似て 頭はキレた、そして謀略も出来た。 ただこの時は 政則の父親も あまりの無責任さには呆れた。そして 有希と洋治の娘が相手と判ると手のひらをコロッと変えた。流石の父親も怒り、須坂の家から追放され 治部の家に婿養子となった。そして有希が根性を叩き直した。


ただ表面的に治った振りしただけかもしれない。コイツの社長時代の 商会は過去最高の利益を誇っていた。ただ コイツの私的流用だ、巧い事やり上がってと云う妬みと コイツの報酬も膨大であって、商会のビジネスは キツイとかの悪評も経って、いつしか コイツは社長を辞めた。しかし コイツの勢力は温存されていた。実は悪評を気にしたのではなく、もっと自分が儲かるユキエンタープライズの経営に専念したかったと云う面もあった。ユキエンタープライズは海外の有名ブランドを軒並み 安値で叩き買っていた時期でもあった。商会も このブランド商売で少ないとは決して言えない利益が今も入っていた。そしてコイツの手腕で 今ではユキエンタープライズの資産は莫大になっていた。コイツの報酬も当然多い。有希は儲けた奴の報酬はケチらない。根性悪くとも商売は上手いし、手練手管も知っている、極めて いやな奴だった。生まれついての治部一族ではないだけに、かえって治部一族の自負は強い。


商会は純子の精神とかで 紡績、化学と並んで、例の最終医療機関構想に寄付をしたが 経理担当重役は金を渋った。この最終医療機関構想は、地域の医療機関再建のためにも動いたが 商会は 追加の寄付を渋っていた。何のメリットもないと経理担当重役が判断していた。紡績の会長室は怒り、洋太郎に直訴しようと思ったが、ついに それとなく商会の社長に言った。


社長は吃驚して、手続き上のミスだと思います、暫く待ってくださいと会長室の奴らに言って、洋太郎には言わないでと頼んだ。社長が調べると有希一派も調べている事も判った。あの娘婿の 血の制裁の凄さを知っている社長は、経理担当重役を呼びつけ、早急に修復させて、地域の医療機関再建構想のゼニをより多く出した。しかも経理担当重役に 正式な役員会で 歯の浮くような綺麗事を言わせた。有希一派と云うかあの娘婿の腹心がそう言わせた面もあった。


社長は経理担当重役に 紡績の歯が浮いたような理想論であっても 一応 洋太郎御大の許可が出ていると、それは決まった事も同じ。御大に逆らった事になる。あの血の抗争の当時者たちの末路は哀れだったよ。御大の情けで小さい会社の役員にしてもらった人もいたが、可哀そうだったよ。君も気を付けなさい。 商会は紡績とは何の関係もないと 普通の一般人みたいな事を思ってはイカンよ。 特に有希さんが元気で あの人が元気の間は危険。御大には情けはあるが、あの人には情けなどない。しかも金もあり調査機関もあって、あの一族には法律事務所はあるし 検察にも国税にも影響力があるんだよ。と諭された。経理担当重役でも知らない 洋太郎と云うよりも治部一族の怖さが商会にもあった。この人はぞーとした。