虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

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天然コケッコー(2007/日本)

2008年02月12日 | 映画感想た行
監督: 山下敦弘
出演: 夏帆    右田そよ
   岡田将生    大沢広海
   夏川結衣    お母ちゃん(右田以東子)
   佐藤浩市    お父ちゃん(右田一将)
   柳英里沙    田浦伊吹
   藤村聖子    山辺篤子

 のどかな田舎町、木村町。中学2年の右田そよは、小中学生合わせても全校生徒たった6人という小さな分校の一番年かさ。そこへ東京から一人の男子生徒が転校してくる。

 本日、振袖のダイレクトメールが届きまして(もうすぐ成人式という大学生が我が家に一名いるので)そこに、この映画の主人公夏帆ちゃんが振袖でにっこりしていましたのですが、あんまりきれいに撮れておりませんでした。そよちゃんはもっときれいに撮ってよ、と思いました。
 この映画では、本当に絵に描いたようなやさしくて細やかな手を持つ、柔らかな頬をした永遠の女の子が動いていて、夢のようで見ているだけで思わず幸せになってしまいそうです。その子ときたら、小学生のお漏らしの世話はする、人が亡くなった場所で形だけでなくきちんと手を合わせる、自分が人を傷つけたのではないかと真剣に心を痛める…見ているこちらが泣きそうになるほど自然にいい子です。大沢君が結局そよちゃんと別れがたくなるのも当然です。
 映画では、主人公のそよちゃんに中学校でボーイフレンドができて、小さな町の中で季節が過ぎていって、小さな町でもいろいろあって、でもめでたく彼とともに高校進学するまでのお話で、まあ、見事に何にも大きな事件が起こらず淡々と流れていくのですが、しかし早送りもせず、じいっと見入ってしまいました。
 原作知りませんので、元の作品の持つ味わいはわかりませんが、こういう生活は人間の幸福の典型ではないでしょうか。本当にささくれた神経の隅々を柔らかくしてくれるようです。
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トランスフォーマー(2007/アメリカ)

2008年01月24日 | 映画感想た行
TRANSFORMERS
監督: マイケル・ベイ
出演: シャイア・ラブーフ    サム・ウィトウィッキー
   ミーガン・フォックス    ミカエラ
   ジョシュ・デュアメル    レノックス大尉
   ジョン・ヴォイト    ジョン・ケラー国防長官
   ジョン・タートゥーロ   シモンズ

 1980年代に人気を博した日米合作のアニメを実写化。テクノロジー機器に姿を変える「トランスフォーム」(変身)できる金属生命体の脅威に晒された地球を守るカギになるのは、一高校生だった…

 いや~、面白かった!
 大好き!
 ウキャウキャはねて喜んでしまいましたね。大画面で見たかったとは思うけど、思いっきり
 
「きゃ~、うはは~」
「やった~」
「いいぞ~」

などなどわめきつつDVD見るのもこの映画の正しい見方じゃないでしょうか。

 私はCGのビーストウォーズだけしかまともに見てないので、原典については何もいえませんが、ノー天気なストーリー展開、やたらと見慣れた感じの金属生命体がしっかりと重量感をもって実写画面でがっぷり四つ… 派手に壊れる車や建築物、でも主人公は大丈夫。言うことないじゃないですか。
 こういう映画最高!
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ディパーテッド(2006/アメリカ)

2007年06月19日 | 映画感想た行
THE DEPARTED
監督: マーティン・スコセッシ
出演: レオナルド・ディカプリオ    ビリー・コスティガン
   マット・デイモン     コリン・サリバン
   ジャック・ニコルソン    フランク・コステロ
   マーク・ウォールバーグ     ディグナム
   マーティン・シーン    クイーナン
   レイ・ウィンストン    ミスター・フレンチ
   ヴェラ・ファーミガ    マドリン

 香港ノワール「インファナル・アフェア」をハリウッドでリメイク。警察に潜入したマフィアの男と、マフィアに潜入した警察の男の、必然的に交錯する運命の悲劇。

「猿の惑星」に続けてリメイクものです。やっぱり素直に見るのは難しかった。
 プロットは大体踏襲してるし、印象的な絵やシーンも使っていましたが、決定的にアメリカン・テイストでした。
 ノワールじゃないし。
 マット・デイモンのコリンの強烈なアメリカ的成功志向・野望の果て、みたい。一番感じたのはファーストシーンのニコルソンのセリフ、「奪わなければ誰も与えてはくれない」が強固にコリンのバックボーンに染み付いちゃって、オリジナルのラウみたいな葛藤がさほど見えてきません。そんなわけで彼にシンパシー感じるのが難しくて、ラストは、別にあれでもいいけど、コリンへの共感を渋々でも持ちえていたら、私にとってもっと心に残る映画になりましたのに。

 私は、トニー・レオンは特別な俳優で、彼には自分が磁石の前のゼムクリップと化してしまいそうな危険な気配を感じます。こういう気配を感じるのは、他にはロバート・キャパと、市川雷蔵くらい。こういうタイプの男の人には実生活では絶対めぐり会いたくないし、たぶん相手にしてくれないけど、この手の男が「滅び」を演じるともうメタメタなのです。
 で、私はレオ様には全然こういうのを感じないので、このリメイクは俳優だけでも(私的に)勝負がついてます。
 実力ボスでもニコルソンより、「狼よ静かに死ね」のサモ・ハンのほうが私の感覚にしっくり馴染むかも。
 こう思うのは、やっぱりオリジナルが好きだからでしょう。もうちょっと時間おいてのリメイクなら、もっと楽しめたかも、と思います。
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トゥモロー・ワールド(2006/アメリカ、イギリス )

2007年04月24日 | 映画感想た行
CHILDREN OF MEN
監督: アルフォンソ・キュアロン
出演: クライヴ・オーウェン    セオ・ファロン
   ジュリアン・ムーア   ジュリアン・テイラー
   マイケル・ケイン   ジャスパー・パルマー
   キウェテル・イジョフォー    ルーク
   チャーリー・ハナム   パトリック
   クレア=ホープ・アシティ   キー

 原因がわからないまま人間に子どもが生まれなくなって18年たった。世界には暴力と無秩序が際限なく拡がっていき、辛うじて英国だけが国境を封鎖し秩序を保っている。エネルギー省の官僚セオは、彼の元妻ジュリアン率いる反政府組織“FISH”に拉致される。ジュリアンの目的は、ある移民の少女を“ヒューマン・プロジェクト”という組織に引き渡すために必要な“通行証”を手に入れることだった。

 これ、原作読んでいます。かなり前に。ほとんど忘れてるのですが、混沌というより妙に静けさやひそやかな絶望感とか、じりじりとした破滅とか、そんな印象だけ記憶に残ってますが、確実ではありません。図書館で借りて読んで自分で買ってない、ということはそれほど買いたいとは思えなかった本みたい。(借りて読んだ本が気に入ったら自分で買いますよね?しません?)
 この映画は、この「破滅へと沈んでいく社会」の映像がかなりリアルなんですが、もっと始めのほうにインパクトあったら映画への入り込み方が違うかな、と。
 しかしながら、ラストの30分は完全に釘付けになって見てました。戦場シーンの長回しはさすが評判になるだけのものでした。それに細部まで神経が行き届いている感じで、画面のそこここにカオスを見せてくれます。
 赤ん坊が通るシーンでは不覚にも泣いてしまいましたが、奇跡でも救われない、破滅へひた走るのを止められないのもまた人間の真実なのでしょう。原題は"CHILDREN OF MEN"ですから、セオのサクリファイスはどこかで報いられるのかもしれない…
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ドリームガールズ(2006/アメリカ)

2007年03月14日 | 映画感想た行
DREAMGIRLS
監督: ビル・コンドン
出演: ジェイミー・フォックス   カーティス・テイラーJr.
   ビヨンセ・ノウルズ    ディーナ・ジョーンズ
   エディ・マーフィ    ジェームス・“サンダー”・アーリー
   ジェニファー・ハドソン     エフィー・ホワイト
   アニカ・ノニ・ローズ    ローレル・ロビンソン
   ダニー・グローヴァー    マーティー・マディソン
   キース・ロビンソン    C.C.ホワイト

 1962年、アメリカの自動車産業の中心地、デトロイト。エフィー、ローレル、ディーナの3人は“ドリーメッツ”というグループを結成。ショービジネスへ野心を持っていた中古車販売会社のカーティスは、彼女たちのマネジメントから、成功への道を踏み出そうとする…

 この数日、いつものように映画見ていても(「東京ゾンビ」とか)面白さが今ひとつピンとこなくて、滑っていくばかりで、なかなかブログ書く気にもなれませんでした。もしかしたら私が映画を楽しめない状態に陥っているのか!?と思っていました。今日もなんとなくやめちゃおうかな~~~と思いつつ、たらたら自転車漕いで行って来ました。

 そしたら、ああ、全編心が躍るサウンドがギッシリで。
 お腹一杯! 幸せ!
 しょっぱなから矢継ぎ早に舞台シーン。
 それにミュージカル特有の「セリフが歌」ってのもそもそも好きだし、パワフルでうまい、というどうしようもなく耳が喜んじゃう状況。
 ひっきりなしに身体が動いちゃうし、足や手がリズム取っちゃう。
 最後には泣けました。ストーリー展開は予想の範囲内、というか「こうなるだろうな」と思う通りなんだけど、アメリカン・ショー・ビジネスの底力の一端を覗かされた感じ。みんな自分で歌って、それがみんなそれだけで表芸レベルなんだもん。
 いろいろあるけど、やっぱりショー・ビジネスは素晴らしい!
 ジェニファー・ハドソンすごいなあ!
 ああ、いい音響で見られてよかった!!!!!!
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トランスアメリカ(2005/アメリカ)

2007年03月05日 | 映画感想た行
TRANSAMERICA
監督: ダンカン・タッカー
出演: フェリシティ・ハフマン   ブリー
   ケヴィン・ゼガーズ   トビー
   フィオヌラ・フラナガン   エリザベス
   エリザベス・ペーニャ   マーガレット
   グレアム・グリーン   カルヴィン
   バート・ヤング    マレー
   キャリー・プレストン    シドニー

 性同一性障害のブリーが、ようやく肉体的にも女性になるための最後の手術に許可が下りた矢先、ニューヨークの拘置所から、トビーという17歳の少年が実の父親“スタンリー”を探しているというのだ。ブリーがまだスタンリーという男性だった時代に、ただ一度女性と関係を持ったときに出来た子どもがトビー。その子の存在と過去に立ち向かわなければ手術のためのサインをしないというセラピストに、ブリーは渋々子どもの引受人となる。

 なんというか、アメリカは懐が深いって認めざるを得ないです。こんな映画を作って、またそれを演じるほうも素晴らしい。
 女優がこの「女性になりたい男性」の役に、完璧な女装でもどこかに漂う不自然さを見事に表現してるんですものねえ!ただただ感心するばかり。ただ、女として生きるのが自然なのに男の肉体を持ってしまった悲しさをひたすらに感じてしまう。
 私はブリーに寄った立場で見ていたと思う。はじめは突然あらわれた子どもを養父に戻して安心しよう、この件を処理しようという意図がありありだったのが、トビーの辛い過去を知り、心が次第に寄り添っていく。ブリー自身が、自然に自分自身でいられない辛さを知りすぎている。なんとか彼に尊厳を持って生きていって欲しいと願ってしまう。
 しかし旅の途中で、コーティングしていたものが露になっていくのは、トビーだけでなく、ブリーも同様だった。
 それでも、一番胸が痛かったのはトビーがブリーに求婚したシーン。あれほど彼は孤独だったのだ。

 しみじみしながらもバート・ヤングについ、「わー、ドールズのヤングだあ!」と喜んでしまった私です。
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どろろ(2007/日本)

2007年01月31日 | 映画感想た行
監督: 塩田明彦
アクション監督: チン・シウトン
出演: 妻夫木聡   百鬼丸
    柴咲コウ   どろろ
    瑛太    多宝丸
   原田美枝子   百合
   中村嘉葎雄   琵琶法師
   原田芳雄    寿海
   中井貴一    醍醐景光

 戦乱の世、武将醍醐景光は、天下を手に入れる力と引き換えに、我が子の体48箇所を48体の魔物に差し出した。捨てられた赤ん坊・百鬼丸は呪い師寿海に拾われる。寿海は赤ん坊に作り物の体を与え、育てる。寿海の死後、己の身体を取り戻すために旅に出た百鬼丸は、こそ泥のどろろに出会う。

 はぁ…

 原作の「どろろ」は小学生の時に読んでそれ以来ですので、ほとんど忘れてます。
 それでも、なんとなく覚えていたこの主人公の怪しげで危うい生命の持つ不思議に絶対的な命の存在感というものを表現するのに、見る前に、主演の妻夫木聡の持つ「こぎれいさ」と、柴咲コウの「何をやっても柴咲コウ」なところが懸念材料だったわけですが… いつもおことわりしてしまいますが、これは批判でなくてそういうタイプの役者に見えるということです。
 まあ、原作からしてすごく凄惨なお話を手塚治虫の丸い描線が和らげていたような気もするので、こういうのもアリかな???
 以上は個人的な好みについての見解なので、それはそれで置いとくとして。

 これまたもう一息突っ込んでくれればっ!と思うのでした。
 愁嘆場が長いのです。そこで話が進んで百鬼丸やどろろの生い立ちやお話の説明になっているのですが、やっぱりちょっとテンポ悪い感じ。それにそこで柴咲コウが何時も同じ顔で泣いているのでそれも何とかならんかなあ…と。

 あえて日本の戦国という枠をはずしたんだから、もっと無国籍ワールドを突き詰めても良かったと思う。けれんを効かせて美しい画面では「プロミス」はさすがにチェン・カイコー監督でしたねえ。私は映画は荒唐無稽をねじ伏せる面白さがあったほうが好きなので、半ばで出てくる魔物退治シーンの躍動感や漫画っぽさがもっとあればいいのにと思ってしまった。アクション監督にチン・シウトンが参加してるんだし。
 お父さんにしても、わが子を魔物に売り渡して得た強さなんだから、もっと人間離れしてても良いんじゃないかと思う。

「あと24体」ということでしたら、続編の節は是非魔物を全部出して、バッタバッタとやってください。それに柴咲さんは、眉はもうちょっと野生的にげじげじ風味を加えたほうがどろろらしいかと…

タイタンA.E.(2000/アメリカ)

2007年01月09日 | 映画感想た行
TITAN A.E.
監督: ドン・ブルース
    ゲイリー・ゴールドマン
声の出演: マット・デイモン    ケ―ル
     ドリュー・バリモア    アキーマ
     ビル・プルマン    コルソ
     ネイサン・レイン
     ジョン・レグイザモ

「アナスタシア」のゲイリー・ゴールドマン&ドン・ブルースが描く、超大作SFアニメ。
 西暦3028年。宇宙人に地球を破壊され、人類は劣等種として扱われながら細々と生きていた。孤児のケールは、父親から託された人類救済のカギとなる宇宙船“タイタン号”を求めて旅立つ。

 またアニメです。「なんだかなあ」といいつつ性懲りも無く見ております。これも記事にするのパスしようかと思ったのですが、あまりの豪華スタッフにある意味感心したので残しておこうかな、と。これだけ力入れてるのに、結構絵もきれいなのに、これだけワクワク感が感じられないなんて、私だけでしょうか?公開時の評判は耳に入ってこなかったけれど、どんなものだったのかな。小さなモニターでなくて劇場で見ると、臨場感あふれた感動的映像に見えるんだろうか。
 見ていて心のそこから「実写で見たいぞ」と思いました。「ファイナルファンタジー」とおんなじ。
 マット・デイモンと、ドリュー・バリモアがこれを演じていたら、「まあ何てことでしょう」と言いつつ絶対キャハキャハ喜んでいたと思います。クレジットでロン・パールマンの名前もあったけど、ホントに実写ならなあ…
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太陽(2005/ロシア、イタリア、フランス、スイス)

2006年11月13日 | 映画感想た行
SOLNTSE
監督: アレクサンドル・ソクーロフ
出演: イッセー尾形    昭和天皇
   ロバート・ドーソン     マッカーサー将軍
   佐野史郎    侍従長
   桃井かおり    香淳皇后
   つじしんめい   老僕

 ロシアの映像作家アレクサンドル・ソクーロフ監督が歴史上の人物を描く全4部作のうち、ヒトラーの「モレク神」、レーニンの「Telets」に続く第3作目。昭和天皇ヒロヒトを、敗戦直前から人間宣言を決断するまでを描く。

 映画としてどうこう言うのは難しい。
 私やはり日本人ですし。
 この主人公が天皇ありのままだと思う人はまさかいるのかな?
 ただ、個人として存在できない、自己の意思を生きるのでなく、周囲の様々なものを引き受けて生きざるを得ない一人の人間の、壮絶な孤独については、痛ましく、強く迫ってきました。

 これがロシア映画ですし。
 この映画についてはまだまだ整理つかないのですが。
 もし太平洋戦争終結がもう少し遅かったら、おそらく日本も分割されていたと思う。もし聖断で終戦になったのならその点はかなり評価せざるを得ない。天皇しかできなかったのか?
 あの時点でソビエトに終戦仲介を期待していた日本政府にも、ソビエトにも私はむかついているのだ。
 もちろん私は戦争も戦後の日本が独立国家で無い時代も実際には知らないのだが、私にとっても戦後はまだカタはついていないのかもしれない。

 マッカーサーの配役は何とかならんかと思った…おでこが。

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 うちのPCの1台がウィルス感染して、ネットワーク設定やり直しをしていたのでこのPC立ち上げるのはなんと2日ぶり。映画はたまる一方。
「ナチョ・リブレ」のジャレッド・ヘス監督の「バス男」が届いた。DVDのロゴからして「電車男」のパクリみたい。売り方それでよかったのかな?ともかく見てみなくては。

父親たちの星条旗(2006/アメリカ)

2006年10月31日 | 映画感想た行
FLAGS OF OUR FATHERS
監督: クリント・イーストウッド
出演: ライアン・フィリップ    ジョン・“ドク”・ブラッドリー
   ジェシー・ブラッドフォード     レイニー・ギャグノン
   アダム・ビーチ      アイラ・ヘイズ
   ジェイミー・ベル     ラルフ・“イギー”・イグナトウスキー
   バリー・ペッパー     マイク・ストランク

 日本軍との激戦の地、硫黄島で星条旗をたてた6人のアメリカ兵の写真が有名になり、生き残った3人の兵士はアメリカへ帰り戦時国債の売り込みキャンペーンに使われる。

「我等の生涯の最良の年」は暖かくて純朴なドラマだった、と思い出した。
 今のアメリカの抱えている戦争と違って、太平洋戦争は実際「よい戦争」で正義が勝ったはずのものだ。しかしどちらも実際戦っているものたちには不条理で圧倒的な暴力である。

 痛ましい思いの疼きと、涙が止められない2時間だった。
 実際、私の知っている戦争に行った人は、戦場のことを語らなかった。そして息子を戦争で無くした曾祖母は、靖国に行ったことはなかったが、戦後数十年経ったある日勲章が届き、号泣していた。もちろん一片の骨さえ帰ってはこなかったのだが。そばにいた者にも、その悲しみの奥底までは知ることは出来ないのだろう。
 兵士はなぜ戦えるのか、なぜ進んでいくことができるのか、現場に行くことが無いものにはすべては分からないのだろう、今アフガンやイラクで問われていることも現場にいなくてはわからない何かがあるのだろうなどと、凄惨な戦場シーンにすくみながら、でも安全な場所であくまでエンタテインメントとして見ていることをどこかで考えてしまいました。だってこの映画見ながらずっと泣いていたけど、やっぱり後味の悪い涙じゃない。主人公を都合のいいように利用する国とか軍隊とか、当面のヒーローを無理やり求める大衆に対してはともかく、人間性についての信頼はあまりガタガタしない。

 それにしてもイーストウッドは歯軋りしたいくらい老獪な監督であると思う。この映画は素材も撮りかたもオーソドックスで、フラッシュバックや、アイスクリームの上のイチゴソースの色など言ってみれば手垢がついた、お定まりのやり方だと思ってもなお乗せられてしまう。音も実に息があう、という感じがする。132分が短い。

 美しいアダム・ビーチがおっさんに差し掛かってたのが少し悲しかった。

 12月の日本側からの映画「硫黄島からの手紙」で栗林中将にもっと関心が集まるといいのに、と期待している。以前「散るぞ悲しき」という中将についての本を読んで感動した。日本人はケネディ大統領に上杉鷹山の日本での知名度を上げてもらったそうだが、イーストウッドがこの映画を撮ることになって良かったと思う。もっと日本人に知ってほしい人。
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劇場版 テニスの王子様 二人のサムライ The First Game(2005/日本)

2006年10月16日 | 映画感想た行
監督: 浜名孝行

 テニスの王子様 劇場版アニメ。

 これほど顔がぐしゃぐしゃになったのも久しぶり。家族から「そこまで泣かなくても…」と言われるほど涙が出た。もう可笑しくて可笑しくて。

 ありえねーだらけの設定とストーリー。でも私にとってはそのありえなさをきゃっきゃと笑えたアニメなのでどうでもいいですが、この劇場版はすごかったです。ありえねー変な大人だらけで、主人公の中学生の群れしかまともな奴がいないのはしょうがないです。
 ともかくこの映画のテニスの試合シーンはただものではありません。特にキャプテンの手塚のスーパーショットは繰り返して見ました。何度見ても涙が出ます。それに主人公の越前リョーマの試合に至っては遂にドラゴンボールと化してしまいました。いくらジャンプの漫画でも…でも面白いからいいや。
 一応テニスなんだからコート上でやって欲しいとか思ってはいけないのでしょうね。

 実写版の映画を見るのが楽しみになりました。実写版で一番面白そうで楽しみなのが、不二周助。このアニメでも羆落しは何かを召還してるみたいでしたが、さて、実写版ではどう撮ったんでしょう!
 DVDには「テニスの王子様 跡部からの贈り物 君に捧げるテニプリ祭り」も入っていました。全員登場ファンサービス風のアニメですが、私はテニプリのコミックスは10巻くらいでリタイアしたので全員分からずさほど面白くありませんでした。

 どちらにしてもなんとなくボーイズラブファン向けのサービスが入ってるような気がします。
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電車男(2005/日本)

2006年09月09日 | 映画感想た行
監督: 村上正典
出演: 山田孝之    電車男
    中谷美紀    エルメス

 女性と話すこともなく、デートなんてとんでもないアキバ系オタク君が、電車の中で酔っ払いに絡まれていた女性を見かねて助けようとする。それをきっかけに、彼は2チャンネルの応援されつつ、「女性との交際」という未知の冒険に… 

 映画では本にはない「ヤマ場」がありまして、それが受け入れられれば良いのかな、と思います。
 私は(私ががさつな女のせいか、それとも最近姫野カヲル子をまとめて読んでおりましたためでしょうか)エルメスという女性像がどうにも違和感ありすぎて映画にも、なかなか馴染めなかったでした。
 しかし、主人公電車君の、本で感じたような裏表無しでかわいいところは同じように感じました。
 それに2チャン応援団の描き方も優しくて「それぞれが現在から一歩踏み出していく」というのも、悪くはないと思います。

 違和感は一番大きいのは私の(勝手に)持ってたイメージとのずれだと思います。
 もっと2チャンらしい雰囲気とか、アスキーアートを派手に使うかな、とか思ってました。画面に文字の花火乱舞とか。いえ、ほんとに勝手な思い込みです。

 でも、本読んだ時も思ったのですが、オタク君にとって、女性が神話の怪物みたいな感じなのですが、実際どうなのでしょう?
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超劇場版 ケロロ軍曹(2006/日本)

2006年08月26日 | 映画感想た行
監督: 近藤信宏
の出演: 渡辺久美子    ケロロ軍曹
    小桜エツ子   タママ二等兵
    中田譲治   ギロロ伍長
     川上とも子   日向冬樹
     斎藤千和    日向夏美
     池澤春菜    西澤桃華
     能登麻美子    アンゴル・モア
     子安武人    クルル曹長

地球侵略にやってきたくせに日向家の居候にすっかり馴染んで、お手伝いとガンプラ作りの毎日のケロン星人のケロロ軍曹。今日も冬樹とガンプラをを買った帰り道、不思議な空間に入り込みそこで壷を割ってしまう。すると…

 今回は奇跡に近いというか、DISCASから新リリースのDVDが2本まとめて届きました。こんなのは初めてで運を使っちゃったかも、という一抹の不安があったりしますが、何はともかく嬉しい。
 劇場では2本立て公開用60分のあっさりした公開版ですが、テンポがよくて、怪獣ものや変身・特撮・ヒーローアニメのお約束パロディばっちりで適度にオタクして、でも何も知らなくてもちゃんとほどほど笑って、ちょっぴりジ~ンとして楽しめます、というお子様・御家族向け娯楽映画の王道を行っています。
 声優の皆さんも聞きやすい発音で、きちんとキャラクターに添った声を出していて安心してみていられます。
 こういう安心感のあるアニメは、ほっとします。

 私はアニメシリーズは時々見るだけなのですが、コミックのほうは貸してもらって「逃げちゃいけない」とか、ちらりとお目見えのサンダーバードとか、「3倍早い」とか一生懸命探してます。
 返す前に5、6回見ていろいろ探してみよう!
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デンジャラス・ビューティー2(2005/アメリカ)

2006年08月08日 | 映画感想た行
MISS CONGENIALITY 2: ARMED AND FABULOUS
監督: ジョン・パスキン
出演: サンドラ・ブロック    グレイシー・ハート
   レジーナ・キング   サム・フラー
    ウィリアム・シャトナー   スタン・フィールズ
   ヘザー・バーンズ   シェリル
   アーニー・ハドソン   マクドナルド
   ディードリック・ベーダー    ジョエル
   エンリケ・ムルシアーノ   ジェフ・フォアマン
   トリート・ウィリアムズ    コリンズ

 ミス・アメリカ・コンテストの潜入捜査ですっかり顔が売れてしまったグレイシーは捜査に支障をきたすようになり、捜査活動が出来なくなる。その上、彼にまでふられてしまう。仕方なくFBIの顔として本を出版し、美容お手入れスタッフ引き連れPR活動に従事している。ところが親友のミスアメリカがさらわれ、グレイシーには相性のとてつもなく悪いフラーが護衛につけられる。

 サンドラ・ブロックといったら私には典型的アメリカ中流家庭筋金入りリベラルインテリ育ちに見えるのです。『スピード』や、この映画の一作目はそれが役にドンピシャでよかったのです。
 その彼女で、「女はもちろんきれいにもなれるけど、やっぱ生きたいように生きてもいいのよ」、それに「彼もいいけど、まずフレンドシップが最高!」みたいなところに話を持ってかれますと、ああ、疲れたキャリアウーマン向けの癒しドラマなのかな、と思ってしまうのです。
 まあ、楽しめるので良いんですが。
 でもねえ、カーク船長があのざまって…悲しい。(個人的感傷)

 新しいパートナーの名前がサム・フラーですから、「赤い矢」「裸のキッス」連想しないわけにはいかなかったんだけどあんまり関係なかったみたい。見落としたかな。
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父、帰る (2003/ロシア)

2006年06月09日 | 映画感想た行
VOZVRASHCHENIYE
THE RETURN
監督: アンドレイ・ズビャギンツェフ
出演: イワン・ドブロヌラヴォフ     弟イワン
    ウラジーミル・ガーリン    兄アンドレイ
    コンスタンチン・ラヴロネンコ     父

アンドレイとイワンの兄弟は母と暮らしていた。ある夏の日、12年前に家をでた父親が突然帰ってきて、兄弟を小旅行に連れ出す。写真でしか知らなかった父は、家を離れていたわけも帰郷のわけも何も語らない。そして当惑しながらも兄弟はそれぞれの反応を…

 作中の父も寡黙で情報量の少ない人でしたが、この映画自体もあからさまに語ることなく終わったことが多い映画です。スッキリさせてくれる親切な映画を見慣れた私の目には二人の兄弟といっしょに当惑したような感じです。こういうものだと受け取めるしかありません。
 解説にも「横暴な父」と形容されていましたが、私の見るところでは横暴とは思えません。要するに父親自身のの基準で接しているように見えます。ただ、男親というものを知らずに育った二人の兄弟には意味なく高圧的に思えるかもしれない。兄は父を慕う、というより、男の価値観というものに反応しているように思える。父への反感を募らせる弟はまだそれを受け入れる準備ができていない。それに不在・帰郷の理由を全く語らないことはきっと「大人の理由」なのだろうが、まだ世界を見る目が大人のほうまで開けていない弟には受け入れ不可能だろう。
 そしてあのラストである。初めて弟は「パパ」と我知らず、心の底から叫んでいる。
 (私も叫んじゃったんですけどね「何!?これ?」って)

 映像はきれい。北の夏の空の濃い青に白い雲。人物はというとなぜか沈んだような色彩を感じさせ、輪郭線がくっきりしたという印象。いかにも冷たそうな水の色。その色彩の中で私の感情が澱んで明確に言葉になりきらずにいる。
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