藤谷治『船に乗れ Ⅰ合奏と協奏』(ジャイブ、2008年)
音楽家を目指す高校生が高校の文化祭での発表や演奏会に向けた練習の中で成長していく過程を描いた青春小説ってやつでしょう。
音楽を演奏するという話だけでも、なんか特別な雰囲気、ちょっとこじゃれた雰囲気があるのに、そこへもってきて自分の感情をもてあまし、どう自分を表現したらいいのか分からない高校生の話ということで、まさに青春小説ってやつだ。
篠田節子さんの『カノン』なんかも大学で音楽を専攻する学生たちの絡み合いの話だったが、あれはもう結婚もして子どももいてという中年にさしかかった男女の現在と回想によるものだったし、篠田節子さん特有のサイコ的なところもあったので、また雰囲気が違うけれども、面白かった。
こういうのって生理的に好きなんだろうね。自分でもすこしだけどオーケストラとまではいかない小規模の合奏団でバイオリンを弾いて、自分たちの演奏会や、地域の合唱団の演奏会の伴奏に出たこともあるから、演奏会での緊張感や、練習のときのばらばらなまとまりのない段階から、徐々に出来上がって一応まともな演奏ができるようになったときの充実感、しかし演奏会ではやはり心配していた失敗をやらかして、合奏団と合唱団で最後がばらばらに終わったなんてひどい経験もしているから、主人公の津島サトルの感じていることがびんびん伝わってくる。
音楽家を目指す高校生が高校の文化祭での発表や演奏会に向けた練習の中で成長していく過程を描いた青春小説ってやつでしょう。
音楽を演奏するという話だけでも、なんか特別な雰囲気、ちょっとこじゃれた雰囲気があるのに、そこへもってきて自分の感情をもてあまし、どう自分を表現したらいいのか分からない高校生の話ということで、まさに青春小説ってやつだ。
篠田節子さんの『カノン』なんかも大学で音楽を専攻する学生たちの絡み合いの話だったが、あれはもう結婚もして子どももいてという中年にさしかかった男女の現在と回想によるものだったし、篠田節子さん特有のサイコ的なところもあったので、また雰囲気が違うけれども、面白かった。
こういうのって生理的に好きなんだろうね。自分でもすこしだけどオーケストラとまではいかない小規模の合奏団でバイオリンを弾いて、自分たちの演奏会や、地域の合唱団の演奏会の伴奏に出たこともあるから、演奏会での緊張感や、練習のときのばらばらなまとまりのない段階から、徐々に出来上がって一応まともな演奏ができるようになったときの充実感、しかし演奏会ではやはり心配していた失敗をやらかして、合奏団と合唱団で最後がばらばらに終わったなんてひどい経験もしているから、主人公の津島サトルの感じていることがびんびん伝わってくる。