虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

復帰・・・

2007年10月31日 | 日記・雑記
 完全復帰にしたいものであります。
 昨日私の使用の机とPCを移動しました。
 結局、部屋は乗っ取られちゃいましたが、これで私のパソに何日も触れないなんてことはなくなる筈です。

 今日、久々に映画館に行って、やっぱり私はDVDだけではダメだと思いました。
 ともかく「ヘアスプレー」を映画館のスクリーンと音響で見られて良かった。

ヘアスプレー(2007/アメリカ)

2007年10月31日 | 映画感想は行
HAIRSPRAY
監督: アダム・シャンクマン
出演: ジョン・トラヴォルタ   エドナ・ターンブラッド
   ニッキー・ブロンスキー   トレーシー・ターンブラッド
   ミシェル・ファイファー   ベルマ・フォン・タッスル
   クリストファー・ウォーケン   ウィルバー・ターンブラッド
   クイーン・ラティファ   モーターマウス・メイベル
   ザック・エフロン    リンク・ラーキン
   ブリタニー・スノウ    アンバー・フォン・タッスル
   アマンダ・バインズ   ペニー・ピングルトン
   ジェームズ・マースデン   コーニー・コリンズ

 ワシントン大行進の前年1962年、まだまだ差別意識が頑強な米メリーランド州ボルチモア。16歳の太め女子高生トレーシーは、平等を信じ、でも興味の中心はダンスとおしゃれ。ヘアスプレー企業が手掛ける人気テレビ番組“コーニー・コリンズ・ショー”に出演し、憧れのリンクと踊ることを夢見ていた。
 学校の居残りをきっかけにリンクに見出され、番組のレギュラーになり、とんとん拍子に人気者になったトレイシーだが、彼女の成功が面白くない番組の責任者で差別意識丸出しのベルマと娘で今までショーの中心的スターだったアンバーが、トレイシーを追い出すために次々に罠を仕掛ける。

 久々の映画館!楽しかった!!
 DVDで「300」見たんですよ。もう劇場で見られなかったのが悲しくて泣きましたね。
 そしてこの「ヘアスプレー」 怖い系スターのクリストファー・ウォーケンがコメディミュージカルを歌い踊る!しかもトラヴォルタと! これまで映画館で見られなかったら口惜しくて無事には年が越せない! まだ晴れた日に外を歩くと涙が出るほど眼が弱かろうと、それがなんだ! 
 びっくりマークだらけの決意で行って来ましたが、ほんっっっと楽しかった。やっぱり私は映画なしなんてつまんない人生はやだ。
 私的注目は見る前からトラヴォルタ、ウォーケン、ミシェル・ファイファーのベテランさんたちで、鶏がらのようなファイファーの誘惑シーンから夫婦のダンスまでもう椅子から転げそうなほど笑わせてもらいました。ファイファーは対比のために骨が目立つほど痩せたんでしょうね~~ ご苦労様でした。
 そしてそのあとのデモのシーンでは泣けましたし。

 このストーリーは常道ですが「現実より少し優しい世界」でハッピーエンドで納まってニコニコしてリズムに乗って帰路につけます。音楽全編楽しい。それに主役のニッキー・ブロンスキー、容姿もだけど声が純真さ、可愛さにあふれてノックアウトされました。笑顔を見ているととろけそう。

 絶対また見にいってやる!
 
 コーニー・コリンズ役ジェームズ・マーズデン、ああいうレトロスーツ素敵。

蟲師(2007/日本)

2007年10月25日 | 映画感想ま行
監督: 大友克洋
出演: オダギリジョー   ギンコ
   江角マキコ    ぬい
   大森南朋    虹郎
   蒼井優    淡幽
   りりィ    庄屋夫人
   李麗仙   たま

 100年前の日本。人間に取り憑く”蟲”を見分け、その害を掃う能力を持つ“蟲師”の一人・ギンコ。白髪・緑眼でしかも片目が義眼の彼は研究をしながら旅をしている。そして彼には幼少の記憶がない。

 う~。久しぶりに書くんだから褒めちぎりたいような気もしますが、ごめんなさいです。設定やキャラクターはすごく魅力的で、最初のエピソードはいいな、と思ったのですが、以後の展開がいささか不消化でメリハリに欠ける様に思えました。
 原作読んでいないのでこの映画だけの範囲で言ってます。
 予告編何度も見ていたせいでしょうか、それだけで見る前にこの映画のイメージけっこう出来上がっていたようです。
 、予告編は何度もスクリーンで見て”絵的な”期待をしてました。
 予告編のムードでは皮膚の下で何か動くようなゾワゾワ…とした感覚にたっぷり浸れるんじゃないか、という期待に満ちて見ちゃったんですね。
 そういうイメージをはらんだ絵はそれなりにあったんですが、私の期待とずれたみたいで、蔵の中のシーンではきゃっと驚かされたり、ドキッと脅かされたりが欲しいぞ、とか、蟲の中を行くシーンではもっと妖しげに渦巻いて欲しいとか考えてました。もしかしたら大スクリーンでは迫力ある画面になっていたのでしょうか。
 それに、江角マキコさんの声は少~しイメージ違うかな。

イラク戦争の影響・ボクシング報道

2007年10月16日 | 日記・雑記
 今のところ家中の生活が変則的になってます。私用のPC(旧式タワー型デスクトップ)が置いてある部屋で16歳の男子高校生が寝起きしていて、いくら面の皮の厚い私といえど、部屋に入りづらい状況であります。
 今週末にはそいつを追い出すか、PCの引越しを敢行しようと思います。

・何かと感じるイラクの影響
 映画館に行きたいけど、まだまだDVDとBS鑑賞の毎日です。
 アメリカ映画「ザ・シューター」と「アメリカンドリームズ」を見ました。アクションとコメディと分野は別ですが、どちらもイラク戦争の影が濃厚に漂ってました。ベトナム戦争はアメリカに数々の名画をもたらしましたが、それでもイラク戦争は起きてしまいました。さてイラクの影は映画界においてもこれからどういう方向に動いていくでしょうか。
 
 今日は「ツォツイ」(2005/南アフリカ、イギリス)見ました。結末まで読めちゃうんですが、それでもなお痛い映画でした。ともかく主演の青年の表情が素晴らしく、彼の将来が閉ざされるであろうこともわかった上で、それでもなお将来を祈らずにいられない気にさせられました。しばらくしてから見直して、そこでやっと感想書きますという類の映画です。

・亀田親子への風向きは何時から変わっていたのか
 昨日今日、風邪でのどがいたくて寝ていたのでテレビニュースの視聴時間が長かったのですが、ボクシングの亀田親子にすごい長時間費やしてましたね。私はお父さんの本を5ページ読んで「ヒョエー」と思って撤退しましたが、人気者だと言っても以前からアマゾンの書評でも批判的なものが多いですよね。ですので、風向きはもう変わっていたのでしょうね。
 私は、子ども(二十歳そこそこではまだまだ子どもの域です)を持ち上げたり、手のひら返しで批判の的にしたりは、大人が意識して避けなければいけないことだと思います。テレビで大騒ぎしたり、亀田本やムックで商売をした人の責任は大きいでしょう。

 映画以外では格闘技とは疎遠な私で、ボクシングの醍醐味はよくわかりません。イーストウッドの「ダーティー・ファイター」みたいな筋肉男が能天気に正面からひたすら殴りあう、体張った勝負の爽快感は好きです。ああいう昂奮があるなら、ボクシングをこれからもっとまめに見てみようかな、と思った今回の騒動でした。

宗教はアヘン、では愛国心とか民族意識は?

2007年10月11日 | 映画感想は行
いろいろありまして、PC立ち上げるのも4日ぶり、WEBメールは満杯状態でした。本当にいつもの生活に戻れるのはいつでしょう。またまた家の中の整理を迫られていて、DVDや本をもっと減らさなくてはいけません。誰かもらってくれないかな。

ヒトラー ~最期の12日間~(2004/ドイツ)
監督: オリバー・ヒルシェヴィゲル オリヴァー・ヒルシュビーゲル
出演: ブルーノ・ガンツ    ヒトラー

「白バラの祈り」でゾフィー・ショルの最後の数日を見て、そしてこの映画を見ると、戦後60年たってあの戦争についての映画では、私の感想では日本映画はドイツに負けてるな、と思ってしまいます。

 この映画でのヒトラーはもはや追い詰められた男です。見た目にも力強さやカリスマの輝きはありません。八方塞の状況のなかで苛立ち、国家を率いる力が残っていないのは明白です。
 周囲も敗れることを前提に行動しだしています。もう総統ヒトラー死後の連合軍との駆け引きを甘い見込みと妙な期待で考えるものもいます。
 しかし、敗色濃いベルリンの街の混乱はそれ以上で、ナチスのプロパガンダにとらわれた者は死に急ぎ、ある者はそれに乗って暴力性残虐性を露わにし、またヒトラーを前にして「勝利へ導いてください」と叫びます。
 思い出すのが、レニ・リーフェンシュタールのナチスの記念大会の記録映画。第1次大戦後のドイツが徹底的に沈んでいた時に民族の誇りを称揚するようなすばらしい映像で、やっぱりリーフェンシュタールの才能のすごさを感じると共に、危険さも思い知らされます。 
 そういった状況下である程度不況脱出の結果を出したヒトラーとナチスに抱いた「この人についていけば大丈夫だろう」という期待は捨てられないだろうし、日本もそうだったけど、それに「愛国心」とか「民族の誇り」という本来善きものがセットになっているので、なかなか呪縛から逃れられない。

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 「失われた時を求めて」を探していて、フランス小説をまとめた箱から「チボー家」が出てきたので、ここ数日この長い小説を飛ばし飛ばしながら読んでいました。この映画で、この小説の中の社会改革に燃える青年たちが開戦の知らせで一瞬にして愛国青年に変わってしまうシーンを思い出し、また「大いなる幻影」を見た時にもそのシーンを連想したことも思い出しました。
「カラきょう」もいいですが、これも絶対読んでおきたい本だと思うんですが。やはりジャックのあまりにも無残な死には泣いてはいけないような厳しさがあり、戦争で死んでいったものたちの、その死の空しさをきちんと描いた反戦小説の最高傑作のひとつです。

 カール・マルクスは「宗教は逆境に悩める者の嘆息であり、また、それが魂なき状態の心情であると等しく、無情の世界の感情である。つまり、それは民衆のアヘンである」と書いています。マルクスの時代ではアヘンは恐ろしい麻薬としてよりはトランキライザ-的な認識だったみたいです。今はどうでしょう?
 冷戦構造終結後の各地の民族紛争で、いや冷戦関係なくずっと続いてるのもありますけど叫ばれる「民族」とか、愛国心って、ドラッグ以上に効いている人もいるみたいではありませんか。

かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート(2006/香港)

2007年10月01日 | 映画感想か行
DRAGON TIGER GATE
龍虎門
監督: ウィルソン・イップ
アクション監督: ドニー・イェン
出演: ドニー・イェン   ドラゴン・ウォン
   ニコラス・ツェー   タイガー・ウォン
   ショーン・ユー   ターボ・セック
   ドン・ジェ    マー・シャオリン
   リー・シャオラン    ローザ

 親をなくした子どもたちを引き取り、武術を教え正しく育てる場所“龍虎門(ドラゴン・タイガー・ゲート)”。タイガーは、ここで育ち、中心的存在になっている。ある日タイガーは、悪党一味と衝突するが、その中に幼い頃生き別れた兄ドラゴンがいた。年月は二人の兄弟にも埋めがたい溝を作っていたが、ドラゴンは、自分の恩人を巨大犯罪組織“羅刹門”に殺され、同じ組織に叔父の命を奪われたタイガーもまた、仲間のターボとともに羅刹門打倒に立ち上がるのだった。

 私にはこういう映画がどうしようもなく面白いのですから、抵抗せずにきゃっきゃと喜んで見ました。
 原作がコミックですから、主人公たちのルックスもそれに規定されちゃうのでしょうね。ドニー・イェンもうっとうしそうな垂れ下がる前髪に漫画的な若作りで、ええ、本当に良くやってくださって嬉しゅうございます。
 ニコラス・ツェーも「プロミス」の端正さはどこへやら、あからさまにそこら辺のにーちゃん風が似合いすぎてます。
 監督は「SPL/狼よ静かに死ね」のウィルソン・イップで、「SPL」での殺気を放つようなアクションではなく、超絶スピード感のある、手に汗握る、でもファンタジーでコミック的なアクションが実に素晴らしく楽しめます。

 はっきり言ってストーリーは型どおりで、やられた分はきっちりやり返してます。
 叙情的な音楽背景にしたお芝居部分は、申し訳ないけど「わかるから、次行って!」という気分です。
 か弱い女の子がよろよろとリヤカーみたいなのに瀕死のけが人を乗せて担ぎこむのは病院ではなく、脈絡なくいきなり出てきた様に見えるお寺で、老師様とやらに超自然的に治してもらいます。
 悪のボスも、邪魔者を御自ら出向いて制裁し、仇討ちにやってきた面々と一人で戦います。組織で地域経済とかを牛耳ろうとかの野望よりも、まずバトル狂であるらしゅうございます。
 ラストバトルは5回ほど繰り返してみてしまいましたが、ほんとにすごい。決め絵はまるっきりコミック。技もゲームの特殊技みたい。でもアクションのキレが良くてカッコイイ!ドニー・イェンの登場以後はもう息をすることも忘れて見とれてしまう。

 結局、なぜ兄弟生き別れになったか、とか「かちこみ」とは何ぞや?というのはわからなかったけど、ともかくこういう映画最高に好き。

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後日 
「かちこみ」とは殴りこみのことだそうです。予告編ナレーションにしっかり入っていました。