虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

少女小説的な

2007年04月30日 | 
 引越しで発掘した少女小説の古典をまとめて読んだことは4月18日の記事に書きましたが、様々ツッコミどころはあれど、やはり女の子に生きる力を与えてくれるものなのであります。
 主人公みんないわゆる良い子イメージではありませんし、
・周囲との違和感を抱いている。(これはだれしもそうです)
・愛される良い子にはなりたいものの、しかし期待される少女像と自分がなりたい人物イメージがずれている。
・女は庇護され、裏方で尽くすだけの存在ではなく、個人の才能や興味を伸ばしたっていいじゃないか!
・でもやっぱり自分本来の姿を認めて愛して欲しい。

 多かれ少なかれ、少女小説はこういった叫びを代弁してくれてる部分があります。
 それで、これもまた今回の引越しで出てきて読んでおりましたのですが、
「堤中納言物語」のなかの

「虫愛ずる姫君」

 美人なのに化粧もせずに、高貴な身分なのに平気で御簾の外に出ては、虫の、しかも幼虫・芋虫状態を観察・比較・考察する平安時代の姫君は、けっこう上記の条件に当てはまってるんじゃないかな…など思ったのです。(最後の、愛されたい願望までは描写されてませんが)
 物語が世に出て以来千年の時の中、斯くありたいと思った愛読者の女の子たちはかなりの数存在したんではないでしょうか?

 物語の中で、姫君を覗き見した男が「美人なのにこの有様では、声をかけるのはやめとこう」みたいな勝手なことを言ってます。そういうことは、虫より興味がもてる存在になってから言いやがれ、ですな。

スネーク・フライト(2006/アメリカ)

2007年04月29日 | 映画感想さ行
SNAKES ON A PLANE
監督: デヴィッド・R・エリス
出演: サミュエル・L・ジャクソン    ネヴィル・フリン
   ジュリアナ・マーグリーズ    クレア・ミラー
   ネイサン・フィリップス    ショーン・ジョーンズ
   ボビー・カナヴェイル    ハンク・ハリス
   フレックス・アレクサンダー     スリー・G
   トッド・ルイーソ    スティーブン・プライス博士
   サニー・メイブリー    ティファニー
   キーナン・トンプソン    トロイ

 青年ショーン・ジョーンズは、偶然、大物ギャングのボス・キムの殺人現場を目撃。キムを有罪にするための証人となったショーンは、ベテランFBIエージェントのネヴィル・フリンの護衛で飛行機でLAに向かう。しかしキムはショーンの乗り込んだLA行きの便に大量の毒ヘビを積荷として忍び込ませていた。やがて、機内にありとあらゆる種類の毒ヘビたちが一斉に解き放たれる…

 allcinema ONLINE の解説には「本格B級パニック・ムービー」って書いてありますが、ほんとに「本格」でたっぷりB級のかほり漂う、スピード感あふれた私的には快作でした。最初の犠牲者のシチュエーションなんか、B級テイストの極めつけでしょう。
 蛇以外はストーリーはありふれてるんですが、なんかひとつひとつのシーン、エピソードいちいち無茶な気がします。でもそれは欠点と感じず、「無茶だ!」と思っても「これでいいや」と思っちゃうノリのいい映画です。なんたってラスト、まずは落着というところで「神様、プレステ様」でつい爆笑。もちろん自分は絶対こういう操縦士の飛行機に乗るような羽目に陥りたくはないです。
 この監督は「セルラー」の監督だそうで、あの映画よりもハチャハチャなのに、やはり力量ある人だな、と感じさせられてしまいます。こういう映画が好きなんでしょうね。サミュエル・L・ジャクソンも実にかっこよく楽しそうにハチャハチャをクールに演じてました。…好きです。こういうの。
(やはり、日本のあのハイジャック事件は思い出しました。)

ナイト ミュージアム(2006/アメリカ)

2007年04月26日 | 映画感想な行
NIGHT AT THE MUSEUM
監督: ショーン・レヴィ
出演: ベン・スティラー   ラリー・デイリー
   カーラ・グギーノ     レベッカ
   ディック・ヴァン・ダイク    セシル
   ミッキー・ルーニー    ガス
   ビル・コッブス    レジナルド
   ジェイク・チェリー    ニック・デリー
   ロビン・ウィリアムズ     テディ・ルーズベルト大統領

 失業中のラリーは、別れた妻の元にいる息子にも足元の定まらない生活から抜け出して、定職につけといわれる始末。なんとか自然史博物館の夜警の仕事にありつくが、夜になると、そこは展示物に命が宿って大騒ぎになっていた…!

 近所のシネコンでは吹き替えしかなかったので、昨夜ちょっとお出かけして原語版見て来ました。
 楽しかったです~。本当にご家族向けプログラムピクチャーのお手本、という感じでお行儀が良くて気持ちのいい映画でした。解釈の難しい問題は全部スルー。
 私としては、Sacagawea(サカジャウィア・アクセントは第一音節だと思う)を発音してるところを聞けたのが嬉しかったのですが、彼女は余り活躍してません。

 まあ、映画としては楽しく見られて、気持ちがほっとするというようなもので、展開とかはほぼ読めちゃいます。夜の博物館で、あれが全部動いていたら…という胡桃割人形的にオーソドックスなお話で、誰もがそうだといいな、というところで落ち着きます。アッティラ大王のカウンセリングの"You next"は笑えました。
 それより!! ディック・ヴァン・ダイクとミッキー・ルーニー が!!映画始まるまで知らなかったもので、ほんとにドキドキしてしまった。ラストでは軽快なステップも見せてくださって感激でしたわ!

トゥモロー・ワールド(2006/アメリカ、イギリス )

2007年04月24日 | 映画感想た行
CHILDREN OF MEN
監督: アルフォンソ・キュアロン
出演: クライヴ・オーウェン    セオ・ファロン
   ジュリアン・ムーア   ジュリアン・テイラー
   マイケル・ケイン   ジャスパー・パルマー
   キウェテル・イジョフォー    ルーク
   チャーリー・ハナム   パトリック
   クレア=ホープ・アシティ   キー

 原因がわからないまま人間に子どもが生まれなくなって18年たった。世界には暴力と無秩序が際限なく拡がっていき、辛うじて英国だけが国境を封鎖し秩序を保っている。エネルギー省の官僚セオは、彼の元妻ジュリアン率いる反政府組織“FISH”に拉致される。ジュリアンの目的は、ある移民の少女を“ヒューマン・プロジェクト”という組織に引き渡すために必要な“通行証”を手に入れることだった。

 これ、原作読んでいます。かなり前に。ほとんど忘れてるのですが、混沌というより妙に静けさやひそやかな絶望感とか、じりじりとした破滅とか、そんな印象だけ記憶に残ってますが、確実ではありません。図書館で借りて読んで自分で買ってない、ということはそれほど買いたいとは思えなかった本みたい。(借りて読んだ本が気に入ったら自分で買いますよね?しません?)
 この映画は、この「破滅へと沈んでいく社会」の映像がかなりリアルなんですが、もっと始めのほうにインパクトあったら映画への入り込み方が違うかな、と。
 しかしながら、ラストの30分は完全に釘付けになって見てました。戦場シーンの長回しはさすが評判になるだけのものでした。それに細部まで神経が行き届いている感じで、画面のそこここにカオスを見せてくれます。
 赤ん坊が通るシーンでは不覚にも泣いてしまいましたが、奇跡でも救われない、破滅へひた走るのを止められないのもまた人間の真実なのでしょう。原題は"CHILDREN OF MEN"ですから、セオのサクリファイスはどこかで報いられるのかもしれない…

女神の像

2007年04月23日 | 日記・雑記
週末河口湖でとってきた写真です。
最近の週末はほんとに家に居りません。
河口湖には、しょっちゅう行っているのに今までこの像があることに気がつきませんでした。

タイトルは「湖上の女神」
日本彫刻界の巨匠北村西望翁の愛弟子名鷲岳了氏の力作
コノハナサクヤヒメとイワナガヒメの湖上に遊ぶ姿だそうです。 サクヤビメは、富士山の浅間神社に祀られていますし、この場所にあるイワクは分かります。

WIKIPEDIAから引かせていただきますと
天孫降臨で日向国に降臨したニニギと笠沙の岬で出逢い求婚される。父のオオヤマツミはそれを喜んで、姉のイワナガヒメと共に差し出したが、ニニギは醜いイワナガヒメを送り返してコノハナノサクヤビメとだけ結婚した。オオヤマツミは「私が娘二人を一緒に差し上げたのは、イワナガヒメを妻にすれば天津神の御子(ニニギ)の命は岩のように永遠のものとなり、コノハナノサクヤビメを妻にすれば木の花が咲くように繁栄するだろうと誓約を立てたからである。コノハナノサクヤビメだけと結婚したので、天津神の御子の命は木の花のようにはかなくなるだろう」と言った。それで天皇の寿命は長くないのである。

 そんなわけで、どちらがサクヤビメでどちらがイワナガヒメか見分けがつくかなあ、と見てみましたが、この像の二人は美醜の点では甲乙つけがたいと思います。
 それにしても、ニニギノミコトというのはやっぱり性格良くないと思います。

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 今年に入ってから、生活の内容とか時間の使い方がまるで変わってしまい、今までいかに好き勝手に本を読んだり映画見ていたのか、としみじみ懐かしいです。今月はもう下旬に差し掛かったのに劇場に一度も行ってない!本当に禁断症状でそうです。DVDやBS映画だけではやっぱりダメ。

 でもBSで「眠狂四郎」シリーズ3本見られたのは嬉しかった。見ていてこそばゆいところはあるんだけど、あの端正なニヒルという役は本当に素晴らしいと思います。

クラシック少女小説

2007年04月18日 | 
 上橋菜穂子さんの新作が出ましたし、「守り人」シリーズも、軽装版が出てとってもお求め安くなりました!やっぱり小型になると本を置いておけると思って嬉しくなりますね~~
 それにしても、BSの守り人のアニメのバルサ、イメージ違ってます。でも見ますが。

 このたびの引越しで、古い本の虫干しもかなりしました。
 松本零児のふっる~い戦場マンガ(SFでない、第2時世界大戦舞台の)なんてものまで出てきて(誰が何時買ったんだろう?)その戦争の描き方というものに、今時の戦争映画のムードと強烈なギャップを感じてしまったりしました。

 ある程度種類別にまとめてしまってあったのですが、今回は池波正太郎とかはほっといて読みふけってしまったのが、小学校から中学校時代に読んだいわゆる少女小説の箱から出てきたもの。NHKでもモンゴメリの「かわいいエミリー」がアニメになって、これもまた見てます。忙しい!
 さすがに今に残る作品は出来が良くて、面白いけど、歳をとればとるほど、引っ掛かるところが多くなります。ある程度まとめて読んでみて思ったのは、少女小説の主人公は「書く少女」が多いこと。「若草物語」のジョーも、「足長おじさん」のジューディも、「赤毛のアン」も、「かわいいエミリー」なんか彼女の人間形成とか周囲とのかかわりが書くことを中心に構成されてるよう。「小公女」の主人公は語る少女だったけど。
 少女小説というのは、「文学少女による文学少女のための」という側面は絶対ありますね。女の子が頭良くてもいいんだ、と肯定してくるれるストーリーでもあるし。

 まあ、それで日曜夜の名作アニメシリーズも思い出したけど、「小公女セーラ」だけはいまだに許せません。あのラストは何っ?!
 セーラを学校に戻すなんてとんでもない暴挙でしょう。今思い出しても腹立つ。

アニメとその時代

2007年04月16日 | エンタテインメント
 私は10代~20代のはじめの頃に映画などにはまってテレビを余り見ずに過ごしまして、ヒーローアニメだの、変身ものテレビシリーズだのを2周回遅れ以上で見ている視聴者なのです。
 またまた忙しい週末でしたが、夜は「Vガンダム」のDVDや「ボルテス5」などを見て楽しく、というか眼を点にして過ごしていました。

 どちらもゲームの「スーパーロボット大戦」シリーズでおなじみでしたが、両作品とも原作のぶっ飛び様は本当に想像を絶します。
「Vガンダム」のほうは、ガンダムシリーズ自体が戦争というものを空しく、戦いを避けられない苦しみとしているようなところがあるので、大きく雰囲気の逸れるものではないのですが、誰に感情移入していいのか、これほど分からないものも少ないと思います。本当にすぐ登場人物が死んでしまう、ギロチン処刑なんかでてきて「きゃー」、主人公ウッソの憧れのカテジナさんは感じ悪いし、戦闘員はたいがい弱くなければ下品。女性で構成されたシュラク隊に至っては、登場した途端に次々戦死していきます。原典よりスパロボシリーズのほうが絶対に長時間活躍してます。一人なんか、死んでから人となりが語られる始末。呆然です。
 これが1994年の放送ですから、バブル景気のさなか?ムード暗い!なぜ?

「ボルテス」(1970年代)はまだ導入部ですが、リーダー役の健一がすぐに銃を人に向ける、のみならずぶっ放す、まあ撃つのはタイヤとかそんなんだけど、この危なさは衝撃。それに無理やりつれてこられたメンバーの一平と男同士の和解をした後は、なぜか殴り合って親しみを表現しているよう。
「怪傑ズバット」でも、親友同士の再会でいきなり殴りあいになってましたが、この時代のあたりでは、男の友情の表現にはゲンコツがつき物だったのでしょうか?

イルマーレ(2006/アメリカ)

2007年04月16日 | 映画感想あ行
THE LAKE HOUSE
監督: アレハンドロ・アグレスティ
出演: キアヌ・リーヴス    アレックス
   サンドラ・ブロック     ケイト
   ショーレ・アグダシュルー    アンナ
   クリストファー・プラマー   サイモン
   ディラン・ウォルシュ    モーガン

 建築家のアレックスは、買ったばかりの家で先住者の手紙を見つける。しかし、家は長い間空き家だったはずで、その手紙は未来に書かれたものだった…

 元の韓国映画を知りませんので、この映画のみについて。
 主演二人はそれなりに生きてきた人生があり、言葉のやり取りで真に心の響きあいを感じて、というラブロマンスの部分は良かったと思います。それに、ワイラー父子の確執と真の和解とか、なかなか上手に織り込まれていました。それもこの映画の「湖の家」を中心としたものなので、リメイク作品の売り方としては元のタイトルを使わざるを得なかったのかも知れないけれど、なんかタイトルは惜しいです。
 タイムパラドックスの処理の甘さは、SFよりファンタジーロマンスに重心がある映画なのでそこは目をつぶっても…
 私、この映画絶対にすれ違いで終わる、もしくは優しく甘美な思い出(の絵がもう少し欲しかった)を残して彼の死を知る、といった悲劇的な終わり方のほうがずっと切なく強く印象に残る映画になったような気がします。

シリアナ(2005/アメリカ)

2007年04月12日 | 映画感想さ行
SYRIANA
監督: スティーヴン・ギャガン
出演: ジョージ・クルーニー   ボブ・バーンズ
   マット・デイモン   ブライアン・ウッドマン
   アマンダ・ピート   ジュリー・ウッドマン
   クリス・クーパー   ジミー・ポープ
   ジェフリー・ライト   ベネット・ホリデイ
   クリストファー・プラマー    ディーン・ホワイティング

 元CIA工作員ロバート・ベアが著わした告発本『CIAは何をしていた?』を、「トラフィック」でアカデミー脚本賞を獲得したスティーヴン・ギャガンが監督・脚本を手掛け映画化。
 ある中東産油国。中東スペシャリストのCIA工作員のボブ・バーンズは引退前の最後の任務へ… 弁護士ベネットは、その国の油田の権利を獲得した石油会社の大型合併を巡る調査に当たる…。ジュネーブのアナリストのブライアンは、その国の王子の別荘で子どもを失う… 出稼ぎに来てコネックス社の油田で働いていたパキスタン人青年ワシームは、突然の解雇に遭う…。彼らの運命が、縒り合わさるときに…

 私の知識不足で「シリアナ」というタイトルの意味が、見た後で検索するまで掴み切れませんでした。CIAがイラン・イラク・シリアが合体した国を仮想して呼んでいる言葉なんだそうです。原作の邦題のほうがそういう予備知識無しで見るには親切かな。
 監督や製作のジョージ・クルーニー、ソダーバーグのいかにもこのメンバーらしい意図は十分に理解できるものの、後味最悪な映画で、マット・デイモンが帰宅した、命があったということだけがせめても、という感じです。それでも失意の帰宅ですが命あってのモノダネです。
 あのカッコイイ中年セクシーのクルーニーの緩んだ身体もすごい、とかそういうことも思うには思ったものの、やっぱり感じたのはつくり手の意思です。イラク開戦の直後は無理だったでしょうがこれだけのものをつくってしまう、知らないもの同志が全く意識もせずにグローバルに関連性を持ってしまう「今」、「国益」という必要にして如何様にも解釈可能なものをあからさまにし、見るものを向かい合わせてしまう映画をとっちゃうんだなあ…

 問題の質は違うけど、日本では「ナントカ還元水」を見事に笑い飛ばすメディア作品も出て来ないし(私が知らないだけですか?)… 自衛隊派遣の実績は着々残れど議論は進展しないし(はっきりしたほうが実際に現場に赴く人も困らないでしょう?)… 映画のためだけでないイライラが残ってしまったのでした。

SAYURI(2005/アメリカ)

2007年04月10日 | 映画感想さ行
MEMOIRS OF A GEISHA
監督: ロブ・マーシャル
出演: チャン・ツィイー    さゆり
   渡辺謙   会長
   ミシェル・ヨー    豆葉
   役所広司    延
   桃井かおり   おかあさん
   工藤夕貴   おカボ
   コン・リー    初桃

 貧しい漁村に生まれ、9歳で花街に売られた少女・千代は、辛い生活の中で優しい紳士との出会う。彼女は、その紳士に出会うために芸者となろうとする。

 原作は以前に図書館で斜め読みしてきました。花街の生活のディティールが細かく描かれていて、日本人の手による作ではないという違和感は余り感じませんでした。そもそも花街なんて、私は本と映画以外に知りませんというほとんど外国のお話のようなものなので、「そうなの~」と感心して読み進んじゃってそれだけなのでした。

 それがねえ~
 この映画渡辺淳一氏は「国辱」とか仰ったそうですが、私はそれ以前。
 大体日本に見えないんですもの。言ってみれば「千と千尋の神隠し・花街編」日本のようで微妙に日本でない世界、って感じなのです。
 例によって、口の中で「どひゃあ~」「ひょええ」とか呟きながら、しかも要所要所で思わず笑ってしまう。あの水揚げシーンの赤い長襦袢(たぶんそうよね)では声出して笑っちゃったし。踊りはどうしても雑技団風味に見えちゃうし。
 チャン・ツイィー筆頭に女優さんはすごくきれい。特にミシェル・ヨーのきりりはかっこよかった。工藤夕貴も巧いです。
 着物はこの映画でもカナメで、その時のその人を十分に表現し、美しい。衣紋から襦袢の衿が出てるのも目障りだけど許す。コン・リーについてはあんな着方をする芸者さんはいないんじゃないかと思うけど、まあ、役柄を表現してると思えばいいか。
 時代考証も十分してるはずだから、結局ハリウッドが選んだマーケット相手ではこうなってしまうのが必然だったのでしょう。

 でも結局秘めた思いを軸に女の半生を描くんだったら、ああ「祇園の姉妹」「祇園囃子」の溝口監督だったら…女の怖い世界だったら「流れる」の成瀬監督だったら…縛られた人生の中の女の一生については有吉佐和子先生のご意見を伺いたかった!…などなど詮も無いことを思ってしまいました。

仙台の・・・

2007年04月05日 | 日記・雑記
 仙台関係は終了しました。
 明日・明後日の用を済ませると、本当にいつもの日常になる筈です。

 便利な時代で、朝6時に横浜の家をでると、10時すぎには仙台駅です。
 仙台日帰りだって平気でできちゃいます。疲れますけど。
 それで仙台では、
 仙台の不動産屋へ行き、
 仙台の住宅管理会社と交渉し
 仙台のニトリ
 仙台のヤマダ電機
 仙台のダイソー
 その他でお買い物をし
 ガス・水道・電気・電話などの連絡をし、立会いし

…この「仙台の」を「横浜の」と変えると、私の日常になりますが…

 駅でみやげ物は買ってるけど、本当に観光地など一つも見てない(涙)

サイレントヒル(2006/アメリカ)

2007年04月05日 | 映画感想さ行
SILENT HILL
監督: クリストフ・ガンズ
出演: ラダ・ミッチェル     ローズ
    ショーン・ビーン    クリストファー
    ローリー・ホールデン    シビル

 ローズの9歳になる娘シャロンは、夢遊病のように無意識で歩き回ったり、描いた覚えのない絵を描く、“サイレントヒル”とつぶやくなど、奇妙な行動を見せるようになる。ローズは、サイレントヒルという街が実在することを突き止め、シャロンを救うために30年前に大火災に見舞われゴーストタウンと化したその町に行こうとする。

 元になったゲームは知りませんが、この映画の薄皮一枚隔てたような異世界に入り込んでしまう感覚はけっこういいと思います。あんまり怖い映画ではなかったのですが(警官の件は除いて)終わり方も良かった。その異世界がまた、あるきっかけでまた別の様相を見せる異世界になって…という何層にも重なった異世界をその狭間を突きぬけていくような滑らかでない画面の切り替え方もこの雰囲気では良かったと思う。
 ただ、子どもと母の結びつきとか、母と女のりりしさ、強さが強調されるけど、シャロンを守ろうとするローズの強烈な意思の根源はただお母さんだからで納得するべきなのかな?
 シャロンとアレッサの関係とか、特殊性も、もうちょっと説明欲しい感じでした。

 人間に潜むものを見せられてぞっとするのではなく、救いのない、でも終末でもない行き止まりのような世界という感じがうまく見せてもらった映画だと思った。

年度替わりました

2007年04月02日 | 日記・雑記
またまたお久しぶりです。
引越し騒動もやっと目鼻がつき、明日・あさってもう一度仙台へ行ったらとりあえず完了です。もう大枚払って新幹線に乗ったり、えきネットで手配した変更不可能なチケットの列車に間に合わないのではないか、とドタドタ走り回らなくて済みます。
 さすがに仙台よりは、横浜のほうが風がぬるいです。
 8日の日曜まではイベント、新年度各種式典、雑用がぎっしり詰まってますが、それを過ぎたらやっと平常な日々が戻ってきます。

 先月のように、投稿が少なかった月はブログ開始以来初めてです。
 忙しいのは、PCの前で忙しがってることも多いので何とかなっても、「キーボードがうてない」とか、「家にいない」のは、本当にいかんともしがたいです。毎日見ている映画は、すぐに書かないでいると、よほど印象強烈なシーンは絵として記憶するのだけれど、あとがぼやけるように感じてます。
 前ほどあれもこれも、とガツガツしなくなったみたいだし(情熱が落ちたのか?)私の映画の見方が変わっているのでしょうか。単に記憶力が落ちたのかな。

・mother1,2クリア
 どちらも一周で、コンプリートではないですが、エンディングを見られました。2のほうは特に落としたものがたくさんありそうです。地底大陸後にピンククラウドへ行ったり、砂漠では、コンタクトを拾っても持ったままでした。
 感涙には咽びませんでしたが、ストーリーは好きです。それに、本当に音楽が素敵。
 フライングマンのお墓は一つはたってしまいました。勝手に仲間にならないで欲しいんですが~~~
 それにしても、小画面ゲーム機はつらい!

・クロマティ高校実写版
 この映画は、原作見ている人が実写移行したときに各キャラのイメージがどうなったかを楽しむ映画のような気がしましたが、「宇宙猿人ゴリとラー」の登場にびっくり。「スペクトルマン」も一度も見たことが無くて、名のみ知ってるキャラがこんな風に登場するとは。
 私は原作イメージは壊れてはいなかったけど、感触は変わった、と感じました。