虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

きっと忘れない(1994/米)

2004年11月30日 | 映画感想か行
WITH HONORS
監督:アレック・ケイシアン
出演: ジョー・ペシ ブレンダン・フレイザー モイラ・ケリー

 予約してあったインフルエンザの予防注射、午後6時の診療時間終了ぎりぎりに飛び込んでやってきました。まだ腕痛いです。なんか疲れてしまって、新しい映画見る気力なく、消そうかな、どうしようかな、のビデオを整理の為に見ていた。

 優等をとることにこだわっているハーバードの学生が、卒論を撒いてしまったことからホームレスと知り合い、学校とは別の人生にとって大切なことを彼に学んでいく。
 予想される展開を外れない映画なんですね。エピソードをばら撒いた感じはあり。それに主役のエリート学生ブレンダン・フレイザー(わっか~い!)と恋人のモイラ・ケリーに私が魅力を感じないので、それほど感情移入できませんでした。ジョー・ペシはさすがです。若いメンバーにひきつけるものが足りない分、熱演でストーリーを背負ってる感じがします。ロビン・ウィリアムスとかぶりました。
 お疲れ気分のせいか、ちょっとシニカルな目で見ていたのだけれど、サイモン(ペシ)と家族との決して甘くない再会、死の床で読むホイットマン(え~と確かそうだよね)、モンティと教授との会話でぐぐっと来て、エンディングのマドンナの"I'll remember"で涙じわっ。うまい~~
 アメリカの大学の美しさというのも羨ましい。

 ただ、見た後一番残ってしまったのが「データのバックアップは、メディアにもまめにとろう」という決意…

海底軍艦(押川春浪著・ほるぷ出版)

2004年11月29日 | 
 明治時代、ヨーロッパ諸国を遍歴していた柳川青年が、帰国の船旅を旧友の妻子と同道する。しかしその船は、海賊に襲われ沈没。青年と8歳の少年は漂流の後、日本帝国海軍の桜木大佐が秘密裏に新型軍艦を建造中のインド洋の孤島に流れ着く…

 明治33年の冒険小説の昭和53年復刻版。映画を見たのですごく久しぶりに読み返した。
 横田順彌「SF古典こてん」で、紹介されていて、それで買っちゃった本ではあるが、SFなのは、新型潜航艇(この本では電光艇…山岡鉄舟の詩より命名)の形状や性能の紹介部分で、後は冒険小説。
 時代が時代なので、欧米への対抗意識バリバリだし、出てくる動物は猛獣としてむちゃくちゃ殺してしまうし、戦う敵は海賊船…まさか国との戦争は書けないだろうし…映画で敵としてムウ帝国なんぞが登場しちゃったのもむべなるかな、でした。
 でも、文章に独特のリズムがあって、慣れるとからだがリズムに乗っちゃってどんどん読み進んでしまいます。それに慣れてくると修辞が楽しい。「天女の如き」「月明かなる青水白沙(原文のまま)の海岸には」とか、決まり文句に飾られた文面が実に心地よいのでありました。「この際、漢文素読を復活しようぜ」と思っちゃったくらい。日本語からこのリズム感がなくなるのはやっぱり惜しい!
 それでもって、全400ページほどの本の中で、180ページくらいで登場した新型艇の説明に約13ページ費やされ、でもまだ建造中なのでした。それに肝心な部分は「桜木大佐長年の苦心による秘密の働き」で片付いてます。やっと出来上がって試運転したら大津波で燃料が波にさらわれ、ようやく最後に4ページほど電光艇の活躍が記述されておしまいなのです。
 入り口に「秘密造船所」と大書した地下造船所とか、インド洋に輝く北斗七星とか、枝も枝垂れんばかりに熟すバナナとか突っ込みどころ満載(明治の人をいじめちゃいけないけど…島崎藤村だって椰子の枝、とか言ってるもんね)。それについてもギャハギャハと楽しんだ本でしたが、当時の正しい日本人の「負けるものか」の軒昂たる意気に感じる本なのでした。

マッハ! (2003/タイ)

2004年11月28日 | 映画感想ま行
ONG BAK: MUAY THAI WARRIOR
監督: プラッチャヤー・ピンゲーオ
出演: トニー・ジャー ペットターイ・ウォンカムラオ プマワーリー・ヨートガモン

 タイの田舎の村ノンプラドゥ。ある日、村の信仰の的である仏像“オンバク”の首が切り落とされ、盗まれてしまう。村人たちは悲嘆に暮れる。この村で育ち、尊師にムエタイの奥義を伝授された孤児のティンは“オンバク”の首の奪還の為にバンコクへと向かう。

《公開時コピー》
一、CGを使いません
二、ワイヤーを使いません
三、スタントマンを使いません
四、早回しを使いません
五、最強の格闘技ムエタイを使います

 ということで、映画館で見た予告編でも思いっきりアクションだったで楽しみにしていたのだが、劇場では見逃し、DVD鑑賞。私としてはこれで正解だった。特殊技術なしの身体で勝負しようというアクションは期待通りだった。ジャッキー・チェンの「酔拳」を初めて見たときの感動には及ばないけど、傑出した体技を見る快感は満喫できます。でもこっちのほうがともかく痛そう。頭の上にまともにひじが降ってきたりするし、見ていると「ぎゃあ~~」「痛い!」「あわわ」などの声を出さずにはいられない。
 なんせ敵役が仏像密輸団なので、「ウルトラ6兄弟vs怪獣軍団」を見て以来、仏様を大事にしないヤツにはタイ映画では絶対にまともな末路はないことを知っていたが、ここでもきちんと仏罰が当たっているのでありました。仏様を粗末にしなくても、かわいそうな目に会う人もかなり出てきます。
 でも、ストーリーとかドラマは一度見て、後は見せ場は2・3度繰り返して見せたりするアクションシーンをアクション・チャプターから見てワアワア言ってる映画。3輪タクシー(みたいなもの)のカーチェイスも迫力あったです。車のぺかぺか感が効きます。
 お金が降ってくるシーンが、どういう意味に捉えていいのかわからなかった。

2046を一日置いて

2004年11月27日 | 映画の話題
ホームページのほうのmovie diaryに書き直しました。

2046

昨日帰ってすぐ書いたのと比べて、少しは頭が冷えておりますでしょうか。
映画の楽しみはこういう男を見ることにもあるよなあ、としみじみ~と味あわせてくれたトニーでした。ヨン様よりは、トニーのほうが魔力がありそうなんだけど、今のブームはちょっと不思議。

しかし、相変わらず観賞用男性はバート・ランカスタータイプが好き!
背が高くて、肩幅広くて、姿勢が良くて、リボンタイが男らしく、風格があって、なおかつ広い役柄をこなす!きゃ~!!!シュワルツェネッガーとは違うんだぞ~!「山猫」劇場に見にいけなくて悲しい!
(あくまでミーハー)

昨日またBK1から届きました。
PLUTO 浦沢直樹
英語で読む万葉集 リービ秀雄
詭弁論理学 野崎 昭弘

年末に、一年分の集計を出す日が恐ろしい…

2046(2004/香港)

2004年11月26日 | 映画感想な行
監督: ウォン・カーウァイ
出演: トニー・レオン 木村拓哉 コン・リー フェイ・ウォン チャン・ツィイー カリーナ・ラウ チャン・チェン ドン・ジェ マギー・チャン

 過去に囚われた一人の小説家が近未来を舞台にした物語を執筆、次第に小説家の現在と物語の中の未来が時空を超えて交錯していくさまを、美しい映像で綴る。

 上記の文章は、allcinemaONLINEからもってきましたが、木村拓哉主演部分は、特に小説家の心の中をくっきり説明するということでもなかったですね。セリフもっと少なくて映像だけでも良かったかも、と思った。そのほうが非日常感があるんじゃない?ま、一番肝心な秘密を言ってないし。
 音楽良かったです。
 「花様年華」の続きですが、「花様年華」見てないと駄目かというと、そうでもないかとは思います。テーマはけっこう普遍をいってます。
 花様年華では画面の向こう側にあって、見るものの妄想に任されていたラブシーンがあらわになっていて、そのことがチャウの永遠に渇望して、しかしおそらく一生得られないであろう『本当に求める愛』の昂揚と荒廃を物語るようです。(トニーとマギー・チャンは、その画面の向こう側、を十分感じさせてくれたのです)
 確かに「愛は代替品では駄目」なのです。

 「花様年華」でもそうだったけど、チャイナドレスというのは、なんであんなに女性が魅力的になるのか?そりゃ着る人の体型はシビアに要求されちゃうけど。今まで、チャン・ツィイーは「綺麗だなー」と見とれていたけれど、女優としていいっ!と思ったのは実はこれが始めて。やつれてすがれた女がきちんと出来るんですね。思わず今まで実力を正しく認めなくてすいません、と思ってしまった。コン・リーは貫禄でした。フェイ・ウォンきれいですねえ!

 何よりもトニー・レオンの映画なのでした。
 トニー・レオンという人には、R・キャパの如き、女性をして磁石の前のゼムクリップと化してしまうオーラがある。(こう思ってるのは私だけか?)キャパと違うと思うのは、陽性でなくて、ノワールなムードがあること。
 これほどノワールで情緒のある俳優が、今ほかにいるだろうか?崩れてもそれが陰影となり、その翳が情緒になる。
 けっこう身体が見えてしまうの役だったけれど、役なりのほどよいからだの緩みようもさすが!筋肉魔人だけがスターではないのだ。シンガポール時代のトニーのワイシャツのしわにしびれ、彼のすいさしのタバコを拾って隠匿したいっ!など危ない気分にさえなる。ご本人に触れたらきっと感電死です。

 木村拓哉は別に悪くありませんでしたが、共演の皆様に、目力とか負けがちなので損かも。

 本日ご近所での公開最終日なのでまた無理して行っちゃって、自分で自分を追い込む私なのであった…

「ジョヴァンニ」が見たい!

2004年11月26日 | 映画の話題
 「木靴の樹」のエルマンノ・オルミ監督の歴史ドラマ。
  公式サイト
 それも、中世から近世へと移る歴史の象徴的な場面をCGなんかには頼らない戦いで描いていこうという聞いただけでぞくぞくするような映画。
 今のところ日比谷シャンテ・シネ一館だけとはあんまりな話。
 こういう映画こそ大スクリーンではないですか。
 この際教育委員会でも、共済組合でもいいから、大きいスクリーンのホールで市民鑑賞会でもやって頂戴!と切に願う。

 「最終兵器彼女」の実写版映画化計画が進行中らしいけど、大丈夫かな?「デビルマン」の東映ですからね~ 私は高橋しんの絵が今ひとつ合わないのでさほどの思い入れはないけど、画集まで買っちゃってデスクトップが一時「ちせ」だったうちの高校生にはけっこう重大問題かも。

 今年の終わりは「ハウル」をはじめとして「Mrインクレディブル」「ポーラーエクスプレス」とよさげなアニメ目白押しだし、泣かせてくれそうな「ターミナル」、興味津々「スカイキャプテン」など、娯楽系はすごく充実だけど、やっぱ「ジョヴァンニ」見たいなあ!

座頭市物語 (1962/日)

2004年11月25日 | 映画感想さ行
監督: 三隅研次
出演: 勝新太郎 天知茂 万里昌代 島田竜三 三田村元

 天保水滸伝を、座頭上がりの市という盲目のキャラクターを主人公に配して描いたドラマ。

 私は、シリーズ化の後や、テレビシリーズの決めセリフがあったりする座頭市ではなく、まさにこの映画で座頭市と出会ったので、このいささか暗くてニヒルっぽい雰囲気に馴染んでいます。
 三隅監督らしい、実に端正な時代劇らしい画面で、いつもながら光と、そして影の落ち方が美しい。男をかっこよく見せるのが本当に上手だ。

 でもこの映画を初めてみたときは、勝新よりも平手造酒役・天地茂にぞっこんまいってしまった。登場シーンや、市との決闘シーンは本当に瞬きも忘れるようだ。 
 後年は「○○を演じる天知茂」を見るような気がするのだが、この映画では「天知茂が演じている平手造酒」で、平手造酒というキャラのひとつの典型のよう。落ちるところまで落ちた自分をあきらめた侍の最後のプライドが凄惨で、悲しく、しかも美しい。
 ヤクザが飯岡・笹川双方ともに酷薄に描かれているだけに、一層哀れ。
 そして、見事な居合いの腕を持つ市も、やって来たとき同様、みっともなくよたよたと、慕ってくれる女性も置いて去っていく。
 ハードボイルドな映画だった。
 音楽も、画面に沿った感じで、全体に押さえた雰囲気。

悔しい水曜日

2004年11月24日 | 日記・雑記
2時の約束を直前キャンセルされてしまった。
もっと早くわかっていればレディースデーの映画館に行けたのに!

今年も残りわずかということで
年内にすること
11月末までにして置くことの一覧表を作った。

びっしり。

頭痛くなった。

能率悪い私がいけないんですが。
しばらくはビデオ・DVD生活になりそう。

森崎東監督の「ニワトリは裸足だ」
近所の2番館あたりにでも来ないかなあ…
単館系の小劇場がまたひとつ休館になっちゃったから
ますますこの手の映画見難くなってしまった。

タイムライン (2003/米)

2004年11月24日 | 映画感想た行
監督: リチャード・ドナー
出演: ポール・ウォーカー フランシス・オコナー ジェラード・バトラー ビリー・コノリー

 マイケル・クライトンのベストセラー小説を映画化。
 フランス南西部の14世紀の修道院遺跡の発掘現場から、現代の製品としか思えないメガネのレンズと“Help Me”と書かれたメモが出土。それは、スポンサー企業ITCを訪ねたまま行方不明になった発掘プロジェクトのリーダーの教授からのSOSだった。息子クリスをはじめ発掘チームのメンバーは、ITCで教授が極秘に開発した時空間転送装置で14世紀フランスに転送され、現地で消息を絶ってしまったと聞かされる。そしてクリスと仲間と、会社側の護衛とともに教授の行方を追って中世フランスへと向かう…。

 SFとはいえ、ほとんどが現代人が14世紀で徒手空拳で苦労する話です。
 クリスと、彼が思いを寄せるケイトが主人公かと思いきや、一番目立ってるのは14世紀でその時代の女性と恋をしてしまうマレクでした。少なくとも一番活躍してかっこいい。学者としての知識で次々に降りかかる難題に対処していくという設定ではあるけれど、人間体力が基本、とちょっと虚弱な私が切なくもなるのでした。
 戦場のシーンは迫力があるし、背景のセットなどもとても豪華。でもあまり大作な感じがしません。劇場で見るとまた別だったかもしれません。
 ずいぶん犠牲の大きかった実験だなあと思わずにはいられませんが、最後にきっちり落とし前をつけさせているのであまり欲求不満も言えませんし、ラストで思わずぐっと来るシーンも用意されています。

 ただ、SFですからね~ いわゆるタイムパラドックス問題、これは過去を変えたことになるんじゃない?ということも気にはなりましたよ。「夏への扉」「パチャカマに落ちる陽」とか思い出してちょっぴり首ひねっちゃったのでした。

自衛隊はイラクにいつまで?何をすれば帰ってこられる?

2004年11月23日 | 日記・雑記
EXCITEのニュースで
来年末まで自衛隊駐留を イラク外相が要望[ 11月22日 23時35分 ]
というのがあった。

 自衛隊がイラクへ多国籍軍に参加している根拠は国連決議1546で、多国籍軍の目的・役割の「復興に協力」という部分で参加してるんですよね。そして、これは日本が参加できるように働きかけて加わった条項でしたよね。
 「復興支援」に関してはいわば日本が言いだしっぺの手を上げちゃったことになるんですよね。そこが困ったところです。だから、イラクの人が「もう結構です、お帰りください」って言って下さるのが一番いいと思ってるんですが…

イラク支援国会議:エジプトで始まる 協調体制は困難か
これで目途がつくことを痛切に願ってしまいますが。
また難しそうですね。

吸血鬼ノスフェラトゥ (1922/独)

2004年11月23日 | 映画感想か行
NOSFERATU: EINE SYMPHONIE DES GRAUENS
監督: F・W・ムルナウ
出演: マックス・シュレック アレクサンダー・グラナック グスタフ・フォン・ワンゲンハイム グレタ・シュレーダー

 ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」の映画化。
 舞台はブレーメンとトランシルヴァニア。

 怖かった。
「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」を見た後だし、古いホラーというのは仕方が無いことだが技術がちゃちいのに演技が大げさというのが多くて笑っちゃうかと思ったが、本当に怖かった。まったく無音のビデオで見ていたのだが、機械音がまるで効果音のように部屋に響いていた。コントラストのきついシーンの影の濃さにおののき、棺を運ぶ列の続く街中のシーンでは圧縮されたような空気感が伝わってくるようだった。
 ネズミもいかにも効果的。気持ち悪くて見るのがイヤでいやでたまらない。

 マックス・シュレックのビジュアルも想像以上。「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」のウィレム・デフォーも怪物じみていたが、この棒をつないだような、肉感というもののないノスフェラトゥには、「シャドウ~」を作りたがった気持ちがわかってしまいそう。その身体で棺を持ったまま新しい家へと向かう。
 ペスト後のブレーメンの街の闇の深さ、重い空気感は、それで石の家がゆがみそう。
 主人公の夫婦は白塗りっぽくても端正な美貌。これも怖い。
 確かに古い、突っ込もうと思えばそれなりにおかしいが…でも怖かった。

ダイシンボルガード(記憶に残る競走馬)

2004年11月22日 | 日記・雑記
「シービスケット」を見ていて、
馬券は一度も買ってない、競馬場にいったこともない女性の「記憶に残る馬」の話を思い出した。私と同じ病気のちょっと先輩で、病院で一緒だと暇だからいろんな話するんだけど、それで私の記憶にまで残ってしまった馬。

 やっぱり寝てる時間が長いので、日曜日も出かけるでもなく、身体だるいなあ、なんて言いながらテレビなんかず~っと見ていて、当時は日曜に競馬中継が毎週あったそうです。で、その「ダイシンボルガード」という馬は、テレビ画面を通しても雰囲気に妙にひきつけられるものがあったそうです。
 1969年のダービー馬なので実力はあったんでしょうけど、どうも安定感が無い。気象とか、馬場の条件が良くない時が得意。勝ったかと思うと次はころっと負けてる。それに、レース前だかに騎手を振り落として競馬場内を勝手に散歩して競馬場を麻痺させちゃったこともあるそうです。それはテレビ中継されたそうですけど、ネットで検索してもそんな記録見つかりません。見たことある方いますか?
 まるで実力があるけど、素直になりきれないでどうしてもすねてしまう少年の如きたたずまいを感じてしまったそうで、その馬だけ注目するようになり、引退してからは競馬なんか見なくなっちゃった、ということでした。
 私も競馬の写真集で、その馬の厩務員がダービーのゴールで一緒に走っちゃった有名な写真を見ていたので「ダイシンボルガード」の名前は知っていたけれど、馬より狂喜のおじさんに注目したので、どんな馬かはわかってない。

 馬というのは、ほかのものに無い引力があるんだろうな、と思う次第。ヒダルゴやシービスケット、ワイルドブラック…馬の映画は良いのが多いし。

海底軍艦(1963/日)

2004年11月22日 | 映画感想か行
監督:本多猪四郎
出演: 田崎潤 高島忠夫 藤山陽子 小泉博 上原謙 藤木悠 佐原健二 平田昭彦 天本英世 小林哲子

 12000年前、地殻変動のため海底に沈んだムウ帝国は海底都市で地熱の力で生き延びていた。しかし突然地上に現れ、全世界に植民地になるよう要求、世界各地に攻撃を開始する。太平洋戦争終戦間際にこつぜんと姿を消した神宮司大佐たちは、孤島でひそかに強力な海底軍艦を建造していた。かつての神宮司の上司・楠見はムウ帝国と戦うために轟天号の出動を要請。だが旧日本帝国にこだわる大佐は肯じない。一方、神宮司の娘・真琴と恋人・旗中はムウ帝国に連れ去られてしまう…。


 「レインマン」を探しにいったら、店にあったので借りてきてしまった。
 これはご本家の小説とは全然違うのですね~。戦後20年といっても、日本が敗戦国で平和憲法の国だ、というのがかなり強烈に出されてるし。
 それなのに話の展開はかなり乱暴で、交渉もなしに、いきなりムー帝国全体を国民もろとも滅ぼしちゃう。このギャップにはいささか唖然。
 でも、古い特撮ものについて回るちょっとしたチープ感があまり感じられない。物理法則はまったく無視したような、空を飛び、海をもぐり、地中を先端ドリルで驀進する海底軍艦・轟天号にわくわくしてしまった。
 怪獣がマンダ一匹しか出てこなくて、それもあんまり活躍しないので、当時の特撮としては異色、というか特撮だから無理やり怪獣入れてみましたって感じ。
 
 ヒロインはきれいだけど、色彩センスのすごい衣装ばかりで気の毒。ムー帝国皇帝役さんはふっくらした世間知らずのわがままお姫様の感じでいかにもという雰囲気があって素敵だった。
 男の人が良くて、特に若い俳優よりおじさん連に見とれる。私は細長系より重厚型が好きなので、藤田進とか高田稔が並んでると、それだけで映画の評価上がっちゃう。特に神宮寺役・田崎潤はもうぴったりでたまりません。
 
 突っ込みながらキャーキャー楽しんで見てしまった。
 天本英世が出してくる海底軍艦設計図が青焼き~~~!「青焼きが20年持つのか?」「いや、しまったままなら持つかも」「なんで突出した科学力を持つムー帝国が槍で戦う?」「デビルマンでも銃は撃たずに振り回してたし!」海底軍艦が地中を進む所では「あ、一応残土排出してる!」「あれじゃ足りんだろうなあ」、「ムー帝国の光線兵器の造形(マンダ型?)は、帝国の美意識がこだわっちゃったのね~」「平田昭彦はなんで夜でもサングラス?」「平田昭彦だから!」「まあ、富士山麓のような絶海の孤島!」
 「ありえね~」世界をいっぱい楽しめた映画です。音楽が伊福部昭で、ちょっとゴジラっぽいけど荘重感があってわくわくします。

レインマン (1988/米)

2004年11月22日 | 映画感想ら行
RAIN MAN
監督: バリー・レヴィンソン
出演: ダスティン・ホフマン トム・クルーズ ヴァレリア・ゴリノ

 高級外車のディーラーで危ない世渡りをしているチャーリーに、父の訃報が届く。10代で家を飛び出して、父に対する愛情も示さない彼だったが、遺産目当てに故郷に戻る。しかし、彼に残されたのは車一台で300万ドルは存在さえ知らなかった自閉症の兄、レイモンドに残されていた。
 チャーリーは病院のレイモンドを誘拐まがいに連れ出し、遺産の半額を要求する。

 これは、このストーリーの抄本を学校でサブテキストとして使ってるから見たいという高校生のリクエストで借りてきた。何年ぶりか忘れてるくらい久しぶり。前に見たときより、展開がわかってる今回のほうが泣けた。ところが、高校生は見終わっても「?」という感じで「泣かせたいのか笑わせたいのか良くわかんない」
 私も初めてのときはそんな気もして、でもエンドクレジットの写真と音楽で涙がぶわっときました。
 トム・クルーズは今見ても、美男だけど趣味じゃないなあ、と思うけど、この映画については人にあってる。ダスティン・ホフマンはこれは文句のないところでしょう。
 2人の演技もいいけど、私が思うに、この映画の一番の効きどころは「間」と「音楽」。演出と編集の素晴らしさだと思う。

海底軍艦

2004年11月21日 | 映画の話題
 見たいなあと強烈に思う映画が全然見られなくて、DVD待ちリストばかりがたまっていって悲しい今日この頃です。

「ニュースの天才」「コニー&カーラ」とても行けないとこでしかやってない。
「17歳の処方箋」やっとDVDリリース(これは原題が Igby(主人公) goes down とか、ぴたっと意味が取れない) でも暗い映画館の雰囲気の中で見たかったなあ、これ。

 それで、「海底軍艦」なんですが、
 私の場合、これについて知ったのは横田順彌「SF古典こてん」で、明治時代のSF作品として知り、映画は原作とはかけ離れたものになっているにせよ、今の40~50代くらいのおじさんに「海底軍艦」を熱く語る人が多いのですっごく見たかったんですよね~(オンラインレンタルDVDに出たので予約はしてあるんだけど、お届け率いつも50パーセント以下で全然回ってこない~)
 それが、最近劇場で見る「ゴジラ・ファイナルウォーズ」にチラッと出てくるあのドリル…伝説の海底軍艦・轟天号ではありませぬか!最後のゴジラ見る前になんとしても「海底軍艦」見ておかなくては!