虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ステップフォード・ワイフ (1975/米)

2005年02月12日 | 映画感想さ行
THE STEPFORD WIVES
監督: ブライアン・フォーブス
出演: キャサリン・ロス ポーラ・プレンティス ピーター・マスターソン ナネット・ニューマン ティナ・ルイーズ

 ニューヨークから、郊外の高級住宅街ステップフォードに引越してきたエヴァハート一家。
 そこは、静かで環境も良かったが、大きな家に夫にかしずく家事完璧な専業主婦の妻と、絵に描いたような家庭ばかり。男だけの不思議なクラブもある。
 ジョアンナ・エヴァハートは眠ったような町で、満たされない思いと周囲への違和感を感じていたが、この町で出来た親友と現状を変えようと動き始めて、不安へと発展する。

 とっても怖いスリラーでした。
 同じ原作者の「ローズマリーの赤ちゃん」はちょっと中世的なおどろな世界の怪奇だったけど、こちらは実に今風な怪奇。ニコール・キッドマン主演でリメイクされたばかりだけれど、現代のほうがもっと怖さは切実に感じられるんだろうな、と思った。
 ちょっとヒロインのイメージ違うかなあ、と思った。もっと知性と生命の躍動感が何もいわなくても感じられるとラストがとってもとっても怖いのに。ただ、ああおさまってしまうのだったら、ヒロインはこのキャサリン・ロスみたいに強すぎる感じがなくて良かったのかもしれない。
 親友ボビーと、セクシーなキャロルはぴったり。

 これはやっぱり明るい陽光の下の世界で、本物のグリーンにそこだけ造花の花壇があるような違和感が強烈にやきつくラストを期待してしまったけど、ちょっと最後で期待とすれ違っちゃった感じ。昔の恋人のエピソードもうまくおさまらなかった。

 原作者アイラ・レヴィンのシニカルさは、もうちょっと男性陣の独善性が滑稽に出ていたらもっと効いたと思うけど、毒はたっぷり。
「出来るから」
という言葉は、すごく重い。
「こんなんできます」と科学は囁き、それを実現させるのは人間の意思なのだ。

 でもさあ!セクシーな家事ロボットが男の理想だって、最高につまんない人生に思えますけどね~
 パートナー持つ意味ないじゃん!

登録ブログランキング