虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

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DVDプレーヤー

2005年02月28日 | 日記・雑記
 今日は、飛び込みで急ぎの原稿作成を頼まれ、手書きから起こしていたらなんだかんだで1日つぶれてしまいました。
 明日の映画の日は用があるので、今日行けたら「運命を分けたザイル」行こうと思ってたのに。
 臨時収入的お仕事なので、ついその代金を当てにして再生専用DVDプレーヤー買って(発注)してしまった…うちは家族間で、テレビ番組やゲームやら映画やらでしじゅうテレビが取り合いになってるから。争わないで、テレビやモニターさえあればつなげるのが欲しかったので…
 明日校正して最終チェックしてからお金頂きます。
 もうその分使っちゃったので、しっかりやらなくちゃ…(反省)

SAMURAI 7 (2004/日)

2005年02月27日 | エンタテインメント
TV Anime
監督: 滝沢敏文

 あの黒澤明の名作「七人の侍」の舞台を未来へと移して、ロボットバトルも交えたアニメに翻案。
 恐る恐るまず1巻めを借りてみた。
 プロットはほとんど同じ。でも侍たちを集めるのがオリジナルキャラで巫女のキララ。そのほかにもウキョウというどら息子みたいな変なキャラ登場。とりあえずカンベエ、カツシロウ、キクチヨ、それにチラッとキュウゾウさん登場。
 
 元の映画にこだわらなければ、カンベエかっこいいし、アニメとしての出来は悪くないと思います。
 でも私は、キクチヨの姿と「プシュー」に涙を禁じえないのです。2巻目からどうしよう… 

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オペラ座の怪人 2回目

2005年02月27日 | 映画の話題
 ティーンエージャー二人と一緒にまた見てきました。
 一人は普段映画館に行かない、DVDやビデオも週に1本見るかどうか。もう一人は映画館にはそう行かないけど、ビデオやDVDはけっこう古いのまで良く見てる子。

 やっぱり好評なのはシャンデリアが上がってオペラ座が豪華な時代に戻っていくところ。
 そこ以外は、モノクロ画面の挿入はあんまり評判良くない。一気に見たかったらしい。
 それにシャニエ子爵の老いた姿と若いラウルが同一人物と相当話が進むまで気がつかなかった…これは鈍いからかも…ファントムに対するクリスティーヌの気持ちが今ひとつわかんない、とか。
 一番の不満は、若い二人の姿かたちが絵に描いたような美男美女でやってくれたほうが良かったということで、二人とも採点は85点くらいとのこと。
 これは吹き替え無しで歌っているので、製作側のそれなりの意図があるのだが、例えば「マイ・フェア・レディ」はオードリーの容姿があって映画が完成したと思う。主役にもっと容姿の美しさを求めるのは贅沢とはいえないですよね、舞台でなくて映画ですから。

 私も、初回はただ感激してみてたけど、2度目はちょこっと冷静に。先に出した「マイ・フェア・レディ」なんかは何回見ても評価下がらないので、chishiさんのところで満点つけたけど、今はそれほど完璧満足ではない状態。でも、やっぱりお薦め出来る映画です。
気になったのは、
・ファントムの声。やっぱり異質。張り上げる時は異質を心得てしまえばそう気にならないけど、例えばクリスティーヌを初めて地下の棲家へ連れて行くシーンで、声を抑えて歌うところ、う~んと恐ろしくて魅力的に響いて欲しかった。
・私もモノクロシーンの挿入はちょっと話が途切れる感じがした。
・ファントムは全編黒のコスチュームが良かったなあ。

 前回今度考えようと思っていたファントムの顔については、仮面をはずした時にシーンによってあえてきれいなほうを髪で隠したり、きれいなほうだけ浮き上がらせたりを見て、これも彼の二面性、隠れていた本性が現れたりを象徴しているのでしょうね…。
 でも、やっぱり音楽、それに絢爛な映像、すごかったなあ、素敵だった~~~~!

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ガス人間第1号 (1960/日)

2005年02月26日 | 映画感想か行
監督: 本多猪四郎
特技監督: 円谷英二
出演: 土屋嘉男 三橋達也 八千草薫 左卜全 佐多契子

 銀行での連続強盗殺人を捜査する岡本警部補は、容疑者として落ち目の日本舞踊の家元・藤千代を逮捕する。しかし彼女は無実で、自在に身体を気体化できる能力を持った男が真犯人だった。

 東宝変身人間シリーズ。これも怖いです。特撮で、ガス人間が風で拡散したらとか、事件を解決しようとする警察の対応なんかは「?」マークが飛び交うけど、ストーリーはまったく大人向けの深刻なメロドラマ。
 マッドサイエンティストの人体実験で身体をガス化する特殊能力を持った人間が、愛する舞踊家元のために銀行強盗で金を作り盛り立てようとする。それで、その舞踊家元も、事情を知り、彼の心に応えて悲しい決断をするというもの。
 ガス人間の土屋嘉男の世をすねた感じも名演。
 「マタンゴ」の方が怖さとおかしさ混在のギャップが大きくて、こちらは怖さとドラマの悲しさで、あまり古くておかしく思えるところは少ない。ガス人間製造マシンがオモチャっぽくて笑えるくらい。
 
 それに、なんと悲恋物語だったりもして、八千草薫さんがスレンダーでめちゃくちゃ美しい。これを見てNHKの「武蔵」で感じていた違和感が納得できる。やはり着物美人は幽玄なる柳腰でなくてはいけない。最近のタレントはナイスバディすぎて着物に身体ががおさまらない感じがする。

余談…この映画はキャバレーシーンが出てこないので、うちの高校生がとても残念がっていた。やたら昔のそういうシーンや昔のネオンサインが好きなヤツなので。でも、とても狭い国道を見て、ボンネットトラックや古い車を見て面白がっていた。
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分解

2005年02月25日 | 日記・雑記
 一日めまいで寝ていました。
 今期のお仕事が一区切りしてから寝込むなんて、なんてえらいんだろう、なんてせっかく暇が出来たのに映画いけなかった悔しさで負け惜しみ言いつつ、起きてはパタッと倒れていました。



 昨年のデータがほぼ終わったので、バックアップして、PCもお手入れをしています。
 デスクトップとノートのハードディスクを各一個捨てることになりました。
 ハードディスクに関しては、分解して壊して捨てます。
 星型ドライバーでデスクトップ用の大きい方のふたを開けたところ。
 蛍光灯の灯りなので、ディスク面の滑らかな鏡面がうまく映らないのが残念。
 明日はもっとばらばらにして、太陽光できらきらしたのを写真にとって、それから傷つけたり壊したりして捨てます。
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夜になるまえに(2000/米)

2005年02月24日 | 映画感想や行
監督:ジュリアン・シュナーベル
出演: ハビエル・バルデム オリヴィエ・マルティネス

 カストロ政権下で、詩人として同性愛者として迫害され、アメリカへ亡命し、反カストロ運動をし、エイズに苦しみ、自殺したキューバの亡命作家の自伝の映画化。抵抗者としての彼より詩人としての彼を中心に描いているようだ。

 革命にとっての夾雑物として排除され迫害される独裁政権下でも表現せずにいられないのは、芸術家の業なのだろうか。母に懇願されても転向を拒んだ彼が、口に銃を突きつけられ泣きながら革命への協力とそれまでの自己の否定を受け入れてしまう。苦しんだ末に亡命したアメリカでも魂の自由が得られた開放感はない。追われた祖国に自分の根があることを突きつけられる。

 主役の演技は素晴らしい。迫真とはこのことだろう。彼の心の目に映る光景を移したようにキューバの自然の映像は美しい。これが「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」と同時代のキューバである。ここでもラテンの音楽、挿入されている歌は素晴らしい。
 ジョニー・デップの女装の髭もきれいだったが、ショーン・ペンは初めはわからなかった。この映画を見ると「SWAT」のオリヴィエ・マルティネスますますもったいなかったな、と思う。


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第三の男 (1949/英)

2005年02月23日 | 映画感想た行
THE THIRD MAN
監督: キャロル・リード
出演: ジョセフ・コットン オーソン・ウェルズ アリダ・ヴァリ

 いわずと知れた名作なので、何回見てるのさ、と思いつつも放送があれば絶対見てしまう。
 今回見てまたまた画面の美しさ、ウィーンの夜の建物の光、石の街路の輝きにうっとり。昼間の影の使い方もすごいと思うが、夜のシーンが印象的なので昼の光の異質間がすごく生きてるんじゃないかな。
 終盤の待ち伏せシーンでの人間が現れる前の建物の光がすごく好き。
 それに下水道に響く何種類もの言語。これはおそらく聞き分けられる人が聞いたら、ヨーロッパの人はおそらくみんなある程度の言葉の聞き分けができるのだろうから、私が感じるよりももっと強烈に追い詰められたと感じることが出来るのだろう。
 暗示の使い方も、もう陳腐化してしまったような時代にはなったけど、やはりうまいと思う。

 ちょっと前までは、ジョゼフ・コットンがラストシーンでかっこよくないと思ってたんだけど、今は、半ば予期していた結末に、逃げずに敢えて直面しようとする彼はやはりreal manだと思う。傍目にはどうあれ、彼は彼自身の基準で行動を選んでいくのだから。

 23日の夜はBS2で「追跡 第三の男」というこの名画誕生の背景の紹介番組がある。猫ちゃん名演の工夫や、撮影のアイデアの誕生秘話などがあるそうだが、私としては、アリダ・ヴァリの部屋のでっかい陶製ストーブについてもどうなってるのか知りたいけど、そこまでは無理だろうか。

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EAST MEETS WEST(1995/日)

2005年02月22日 | 映画感想あ行
監督:岡本喜八
出演: 真田広之 竹中直人

 咸臨丸に乗り込んでいた通辞見習(実は暗殺者)がアメリカ到着後、銀行強盗にあい、その時に殺された男の子どもと強盗を追い、敵討ちに付き合う。そしてやはり咸臨丸に乗っていた忍者がそれを追う。

 監督の訃報を聞いてしんみりと見ました。
 アイデアはいいじゃない!と思うんだけど。せっかくあれだけの素材を使って、ちょっと間延びして見えるのが残念。真田広之ならもっともっとクールなアクションが出来たんじゃないか、脳みそに焼きつくようなクールな絵が!とか惜しんでしまう映画だった。岡本監督の代表作の弾むようなリズム感というか、軽やかさを感じるセンスって言うのは並大抵ではない。時代の感覚の先端をはずさない、それでいて鋭さと錆びないセンスにしびれる監督だった。
 「大誘拐」も、私にはそれ以前の物に比べてとろく感じる部分もあったし、私がもう少し円熟すれば(するのか?)もっとこういう作品をわかるようになるだろうか?
 それでも異文化接触を描くなら、私は「ラストサムライ」よりは、こちらの軽快さのほうが個人的には好み。

 岡本喜八監督をはじめてみたのは「殺人狂時代」
 都筑道夫の原作が好きだったので、ついこの間閉館したばかりの旧作館の監督特集で見た。「殺人狂」から見始めた私は幸運だった。
 商業的大作もいいけれど、私にはこういう、いわば中小作品の持つきらめきに魅了された。
 
 岡本監督、本当にありがとうございました。

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ぜんぜん大丈夫でない「だいじょうぶマイ・フレンド」

2005年02月21日 | 日記・雑記
 私は、たいがいの映画に耐性がついていると思うのですが、この「だいじょうぶマイ・フレンド」という映画はかなり長時間効きました。
 関係者の皆さんは、封印してなかったことにしようと思ったりしなかったのかな。
 音楽部分だけ活かして再編集するとどうでしょう?

 このあとでまた、アニメ「ガングレイブ」(あんまり感心しなかった)を見て、「恐怖の報酬」を見て夜中の3時に寝ました。
 寝不足のせいもあるでしょうが、何かに憑かれちゃったような気分の一日でした。
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荒野のマニト(2001/独)

2005年02月20日 | 映画感想か行
DER SCHUH DES MANITU
監督: ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ
出演: ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ クリスチャン・トラミッツ スキー・デュ・モン マリー・ボイマー

 アパッチ族の掟で、命を助けられた白人のレインジャーと血の義兄弟となったアパッチ族の15代目酋長アバハチ。二人は詐欺師のサンタ・マリアに金を騙し取られた挙句に、殺人の濡れ衣を着せられ、ショショーニ族からも追われ、荒野を先祖から伝わるお宝を求めて走り回ることになる。

 ドイツではドイツ映画史上最高の興行成績を記録する大ヒットとなったスラップスティック・ウエスタン・コメディ。これが、とびっくり。一部で熱狂的に大うけとか言うのならわかるけど、このどこかで見た映像が次々に出てくる、時々出てくる歌とダンスも、まあ、そこそこじゃありませんか、というこの映画がそこまでヒットとは… ドイツの人というのも測りがたいですねえ。
 ドイツ語に関してはさっぱりで、言葉は字幕を頼る以外にまったくわからないけど、例えば「クイーン・コング」みたいに日本人向けにギャグの書き換えなんてあるのでしょうか?ちょっとお下品なのはいっぱいありますが、モトネタへの悪意が感じられるパロディはないのでいいのかな。くすっという笑いと、「はあ…」という困り笑いが続きます。新味は特に感じられないけど、役者さんはしっかりしてるし、テンポよく進み、それなりに笑えるコメディ。

 これだけで、やめときゃよかったんですが、見てしまいました。

だいじょうぶマイ・フレンド(1983/日)
監督: 村上龍
出演: ピーター・フォンダ 広田玲央名 渡辺裕之 根津甚八

 これについてはコメントは出来ません。
 ピーター・フォンダも良くやりましたね。
 若い時代の役者さんを見てみたいという目的なら、内容は別として見てもいいかも。

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ボーン・アイデンティティー (2002/米)

2005年02月19日 | 映画感想は行
THE BOURNE IDENTITY
監督: ダグ・リーマン
出演: マット・デイモン フランカ・ポテンテ クリス・クーパー クライヴ・オーウェン ブライアン・コックス

 嵐の夜、イタリアの漁船が地中海上で漂う傷ついた意識不明の若い男を発見する。彼は、一切の記憶を失っていた。船から下りて、スイスへ向かった彼は、自分が常人には不似合いな戦闘力や注意力を持っていることに気付く。

 今回のDVDレンタルのDISCASの配送は、2枚とも重い内容のDVDとセットで来るといいなあ、と思って「21グラム」と「ミスティック・リバー」にくっつけておいたもの。一つがこれで、公開中の「ボーン・スプレマシー」の後で見直そうかな、と思ってたのに…もう一つはドイツ製のお笑い西部劇「荒野のマニト」
 おまけで見ようと思ったのが2つ揃ってくるなんて、なんかちょっと、うう~

 それはともかく、これは結構出来のいい火の粉振り払い型アクションだと思う。
 ヒッチコックの「北北西…」との違いは、巻き込まれたわけじゃなくて、主人公にその原因がしっかり存在してること。主人公にはなぜ襲われるのか訳わからない、でも、自分がとても普通人とも思えないことが出来て、「私は何だ?」の疑いがどうしても怪しい方向に向いてしまう。
 身体で覚えてることって、そんなに反射的にできちゃうのかな?とか、これだけ強烈に工作員教育叩き込まれてるのに、人殺しを厭う心は、そんなに強く残ってたのかな?とか、いろいろ疑問もあるけど、よくまとまってます。
 マット・デイモンが特に飛びぬけた美男でも、その独特さを強烈にアピールするタイプの役者でなく、この映画ではきりっとして見えるけど基本的に好感持てそうなお兄さん風なのも、本当はスパイだったというキャラクターに生きてるのかも。マット・デイモン見てて「役者だなあ」と思う。(これ褒め言葉として使ってます)
 ヒロインが危険を感じてからも彼に同行したり、好きになる動機にはちょっと弱さ感じちゃうけど、まあいいや。

 ただ、この映画は私、主人公より次々あらわれる刺客の面々がかっこいいと思うんですが。
 クライヴ・オーウェンなんか、アーサー王よりずっと良かったように思います。
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性的に不純なジャガイモ

2005年02月18日 | 日記・雑記
エキサイトのコネタで、こんなのを見つけた。
裁判にかけられたジャガイモ!
http://www.excite.co.jp/News/bit/00091108452692.html

何と、ジャガイモはヨーロッパで公式の裁判にかけられ火刑の判決まで受けたことがあるのである(!)。

野菜が裁判って……と今では笑ってしまうような話だが、ヨーロッパでは600年頃から18世紀頃まで害虫獣を宗教裁判にかけて断罪していたという記録があるそうだ。この裁判は全ての生物に注がれる神の慈愛を受ける資格がないとして破門の処置をとるという意味で行なわれていたようである。では、ジャガイモの一体どこがいけなかったのか。

これまたびっくりのとんでもない理由だが、ジャガイモが雌雄同体で正常な受粉によってできる種子から成長するのではなく、塊根からの発芽によって増えるのは性的に不純だというのがその理由。


 中世暗黒時代とはよく言いますが、今の目で見ると笑っちゃうけど、これと同じレベルで魔女裁判と人の処刑が行われておりましたので、人間て、いつでもあんまり自分の正当性に確信持たずに、多少の保留を持ってた方がいいみたいですね。
 それで、火刑にされたジャガイモはどうなったのでしょう?おいしそうにこんがり?黒焦げで埋葬?跡形もなく炭?
 性的に不純というのがすごいですね。
 興味あるのは、同じ花でも受粉できる植物と同じ株でも花に雌雄のあるもの、雌雄異株のものでは、どれが一番性的に純粋なのでしょう?ちょっと知りたい。

 今日は、朝8時から外回りで、銀行へも行って来た。
 M信託銀行の応対の方は、なんだか朝からお疲れ顔でマスカラのトップコートが白く浮いていた。私は今日は簡単な届けだけだったので、戦闘モードメイクではなく、すっぴんに近かった。やっぱり化粧って、一種アーマーです。お互いがんばりましょう、という気分で帰って来ました。

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本の売り方

2005年02月17日 | 
「ネバーランド」の原作、でなくストーリーの元になった本を読んだ。書店の映画コーナーに置いてあった。
「ロスト・ボーイズ―J.M.バリとピーター・パン誕生の物語」アンドリュー・バーキン著
 想像以上にシビアで痛い話だった。バリと、デイヴィス一家の交流が舞台になり、映画になったわけだが、「ネバーランド」(ほかの名前も持っている)が現実と空想の出会う、人間の内容を豊かにもし、また逃避の場所ともなり得るところであるということをつくづくと思わされる本だった。映画では割愛されたナニーが重要なキーパーソンだったり、何より、ヴィクトリア時代のイギリス社会というのがこの話の根っこを押さえているようだ。富んでいて華やかで偽善的。
 バリが貴族階級出身でないというのもかなり周囲の受け取り方が変わっているようだ。古い映画で同じくバリ原作の「男性と女性」を見たときに、その階級の厳しい描き方にちょっと驚いた。「ゴスフォード・パーク」の時代でもあの状況だし、やはり今の私たちの感覚で捉えられないものがある。
 それは別として、「ネバーランド」はスイートだけど、抑制が効いた雰囲気がとても良かった。その中でジョニー・デップの存在感、ケイト・ウィンスレッドの美しさは素晴らしい。声高な映画ばっかりでなく、こういう映画もきちんと評価されると嬉しいなあ。

 最近は、文学系新人賞受賞者に高校生続出。楽しみではあるけど、ちょっと最近の本の売り出し方というのは私にはさびしいものがある。
「インストール」はハードカバー本なのに、20分かからず読み終わった。ちなみに速読法は知りません。なんか呆然とした。
 少し前だったら、この程度のものは2,3篇で、中短編集で本を出していたのではないか。綿矢りさという人は、好きなタイプじゃないけど、独自スタイルを持ってるんだから、そっちのほうが彼女の持つ資質を印象付けられると思うんだが、この出版の仕方は普段読まない人を取り込もうという狙いなのだろうか。でも、この方法が、本当に作家を育てることになるのか、私にはわからない。
「セカチュー」も短かったけど、これは話の長短以前に文体が駄目だった。
 センテンスが短くて、「…だった。」の繰り返し。
 そのうちに頭の中で「だった。」「だった。」だった、だった、だった…と響いてやりきれなくなった。これはあくまで好みの問題です。
 なんか叫びたくなって、内田百間(この字は本当は門の中に月)読みました。
 
 私も若くないみたいです。

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アレキサンダー(2004/米)

2005年02月16日 | 映画感想あ行
ALEXANDER
監督: オリヴァー・ストーン
出演: コリン・ファレル アンジェリーナ・ジョリー ヴァル・キルマー アンソニー・ホプキンス
 
 新興著しいマケドニアのフィリッポス王の嫡子アレキサンダーは、父と母オリンピアスのいがみ合いの中で育ち、その世継ぎとしての地位も確たるものではない。彼は同年輩の仲間との交流に慰めを見出していたが、20歳になった時に父が暗殺され、彼は国王となった。そしてペルシアを破り東征を続け、大帝国の王となる。

 音楽良かったです。
 映画全体のムードも、ちょっと前までの大作歴史ドラマの雰囲気で、そこそこ風格があって、戦闘シーンも大迫力だし、絵を意識して作ってあったみたいで、例えば、象と向き合うシーンを筆頭に、なかなか考えさせる絵が多かった。これで、私がコリン・ファレルが適役だと思えてさえいたら、かなり満足出来たと思う。

 やっぱりコリン・ファレルが「らしくない」

 そもそもが、絵を見てうっとりとか、はっとするとか、鳥肌立つとか、映画の世界に没入して見ていたのでなくて、考えてばっかりいたので、あまりほかの人にお薦めは出来ません。
 説明不足が多いとおもった。ちょっと前までギリシアだけど「バルバロイ」だったマケドニアの位置も、フィリッポスの偉大さも、ましてや以後300年のヘレニズム世界を生んだアレキサンダーという青年が歴史に果たした役割も見えてこない。部下に2度も暗殺されかけて、なおも兵をまとめて東征を続けられたアレキサンダーの力とカリスマ性も見えてこない。それに現地の方法を取り入れて征服地を馴化しようとした政治家としての力までも印象が薄い。あのダンスじゃ納得できない。
 オリバー・ストーン監督だから当然かもしれないけど、やたら戦いがスプラッタで虚しく見える。それにアレキサンダーの理想も最初から空虚に響くし〈私だけかな?)
 同性愛は、当時としては当然なんだから、そこは当然で押し切っちゃえばいいのに。
 アレキサンダーが魅入られたものを描くのだったら、少年時代でもっときっちり、見るものにわからせるべきではないのか?

 私個人の話だけれど、一応字幕見ながら英語も聞いてるんだが<字幕無しでは全部はわからない)、今回は人名が字幕表示はギリシア読み〈英語読みと混在)が多くて、聞こえるのは英語読み。慣れるまで必死。「トレミー」は特に天動説が連想されてしまうから、あの神話との絡め方ではその点でももやもやして。いやもちろん、プトレマイオス王朝創始者に名前のイチャモン付けてもしょうがないけどさ。
 しかし、プトレマイオスが語り手とは。
 あのアレキサンドリアの大図書館はヘレニズム時代の知の集積の象徴のようなものであった。プトレマイオス王朝の最後の女王クレオパトラの時代にカエサルに破壊され、4世紀にキリスト教によって焼き尽くされた。それこそが、ヘレニズム時代の本当の終焉とも言えるのかもしれない。

 だからね、ほんともっと「らしく見える」主役だったら…

 損したとまでは思わなかったけど、なんか他にやりようは無かったのか?セットやら戦闘シーンにこれだけの物を作っておいてと思った残念な映画。
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キー・ラーゴ (1948/米)

2005年02月15日 | 映画感想か行
KEY LARGO
監督: ジョン・ヒューストン
出演: ハンフリー・ボガート ローレン・バコール クレア・トレヴァー エドワード・G・ロビンソン ライオネル・バリモア 

 大戦後、フロリダの突端にあるホテル・ラーゴに亡くなった戦友の家族訪ねた元少佐フランク。そこは戦友の足の悪い老父と未亡人とで経営していたが、たまたまその時ギャングたちの取引に占拠されていた。そこへ激しい暴風雨がやってくる。

 これ、元は舞台劇だったそうで、なるほど狭いところでほとんどが進行していきます。
 BS2アカデミー賞特集のひとつで、ギャングのボスの情婦を演じたクレア・トレヴァーの助演女優賞受賞作ですが、可能性と才能に光り輝いていた若い頃をしのばせる、盛りを過ぎて荒れた生活にやつれた美人役をきちんと演じているものの、それほど唸らされることもなくて、やはり「駅馬車」の彼女は素敵だった…なんて思いました。〈素人の感想ですから!)
 ボギーという人は、若いヒヨヒヨ時代が思い浮かばない人。それで実力はあるけどちょっとすねた役。「我々が命を賭けたのはこんな世界を作るためじゃない」という虚無を抱えてしまったけれど、やはり彼本来の善なる生き方を変えられないことを悟っていく。そういう下手にやったら気恥ずかしいような役を、特撮下手だアとか思いながら彼と、きっとジョン・ヒューストンのうまさで、引き込まれてドキドキして見てしまいます。ローレン・バコールもあっさりした衣装でいかにもそれらしくきれいですが、やはり、この映画ではライオネル・バリモアとエドワード・G・ロビンソンを見てキャッキャと喜んでいました。
 ライオネル・バリモアはホテル経営者で、その近辺の先住民にも信望がある、アメリカ民主主義のいいところの精神の象徴みたいなジイサン。でも足が悪くて動けない。でも負けてない。言いたいことは言う。
 エドワード・G・ロビンソンの迫力もまた素晴らしくて、人を人とも思わない、それだけに脅しの効かない自然に対して見せるあの怯えの演技とか、「深夜の告白」の腹の据わった男とまったく違った、大物そうだが肝の小さい男の演技うま~い!
 この映画は、この2人のウエストの大きいジイサン対決がとても楽しい映画でした。

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