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関電さん、今度は値上げで威嚇

2012年09月15日 | 日々の雑感
関電さん、今度は値上げで威嚇

大飯原発を再稼働しないと今年の夏の電力需要に対応できず、停電になってしまうかもしれないと市民を威嚇して、なんとか今年の夏に間に合うように大飯原発を再稼働するのに成功した関電であったが、関西の市民は意外と賢明で、しっかり節電したことで、大飯原発を再稼働しなくても今年の猛暑を乗り越えることができてしまった。

電力需要に対応できないというカードが使えなくなった関電が出してきた今度のカードは5000億円の赤字を埋めるための値上げ。原発を使えなくなったので、代わりに火力発電所を再稼働したために大量の石油が必要になり、大幅な赤字を生み出した、だから値上げせざるを得ない、もし現在止めている原発も再稼働すればこんな赤字はすぐに解消される、だから原発再稼働をさせろ、させないと電力料金を値上げするぞ、というわけ。

でもよく考えて欲しい。関電は関西地域の電力を供給する独占企業だ。いったいどれだけ原発にお金がかかり、どれだけ国から補助金をもらい、というような収支は誰も知らない。独占企業であるがゆえに、現在の電力料金だって、本当にぎりぎりの経営努力をした上でのものなのかどうか、何一つ分かっていない。つまり独占企業であるがゆえに、まったく経営がガラス張りになっていない。そもそも電力会社なんて、一種の国有企業のようなものだが、独占を許されている代わりに、経営をガラス張りにすることによって、独占であるという、通常のビジネスなら許されないことが許され、その社会性が担保されるはずなのに、まったく閉鎖社会のようなものだ。それが今度の地震での原発事故によって東電の場合には明るみに出た。いかに東電が、独占企業であることをいいことに、好き勝手していたかが、あからさまに(もちろんごく一部にすぎないが)なってしまった。不十分であるとはいえ、国が東電の経営にも口を挟むことによって、値上げ問題もその是非が議論されるようになった。だが関電はそれが憎くてたまらない。

昨日の朝日新聞にはいみじくも関電幹部の話として次のようなことが書かれている。東京電力が値上げするにあたって、役員や社員の給与をカットせざるを得なくなったことに触れて、「国に経営を丸裸にされ、自由度を失う。東電のようにめちゃくちゃにされたくない」と関電幹部が言っているという。


そして7月に大飯原発で2基を再稼働したので、このままいけば赤字が1600億円減らすことができるし、他の原発を再稼働すれば、値上げしなくてもすむことになると威嚇。

関電が一番怖れているのは、独占をいいことに好き勝手してきたことができなることなのだ。そして、原発の再稼働が進まないこと。この二点だけ。市民のことなど何も考えちゃいない。

これまた朝日新聞は、この5000億円の赤字というのが本当のものなのかも調べもしないで、、関電が赤字で値上げしなければならないかもしれない、でも値上げを申請すれば、もう他の原発は再稼働しないと思われてしまうと困る、と関電が苦悩してます、なんて馬鹿な記事を垂れ流しているだけ。

関電のいいなりにならないで、少なくとも、時間をかけて調査をして、この赤字そのものが真実なのかどうか探ってみることぐらいしたらどうだ。それがジャーナリスト精神というものではないか。

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