虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

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災難は忘れていなくても来ます

2008年03月29日 | 日記・雑記
「ガタが来るときはいっぺんに来る」
「機械モノが壊れるときはいっぺんに」
など、困ったことは団結してやってくるらしいですが、
最近私のPCの不調で、作業するPCの引っ越しをぼちぼちと
ネットは切断してしていました。
それでもって、インターネットはこたつの上に置いてあるノートで、
と思っていたら、これがワイヤレスネットワークがいつも不調。

で、映画で不覚にも酔ってしまった私は
非日常な歌舞音曲や映像はないとやっぱり生きていけないので
目をそれほど使わない安いコンサート通いをしていたのですが
20日の春分の日に嵐の中をクラシックのオペラアリア・ソロがメインのコンサートに出掛けて、
ホールの階段で転び、とっさに手をついたら
肩がいかれて右手が痛くてキーが打てない状態に陥ってしまいました。
お墓参りを先送りしたので、バチがあたったのでしょうか。
うちにはバチを当てるような姑息な先祖はいませんが、やはり先送りでなく、前倒しのほうがよかったのでしょうか。
コンサートは転んだのが帰りで、聞くのに実害なく、舞台装置は貧弱だったけど、華やかなお姫様ドレスの女性皆様のアリアは幸せでした。
男性歌手は、どうしてもオペラでないとタキシードのみなのであまり眼福とまではいかないのが残念です。

まだ30人分の肩こりを背負ったような感じです。
今使用中の最新のPCは高性能ですが、共用で夜は争奪戦ですので、あまり貼り付けず、オークションの買い物は減りそう。

この間に見た映画で、書いておきたいのは
「グッドナイト、グッドラック」
ジョージ・クルーニーは、こういうのを作りたいがために大作娯楽作に出ているのでしょうか。
「ホテル・ルワンダ」
内容がきついのにちゃんとエンターテインメントしていました。でも気が重い映画でした。

ウェイトレス ~おいしい人生のつくりかた(2006/アメリカ)

2008年03月29日 | 映画感想あ行
WAITRESS
監督: エイドリアン・シェリー
出演: ケリー・ラッセル   ジェンナ
   ネイサン・フィリオン    ポマター先生
   シェリル・ハインズ    ベッキー
   エイドリアン・シェリー   ドーン
   ジェレミー・シスト   アール
   アンディ・グリフィス   オールド・ジョー

 アメリカ南部の片田舎、小さなダイナーのウェイトレス、ジェンナは支配欲の強い夫との苦しい生活を送っていた。彼女の慰めは母から受け継いだその時々の気持ちでパイを創作すること。彼女がようやく家出を決意した矢先、予想外の妊娠が発覚する。

 見終わってさわやか、素敵な映画でした。
 こういうのを見ると、アメリカの男尊女卑とか、マッチョ信仰伝統の根深さを感じてしまうのは深読みだけでもないと思います。
 きっと、このクソ男の御亭主は家庭は自分の王国だと思ってるのね。まあ、歴史の本読んでるとアメリカの女性は20世紀にはいっても参政権はおろか自分の財産を管理する権利、自分自身の収入を自分で使う権利も夫のものだったというのですから、アメリカのフェミニズムが過激に陥った時期があるのも無理ないか、と思うのですが、まだその感覚を自分の暴力とかで実現しちゃう男も生き残っているのも、さもありなん…いや、世界中にいるか。
 この夫がほんとにいやな男なんで、ジェンナのハッピーエンドがすごく嬉しいものになります。
 ジェンナの見つけた幸せが、どういうものであったか。このラストがうれしいのは、やはりフェミニズムが当たり前な現在のわたしだからでしょうか。

 ジェンナとその同僚の3人の女性キャラは、すべてに「どれも私」な身近さがあります…身近な不幸せとでもいいましょうか。それに登場する男性キャラがそれぞれ典型で良いです。くそったれ亭主も、優しくてちょっと頼りない先生も、人生の終わりを前に自分の偏屈を押し通す素晴らしいジョー爺さんも、ダイナーの主人も。
 ジョー役のアンディ・グリフィスは、「サルベージワン」の主役の硬骨おじさんだったのですね。なかなかいい歳とってます。
 色彩感と音楽がことに、ラストの明るい色のコスチュームやパイのフィリングの色や重量感が私の感覚にびしびし訴えるものがありました。「恋とはどんなものかしら」があのシーンで流れるのですから、ジェンナのアールとの結婚前の交際自体もそれほどの経験ではなかったのでしょうね。監督・ドーン役のエイドリアン・シェリー早逝は実に残念でした。

ホリデイ(2006/アメリカ)

2008年03月19日 | 映画感想は行
THE HOLIDAY
監督: ナンシー・マイヤーズ
出演: キャメロン・ディアス アマンダ
   ケイト・ウィンスレット アイリス
   ジュード・ロウ グラハム
    ジャック・ブラック マイルズ

 ロンドンのアイリスは、振られた恋人の婚約発表を目の前で見せられ、ロサンジェルスで映画の予告編製作会社を経営するアマンダは、相手の浮気が原因で同棲中の恋人とケンカ別れ。傷心の2人は、インターネットを介してクリスマスの休暇に“ホーム・エクスチェンジ”することにした。それは、お互いの家や車を自由に使えるというもの。休暇中にアイリスはアマンダの仕事仲間マイルズと、一方のアマンダはアイリスの兄グラハムと出会い、そして恋に落ちるのだが…。

 マイヤーズ監督の映画って、なんとなく私の感覚とはずれてるみたいです。「恋愛適齢期」のダイアン・キートンもそうだったけど、あの年齢なりのナチュラルでさりげない魅力よりも、年配女性なら「どうだ!」と圧倒するような輝きが好きなんです。
 見ていて、ちょっとお疲れのキャリア女性向にソツのないコメディだなあ、と思います。
 アイリスがムシのいい二股男をたたき出すシーンではスカッとします。アマンダがタクシーから降りて駆けるシーンではロマコメ王道の楽しみを堪能できます。
 とはいえ、私は「ああ、よかったわね~」といささか醒めた目で見ておりました。

 それにしても、クズ男を人生から蹴飛ばすために出かけた先に王子様がいてよかったわね~
 ジュード・ロウみたいにどっから見ても何していても様になる男なんてそうはいないものね。
 声をかけたじいさんがまれに見る出来物なんてこともそうそうないし・・・「君は主役なのに、脇役をしてる」なんて誰にも言ってもらったことないぞ。いや、自分でそう思ってるから誰が言ってくれなくてもいいんですけど。
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ロケットマン!(2006/タイ)

2008年03月11日 | 映画感想ら行
DYNAMITE WARRIOR
監督: チャルーム・ウォンピム
出演: ダン・チューポン    ロケットマン(スー・シアン)
   パンナー・リットグライ    ナイホイ・ダム(黒鬼)
   プティポン・シーワット    ウェン閣下
   カンヤパック・スワンクート    サオ

 敵を蹴散らす主人公が、両親の仇を探して国中を放浪しながら数々の困難を乗り越え大願を果たすために奔走する姿を描く。1920年代のタイの農耕地帯。僧として修行中だったシアンは牛泥棒に両親を殺され、還俗し、無数のロケット弾を操り仇を探して放浪の旅を続ける。ついに仇の居場所を突き止めたが、その男ナイホイ・シンは妖術使いだった・・・

『七人のマッハ!』のダン・チューボン主演で、悪役でアクション・スーパーバイザー、リットグライも出演。
 もちろん、ムエタイ・アクション見たくて見たんですが、前半ちょっと我慢の部分もございました。設定がちょっと時代劇で、今まででも一番荒唐無稽っぽいし、主人公が相変わらずまじめな朴念仁キャラで朴訥を絵に描いたようなラブシーンやってるし、悪役がなぜか3枚目兼でコメディしてるし…
 わざと泥臭くしてるのかな?オープニングの旧式ロケット飛ばしたり、ロケットに乗ったり「今度は特撮もございます」なところにノリそびれてしまいました。
 とはいえ、後半クライマックスまでのタイ式の痛さ全開アクションの迫力はうれしいですねえ。

 タイのアクション映画は洗練未満の、そこが魅力です。

さらば、ベルリン(2006/アメリカ)

2008年03月10日 | 映画感想さ行
THE GOOD GERMAN
監督: スティーヴン・ソダーバーグ
出演: ジョージ・クルーニー    ジェイク・ゲイスメール
   ケイト・ブランシェット    レーナ・ブラント
   トビー・マグワイア    タリー
   ボー・ブリッジス    ミュラー大佐

 1945年、ベルリン。ポツダム会談の取材のため、ベルリンにやって来たアメリカ人ジャーナリスト、ジェイク・ゲイスメールは、戦前ベルリン駐在期間があり、その時、人妻のレーナと不倫関係にあった。2人は再会を果たすが、レーナは、ジェイクの運転手の米軍兵士、タリーの情人となっていた。そしてタリーがソ連領で死体で発見された。

 この映画を見ていて前半で感じるなんか紙芝居みたいな感じが、なんだかしっくりきません。とは言っても最近、あまり自分の感覚に自信が持てなくなっていますが、「カサブランカ」へのオマージュ映画だそうですが、ほかのいろんな戦争恋愛映画のパロディを見ているようでもあります。
 とはいえ、嫌いではないのです。
  
 このところ、たまたま夏目漱石の「私の個人主義」を読んでいまして、その中の「国家の道徳より、個人の道徳の規準のほうがずっと重い」という一節もありまして、まあ、こういうところかな…とも思います。その点を言うなら、パロディであっても、元の作品にないものがあります。 
 蛇足な点ながら、ケイト・ブランシェットは白黒だともっときれいかなと思いましたのに。
 トビー・マグワイアのつるんとした感じは無法地帯となった戦後のベルリンで物資横流しに手を染める、若くて馬鹿な兵隊が思いのほか似合ってました。

ボルベール<帰郷>(2006/スペイン)

2008年03月06日 | 映画感想は行
VOLVER
監督: ペドロ・アルモドバル
出演: ペネロペ・クルス    ライムンダ
    カルメン・マウラ    イレーネ
   ロラ・ドゥエニャス    ソーレ
   ブランカ・ポルティージョ   アグスティナ
   ヨアンナ・コボ    パウラ

 ライムンダは失業中の夫と15歳の一人娘パウラを養うため、働きつづけている。彼女には、10代の頃、確執のあった母と父が一緒に火事で亡くなってしまうという苦い過去があった。ある日、夫がパウラに関係を迫り、抵抗したパウラに刺し殺されてしまう。ライムンダは夫の死体を処理し事件の隠蔽を図る。そこへ故郷ラ・マンチャに住む伯母の急死の報せが。ライムンダの姉ソーレが葬儀へ駆けつけたところ、彼女はそこで死んだはずの母イレーネの姿を見掛けたという噂を耳にする。

 ちょっと溝口や成瀬を見てるような気になる映画でした。もちろん色彩感はまるで違います。オープニングのお墓のシーンは、お彼岸の乾燥・極色彩版です。でも、男に振り回されて不幸になる女たちのお話なのに、その男たちの存在感の薄いこと、薄いこと。美しく、たくましく、時にもろい女性たちの背景からしか見えてきません。
 現在の殺人・過去の殺人・失踪・家庭内の性的虐待という重い事件がこの映画の展開の軸になっていますが、画面の色彩はあくまで華やかで、ペネロペ・クルスはいよいよ美しく、お話は淡々と進みます。
 おまけに、殺された男は(あくまで男です)殺されてもそれほど「ひどい」とは思えませんです。彼女たちの行為を肯定しそうになります。「トーク・トゥ・ハー」の時は主人公のヒロインに対する行為があんなに嫌だったのに。意思に反する性行為は嫌悪して、殺人につい共感してしまうというのは、なんたることぞや、と思いますが、実際そう思ってしまいます。私が主人公に感じるのは激しい憎しみとかどろどろとかよりも、もっと沈潜した痛みとにわたる傷です。母娘3代にわたるその傷を、パウラとライムンダの行動がいわば代償して晴らしているようで、そこに共感させられてしまいます。
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あの、夏の日 ~とんでろ じいちゃん~(1999/日本)

2008年03月02日 | 映画感想あ行
監督: 大林宣彦
出演: 小林桂樹  おじいちゃん
   厚木拓郎  ボケタ
   勝野雅奈恵  みかりさん
   宮崎あおい   玉ちゃん

“新・尾道三部作”の完結編。いつも“どうしてだろう”と考えているので<ボケタ>と呼ばれている5年生の少年・由太は、老人ボケといわれているおじいちゃん・賢司郎と夏休みを過ごすことになり、尾道へやってきた。その夏、由太はおじいちゃんと共に次々と不思議なことに遭遇する。

 いかにも大林監督らしいノスタルジックなムードに溢れた作品。でも全体的に画面が光の分量の多いのが新3部作らしい点なのでしょうか? 
 今までの作品はハイティーンから上の年齢に残してきたもののお話でしたが、ここではもっと下、思春期差し掛かりの時期なので、もっと純粋でナイーヴ。気骨のある年寄りと、まっすぐな眼を持つ男の子のコンビだったら、ある意味無敵です。私も、ラストには目許じわんときて、さわやかに見終わった次第です。

 とはいえ、時々「うわー、なんて、なんて文科省推薦みたいな映画なんだあ!」と思ったら、警察とかPTAとか、まるで小学校体育館で映写会しそうな肩書きがたくさんついてますのね!
 そこが悪いわけではないです。でも、それを感じるのが「監督饒舌だなあ」と思う部分で、なんかちょっと醒めちゃうような気分です。こんなひねくれていないで、素直に見ていればよいのですが・・・ いえ、家族そろって感動できるいい映画なんです、もちろん。

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 最近、どうも映画に突っ込みでなく、文句入れながら見てるかも、です。
 土曜の夜のNHK BS2の「ミスティック・リバー」を見ていて、ラスト近くでやりきれなくなり、つい「監督、マグナムもって出てこーい!」と喚いていました。なんでダーティー・ハリーをやったイーストウッドが、生きていくことの苦さが澱みたいに舌に残る映画をこんなにいっぱい作るんでしょうねえ…

 ちなみに、「とんでろじいちゃん」は原作本発注しました。