虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ガス人間第1号 (1960/日)

2005年02月26日 | 映画感想か行
監督: 本多猪四郎
特技監督: 円谷英二
出演: 土屋嘉男 三橋達也 八千草薫 左卜全 佐多契子

 銀行での連続強盗殺人を捜査する岡本警部補は、容疑者として落ち目の日本舞踊の家元・藤千代を逮捕する。しかし彼女は無実で、自在に身体を気体化できる能力を持った男が真犯人だった。

 東宝変身人間シリーズ。これも怖いです。特撮で、ガス人間が風で拡散したらとか、事件を解決しようとする警察の対応なんかは「?」マークが飛び交うけど、ストーリーはまったく大人向けの深刻なメロドラマ。
 マッドサイエンティストの人体実験で身体をガス化する特殊能力を持った人間が、愛する舞踊家元のために銀行強盗で金を作り盛り立てようとする。それで、その舞踊家元も、事情を知り、彼の心に応えて悲しい決断をするというもの。
 ガス人間の土屋嘉男の世をすねた感じも名演。
 「マタンゴ」の方が怖さとおかしさ混在のギャップが大きくて、こちらは怖さとドラマの悲しさで、あまり古くておかしく思えるところは少ない。ガス人間製造マシンがオモチャっぽくて笑えるくらい。
 
 それに、なんと悲恋物語だったりもして、八千草薫さんがスレンダーでめちゃくちゃ美しい。これを見てNHKの「武蔵」で感じていた違和感が納得できる。やはり着物美人は幽玄なる柳腰でなくてはいけない。最近のタレントはナイスバディすぎて着物に身体ががおさまらない感じがする。

余談…この映画はキャバレーシーンが出てこないので、うちの高校生がとても残念がっていた。やたら昔のそういうシーンや昔のネオンサインが好きなヤツなので。でも、とても狭い国道を見て、ボンネットトラックや古い車を見て面白がっていた。