のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1925

2021-07-25 00:33:43 | 新しい子猫たち 
あの将棋の強い子の欠点と云うかは微妙だが 将棋に手を抜く事が出来なかった。指導将棋なんぞ とても出来ない。甘い手を見せるとボコボコにしてしまう。将棋道場でも 形勢が明らかに悪い方を 逆転将棋と称して、代わりに 指す事をしていたが 普通の指導将棋なんてすると、相手をボコボコにしてしまう。将棋道場のジイサンバアサンたちには可愛がられていたが、将棋の勝ち負けになると この本性が出た。


猫の先生一門はメンバーが増えていた。特に奨励会そして研修会の子は増えていた。この人たち相手の指導将棋は 猫の先生一門の棋士たちがしているが あの子は出来ない。将棋は相手を打ち負かすもので 教えるものではなかった。


強い女の子がいた。女の子と言っても もう中学生だった。猫の先生の弟子の棋士の門下に入って、研修会そして奨励会に入ろうか、アマで参加できる棋戦で高位になって、女流棋士になれる道を選択すべきか悩んでいた。


あの子は強く、相手をボコボコにしてしまうので 師匠に当たる棋士はあの子と対戦させるのを躊躇していた、この女の子も負けず嫌い、先生も この女の子が強くなり、つい本気になって 負かしてしまった。激しく号泣されて往生したものだった。ただアマ相手 特に女性相手では相手もいなくなり、この子も 噂の天才少年に挑戦したくなった、研究もしていた。


一門の弟子筋 相手に将棋をして勝っていた。今は猫の先生一門の研究将棋は あの子以外にも時には公開する。この女の子も人気が出てきた。この子は将棋は強い、そして可愛い、頭も良さそう 育ちも良さそう 本当の美少女タイプだった。


ついに この女の子と あの男の子との対局が始まった。序盤は一進一退の接戦を繰り広げていた。ただ女の子に中盤にちょっとした緩手が出て、男の子はそれを咎め、ボコボコにしてしまった。女の子は負けましたと言ったら それから悔しくて号泣してしまった。本気で泣き出してしまった。そしてこの放送は かつてないアクセスになり、日を追う毎に増えていった。