のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1904

2021-07-04 00:25:04 | 新しい子猫たち 
あの男の子が負ける のは やはり 力戦模様になった 時 が圧倒的に多かった。将棋道場のドッチと云うと新参者のジイサンが、対局していた 棋士に聞いた。 勝てるチャンスは力戦模様の時がずっと多いのに、勝率の悪い 研究手順での将棋をするんですか?


棋士はあっさりと言った。

挑戦者決定戦でも タイトル戦でも 相手は一回は力戦模様にして勝ったが、それ以上はしなかった。この子は着実に棋力が上がっている。実戦が増えて実戦感覚もついてきた。力戦模様に仕掛けて 負けると 仕掛けた方の今までの実戦の重みが否定されたような気になるのです。力戦模様で 確かに勝てたが、これからも勝てるとは決して言えない、むしろ 逆に今後は難しいと 実感するのです。


それよりも研究をコチラも真剣にして、それで勝ちたいと思うのです。我々も研究もしていて、この子に勝てるように努力してます。まだ敵わないが、それでも その研究をするのが本筋、実戦数は我々が多いから 力戦模様になると勝てるチャンスがあるとしてもそれは今だけ。この子の実戦数が増えるとそれが減っていくのは見えています。