のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1921

2021-07-21 00:23:34 | 新しい子猫たち 
囲碁は実は方針が少し変わった。化学の会長があまりに商売っけが表に出ると逆効果ですよと有希にいい、有希もアイツは行きすぎる事もあるからねと言って、アイツにちょっと気をつけなと言った。アイツは有希が怖い、昔から怖いのだ。気持ちがちょっとそがれた。金儲けの方法は他にもある。ゼニ儲けを あまり 表に出しすぎるのはちょっとヤバイとはアイツも知っている、馬鹿ではない。


親分の気持ちは部下に伝わる。あの囲碁の棋戦は結局化学と商会が主力と変わっていった。洋服を記念に提供するのは変わらないが、宣伝に使いまくる姿勢はなくなった。そして この棋戦の主催が 中国向けの商売に使えると判った、中国に進出している商会と化学がメインの主催を引き継いだ。


アイツは あの子を育てよう とかは思わないが 有希はあの子を可愛がった。有希はアイツがあの子を大切に育てられるとは思わず、化学の会長が大切に育てられると思っていた事もあった。アイツは有希の気持ちを察するのが早く、上手いのだ。 ごく自然に化学と商会とを共催にして 主催のサブに引っ込んだのだ。


女の子が結局 多くの棋士と知り合う事で、碁そのものに対する理解が深まり、碁の力をつけると云う 古典的な方法で強くなっていったのだ。中国の猫の先生はAIの理解そして碁の理解は深かったが、それ以外の考え方も勿論あった。それにあの子は触れていったのだ。


オバサン事件もあった。二十歳前後の中国トップクラス つまり世界トップクラスの女流棋士に オバサンといってしまった。流石にムーとしたこの棋士だったが、あの女の子のお母さんが突然来た。お母さんは二十歳半ば しかし アイドルで活躍していて 若く見える。この棋士が見ても自分より年上とは見えないのだ。それがこの棋士と仲良くなれたキッカケとなった。


そして仲良くなれる棋士たちが増えていった。元々中国語は少しは出来た、会話程度だったが。そして女流棋士だけが目立つ棋戦だったが、あの子の実力を知りだした男性棋士のトップクラスもこの棋戦に参戦してきた。元々猫の先生は中国の棋士の中では有名、あの子は中国の猫の先生が見込んだ棋士と言われるようになった。ただ化学の会長は女流枠なるものをこっそりと云うか、しっかり作った。あの子を孤立させてはイカンと思ったのだ。