虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

幕末太陽傳 (1957/日)

2004年04月30日 | 映画感想は行
傑作

監督:川島雄三
出演:フランキー堺 南田洋子 左幸子

かなり昔に見て、いわゆる記憶に残りそうなシーンは
頭に残っていたが、今度も唸りっぱなし。
それに、見終わってなぜか井伏鱒二「厄除け詩集」の
 花発多風雨 ハナニアラシノタトヘモアルゾ
 人生足別離 サヨナラダケガジンセイダ
が浮かんできた。
さっきデータを調べるためにちょっと検索したら
これは川島監督の口癖だったそうだ。
…なんか、できすぎ。

生の絶対的な肯定のようでありながら
虚無と死の影のちらつくコメディ。
遊郭という、嘘が真実の場が舞台。
ねじれあった嘘と誠の最後に
なぜか書割のように見える風景に消えていくフランキー境。

私は石原裕次郎という俳優にあまり魅力を感じないのだ。
この映画を前に見た時も小林旭の軽さが良かった。
どの映画を見ても裕次郎はみんな話す調子が同じに聞こえる。
この先入観がなければ、もっと面白かったに違いない。

ミニスカートはけますか

2004年04月30日 | 日記・雑記
毎日コスメ、サプリ関連のメルマガどっさり来ます。
いつもメールのタイトル選んで三分の一くらい読んでます。
それなりに楽しみにしてます。

化粧品、サプリでネット通販買いは月に4桁
本のネット販売代金は、4月は辞書を新しく買ったので
あんまり見たくない金額になってるだろうなあ…

そもそも食事制限持ちの私には、ダイエットはあんまり関係ないしね~
でも、「そのままの足でミニスカートはけますか?」
なんてタイトルのが来ると、ドキッとします。
それ、もう気にしても遅い、とか思ってはいても
本当に効果あるのか?なんて。
足冷えるし、ミニがはきたいわけでもないが…でもミニが似合う足夢だな。
でも一晩でほっそりなんて薬、怖い。

真珠の耳飾の少女(2003/英・ルクセンブルグ)

2004年04月28日 | 映画感想さ行
夜、見てきました。ともかく美しい映画。

17世紀オランダのデルフト。天才画家フェルメールの家に使用人としてやってきた少女グリートは、下働きだったが、モデルとなる。主人と使用人としての関係ながら、お互いを意識する二人…

光の画家、フェルメールの絵が題材ということもあるのだろう、
とても美しい絵だった。
ヨーロッパの家屋の中の暗さに、さし込む日差しが浮かび上がる。
街の歩道の色、頭巾の繊維の色、顔料の色とりどりの、でも浮かない鮮やかさ。
一枚の絵からよくこれだけの物語を紡ぎだしたものである。
確かにそれだけの魔力を持った絵であると思う。私には一番魅力的に見える彼女のその唇からこぼれる言葉はどんなものなのだろう?

運命に許されていない人に、魂が響きあってしまった二人のその幸福と不幸。それは一体のものでもある。
そして自分の入れない世界を持った二人に気づいてしまう3世代の母と娘。グリートとの、またそれぞれの間の葛藤の緊張感も凄まじい。
フェルメールのパトロンの蛮行も、彼がその世界を感知するだけのアンテナを持ってしまった故なのではないかとも思わせる。

スカーレット・ヨハンソン、押し殺した激しさと危うさを確かに演じていると思う。
「ロスト・イン・トランスレーション」見たいなあ!!!

GIRL WITH A PEARL EARRING
監督:ピーター・ウェーバー
出演:スカーレット・ヨハンソン、コリン・ファース
movie diary

ドン・キホーテ (1933/仏)

2004年04月27日 | 映画感想た行
 世紀の歌手、シャリアピンが出てるから、という価値の映画かしらと思ったのだが、なかなかどうして、シャリアピンというのは堂々たる役者であった。
 姿が決まる。本当に。表情も豊か。
 その上に、古い映画でテレビ放送というあまりいい条件でないのに、声はさすがに堂々たるもの。(映画見るときはさすがにステレオ音源でスピーカー3個通してテレビ見てます)水源の量が豊かで、懇々と湧き出す泉って感じです。だから張り上げない声でも響き渡る。
 映画としても悪くない出来で、永遠を求めてしまう人間のおろかさと崇高さもそれなりにでていたと思う。コスプレシーンが華やかで素敵だった。

DON QUICHOTTE 
監督: G・W・パプスト
出演: フョードル・シャリアピン ドルヴィル
昼のBS放送。DVD1本見て、ものはついでだ、と見てしまった。 

鯨とり(1984/韓国)

2004年04月27日 | 映画感想か行
ビデオ屋さんで見つけて、いそいそ再見。

記憶通り、気持ちのいい映画だった。
ちょっと泥臭くて、情けなくて
日本のふる~~~い青春ドラマのような味わいもあって
主人公がのびた君みたいで
でも最後の爽やかさは前に見たときと変わらない!

音楽が声に迫力のある
ご当地的ロックという感じで、それは今回再認識させられた。
売春宿主人、ここではアブラギッシュな悪役なんですが、
最後になかなかびしっと決めてくれて、こんな甘いわけはないっ、
と思っても、こういう映画はこれでなくてはね!

ワイルド・ワイルド・ウェスト (1999/米)

2004年04月26日 | 映画感想わ行
これもつい借りてしまいました、というDVD。

監督:ハリー・ソネンフェルド
出演:ウィル・スミス ケビン・クライン ケネス・ブラナー サルマ・ハエック

 やっぱり何度見ても、役者が惜しい!と思ってしまう。
 荒唐無稽な面白さを狙って、大道具とか、そこそこには面白いけど、同じ監督の「MIB」のほうが成功してるよね。
 惜しいのは、ウィル・スミスとケビン・クラインの掛け合い。もっと盛り上がりそうなのに。それにせっかくケネス・ブラナーを悪役に使ったんだからもっとハジケそうなのに。この際、彼の大得意のシェイクスピアで全部セリフ行っちゃうとか。彼ならそのくらいのストックはありそう。
 それに、もっとばっちり決まった絵があればねえ!(文句ばっかりだな… いえほんと、そこそこは面白かったんだけど)
 サルマ・ハエックはやはり添え物の花ですね。

尻啖え孫市 (1969/日)

2004年04月25日 | 映画感想さ行
中村賀津雄と勝新を追いかけていてみた映画

監督:三隅研次
出演:中村錦之介 中村賀津雄 勝新太郎 志村喬 栗原小巻

適度に原作を忘れているので、とっても楽しんで見られた。

最近のゲームでは本名(確か)の鈴木重秀で登場していますか?
戦国の快男児ストーリー。
本の方は、戦国時代の一向宗とか宗教の持っていた社会的な力がよ~くわかって、とても日本史の勉強にお役立ちだった。
それに、司馬遼太郎の本の快男児は目の前に現われたら、クラッと来そうな、本当に豪快に快男児なんですものねえ!

中村賀津雄が思った以上に良かった。錦之介とは兄弟だから、さすがに顔が似ているところがちょっと邪魔ではあるけれど、風采の上がらない、でも実力者で、信長への忠誠と孫市への友情を見事に併せ持たせて、唸った。こっちのほうが「天平の甍」より素敵。

映画としても、雑賀衆の銃の見せ場もあるし、ビデオでも色きれいだったし、アップが多い印象はあるけど、こういうの好き。
栗原小巻さん、マドンナができる女優さんだったんですね。勝新が思ったよりしっくりこなかった。

仏教のでてくる映画

2004年04月24日 | 映画の話題
禅のお坊さんではあるが、普通の会社で働いている方とのお話。

仏教の出てくる洋画についてお話したのでちょっとご紹介。
・リトル・ブッダ
 セクシャルな表現が目についた。終わりがはっきりしたキリスト教的な直線的運命論でなく、西洋人が好きなリーインカーネーション(転生)の「円的」世界観のお話。でもそんなもの絶対に信じてないといわんばかりの情緒的なラスト。
 確かに英語訳のお経はわかりやすい。

・さらば冬のかもめ
 途中でなぜか仏教集会がでてくる。なんだか訳わからない現実逃避、思考停止の象徴としての位置付けのよう。

・セブン・イヤーズ・イン・チベット
 実話だそうだが、ありがちな「イースト・ミーツ・ウェスト」もの(西洋の優れた文明をもって後進国教化しようとするが、逆に後進国の精神性に教えられる)の構成が見て取れる。悪い映画ではないが。

・永平寺
 フランスのドキュメンタリ。もろに西洋人の見た仏教。仏映画特有の音の無い間と常に宇宙を思いながら激しい肉体いじめで精神の浄化を図る…みたいな。不思議にリーフェンシュタールの「民族の祭典」的な演出も見られる。

面白かったです。
「永平寺」見たい!
「さらば冬のかもめ」これはジャック・ニコルソンが珍しくいいヤツ、って感じで好きな映画です。ラストがちょっと切なくてジンときました。見たくなりました。

 で、わたくしは「MONZEN」見てね、と言っちゃいました。感想が楽しみ。あ、それと大映の「釈迦」はやはり迷作との評価でした。

誰もがキャパではないけれど

2004年04月23日 | 日記・雑記
代わりに見てきてくれる人がいるから、私たちはああいう地で何が起こっているかを知ることができる。
カメラマンも、ジャーナリストも
みんな自分自身に見えるものを見て、
言葉や写真で現実を切り取ってくる。
人に見えるものは、人によって違う。

今回のことも、危地に飛び込んだことを非難して
それで総括されるものではない。

イラク人質事件では
まだ開放された三人追いかけてる人がいるんですね。
そんなことしてるよりも、
日本は本来どうすべきなのか考えてくれませんか?

彼らを軽率だって、責めてすむ問題だけじゃないでしょう。
まったく非難できない人が、人質にされたらどうするか、
それをこそ考えなくちゃいけないのに~!

ディボース・ショウ (2003/米)

2004年04月23日 | 映画感想た行
見て来ました。
Intolerable Cruelty   
監督:ジョエル・コーエン
出演:ジョージ・クルーニー キャサリン・ゼタ=ジョーンズ

 離婚訴訟にかけてはロサンゼルス一のやり手弁護士・マイルズ・マッシー。浮気の証拠をつかまれた妻に財産分与せず離婚したいというある富豪の事件を受ける。マイルズはその訴訟に勝つが、手強い相手であるマリリンに、惹きつけられる。
 その次に出会ったとき、彼女は次の夫候補と一緒だった。

 今日の昼は、時間が合って見られたのはこれだけだった。
 でもエンディングにはすっかり顔がほころんでしまった。かる~い、ちょこっと皮肉の利いたコメディ。
 キャストの勝利。ジョージ・クルーニーのいかにも金持ちのカスリを取って生きる弁護士もピタリだし、何より美しくゴージャスな、彼女なら何でもやっちゃいそう、と思わせるキャサゼタお姉さまの存在感がどんぴしゃで、後姿だけできゃ~~、拍手喝采。
 手強い相手との丁々発止がいつしか… 
 サイモン&ガーファンクルの使い方も、オープニングから にた~!