虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

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うた魂♪(2008/日本)

2009年08月29日 | 映画感想あ行
監督: 田中誠
出演: 夏帆    荻野かすみ
   ゴリ    権藤洋
   石黒英雄  牧村純一
   徳永えり  野村ミズキ

 北海道の七浜高校合唱部のソプラノパートリーダー、荻野かすみは、自分の歌とルックスに自信満々。ところが、憧れの生徒会長から写真のモデルを頼まれた結果が、歌っている瞬間の顔を“産卵中のシャケみたい”と評され、ぺしゃんこに。とっとと歌を捨てる決意をし、ラストステージのつもりで参加した夏祭りも、やる気ゼロ。しかし、その夏祭りでいかにもヤンキー揃いの湯の川学院高校の魂のこもった熱い歌声を聞き、かすみは心ゆすぶられる。

 見た後で、サウンドトラックを探しにTSUTAYAに走っていました。
 ゴリ演じる権藤の率いる湯の川高校合唱団の歌う尾崎豊の「15の夜」「僕が僕であるために」を何としてもフルコーラスで聞きたくてたまらなくなったのです。
 尾崎豊は声が苦手なので、今までほとんど聞いていなかったのですが、この少し乱暴な男声合唱で聞くと最高で、しばらく鼻歌が尾崎豊になりました。

 自意識過剰で鼻もちならない女の子が、少し痛い目にあって自分自身と周囲の認識を再構成していくというメインストーリー。その痛さの描写はベタすぎないかな、なんかタルいなと感じます。 はっきり言って前半登場人物紹介部分は、くどいと思って見ておりましたが、「15の夜」以降は合唱が楽しみになって、その辺も気にならなかったです。

 天狗の鼻をへし折られる役ながら、主人公は根が善良で素直で、家族にも愛され、友人にも恵まれた存在です。きれいだけど、周りの子もすごくきれい。際立ったきれいさはなくて、声も細いので少女らしさはあるけど迫力はないです。
 そういったナチュラルな田舎の少女を夏帆ちゃん似合ってるなあと思いまする。高校生には絶対見えないゴリはじめとする湯の川高校合唱団もデフォルメと割り切れば面白いし、歌が素敵なのでなんでも可という気分になります。

 ラストの大合唱はああ、このシーンのためのストーリーだったのねと感じるものでした。何で歌って人間を解放してしまうんでしょうね。この映画を見て、「ヤング@ハート」が見たくなりました。
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踊る海賊(1948/アメリカ)

2009年07月29日 | 映画感想あ行
THE PIRATE
監督: ヴィンセント・ミネリ
出演: ジュディ・ガーランド
   ジーン・ケリー
   ウォルター・スレザック
   グラディス・クーパー
   ニコラス・ブラザース

 叔母の世話になっている孤児マニュエラは、海賊マココに憧れているが、叔母に強いられ年配の市長ペドロと結婚することになる。しかし、役者のセラフィンと知合い、心は揺れる。一方、市長こそがマココと知ったセラフィンは自分がマココと名乗ってマニュエラをペドロから奪おうとする。

 いかにもこの時代らしいそつのないミュージカルでした。さすが!
 衣装もセットもきれい。ジュディ・ガーランドの部屋へ花飾りを伝っていくシーンなんか、心憎いばかりで口笛吹いちゃいそうです
 コール・ポーターの曲も素敵。
 ジュディ・ガーランドはどの衣装でも美しく魅力的、いや、スターですなあ…
 ジーン・ケリーはほかの映画よりマッチョで端正に見え、ダンスはパワフル「マココのダンス」なんか筋肉を圧倒的に感じます。
 
 さて、文句ないミュージカルでしたが、ここで大発見!
 ラストの見せ場でジーン・ケリーとアクロバティックなダンスを見せるニコラス・ブラザーズという素晴らしいエンタテイナーが!
 大急ぎで検索してみたら、ユーチューブで何件か見られました。足を棒にしてビデオ店や図書館の資料を探さなくていいなんて、ほんとになんて良い時代なんでしょう! 
 結構世に知られたダンサーのようです。今まで知らなかったなんて恥ずかしい!
 ジーン・ケリーがパワフルならば、こちらはアステアみたいに重力の働き方が一般人とは違うよなあ、と思わせるタップで、しかも品があります。
 主役の輝きも素晴らしいけれど、ニコラス・ブラザーズを見つけただけで大儲けでした。というわけで、気がつけば今回もビックリマークだらけ。でもほんとにすばらしいダンスでした。

俺たちフィギュアスケーター(2007/アメリカ)

2008年09月30日 | 映画感想あ行
BLADES OF GLORY
監督: ウィル・スペック ジョシュ・ゴードン
製作: ベン・スティラー スチュアート・コーンフェルド ジョン・ジェイコブス
出演: ウィル・フェレル    チャズ・マイケル・マイケルズ
   ジョン・ヘダー    ジミー・マッケルロイ
    ウィル・アーネット    ストランツ・ヴァン・ウォルデンバーグ
    エイミー・ポーラー    フェアチャイルド・ヴァン・ウォルデンバーグ
    クレイグ・T・ネルソン    コーチ
    ジェナ・フィッシャー    ケイティ・ヴァン・ウォルデンバーグ

 アメリカ男子フィギュア・スケート界の2大スター、野性派チャズ・マイケル・マイケルズと正統アイドル系ジミー・マッケルロイH,同点一位となった世界選手権の表彰台で大乱闘の挙句、金メダル剥奪、永久追放。それから3年半後、みじめな日々を送るチャズとジミーは、ルールの盲点を突いてペア競技でスケート界に復帰しようとする…が。

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 そこそこおもしろかったです。
 ウィル・フェレルにしても、ジョン・ヘダーにしても、おとなしめだなあ、と思う映画でした。
 ジョン・ヘダーはこれまで見たのはわずかだし、フェレルも沢山は見ていないけど、突っ込んでく感じじゃない。「そこまでやるか」というところがない。
 必殺技映像なんかはあひゃひゃ、なところもありましたが、スケート界のスターも出てるし、それほど過激な線を狙った映画じゃないんでしょうね。
 スケートという競技自体の見方の、日本とアメリカでの違いも反映しているのかな、とも感じさせられる始末でした。

 この前に「ダージリン急行」(ウェス・アンダーソン監督)見た時は、ほんとにうひゃうひゃ笑ってたのに。自分の感覚が変わってきたのを実感してしまいます。


 明日、精密検査で、結果によっては手術になります。やりたくないです。

阿修羅城の瞳(2005/日本)

2008年06月14日 | 映画感想あ行
監督: 滝田洋二郎
出演: 市川染五郎 病葉出門
   宮沢りえ    つばき
    樋口可南子    美修
    沢尻エリカ    谷地
    小日向文世    四世鶴屋南北
    内藤剛志    国成延行
    渡部篤郎    安倍邪空

 江戸の町に人の姿に身を変えてはびこる魔物たちを退治していた“鬼御門”という組織があった。5年前まで凄腕の鬼殺しだった病葉出門(わくらばいずも)は今は役者。ある日、彼は5年前以前の記憶がない女つばきと出会い、恋に落ちる。実は2人の間には因縁の糸が絡み合っていたのだった…

 これを見る前に「サラエボの花」というラスト15分涙ドボドボの映画を見てしまいました。
 何とか気持ちを立て直そうと思って、思いっきり非現実な映画見たいな、と思ったのです。

 結果。
 今風に言うと「ビミョー」でした。

 樋口可南子、宮沢りえのお二人は素晴らしい! 綺麗! 非現実空間を構築する美と迫力を十分に発揮なさってます。

 個人的に染五郎が好みじゃないのと
 アクションがちょっとテンポが悪いのと(元が舞台劇とはいえ、どうせ映画なんだからもっとじゃかじゃかどんどん飛んだり早まわしたりしても良いんじゃないのかな)
 クリーチャーに既視感がありすぎるのが

 私がこの映画を楽しみきれなかった原因でありました。
 もっと豪華絢爛で作り物の楽しさと疾走感があふれた画面にして欲しかったなあ…
 いい絵があるのになあ…
 とまあ不満は個人的な欲求なんですけどね。
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アビエイター(2004/アメリカ)

2008年06月08日 | 映画感想あ行

THE AVIATOR
監督: マーティン・スコセッシ
出演: レオナルド・ディカプリオ   ハワード・ヒューズ
   ケイト・ブランシェット   キャサリン・ヘプバーン
   ケイト・ベッキンセイル   エヴァ・ガードナー
   ジュード・ロウ      エロール・フリン
   アレック・ボールドウィン    ホアン・トリップ
   ジョン・C・ライリー     ノア・ディートリッヒ

 18歳で父母を亡くし大富豪となったハワード・ヒューズ。1927年、21歳の彼は、その莫大な財産を全て注ぎ込み、航空アクション映画「地獄の天使」の製作に着手。30年に同作を完成させると大ヒットを記録し、ハワードは一躍ハリウッド・セレブの仲間入りを果たす。やがて、人気女優キャサリン・ヘプバーンと出会い、2人は恋に落ちる。彼はその後も次々とヒット作を生み出す一方、航空会社TWAを買収し、自らの操縦で世界最速記録を次々と更新するなど、大空への夢も実現させていく。

 ハワード・ヒューズという名前は、アメリカ史でちょこっと、ハリウッド女優の逸話にちらほら見たかなという程度の知識で見ました。
 ハワード・ヒューズという人間が、成功したのも、まともな生活ができなくなったのも、あの「コダワル性格・性向」のなせるもの、結局彼に心の平安は無い。私の感想なんてそこに収まっちゃって大作なのにすいません…なんて申し訳なく思ってしまいました。あんなに長い映画なのに、見終わってなんとなく未消化な気分。
 ヘプバーン役のブランシェットはがんばりました。しかしベッキンセイルはきれいだし、悪くはないのに、私がエヴァ・ガードナーに対して持っている「美女の迫力」に対する畏敬の念に邪魔されてか、どうも不満。ジュード・ロウは何のためにわざわざ登場したのであろうか?など思い…きっと私は映画ビジネスについての描写が足りなく感じたのでしょう。航空機ビジネスについては何も知らないせいか、そういう不満は一切なしですから。

 TWAにしろ、パンナムにしろ今は昔の物語で、感慨を禁じえないってところがあります。
 ただ、ゼロ戦についてはどうなの?私の愛読書の一つが柳田邦夫「ゼロ戦燃ゆ」。ヒューズの設計図を剽窃したように言わせといていいのか、などつい本を引っ張り出してしまった。

アポカリプト(2006/アメリカ)

2008年04月22日 | 映画感想あ行
APOCALYPTO
監督: メル・ギブソン
出演: ルディ・ヤングブラッド    ジャガー・パウ
    ダリア・エルナンデス    セブン
    ジョナサン・ブリューワー    ブランテッド
   ラオール・トゥルヒロ    ゼロ・ウルフ

 ヨーロッパ人侵攻以前の南米で、とらえられて生贄にされかかった青年が激しい追跡を逃げ切り、家族のいる故郷を目指す。

 allcinema の解説では、
”マヤ文明の衰退を壮大なスケールで描いたアクション・アドベンチャー。マヤ文明後期の中央アメリカのジャングルを舞台に、狩猟民族の青年が過酷な運命に翻弄されながら家族を救うため奔走する姿を過激な残酷描写を織り交ぜハードなタッチで描き出す。セリフは全編マヤ語で、キャストは主に映画経験のない若者たちが抜擢された。”とあります。
 マヤ文明の衰退を描いたんですか… オープニングで、そんな意味の字幕が入りますが、私の一番の印象は

「ダイハード・昔の南米編」

 密林に住む狩猟民の生活とか、残酷描写、儀式シーンなどみっちり作りこんでいまして、リアルで怖くて感心しますが、どうしたって主眼は後半からクライマックスの逆襲しつつ逃げまくるシーン。みんなタフです。アクションのノリで見ていました。
 それに、演者がみんなきれい。特に主役の青年の美しいこと。
 実は、これは前評判や解説から全然面白さは期待してなくて、ただただ「どんな映像だろう」という好奇心で見たもの。期待と全然違う点で面白かったのでした。

 ただ~、マヤ文明の生贄儀式については、たとえば人類学者のマーヴィン・ハリスの著作などでは、いささかおぞましい見解ながらも、あの儀式が続いたのはかの地が動物蛋白源が少なかったからという記述もあり、だとすると、主人公が逃げる時に通過する死体捨て場はあり得ないわけです。これは以後の研究に待つということでしょうか。

ウェイトレス ~おいしい人生のつくりかた(2006/アメリカ)

2008年03月29日 | 映画感想あ行
WAITRESS
監督: エイドリアン・シェリー
出演: ケリー・ラッセル   ジェンナ
   ネイサン・フィリオン    ポマター先生
   シェリル・ハインズ    ベッキー
   エイドリアン・シェリー   ドーン
   ジェレミー・シスト   アール
   アンディ・グリフィス   オールド・ジョー

 アメリカ南部の片田舎、小さなダイナーのウェイトレス、ジェンナは支配欲の強い夫との苦しい生活を送っていた。彼女の慰めは母から受け継いだその時々の気持ちでパイを創作すること。彼女がようやく家出を決意した矢先、予想外の妊娠が発覚する。

 見終わってさわやか、素敵な映画でした。
 こういうのを見ると、アメリカの男尊女卑とか、マッチョ信仰伝統の根深さを感じてしまうのは深読みだけでもないと思います。
 きっと、このクソ男の御亭主は家庭は自分の王国だと思ってるのね。まあ、歴史の本読んでるとアメリカの女性は20世紀にはいっても参政権はおろか自分の財産を管理する権利、自分自身の収入を自分で使う権利も夫のものだったというのですから、アメリカのフェミニズムが過激に陥った時期があるのも無理ないか、と思うのですが、まだその感覚を自分の暴力とかで実現しちゃう男も生き残っているのも、さもありなん…いや、世界中にいるか。
 この夫がほんとにいやな男なんで、ジェンナのハッピーエンドがすごく嬉しいものになります。
 ジェンナの見つけた幸せが、どういうものであったか。このラストがうれしいのは、やはりフェミニズムが当たり前な現在のわたしだからでしょうか。

 ジェンナとその同僚の3人の女性キャラは、すべてに「どれも私」な身近さがあります…身近な不幸せとでもいいましょうか。それに登場する男性キャラがそれぞれ典型で良いです。くそったれ亭主も、優しくてちょっと頼りない先生も、人生の終わりを前に自分の偏屈を押し通す素晴らしいジョー爺さんも、ダイナーの主人も。
 ジョー役のアンディ・グリフィスは、「サルベージワン」の主役の硬骨おじさんだったのですね。なかなかいい歳とってます。
 色彩感と音楽がことに、ラストの明るい色のコスチュームやパイのフィリングの色や重量感が私の感覚にびしびし訴えるものがありました。「恋とはどんなものかしら」があのシーンで流れるのですから、ジェンナのアールとの結婚前の交際自体もそれほどの経験ではなかったのでしょうね。監督・ドーン役のエイドリアン・シェリー早逝は実に残念でした。

あの、夏の日 ~とんでろ じいちゃん~(1999/日本)

2008年03月02日 | 映画感想あ行
監督: 大林宣彦
出演: 小林桂樹  おじいちゃん
   厚木拓郎  ボケタ
   勝野雅奈恵  みかりさん
   宮崎あおい   玉ちゃん

“新・尾道三部作”の完結編。いつも“どうしてだろう”と考えているので<ボケタ>と呼ばれている5年生の少年・由太は、老人ボケといわれているおじいちゃん・賢司郎と夏休みを過ごすことになり、尾道へやってきた。その夏、由太はおじいちゃんと共に次々と不思議なことに遭遇する。

 いかにも大林監督らしいノスタルジックなムードに溢れた作品。でも全体的に画面が光の分量の多いのが新3部作らしい点なのでしょうか? 
 今までの作品はハイティーンから上の年齢に残してきたもののお話でしたが、ここではもっと下、思春期差し掛かりの時期なので、もっと純粋でナイーヴ。気骨のある年寄りと、まっすぐな眼を持つ男の子のコンビだったら、ある意味無敵です。私も、ラストには目許じわんときて、さわやかに見終わった次第です。

 とはいえ、時々「うわー、なんて、なんて文科省推薦みたいな映画なんだあ!」と思ったら、警察とかPTAとか、まるで小学校体育館で映写会しそうな肩書きがたくさんついてますのね!
 そこが悪いわけではないです。でも、それを感じるのが「監督饒舌だなあ」と思う部分で、なんかちょっと醒めちゃうような気分です。こんなひねくれていないで、素直に見ていればよいのですが・・・ いえ、家族そろって感動できるいい映画なんです、もちろん。

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 最近、どうも映画に突っ込みでなく、文句入れながら見てるかも、です。
 土曜の夜のNHK BS2の「ミスティック・リバー」を見ていて、ラスト近くでやりきれなくなり、つい「監督、マグナムもって出てこーい!」と喚いていました。なんでダーティー・ハリーをやったイーストウッドが、生きていくことの苦さが澱みたいに舌に残る映画をこんなにいっぱい作るんでしょうねえ…

 ちなみに、「とんでろじいちゃん」は原作本発注しました。

エドtv(1998/アメリカ)

2008年02月17日 | 映画感想あ行
監督: ロン・ハワード
出演: マシュー・マコノヒー
   ウディ・ハレルソン
   ジェナ・エルフマン
   マーティン・ランドー
   デニス・ホッパー

 低迷中のケーブルチャンネルのディレクター、シンシアが起死回生のため“台本、俳優、編集ナシ。主役はごく普通の人。24時間ぶっ通しで、その人の生活をカメラが追う”という企画を立ち上げる。主役に選ばれたのは30過ぎのビデオショップ店員エド。

 これはテレビ放送で見て面白かったので、DVDを借りてみたもの。
 マシュー・マコノヒーって、マッチョなタフガイなんかより、こういう、その辺にいそうなお兄さんとかおじさんの役のときのほうが断然いいなあ、と思うんですが。私生活を衆人の目にさらすという点では「トゥルーマン・ショー」よりもこの映画のほうが私は高い点がつきます。

 18日追記
 この映画では、ごく普通の、一般人がほぼ嫉妬しないようなちょっと負け犬さんの私生活を全部公開して、そのだめっぷりに人気爆発してしまいます。
 いわゆる「スケルトン・イン・ザ・クローゼット」が次々白日にさらされ、まあちょっといたたまれない状況にはなる、恋人とのラブシーンまで大公開で、周囲の人間のプライバシーまでまるでなし。本当に大事な人には避けられて、寄ってくるのは知名度目当ての人間だけ、というまあ予測できる事態になり、予測できるような展開でなんとか納まります。
 主人公兄弟と彼女の関係もあまりにもありそうで笑えるし、リアルで陽気な人物造形が素敵です。
 ぐっと来るのは(これもありがちではあるけど)それまで生きてきたストーリーが覆された後、それを何とか受け入れていこうとする家族。マーティン・ランドーいいですねえ。
 それに、一番馬鹿みたいにおちょくられてたのはテレビのコメンテーターでした。
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アズールとアスマール(2006/フランス)

2008年01月19日 | 映画感想あ行
AZUR ET ASMAR
監督: ミッシェル・オスロ

 ヨーロッパの領主の子アズールとアラビア人の乳母ジェナヌの子アスマールの2人は身分も人種も違うが、乳兄弟としてジェナヌの手で育てられた。しかしアズールが寄宿学校へ行く年になると、ジェナヌとアスマールは追い出された。成長したアズールは、ジェナヌに聞いた「ジンの妖精」を助け出すために、ジェナヌの国へと海を渡ったが…

 素晴らしい美しいアニメ。
 同じオスロ監督の「キリクと魔女」も映像の美しさに驚嘆したけど、このアニメの色彩のコントラスト、光と影の表現、くっきりした描線の絵ががアニメとして動いていくのに、まさに陶然。
 特にアラブ風というかアラベスク模様の宮殿の描写、殺風景な海岸から、目を閉じたアスールが夢のような色彩の林に差し掛かるシーン、とりどりの色彩の香辛料の市のシーンは何度も何度も繰り返して見てはため息ついてうっとり。
 物語の寓意は明らかなので、まあそれはそれとして、ものすごくきれいで贅沢な絵本を繰っていくような快感に存分に浸れるアニメ。
 日本語版もフランス語もどちらでもいいですけど、外国語で聞くほうが、この絵の「異郷」とか「異国」の感覚を楽しめます。

アメリカン・ドリームズ(2006/アメリカ)

2007年11月15日 | 映画感想あ行
AMERICAN DREAMZ
監督: ポール・ワイツ
出演: ヒュー・グラント   マーティン・トゥイード
   デニス・クエイド   ステイトン大統領
   マンディ・ムーア   サリー・ケンドゥー
   マーシャ・ゲイ・ハーデン    大統領夫人
   ウィレム・デフォー    首席補佐官
   クリス・クライン    ウィリアム・ウィリアムズ
   サム・ゴルザーリ    オマール
   ジェニファー・クーリッジ    マーサ・ケンドゥー

 再選を果たした合衆国大統領は、めずらしく新聞を読んですっかり神経衰弱に。首席補佐官は、大統領がお気に入りのテレビの公開オーディション番組“アメリカン・ドリームズ”に決勝のゲスト審査員として出演させることにする。一方、あたりまえに視聴率至上主義の当の番組はいまや人気落ち目で、司会者マーティンによってかつてない個性的な出場者が集められていた。アイドルになるためにはなりふりかまわずのサリー、ミュージカル好きのアラブ系純朴青年オマールが注目株。しかし、オマールにはある恐るべき使命が託されていた…。

 ブラックであくまでコメディなんですが、なかなかキビシイ笑いでありました。
 だってねえ、補佐官なんか大好きなウィレム・デフォーがやってるんですが、そっくりショー見てるくらい似てますです。あの方に。
 大統領はぼけまくり、現実とは壁を隔てたところにいる。

 戦争なんか現場にいなけりゃ結局は知ったこっちゃない。
 人の不幸はただの見せ物。
…という人間の、特に意識したくはない残酷な本音もアリアリ。

 ヒュー・グラントの落ち目の司会者のすさみ方がリアルでした。死に方も壮絶でしたが。

 結局死んだものが損なだけ…はぁ…
 こういうのを商業ベースで作っているだけアメリカはまだまだすごいと思う。

アトミック・カフェ(1982/アメリカ)

2007年08月06日 | 映画感想あ行
THE ATOMIC CAFE
監督: ケヴィン・ラファティ
ジェーン・ローダー
ピアース・ラファティ
 米ソの原爆製造が盛んに競われていた40年代後半から50年代に、アメリカ政府が国民用に製作した数多くの原爆PRフィルムやニュースフィルムを再編集したドキュメンタリー作品。

 私の最近の症状の一つが、夜中に眼が覚めて眠れない、というものなのだが、病院ではおとなしく寝ていても、家に帰れば映画を見てしまうのです。そういうわけで見た深夜のテレビ映画。ホラー映画が裸足で逃げ出すくらい恐ろしい映画だった。収録されている当時の映像は、今の私の貧しい知識だけを持ってしてもる大嘘や捏造だらけで、原爆が爆発したら「さっと隠れて頭を覆え」(子供向けの対処法指導)よくまあここまで、というすっとぼけオンパレードなのだが、ことがことだけに笑うに笑えない。
 こういう政府お墨付きの情報が大真面目に流布され、 みんなそれを信じていた…今でも一部信じてるんでしょうね。
 音楽だけが映像にかぶせられて、ナレーション等はすべて当時のオリジナルそのままらしい。

 放射能が危険なのは傷口から体内に入ったときと説明されただけで、きのこ雲に向かって突進する訓練をさせられたアメリカ兵たち… 「被爆した人たちは見たところ元気そうでした」と言い捨てられ、故郷と健康を奪われたビキニ環礁の島々の人たち…

 第5福竜丸についてのニュースはマグロの扱いのほうが人より大きい。
 当時を覚えている50代の人に伺ったら「日本でもそんなものだったよ。放射能マグロに怯えて魚が食べられないという反応のほうが、何も知らずに死の灰を浴びた人に対する悲しみや怒りよりも大きかったようなような気がする」
 いいの悪いのでなく、原爆が人類にとって必要無いもの・被爆はもう2度と起きてはならないことだという認識が人類にとって共通のものになる日を、キング牧師じゃないけれど、"one day""some day"を夢見ていくしかないんでしょうね。

 ほんとに見られて良かった。不眠傾向もこういうときにはお得に感じてしまった。

エラゴン 遺志を継ぐ者(2006/アメリカ)

2007年05月30日 | 映画感想あ行
ERAGON
監督: シュテフェン・ファンマイアー
出演: エド・スペリーアス   エラゴン
   ジェレミー・アイアンズ   ブロム
   シエンナ・ギロリー   アーリア
   ロバート・カーライル    ダーザ
   ジャイモン・フンスー   アジハド
   ジョン・マルコヴィッチ   ガルバトリックス王

 かつてドラゴンライダーに守られ、平和な地だったアラゲイシアは、今は邪悪なガルバトリックス王に支配されていた。辺境の村で叔父と暮らしていた少年エラゴンは、ある日森の中で青く光る石を見つける。それは、かつてドラゴンライダーだった王のドラゴンを除いてすべて殺された、ドラゴンの卵だった。

 ジェレミー・アイアンズ、ロバート・カーライル、ジョン・マルコヴィッチの3人のオジサマたちのかっこよさったらさすがというか、惚れ惚れでした。特に、ロバート・カーライルの飄々タイプでない白壁塗り塗りの如きメイクのド~ロドロ魔法使いは面白くてクライマックスに至ってちょっとがっかりしたくらいです。復活ってないのっ?
 劇場鑑賞ではないので、戦闘シーンの迫力とかを云々するのは不公平ですが、ちょっと物足りない。
 話の展開はお急ぎコースだし、ドラゴンはもうちょっと凄みがあってもいいし、主人公がもっと成長を眼に見えるようにしてくれないと… と、あまり原作の面白さが反映してない様に思いました。私は原作は全く知りませんが、世界的ベストセラーだそうですので、きっと面白いのでしょう。
 しかしながら、私が今眼が悪くてちゃんと映画を見られてないかも、という点で保留を入れます。
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宇宙清掃株式会社サルベージ・ワン(1978/アメリカ)

2007年05月23日 | 映画感想あ行
SALVAGE
監督: リー・フィリップス
出演: アンディ・グリフィス
ジョエル・ヒギンズ
トリッシュ・スチュワート
J・ジェイ・サウンダース

 なかなか商売上手なスクラップ屋のおやじさんが考えた、アッと驚く新商売! NASAがかつて“アポロ計画”の時に月に残してきた設備や月面走行車などを回収して売る!ついに新技術の画期的節約型ロケットが完成。

 マヌケな私が「怪奇大作戦」の録画に失敗したので、arudenteな米様がご親切に見せてくださったのですが、そのおまけにつけてくださったのがこれ。ビデオでもDVDでも商品化されていなくて、私も今まで全く知りませんでした。こんなきゃっきゃと喜べる映画を知らなかったなんて損してたなあ。本当にありがとうございました。

 面白かったです!!ほんとに。
 しがない街のスクラップ屋のおじさんが、斜陽産業(当時そうだったのかな?)で職にあぶれた元NASAの技術者やアストロノーツを集めて、月面置き去り品回収のためにFBIの監視をかいくぐり、月面着陸ロケットを打ち上げてしまう!成功してしまう!しかし、ちゃんとあわやという思わぬトラブルも用意されていて、しっかり手に汗握るハラハラドキドキもあり、もちろんハッピーエンド。ご商売もなかなかお上手。
 もちろん特撮とか、ロケットの造作は贅沢いっちゃいけません、のレベルだけど、いかにも良い時代のアメリカらしい元気いっぱいの素敵な映画。
 出演者が余りお馴染みのない人ばかりなのも新鮮だし、女優さんの衣装やメイク、二枚目役の顔かたちがいかにもレトロで、時代感覚あふれるのが見ていて楽しかった。私企業の旺盛な事業欲を素直に礼賛してるようなのも時代ですねえ。

 allcinema ONLINEの解説に「本邦未放映のTVシリーズ“SALVAGE 1”(全18話)のパイロット版」とありました。まあ、このシリーズ面白そうなのに、日本未放映とは残念。オープニングクレジットに「ゲストスター」なんて字が出てくるから、テレビっぽいなあ~と思ってたらやっぱりテレビだったのね。そういえば、いかにもそれらしいキャラ配置かも。
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イルマーレ(2006/アメリカ)

2007年04月16日 | 映画感想あ行
THE LAKE HOUSE
監督: アレハンドロ・アグレスティ
出演: キアヌ・リーヴス    アレックス
   サンドラ・ブロック     ケイト
   ショーレ・アグダシュルー    アンナ
   クリストファー・プラマー   サイモン
   ディラン・ウォルシュ    モーガン

 建築家のアレックスは、買ったばかりの家で先住者の手紙を見つける。しかし、家は長い間空き家だったはずで、その手紙は未来に書かれたものだった…

 元の韓国映画を知りませんので、この映画のみについて。
 主演二人はそれなりに生きてきた人生があり、言葉のやり取りで真に心の響きあいを感じて、というラブロマンスの部分は良かったと思います。それに、ワイラー父子の確執と真の和解とか、なかなか上手に織り込まれていました。それもこの映画の「湖の家」を中心としたものなので、リメイク作品の売り方としては元のタイトルを使わざるを得なかったのかも知れないけれど、なんかタイトルは惜しいです。
 タイムパラドックスの処理の甘さは、SFよりファンタジーロマンスに重心がある映画なのでそこは目をつぶっても…
 私、この映画絶対にすれ違いで終わる、もしくは優しく甘美な思い出(の絵がもう少し欲しかった)を残して彼の死を知る、といった悲劇的な終わり方のほうがずっと切なく強く印象に残る映画になったような気がします。