虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

眼が不調です

2007年05月30日 | 日記・雑記
 私はもともと遠視性乱視で、視力が1.5でもまともに見える範囲が狭かったり、眼が疲れやすかったり、紫外線に弱かったりする困った眼なのですが、このところますます不調です。
 やらたと充血して痛んだりして、時々眼帯してます。
 仕事が外回り以外は、帳簿に書類作り、趣味が本に映画に縫い物と思いっきり目を使いまくってるのでしょうがないのですが。

 と言いつつ、今日は眼帯しつつ、クリント・イーストウッド「ダーティー・ファイター」見てうっとりしてました。この頃のイーストウッドの映画の後味の「スカッ」というのはアルドリッチに負けないくらいですね。ほんとは見てる場合じゃなかったんですが。今日は「映画館行きたいよう」と言ったら「ダメ」とお医者さんに言われちゃいましたので。

エラゴン 遺志を継ぐ者(2006/アメリカ)

2007年05月30日 | 映画感想あ行
ERAGON
監督: シュテフェン・ファンマイアー
出演: エド・スペリーアス   エラゴン
   ジェレミー・アイアンズ   ブロム
   シエンナ・ギロリー   アーリア
   ロバート・カーライル    ダーザ
   ジャイモン・フンスー   アジハド
   ジョン・マルコヴィッチ   ガルバトリックス王

 かつてドラゴンライダーに守られ、平和な地だったアラゲイシアは、今は邪悪なガルバトリックス王に支配されていた。辺境の村で叔父と暮らしていた少年エラゴンは、ある日森の中で青く光る石を見つける。それは、かつてドラゴンライダーだった王のドラゴンを除いてすべて殺された、ドラゴンの卵だった。

 ジェレミー・アイアンズ、ロバート・カーライル、ジョン・マルコヴィッチの3人のオジサマたちのかっこよさったらさすがというか、惚れ惚れでした。特に、ロバート・カーライルの飄々タイプでない白壁塗り塗りの如きメイクのド~ロドロ魔法使いは面白くてクライマックスに至ってちょっとがっかりしたくらいです。復活ってないのっ?
 劇場鑑賞ではないので、戦闘シーンの迫力とかを云々するのは不公平ですが、ちょっと物足りない。
 話の展開はお急ぎコースだし、ドラゴンはもうちょっと凄みがあってもいいし、主人公がもっと成長を眼に見えるようにしてくれないと… と、あまり原作の面白さが反映してない様に思いました。私は原作は全く知りませんが、世界的ベストセラーだそうですので、きっと面白いのでしょう。
 しかしながら、私が今眼が悪くてちゃんと映画を見られてないかも、という点で保留を入れます。

怪奇大作戦セカンドファイル

2007年05月28日 | エンタテインメント
出演:西島秀俊  牧史郎
   田中直樹(ココリコ)  三沢京介
   青山草太    野村洋
   美波     小川さおり
   岸部一徳   的矢忠
   寺田農    町田大蔵

 特殊科学捜査研究所(SRI)のメンバーが不可思議で怪奇な事件を卓越した科学力と分析能力で解決していく。

ファイル1 ゼウスの銃爪
 市中の雑踏の中で、人体は焼け衣服は残るという人体発火現象で女性が焼死。その女性は過去に犯罪歴があった…

ファイル2 昭和幻燈小路
 東京の下町で、原因不明の電波障害が発生。SRIのメンバーが調査中にその地区は交通も通信も途絶、そしてなぜか昭和40年代の町並みに変わっていく。

 BS放送を見逃したのを先の記事にもありますように、arudenteな米様のおかげでやっと見ることができました。
 今度のシリーズを通して見ると、各キャラの性格がよりはっきり分かります。

 ファイル3の「人食い樹」で、牧役に陰翳が欲しい、と書きましたが、私はやはりと牧いう中心人物の、過去の悲しみとか心の傷など、大きな感情を体験してそれを抱えたまま生きているといった、人間的な深みのようなものをもう少し見たいと思いました。たった3本なので贅沢といえば贅沢ですが、私としてはそれが惜しかったです。
 登場人物の設定もほぼオリジナルシリーズを踏襲していますが、三沢と野村の距離が縮まった様ですし、お茶汲みのようだった女性メンバーが、重要戦力として位置づけられているのも現代風です。
 また、年配のメンバーは重みが増しているようでした。特に町田警部は、オリジナルではレストレードやジャップのような(競争意識は抜きにして)部分が感じられたが、ここではより重厚に演じられているようだ。
 
 科学やテクノロジーの急激な進歩と、人の押さえきれない無念や思いの狭間に生まれる怪奇な現象と、そこに見出される不条理と哀しさという、この番組の特色が一番感じられるのはファイル1の「ゼウスの銃爪」だった。これはテクノロジーの先端性も、社会問題の組み合わせ方も上手で、それにちょっとした笑いの配合もなかなかでした。

 もっと見たい、と思う作品でした。続けてくれるといいんですが…

不条理

2007年05月25日 | 日記・雑記
 本日は、arudennteな米さまのご好意による「怪奇大作戦セカンドファイル」について書くつもりでしたが、私にとって驚愕の事実に直面し、予定変更。
 私は、金曜日には大荷物かついでお稽古に行くのであります。なんと和裁の教室に通っております。

 まあ、お稽古仲間の皆様はほとんどが奥様世代~人生の先輩方ばかりです。本日お向かいに座っていらしたのは、高校生のお母様と、もう少し年嵩の奥様だったのですが、話題が福島の母親の首を切断したという少年の事件でした。
「で、その子の見ていたDVDって、そういう子たちがだいたい見るものなんですって」
「アメリカのコロンバイン高校の乱射事件の犯人も見てたんですって」
「白塗りで黒い服着て、黒い帽子かぶった変な人が、世の中を壊せとか、そういう歌を歌ってるんですって」
「やっぱり子どもに見せるのはどうかというものなんじゃない?」

 うわ~、どひゃあ~、腰が抜けるかと思った。
 こういう言説が生きているのことが余りにショックで口が利けませんでした。何か言ってスムーズに通じるかも不明ですが。

 あの事件の少年は17歳だそうですが、マリリン・マンソンって、その年頃で必要とする子はけっこういるでしょう。自分の衝動とか自己のうちに渦巻くものに言葉を与えられないでいる状態の子はいるし、表現とか、共感は10代の危機を乗り越える助けになります。
 いえ、私は「博士の異常な愛情」とか「マッシュ!」とか繰り返し見ていますし、サイコホラーも好きだし、コンゲームものは本も映画も大好きですが、実生活では4月1日にも気の利いた嘘もつけないし、キセルの経験も、包丁以上の刃物や雪合戦の雪球以上の飛び道具を持ったこともありません。問題はそこじゃありませんのに、というか、それは自明のことだと思ってたのに!(あ、包丁や裁ちばさみも凶器足りえるなあ)

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 Vガンダム、DVDのvol.10まで来ました。
 主人公が年少なのに、ひどい事態に直面させられ、やたら不条理に人死にが続くお話です。今度の37~40話では主人公にとっての敵方の人間たちの哀切なエピソードが続きます。話が進むにつれ壊れまくって、主人公の憧れの女性だったのに訳わかんない論理で裏切り者になる、注目せざるを得ないカテジナさんが出て来ませんでした。少しほっとします。
 こんな話をおそらくゴールデンタイムによく続けたなあ、ガンダムでなければ深夜時間帯とか、少し大人向けアニメの意欲作とか思っちゃいそうだなあ、と思います。あと3巻全部見てから評判や感想を検索しようと思います。 

宇宙清掃株式会社サルベージ・ワン(1978/アメリカ)

2007年05月23日 | 映画感想あ行
SALVAGE
監督: リー・フィリップス
出演: アンディ・グリフィス
ジョエル・ヒギンズ
トリッシュ・スチュワート
J・ジェイ・サウンダース

 なかなか商売上手なスクラップ屋のおやじさんが考えた、アッと驚く新商売! NASAがかつて“アポロ計画”の時に月に残してきた設備や月面走行車などを回収して売る!ついに新技術の画期的節約型ロケットが完成。

 マヌケな私が「怪奇大作戦」の録画に失敗したので、arudenteな米様がご親切に見せてくださったのですが、そのおまけにつけてくださったのがこれ。ビデオでもDVDでも商品化されていなくて、私も今まで全く知りませんでした。こんなきゃっきゃと喜べる映画を知らなかったなんて損してたなあ。本当にありがとうございました。

 面白かったです!!ほんとに。
 しがない街のスクラップ屋のおじさんが、斜陽産業(当時そうだったのかな?)で職にあぶれた元NASAの技術者やアストロノーツを集めて、月面置き去り品回収のためにFBIの監視をかいくぐり、月面着陸ロケットを打ち上げてしまう!成功してしまう!しかし、ちゃんとあわやという思わぬトラブルも用意されていて、しっかり手に汗握るハラハラドキドキもあり、もちろんハッピーエンド。ご商売もなかなかお上手。
 もちろん特撮とか、ロケットの造作は贅沢いっちゃいけません、のレベルだけど、いかにも良い時代のアメリカらしい元気いっぱいの素敵な映画。
 出演者が余りお馴染みのない人ばかりなのも新鮮だし、女優さんの衣装やメイク、二枚目役の顔かたちがいかにもレトロで、時代感覚あふれるのが見ていて楽しかった。私企業の旺盛な事業欲を素直に礼賛してるようなのも時代ですねえ。

 allcinema ONLINEの解説に「本邦未放映のTVシリーズ“SALVAGE 1”(全18話)のパイロット版」とありました。まあ、このシリーズ面白そうなのに、日本未放映とは残念。オープニングクレジットに「ゲストスター」なんて字が出てくるから、テレビっぽいなあ~と思ってたらやっぱりテレビだったのね。そういえば、いかにもそれらしいキャラ配置かも。

謎の娘キャロライン/カニグズバーグ

2007年05月22日 | 
岩波少年文庫

「カーラの結婚宣言」を見て、久しぶりに出してきて読みました。

 これも、私の片付かない観念を刺激してきます。
 キャロラインとは、誘拐された金持ちの娘で、死んだものと思われていたのが10数年ぶりにあらわれ、母の違う弟と妹の人生を大きく変えていく、というお話。
 そして、その妹の方が障害があります。
 内容は本当に是非読んでいただきたい、というものです。ミステリー要素も(話のメインでもないし、すぐわかっちゃうけど)あり、いつもながら、思春期の歯を食いしばって生きる少年の姿は読ませます。
 そしてこれを読むといわゆる健常者が障害を持つ人に「(健常者よりも)劣った」「イノセントな(…これも認識とか思考の幅が劣るという意味での)」「(より強いものに)守られるべき」存在であることを強制しているのを認識させられます。

 だからといって、どうすればいいのかがさっぱり分からないのが「片付かない観念」の不安の原因。だってやっぱり「幸せでいて欲しい」というのは願っていますが、それがイコール「平穏無事」以上には想像ができません。私については、ハンディキャップの問題で追い詰められたことはなく、見聞きしたことひとつひとつについてそれぞれ別個に考えるのみ、なのです。

カーラの結婚宣言(1999/アメリカ)

2007年05月21日 | 映画感想か行
THE OTHER SISTER
監督: ゲイリー・マーシャル
出演: ジュリエット・ルイス
   ダイアン・キートン
   トム・スケリット
   ジョヴァンニ・リビシ

 軽度の知的障害のあるカーラが庇護しようとする母の手から飛び立ち、同じように障害のあるダニエルと結婚するまで。

 ダニエル役のジョヴァンニ・リビシ目当てに借りました。この映画でも彼は巧かったと思います。障害のある人に感じてしまう欠損とか、過剰と、清潔なイノセントを感じました。
 カーラ役は見ているうちに気がつきましたが、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」のお姉さんの方じゃないですか。私には「ギルバート・グレイブ」よりもそっちが印象濃かったです。彼女は過剰の方をより感じてしまいましたが、主役だからどうしても目立っちゃうのでしょうか。
 それになんと言ってもダイアン・キートンはさすがです。富裕階級の知的な奥様を、頑固な固定観念と母の悲しみを含めて見事にエレガントにいやみも含めて演じてました。う~ん、中産階級的インテリのばりばり、サンドラ・ブロックが年取ったらこういう役出来る様になるかしら?

 まあ、役者がきちっと演じて、ラストでハッピーにまとめて、私もちょっと目頭じわっと来た映画ではあります。でもこの二人の行く先はそりゃあ苦難の道でしょうね。お母さんならずとも、先を案じてしまいます。
 …そんな具合で、知的障害を持って、でもそれを意識しないほどには重くない彼らにとっての「自分の思うように生きたい!」という思いは、そうそう容易く受け止められるものではありませんでした。分かるけど!わかるけど、でも…と、つい保留を入れたくなります。なんかゴチャゴチャなものをとりあえず突っ込んでおいた引き出しを思いがけず開けられてしまったというような、落ち着かない気分で見ているシーンが多くて、なかなか笑いのシーンも笑いきれませんでした。あ、あの感謝祭の夜のマーチングバンドには笑いましたが。

過去のない男 /BS放送

2007年05月17日 | 映画の話題
 カウリスマキ監督のこの映画は、日本初公開のときにちゃんと見にいって、DVDも、全部見なくても音楽のシーンピックアップして…としょっちゅう見ていますが、16日にBSで放送していたのをやはり全部きっちり見ました。
 なんて心なごむ映画なんでしょう。
 どうしても笑っちゃうのです。
 ひどいエピソードも、哀しいこともあるのに。
 でも、こんなに身体の関節から全部硬さを開放してくれるように感じる映画って、なかなかありません。

 でも、ほんとに音楽 素敵っ!! ちょっとレトロで耳に馴染みやすい、優しい声の歌がいっぱいで、私にとっての癒しの楽はこれです。今は、悪魔の歌なんか、一番よく聞いとります。
 以前書いたものを読み返すと、すっかり舞い上がってていささか恥ずかしいけど、何時見ても変わらずほんとに素敵な映画です。

 一昨日のフレッツの接続障害では、夜中にインターネットできなくて我慢できずにわめいたとか、いつも夜中にネットで銀行の手続きしてるのに、できずに青くなったとか、いろいろ聴きました。我が家もフレッツですが、私はヘタって寝ていましたので全然知りませんでした。ほんとに、早寝早起き、こんなにきちんと生活してるのになぜ快調生活にならないのか!歯も痛い!腹立つ!
…とこういう状況によく効く映画でした。

ユナイテッド93(2006/アメリカ)

2007年05月16日 | 映画感想や行
UNITED 93
監督: ポール・グリーングラス

 2001年9月の同時多発テロの際に、ハイジャックされ、しかし「目的地」には至らなかった一機の中で何が起こったのか。

 911テロというのは、気がつけばもう6年です。オリヴァー・ストーン の「ワールド・トレード・センター」でも、その時主人公たちに起こったことと、死に直面していかに生きようとする意思を持ち続けたかに絞って描いていましたが、この映画でも画面上のテロの実行行為者を許さざるべき「悪」とは感じなかった。それほどに911とは微妙で、しかも大きすぎるものなのだろう。私にしても、911の以前と以後では世界は明らかに違うものです。善悪の対決でなく、ギリギリの状況におかれた人間の事態を打開しようとした意思と、如何に最後まで必死にテロを阻止しようと力を尽くしたか-を見た。これが真実であるとは断言できないものの、携帯による家族との最後の交信など、事実の重みにも打たれる思いだった。
 これを書こうとして、allcinema ONLINEのデータを見て「なお、本作に登場する管制官や軍関係者の一部は、9月11日に実際に現場で勤務していた本人が自ら演じているという。」という記述に驚きました。音楽の使い方などもドキュメンタリー・タッチで、見ているほうでは結果を知っているから、管制や軍、そして機内のスタッフ・乗客たちが事態を認識していく過程は初めから胸がキリキリするような思い。

=====
 痛い映画でした。見た後で、事件後のアメリカの街角でのインタビュ-を思い出していました。「報復する権利がある」って怒ってる人が多かったと記憶してます。日常にこんな形で投げ込まれた凄まじい憎悪には、誰だって戸惑うだろう。自分たちに向けられた憎しみの根源を辛抱強く探るよりも、その元凶がビン・ラディンとか原理主義者とかはっきり対象として名がでてくると、憎む相手が分かって安心してしまいそうな気がする。それでいながら、自分では気付かなかった傲慢さで憎しみを勝っているとか、自分の物差しが全世界で通用しないとかうすうす気がついたら… ほんとにいろいろ混乱させられましたが、ともかく悲しかった。やはり「ツケを払う」のが彼らでなければならない理由なんて見つからないのですから。

ヒーローはいずこ・翻訳の寿命

2007年05月13日 | 日記・雑記
 いくらWEBの片隅とはいえ、個人的な事情をグチグチ書き過ぎかなと反省してますが、ほんとに長崎屋の一太郎さんに張り合えるんじゃないか、というくらい体調が最悪な昨今です。でも私には甘やかしてくれて頼りになるアヤカシのお守りなんていません。佐助みたいなのをはべらせたい!というのは女の夢です。(ちなみに春琴抄の佐助は嫌です)
 やっぱり歯が痛い。治療するところが無いといわれても、痛いものは痛い。どうして直してくれないのよ、とつい八つ当たりしたくなります。

・スパイダーマン3
 見てから時間が経過しても「最終作なのに、あれで終わり?」というのが腑に落ちてないです。今までの2作ではともかくピーターがいじらしいとか、がんばれっとかそういう感じだったんですが、今回はハリーに対してそう思ってました。だから彼がああなってがっかり。
 一生懸命アクションしてもヒーロー的爽快感の無いスパイダーマンを引き摺って「ユナイテッド93」をDVDで見ました。現在のアメリカのヒーロー状況について考え込んでしまいました。なかなか整理できません。

・フロイトの「性と愛情の心理」は本が古くて、すごく読みにくい。私の読解能力の限界と、文体に馴れていない点を差し引いてもやはり意味を理解するまでに1ページ半くらいで一回立ち止まって整理して…という有様でなかなか進まない。フロイト自身の説でなくて、当時の通念とか他の説の検証では、それが今の私にとって余りにもトンデモだったりして、本自体はそこそこ面白いのだが、やはり読みにくい。図書館で新訳を探して買い替えを検討したほうがいいようだ。
 数年前に、岩波かなんかの復刻でスティーヴンソンの「自殺クラブ」を読んだときも、翻訳が古臭くて、面白さが目減りしてるみたいな感想を持った。(相変わらずえらそう…)
 とはいえ、若松賤子さんの「小公子」などは思いっきり古くていっそ清々しく面白いし、瀬田貞二氏の「指輪物語」は多少古臭くてもすんなり納得してしまう。なぜでしょう?
 ちなみに、若松静子さんの翻案童話は一つ、青空文庫で読めます。

・おはなはん
 昨日BSの「お宝テレビ」で「おはなはん」という番組の紹介を見て唸る。番組は1年続いた連続ドラマをダイジェストするには短すぎるものなので、半端な判断にしか過ぎないだろうけど、でてくる母としてのおはなはんエピソードが、私には「きゃ~、や~め~て~」なものが多くてこれが国民的人気を誇った、というのを聞き「こういうのが受ける時代だったのか…」と思うばかり。
 中でも、運動が苦手の娘を励ましてかけっこで一緒にゴールするシーンなぞ、言葉も無い。うちの親だったら、にらみつければ走りますね。とりあえず小学校くらいなら、学校で恥をかくより、家でお父さんに怒鳴られるほうが怖かったもん。

池宮彰一郎氏の訃報

2007年05月10日 | 映画の話題
 5月6日に池宮彰一郎氏がなくなりました。
 時代小説の得がたい書き手の一人ですが、私にとってはやはり「十三人の刺客」の脚本池上金男として一番強烈に記憶しています。
 新聞の追悼記事を読んでいて、氏が第2時世界大戦中の過酷な戦場を辛うじて生き残った一人だということを知りました。
 あの映画の有為の人間たちが無念無残に死んでいく感傷を許さないような脚本はその体験があってのものだったのでしょうか。絵がスタイリッシュなのに死に方は実に無残でやりきれないようでした。西村昂の演じた剣豪が武器を失い無様に殺されるさまは忘れられません。
 

スパイダーマン3(2007/アメリカ)

2007年05月09日 | 映画感想さ行
SPIDER-MAN 3
監督: サム・ライミ
出演: トビー・マグワイア    ピーター・パーカー/スパイダーマン
   キルステン・ダンスト    メリー・ジェーン・ワトソン(MJ)
   ジェームズ・フランコ   ハリー・オズボーン
   トーマス・ヘイデン・チャーチ    フリント・マルコ/サンドマン
   トファー・グレイス      エディ・ブロック/ヴェノム
   ブライス・ダラス・ハワード    グウェン・ステイシー

 ピーターはスパイダーマンとして活躍し、彼の正体を知った恋しいMJの理解も得て、順調な生活を送っている。だがMJはやっと得た舞台主役を下ろされ、ヒーローとして大人気のスパイダーマンとの間に距離を感じる。MJとギクシャクし、元親友ハリーはピーターを父の仇と思い込んでいる。そして叔父ベンを殺した犯人が脱獄。ライバルに仕事を奪われそうになり…流星と共に地上に落ちた黒い生命体がスパイダーマンに取り憑き、スーツを黒く染める。それによって一段と強力なパワーを得たスパイダーマンは、心にも変化を生じさせた。

 これ最終章なんでしょう?…とまあ見終わって思ったのでした。
 なんかヒーローものというよりはしんみりしたメロドラマの終わり方で、ほんとにこれでラスト、完結、おしまいなの??!!!!思わず「あらら~、」とエンドクレジット終了後に口からでちゃいました。

 このシリーズみんなそうなんだけど、悪役のやってることはひどいのに、芯からのワルってまったくいない。なのにこれだけの非現実でバイオレンスなバトルシーン作っちゃうんだからサム・ライミえらい。最初のジュニア・ゴブリンと壁の間をビュンビュンのシーンでは嬉しくてゲンコツ握ってDVDが出たらコマ送りでじっくり見よう!など心躍らせておりました。MJは三作すべて見事にさらわれて生命のピンチだし、クライマックスの主人公があわやという処まで痛めつけられるのも常道でハデで良かったです。
 
 最近のヒーローは昔のように危機一髪の場に鮮やかに登場し、事態を救って爽やかに去っていくだけでは済みませんで、人間的にも悩まなくてはいけない気の毒な忙しさです。スパイダーマンはその先端を行くような映画ですが、主人公のみならず主要キャラみんながみんな、自己と戦ってます。傷つけられた自分を哀れむ心にたいがい負けてます。で、最後に総決着をつけます。そして余りヒーロー映画らしくないしめやかな終結になってます。あれはハリーにはかわいそう過ぎます。

 黒いスパイダーマンというより、「そうあらねばならぬ」という自制から開放されたようなピーターが実にイヤな奴をやってますが、それが不快より似合わなくて馬鹿ね気の毒に、というように見えたのはトビー・マグワイアとこれまでのスパイダーマンのご人徳のせいでしょう。それに今回はハリー・オズボーンが素敵。元親友に対する復讐心と憎しみと愛情と劣等感とやっぱりいろいろあるのよね。

 今度のハリーが素敵だったので、かえってジェームズ・フランコの「トリスタンとイゾルデ」を見るのは不安です。
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なんか蓄積疲労がドンドコサ積み重なってる感じで
昨日はお酒グラス1/3飲んだら蕁麻疹で苦しみ
今日痛くてたまらず歯医者へ行ったら「歯の治療の必要なし」だと言われてしまいました。
疲労とかストレスとかで上顎に炎症が起きたのではないか、とのこと。
痛いのに~ 
何科にいけば良いのでしょうか。

野球奨学金

2007年05月07日 | 日記・雑記
 私の知り合いにも、今年高校へ野球部の推薦で入った子がいて、野球部員の奨学金とか、授業料免除をなくせというこのところの騒動に巻き込まれているんではないかと気になってます。
 彼は、お勉強は得意でないほうで、でも、体育だったらどんな種目でも人並み以上という、典型的スポーツ少年。しかも母子家庭で経済的に苦しい。
 そして、私学へ進学して、入った途端にこの騒ぎ。
 他のスポーツなら同じような優遇や免除が問題にならないなら、野球が好きで、野球に打ち込んでしまったのは彼の選択ミスとなのでしょうか。

 学校個別の野球に関しての奨学制度がいけないなら、高野連とか県単位での制度を用意できないのでしょうか。
 野球が好きで才能を持っている子の能力を伸ばす手段は、大人のほうできちんとしたものを示すべきではないのでしょうか。

僕の大事なコレクション(2005/アメリカ)

2007年05月06日 | 映画感想は行
EVERYTHING IS ILLUMINATED
監督: リーヴ・シュレイバー
出演: イライジャ・ウッド     ジョナサン
    ユージン・ハッツ   アレックス
    ボリス・レスキン   祖父
    ラリッサ・ローレット    リスタ
    ジョナサン・サフラン・フォア    リーフ

 ユダヤ系ジョナサンの趣味は、家族にまつわる品物をコレクションすること。彼は、病床の祖母から、亡き祖父と見知らぬ女性が一緒に写っている古い写真を「コレクションに」と渡される。彼は祖父の故郷ウクライナへ、祖父を救ったというその女性を探しにと向かう。

 これは私にとっては、ドボドボ泣きの映画でした。
「ユダヤ人であること」が話のカナメ。でも、過去があって今があり、過去と現在が相互にILLUMINATE=照らす; イルミネーションを施す; 明らかにする; 啓蒙する; (写本などを)彩飾する, (最初の文字)を色彩[金銀]で飾る; 光彩を添える(三省堂提供「EXCEED 英和辞典)してこそ事の本質が見えるというのは普遍です。

 イライジャ・ウッドの主人公は若いのにいつもダークなスーツとネクタイで、彼の育った家庭と彼自身の生活スタイルがもろに伺える。コレクションの内容は、入れ歯だの虫入り琥珀、なんかよくわかんない針金みたいなのとか、他人にとってはしょうもない物ばかりで、それを日付入りで密封パックに入れて壁に貼る。まるで、その一瞬を留めつけるように。
 そしてウクライナでの、チョーシのいいブロークンイングリッシュでジャージスタイルの青年ガイドと頑固爺の運転手と犬との珍道中。
 前半のいかにものどかなコメディが、後半の重いテーマに違和感無く収斂していく。
 ギャラリーの未公開シーンを見ると、ジョナサンの変人ぶりや、ウクライナ青年・アレックスのアメリカ風プレイボーイを気取る風の誇張が削られているが、悲しいラストのさわやかさにそれが正解だな、と思う。
 全編晴天の明るい光と賑やかでノスタルジックな音楽が(ディスコミュ-ジックも含めて)、見た後の物悲しさをかきたてる様に感じる。

 ウクライナの風景は本当に広々して美しい。それにあのひまわり畑の中の家の映像は、墓地と呼応しているが、御伽噺に出てくる、迷い込む隠れ里のような非現実性を湛えている。

 ラストの空港シーンとクレジットを見てから、思わず数シーン見返しました。原作者まで登場してましたのね。ワンちゃん名演でした。
 

GW その2

2007年05月05日 | 日記・雑記
 3月4月の忙しさで、たまった伝票の整理を連休中にしなくては、と思っていましたが、取らぬ狸のなんとやら、計画通りには全くいかず、忙しがって出歩いてばかりでした。
 今日はおそい昼食(一人分)を作っていたら、炒め物に料理酒を入れるつもりがサラダオイルを入れておりました。「らんま1/2」で、茜ちゃんがしばしばこれをやっていますが自分でこんなことをするとは思いませんでした。本当にエグゾーストになってます。見ていた男子高校生が「あれ、突っ込んだほうが良かった?いや、何してるのかな~とは思ったんだけど。」 自分が食べるわけではないので、見物してたらしいです。イヤな奴です。

 最近は土日も朝からテレビで忙しいです。
 土曜朝はNHK教育で「風の少女エミリー」その後は「精霊の守り人」時間があればそのままBS衛星アニメ劇場を見、夜は夜で衛星アニメ劇場があったりします。
 日曜は「ゲキレンジャー」「仮面ライダー」は既に習慣となりました。
 他にも、テレビ映画も、「Vガンダム」も見ねばなりませんし、借りたDVDもあります。
 昨日から、フロイドの「性と愛情の心理」を読み、箸休め的にスティーヴ・ジョーンズ「鍵穴から覗いたロンドン」を読み始めています。
 睡眠足りてませんし、3日に重いものを運んだ為か、腰から足の関節が調子よくありません。

・「風の少女エミリー」
 これは、続編の内容まで踏み込むのでしょうか?エミリーが結婚の相手に誰を選ぶかが、この物語を完結させたように思う。今、番組サイトでも小学校中学年までの投稿しか見ておらず、この話にどう決着をつけるか、余計なお世話だが、ラストが心配になる。

・「精霊の守り人」
 物語の構成と、キャラの登場順については、全体がみえてこないとなんともいえないけれど、主役バルサと準主役タンダの二人のビジュアルの、私のイメージとの差が大きいのが今のところの問題です。
 バルサは、口がへの字というのは違うと思う。への字ではない。たとえどんなに深くきつく引き結ばれようとも、一文字であって、口角が下がったりはしない。
 タンダも、あれでは普通の好青年のようだ。もっと魁偉を感じさせる容貌に、世の中の悲しみを知って限りなく優しい眼を持った男であって欲しい。
 好きな本だとわがままいいたくなります。

・ゲキレンジャーは3人のままだろうか。赤のリーダーにトリックスターとマスコットまで兼ねさせてしまったのは驚き。何時メンバーが増えるかと、敵のボス理央とメレがどうなるか毎回めげつつ注目してます。

・小悪魔
 うちの女子大生が「小悪魔っぽいって言われたけど、どういう意味だろ?」とぬかしておりました。そんなことを言う人間は全くわかっていません。あいつは高校時代にスポーツテストで男子抑えて腹筋クラス1位になり、バイト先では米30キロを倉庫からレジまで一度に担いで運びます。「最近、筋肉無くなった~」と言いつつ、腹筋100回・腕立て100回やって、翌日筋肉痛にもなりません。そういうのは絶対小悪魔とは言いません。…もてるのは認めるが…