虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

世界中がアイ・ラヴ・ユー(1996/米)

2005年04月30日 | 映画感想さ行
EVERYONE SAYS I LOVE YOU
監督: ウディ・アレン
出演: アラン・アルダ ゴールディ・ホーン ウディ・アレン ドリュー・バリモア ルーカス・ハース ギャビー・ホフマン ナターシャ・リオン エドワード・ノートン ナタリー・ポートマン ジュリア・ロバーツ ティム・ロス デヴィッド・オグデン・スタイアーズ

 アメリカの上流階級の一家を中心に、その周囲も含めた「家族の肖像」的ストーリーのミュージカル。

 要はグルーチョ・マルクスの団体なのです。みんなが落ち着くところへ落ち着いて、その後のパーティーでみんながグルーチョ・マルクスに扮して歌い踊り、そこでなぜか納得。
 はじめて見たときは、そこに至るまでは、なんだか笑いが落ち着かない気分だった。いつものようなウディ・アレンタッチの当てこすりや皮肉に、なんともオーソドックスな歌と踊りの場面。落ち着かなくても、シニカルでスピーディーな展開、きれいはきれいだけどちょっとごつい感じのジュリア・ロバーツとか、エドワード・ノートンのおとぼけぶりや、ティム・ロスのヤクザの恋のずれっぷりにきゃっきゃと楽しんでいたのですが。

 それが、最後のグルーチョで不思議にすとんと腑に落ちて、ラストのゴールディ・ホーンとウディ・アレンの夢のようなダンスで素敵な気分で締めくくり。
 2回目からが落ち着いて貪欲に楽しめる映画です。
 ただ、これは、マルクス兄弟ばかりでなく、過去のミュージカルや名シーンへのオマージュがきっとぎゅうぎゅうに詰まっているのだろうな、ということがわかって、それ以上がわからないのが切ない。

GWは…

2005年04月29日 | 日記・雑記
 黄金週間初日の本日は朝から熱出してしまいました。
 近所のシネコンの改装1周年記念1,000円デーに行こうと楽しみにしてたのに!

 それに今年のGWはCADの勉強もしなくてはいけません。
 必要でしょう、とガイドブックまでプレゼントされてしまいました。
 というわけで、充実したお休みになりそうです。しくしく。

ロボコン (2003/日)

2005年04月29日 | 映画感想ら行
監督: 古厩智之
出演: 長澤まさみ 小栗旬 伊藤淳史 塚本高史 鈴木一真

 高専に通う里美はやる気ゼロの落ちこぼれ生徒。1ヵ月の居残り授業を免れる条件として教師から“ロボット部に入って、ロボコンに出場する”ことを提案される。居残り授業よりはマシと、仮入部するが、地方大会優勝常連の第1ロボット部でなく、部員3人、一人は幽霊部員の第2ロボット部。里美はいきなり操縦担当になり、地方大会へと出場するのだったが…。

 今をときめく長澤まさみちゃん、かわいいです。オープニングのだらけきった顔も良かったです。
 ストーリーは、はみ出しダメダメチームががんばって優勝してしまう、その経過で自分に目ざめるというまったく伝統的スポ根ドラマ形式。地道ながんばりやだけど、主張できなくてついパシリになってしまう部長、実力があるがコミュニケーション不全症の設計担当(小栗君、かわいい)など、見事に常道なキャラ、敵役に憎たらしい第1ロボット部さんも出てきてほとんど様式美のようなものも感じてしまう。それが気持ちいいんですけど。

 ほにゃほにゃした音楽がまた、熱血未満の感じでこの映画らしくて良かった。お母さんお写真ギャグもけっこう好き。
 でも、この映画でどことなく感じるのは「飢え」。みんな、自分でも意識しきらない何かを待ってて、自分をぶつけたがってる…って感じ。それは成長のために必要なことだけど時として危険なことでもあるのですよ。そして、これが無いと青春ものにはならない。

郡上一揆 (2000/日)

2005年04月28日 | 映画感想か行
監督: 神山征二郎
出演: 緒形直人 岩崎ひろみ 古田新太 前田吟 林隆三 加藤剛

 江戸時代の3大一揆の中でも、領主改易のみならず、幕府の要職までが処罰されたほかに例を見ない一揆を描く。

 これは、農民側の勝利に終わった一揆として有名です。それでもその「勝利」の内容は厳しいものです。
 当然ながら主だった農民たちは死罪。おまけに、農民たちが恐れた隠し田も露見し、険見も実行されてしまうわけですから。しかし、取り潰された領主の次のお殿様はやはり教訓を心得た人だったようなのですが、少なくともそれくらいのことがなくては死んだ人たちは浮かばれません。

 キャストも豪華で力の入った映画ですが、どうも新劇的ゲンコツ芝居の香りを感じてしまったりします。それに、網野善彦の本をどっさり読んだ後だと、こういうインテリで社会的な責任も自覚した農民のあり方というものがそう新しい発見でもないこともこの映画の感動をそいでいるかもしれないです。なんとなく、歴史理解に役立つ学習映画みたいに感じるのは、きっと私の個人的見解です。
 でもやはりちょっとわかりにくい。お殿様もなんだか馬鹿殿みたいなだけだし、上訴というのは死を覚悟してするものだから、そこまで覚悟するだけの環境がはじめが説明不足に思えるので、ストーリーが進むにつれて主役陣の若い面々がやたらと力が入った演技になるのに気持ちが付いていききれない。

 とは言いつつも、広く見られるといいなあ、と思う映画ではあります。
 私のような年寄りっ子の良いところは、ちょっと前の一般的共通知識を受け継がせてもらえたことで、佐倉宗吾、松木長操、磔庄佐衛門、文殊九助などをヒーローとして知ったこともお得なことでした。それに、彼ら義民たちの訴状が手習いの手本として伝わっていたことも聞かされました。
 一揆・上訴の首謀者は、いわば為政者・領主の面子の為に死ぬべき運命を受け入れる覚悟をして、実行に及ぶわけです。こういった日本のフォークヒーローたちはもっと記憶されてもいいんじゃないかと思うのです。

シャル・ウィ・ダンス? (2004/米)

2005年04月27日 | 映画感想さ行
SHALL WE DANCE?
監督: ピーター・チェルソム
出演: リチャード・ギア ジェニファー・ロペス スーザン・サランドン スタンリー・トゥッチ ボビー・カナヴェイル リサ・アン・ウォルター オマー・ミラー アニタ・ジレット

 遺言書作成専門の弁護士ジョン・クラーク。彼はキャリア・ウーマンの妻と2人の子供たちに恵まれ、安定した暮らしをしていた。ある日、帰りの通勤電車から何となく外を眺めていた時、あるダンス教室の窓辺に佇む美しい女性に目を留める。そしてついに電車を降り、彼女のダンス教室に入ってしまう。

 周防正行監督の1996年「Shall We ダンス?」のアメリカ版リメイク。
 ストーリーは同じだし、同じ絵を大量に使ってるけど、かなり色合いの違うものになりました。アメリカ風アレンジだとこれが正しいアレンジなのでしょう。かなり良く出来たハートウォーミングコメディになっていると思います。
 それに画面の華やかさ、色彩の細やかさは、これを見ると、オリジナルがチープに見えるところが出てくるだろうな、と思わざるをえない。音楽も良かったですね。
 満ち足りた筈の生活の中で、特に遺言書作成なんてお仕事で殊更に人生を意識させられて、心に隙間風を感じるお年頃の男性が、やはりどこか満たされぬ女性に惹かれていく。でも結局奥さんが一番大事で、彼女も新しい道へ踏み出していって見事にハッピーエンド。
 予告編でリチャード・ギアのブラックタイ姿がさすがに決まりすぎるほど決まっていたのが心配だった。でも大会までは役所さんのような含羞のあるどこかそぐわないダンスコスチュームという感じ。ほかのキャラもほとんどオリジナルそのままのようだけど、やっぱりなんか違う。一番違うのはヒロインですが。ジェニファー・ロペスはやっぱり情熱系がお似合い。

 私はどちらかといえばオリジナルのほうが好き。大団円的にきれいにまとまってしまっている今度のリメイク版より、生きることの切なさ、人間の寂しさをみんな抱えていくという感慨を残したオリジナルのラストが好きだし、人の手の届かぬ妖精のような雰囲気のあるヒロインの草刈民代、主人公のマッチョでない中年の男らしさ、中年以降の恋のような淡い憧れのような心情。渡辺えり子のほうに生活感と切なさをより感じてしまうのは、私が日本人だからだろうか。やはり何度も見たいのはオリジナル版。

夜の電車

2005年04月27日 | 日記・雑記
福知山線の事故のニュースは実に痛ましいばかりです。
いつもの朝のように、あわただしく、機嫌よく、あるいはちょっと不機嫌に出かけていきなりあんな形で命が絶たれるなんて不条理そのもの。
通勤・通学電車というところがやり切れません。

昨日は夜10時帰宅でした。
電車が少し遅れて、その時間帯の割には混んでいたのですが、みんな内心はともかく、事故のことなどまったく念頭にないように、新聞読んだり居眠りしたり、いつもと同じ車内風景でした。
私も自分の乗った電車が無事でないなんて今でも考えられないです。

今朝は今の時間に「世界中がアイ・ラヴ・ユー」の感想書いてしまおうと思ったけど、間に合いそうもありません。
朝の仕事を早巻きに済ませて、何とか「シャル・ウィ・ダンス」見てきます!
ほとんどタイムアタック。
さあ、映画の上映開始時間に間に合うか!?

ノートルダムのせむし男 (1923/米)

2005年04月25日 | 映画感想な行
THE HUNCHBACK OF NOTRE DAME
監督: ウォーレス・ワースリー
原作: ヴィクトル・ユーゴー
出演: ロン・チャニー パッツィ・ルース・ミラー アーネスト・トレンス

せむし、容貌魁偉のカジモドはノートルダム寺院の中でひっそりと生きている。道化の祭りの日に一番醜いものとして道化の王に選ばれたカジモドは、ジプシーの美しい娘エスメラルダを見る。
 ノートルダムの副司教の弟はエスメラルだを狙っており、カジモドに誘拐させようとするが、美男の近衛兵に阻止され、カジモドはつかまり、公衆の前で鞭打たれる。そのときに広場にさらされ、渇きに苦しむカジモドに水を与えたのはエスメラルダだった。近衛兵と恋に落ちたエスメラルダは、嫉妬に狂った副司教の弟の罠でついに死刑を待つ身となる。

 これは、うちの高校生が借りてきたのでもっけの幸いと一緒に見ていました。原作はあまりはるか昔に読んだので、ノートルダム寺院をエスメラルダを背負って上がっていく怪力カジモドのシーンしか覚えていません。
 こちらはディズニーの「ノートルダムの鐘」と違って悲劇です。貴族と下層民の対立も描かれていますが、どちらの人の社会に容れられぬカジモドはエスメラルダの美しさと一瞬自分に与えられた彼女の優しさに命を捧げてしまうのです。
 この映画では、カジモドの、人の情に慣れないが為に彼が意識しない、出来ない非情さが迫ります。エスメラルダを守ろうとするために人々の上に石や巨木を落とし、煮えた鉛を流す残酷さが夢中な彼にはわからない。そして最後には手を取り合うエスメラルダと恋人に忘れられて、鐘を鳴らして一人で死んでいくカジモドの哀れさ。

 ロン・チャニーは「オペラ座の怪人」も素晴らしいメイクで、怪人がマスクを取るシーンは強烈な印象だったが、この映画でも、登場シーンからカジモドです。メイクはもちろん、立った姿の足の位置、動きも本当にああいう形に生まれ合わせてしまった人はああなのかもしれない、と思わせられますし、身体を無理に萎縮させた感じのない動きで、本当にすごい役者です。
 エスメラルダ役は、いつでもどこでもメイク完璧なのは、やっぱり昔の映画だな。とは思うが、ともかく美しく、掃き溜めの鶴そのもの。そのほかのキャストもあっている。
 なんといっても群集シーンの迫力、ノートルダム寺院の威容の表現や、寺院の上から広場を見下ろしたシーンなど、驚くような映像です。それに、時々コメディタッチの息抜きのようなシーンまであり、どんな古い映画も、傑作は本当に傑作だと唸った。

懲りない私

2005年04月25日 | 日記・雑記
 土曜日は、午前中お仕事、午後はスペイン語教室へ行ってから図書館へ行き5冊借りてきました。
 寝る前に「刑務所の中」を見ました。
 日曜は午前中に「ノートルダムのせむし男」を見て、午後は新しいレンタルショップと本屋を開拓しに出かけました。
 帰ってから、「ビッグフィッシュ」と「南君の恋人」「世界中がアイ・ラブ・ユー」を見ました。
 図書館で借りた本は、4冊目に入りました。

 これだけやっちゃいますと、さすがに目が限界です。
 今朝から、充血・涙止まらず、かすみ目、眼底の痛みがひっきりなしに襲ってきます。
 いい加減馬鹿な真似はやめろ、と怒られました。

「ビッグフィッシュ」は当然好評!
 見終わって、感想を聞くと
「なんか、今なら何でも許せちゃいそう」(涙ぼろぼろで)
「くそ、不覚にも泣いちまったぜ」(女子高生)

 フカキョン版「南君の恋人」思ったより悪くない。でも、彼のかっこよさはあんなもんでいいのかな?

1周年

2005年04月23日 | 日記・雑記
 今日でブログ開設1周年です。
 これが466番目の記事です。忙しいと言いつつ、私は何やってるのかな?
 ブログのトラックバックなどの機能が生来書きっぱなしが多い私の目を外に向けてくれます。皆様に感謝です。

 また、ホームページの周年記念プレゼント企画しようかと考えています。
 また見ちゃったDVDプレゼントになると思いますが(いつもセコハンですいません)、スペンサー・トレイシー「可愛い配当」、ダニー・ケイ「検察官閣下」、「十二国記」の最初のなどで2つセットくらいでどうかと考えてます。

 TVKテレビ神奈川を就寝前に見ています。夜12時過ぎの「サクサク」が日課になりつつあります。それに、金曜夜の「どうでしょうリターンズ」も新シリーズです。昨日は「砂嘴・砂洲・潟湖・陸繋島」のお勉強でした。

 ゲーム「ICO」2周目クリアしました。4時間程度でした。2周目ではヨルダの言葉がわかったり、ちょっとした変化がありましたが、エンディングが変わらなかったのでネットで検索。それからボス戦やり直しで別のエンディング見ました。これまたちょっとした違いでしたが、ああいう行為が入ってくるというのが、日常へと帰ってきたシルシなのでしょうか。
 このゲームは、本当に音がいいなと思います。だからエンディングの歌がすごく効果的に聞こえます。

コンスタンティン (2005/米)

2005年04月22日 | 映画感想か行
CONSTANTINE
監督: フランシス・ローレンス
出演: キアヌ・リーヴス レイチェル・ワイズ シア・ラブーフ

 人には見えない異界のものが見えてしまうコンスタンティンはその能力で悪魔を地獄へ追い返している。そしてヘビースモーカーである彼はそのために余命一年の肺がんである。ロサンゼルスの刑事アンジェラは双子の妹イザベルの自殺の真相を知るためにコンスタンティンに接触。そこから二人は今の世界のバランスを崩し、人間界に入り込もうとする悪魔がいることを察知する。

 キリスト教苦手なんです。大学でキリスト教概論きっちりとらされましたが、それでますます苦手になりました。とてもじゃないけど奥までは手が届かない、って気分にさせられます。だからこの映画見ていて、「ガブリエル」「ルシファー」の名前が飛び交っているのに「この意味づけは~?」と果てしなく「?」が湧いてきて落ち着かないのです。それに天国と地獄も、キリスト教が骨まで染み付いてる人と私では感じ方違うんだろうなあ、と。
 映画の話に戻ると、それでも、天国も地獄も「共にここにある」という世界観は映画だけの情報できっちり伝わりました。しょっぱなからまるっきり「エクソシスト」 それにアクションが加わりました、といったかなりオーソドックスな印象の映画です。「マトリックス」一作目のように目を見張るようなアクションの新しさとか、そういう感じはないです。
 目の保養になるハリウッド・ハンク、よれよれのキアヌ・リーヴスにうっとりするにはいい映画でした。
 ただ、私はキアヌ・リーヴスにはどうしても生真面目さを感じてしまいます。これは天使と悪魔の両方に悪魔的な愛され方をされる役ですからもっと危険な吸引力に満ちた主人公のような気がするのですが…まあきれいだからいいですが。
 
 ティルダ・スウィントン、こういう役なんですね。「ナルニア」ではどうなるのだろう、という目で見ていました。ルシファー、最上位の悪魔なのにガラ悪すぎないですか?「バルフィザール」なんか小物風ですね。魂担当のサタンらしいのに。
 そこそこ面白い、とは思いましたが、最後はちょっと。ガムなんてあんまりだわ。

初春の色・旅心

2005年04月21日 | 日記・雑記
今週は、BSで雷蔵とバルドーの特集です。
雷蔵は「蛇姫様」「女と三悪人」「陽気な殿様」を見ました。バルドーの「裸でご免なさい」も見ましたが、それは週末にでも感想を。

まだ風は冷たく感じる日もあるもののすっかり春の景色で、草いきれも感じる頃になりました。
花はソメイヨシノが終わり、山桜の薄い朱をさしたような花も散り、八重桜のちょっと大振りな花びらを足もとに見ながら歩く昨日今日です。
今の花の色の印象は薄桃色ですが、私は春の色なら、黄色を連想します。
まだ寒さが残るうちに、春の先駆けのように咲くマンサク、サンシュユのような木の花を春の使者として待っています。
雪をかぶって咲く梅も美しいですが、やはり陽光のかけらを枝にまとわり付かせたようなイメージが懐かしい。

 今週あまりに忙しかったためか、なぜか感傷的になり、ついでに旅にでたいとか考えてます。
 北へ行ってまた春の黄色にめぐり合ってこようか。
 愛知万博は混んでいそうなので、大阪に学天則(帝都物語とは違うけど)でも見に行こうか、安土城でも実際に見てこようか、三内丸山に行こうかと本日は歩き回りながらずっと考えていました。
 しかしゴールデンウィークは混むなあ…

屋根 (1956/伊)

2005年04月20日 | 映画感想や行
IL TETTO
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
出演:ガブリエラ・パロッタ ジョルジュ・リストッツィ

 大戦後のイタリアで、何とか住むところを獲得しようとする若夫婦のお話。
 戦後の住宅難で結婚しても住むところが見つからず、義兄の家で同居していたナターレとルイザは、とうとういられなくなって飛び出すが家は見つからない。仮小屋でも屋根がつき、住んでしまえば居住権を主張でき罰金を払えば住むことが出来る。左官見習いのナターレは仲間と小屋を作り、見回りの警官が来るまでに何とか屋根を完成させようとする。

 BS2の昼にヴィットリオ・デ・シーカ監督特集。「ミラノの奇跡」(1951)とこの「屋根」を一度に見たのだが、共に初見。今までデ・シーカ監督の初期作品というと「自転車泥棒」 「靴磨き」みたいな、「わかる、わかるけど苦しい、希望が欲しい…」と感じるようなのばかり見ていたようだ。
 共にちょっとコミカルで、人間の自分しか見えてない困った側面はほかの作品と同じくしっかり描かれているけれど、ラストは想定の範囲内(流行り言葉を使ってみました)ではあるがほっとさせてくれる。「屋根」のデータを見に行ったallcinema ONLINEでこの映画の主演二人が素人だと知ってびっくり。うまいです。それだけ社会に横溢する切実感があったということと、監督が上手だったということでしょうか。「自転車泥棒」もそんな感じでしたが。

 日本の戦後の映画を見ても、壁や屋根にトタンを巻いただけみたいな凄まじい小屋が家になっていたけれど、この映画でも住むところを求める人たちが必死になって作る家のチャチさがたまらない。レンガを積んだだけなので、叩いただけであっという間にばらばら崩れる。それでもレンガ積み上げ、「平屋根は人間の住むところじゃない」と時間の無い時にも主張してしまう主人公がおかしく、切ない。
 主人公夫婦2人を家から追い出し、でもいざとなっては必死で助けてくれる義兄がやっぱり実力のある職人的なかっこよさがあり、じつに気持ちがわかって、好もしい。

「ミラノの奇跡」はファンタジーで、いかにも初歩みたいな特撮が微笑ましく楽しい。でも、ファンタジー映像は技術だけでなくてまず想像力ありき、を頷いてしまう映像。楽しくて、やっぱり切ない映画だった。

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疲れに「水どう」

2005年04月19日 | エンタテインメント
 ほんとに忙しいんです。
 契約事務2件に、クレーム3件。
 一つは大工事になったし…大正時代の下水道管というものを見ました。重そうでした。排水溝の掃除もしました。
 水道屋のおじさんが、「慣れない事しなくていいよ」と、若い従業員にその仕事振ってくれてすごく嬉しかった。土嚢作りさせる誰かさんとは大違いだわ…
 大工仕事の取引先を開拓中なので、今まで以前の工務店経由で頼んでいた空調設備の取り付け業者も大急ぎで何とかしなくてはいけない。
 ほんとに、一度にこれだけのトラブルがやってこなくてもいいのに。
 でもテナントさんに「待ってて」は言えない。

 疲れ果てた夜、市川雷蔵「蛇姫様」を見て、嵯峨美智子ってほんとに美人だったんだな~と嘆息。
 それから安眠の為に「水曜どうでしょう」
 昨日の気分はベトナム編の生演奏責め。笑い転げて癒してもらってから寝ました。
 大泉さん、ミスター、スタッフの皆さん、ニャンさん、それににゃらさん、ありがとう。

疲れても遊びまくる日々

2005年04月18日 | エンタテインメント
カラオケで「オペラ座」
「オペラ座の怪人」スコア買いました。カラオケ行って歌ってきました。やっぱりカラオケなのでテンポが変わらないところがあまり嬉しくないのですが、あるだけいいか、と思います。「見果てぬ夢」のあるカラオケ屋さん知りませんから。
 カラオケに楽譜持っていくのは変でしょうか? それはさておき、「The Phantom of the Opera」では、最後のクリスティーヌの高い声が当然出ませんので、ファントムの「歌え!」と言うセリフの入るところで「何を呻いてる」とかいわれつつがんばって歌ってきました。
 カラオケには「踊り明かそう」「マイハートウィルゴーオン」などありますが、カラオケの演奏はメリハリないのであまり面白くありません。家でピアノつけてもらったほうがずっとましです。

ゲーム「ICO」やっとクリア
 記録として残っているプレイ時間は8時間弱ですが、もちろんそんなもんではなくて、4倍くらい時間かかっているでしょう。コンティニューの際限ない繰り返しでした。先へ進むヒントが、引きずって歩いているような感じの女の子に出してもらわなければいけないのに、彼女、見つめてからかなり時間経たないと指差したり歩いたりしてくれないのですもの。
 時々「さっさとやれ~」「自分でも歩け~」「早くヒント出せ~」と呟いておりました。
 それで、彼女を置き去りにして探索してると、すぐに彼女がさらわれてゲーム・オーバー。
 横で見ている高校生にも「うざくない?」など聞かれました。
 でも、城の雰囲気はいいし、レベル上げとかアイテム収集がなくアクションで突き進んでいくのは面白かったです。高いところは本気で怖かった。

WATARIDORI (2001/仏)

2005年04月18日 | 映画感想わ行
LE PEUPLE MIGRATEUR
総監督: ジャック・ペラン 
共同監督: ジャック・クルーゾ ミッシェル・デバ

 鳥の「渡り」を追ったドキュメンタリー。

 これもまたどうやって撮ったんだろう、という映像てんこ盛りの映画。
 上からの絵のいくつかや、そのほかにも明らかにCG使ってるんだろう、というところもありますが、驚異なのは地上から捉えた絵、かなり近接して撮った絵は、時間かかったろうな、すごいな、とひたすら感心。

 相手が鳥ですから、やっぱり人がらみとかでメリハリがつけてありますが、人間と鳥の接点というのは鳥にとってはほとんどありがたくない状況ばかりです。環境問題も考えなければならないようになっています。

 でも、動物がその本来の場で動く時の力強さ、美しさは、無条件に感動させるものがあります。100分あまり飽きずに見られましたが、本当は「ニルスの不思議な旅」のようにお話作ってくれたほうが私は好きだな、とスタッフの熱意と労力と苦労に感動しつつも思ってしまった。

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