虫干し映画MEMO

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第三の男 (1949/英)

2005年02月23日 | 映画感想た行
THE THIRD MAN
監督: キャロル・リード
出演: ジョセフ・コットン オーソン・ウェルズ アリダ・ヴァリ

 いわずと知れた名作なので、何回見てるのさ、と思いつつも放送があれば絶対見てしまう。
 今回見てまたまた画面の美しさ、ウィーンの夜の建物の光、石の街路の輝きにうっとり。昼間の影の使い方もすごいと思うが、夜のシーンが印象的なので昼の光の異質間がすごく生きてるんじゃないかな。
 終盤の待ち伏せシーンでの人間が現れる前の建物の光がすごく好き。
 それに下水道に響く何種類もの言語。これはおそらく聞き分けられる人が聞いたら、ヨーロッパの人はおそらくみんなある程度の言葉の聞き分けができるのだろうから、私が感じるよりももっと強烈に追い詰められたと感じることが出来るのだろう。
 暗示の使い方も、もう陳腐化してしまったような時代にはなったけど、やはりうまいと思う。

 ちょっと前までは、ジョゼフ・コットンがラストシーンでかっこよくないと思ってたんだけど、今は、半ば予期していた結末に、逃げずに敢えて直面しようとする彼はやはりreal manだと思う。傍目にはどうあれ、彼は彼自身の基準で行動を選んでいくのだから。

 23日の夜はBS2で「追跡 第三の男」というこの名画誕生の背景の紹介番組がある。猫ちゃん名演の工夫や、撮影のアイデアの誕生秘話などがあるそうだが、私としては、アリダ・ヴァリの部屋のでっかい陶製ストーブについてもどうなってるのか知りたいけど、そこまでは無理だろうか。

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