虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

快傑ズバット

2006年01月31日 | エンタテインメント
1977年放送のテレビシリーズ

殺された親友の研究していた宇宙探索用のズバットスーツでパワーアップした主人公が、その友を殺した相手を求めてさすらいます。

ズバット参上!
ズバット解決!
人呼んでさすらいのヒーロー!
快傑ズバット!

これが決めセリフ。
初登場の初回から言ってますのね。
誰が呼んだんでしょうか。
1話から6話までが入ったDVDの1巻を借りたのですが、いや~スゴイ。
転げながら笑ってしまいました。

有無を言わせぬスピーディーな展開
説明無用の神出鬼没
目的のためには手段を選ばぬ悪の一味のローカルな活動振り
見るからにチープな小ボスとその回毎にでてくる主人公が挑む(悪の一味に加担する)達人たちの絵に描いたようなステロタイプなルックス!
天本英世様の居合いの達人なんて、もう腸がひっくり返るかというほど笑っちゃいました。
だってさ~、この回、片流れの屋根のところで見得を切るもんだからズバットの頭のすぐ上が傾いた天井だし
それでその隣の部屋が居合いの達人に合わせた和室で、畳返しなんかやっちゃって!
それにどこの土地にも現れる警視庁の刑事さん!

主人公ってば、
白いギター持ってるし、
毎回歌ってるし
毎回移動手段変わってるし、
だいたい、馬だのローカル電車だの船だのでさすらってるのに、
その間ズバットカーはどうしているんだ?
それに毎回人質をとられて窮地に落ち込むのに
瞬時に脱出してしかもズバットカーで登場!
はじめからズバットスーツとズバットカーであらわれないのは何故?
ほんと、楽しいですね。

しかし、このシリーズは
子どもをつるしたり
女性をなぐったりとかいうシーンが目立ちます。
こういうことにうるさくない時代だったんでしょうか。
しかしタイトルからして面白いので
順々にみていこうと思います。

第1話:「さすらいは爆破のあとで」 
第2話:「炎の中の渡り鳥」 
第3話:「悲しき純金の天使」 
第4話:「涙の敵中突破」 
第5話:「花売り少女と白い粉」 
第6話:「海にほえるマシンガン」

着物/幸田文

2006年01月29日 | 
 昨日BS放送で成瀬巳喜男監督の「流れる」をやっていた。
 いい映画なのだが、苦い後味の映画で、女、いや人間というものが底に持っているよどんだ冷えたものが舌に残る…感覚の映画。大女優競演で素晴らしい映画だとは思うもののやはり苦い。

 映画「流れる」原作者の幸田文の、この「着物」という小説も苦い。
 幸田文という人は実にキツイ目を持った人であり、きつい表現を持った人だとどの小説を読んでも思う。実に潔癖な人柄だと思わされ、文章自体もそれにふさわしいものなのだが、そのきつさ・潔癖さに、私はどうも締めつけられる思いがして、主人公に距離をおかずにいられない。
 この「着物」というのは、3人姉妹と男一人の兄弟の末っ子の少女がほぼ大正時代を背景に成長し、結婚するまでを描いた一種教養小説で、その折節に主人公や家族の着る着物、姉たちや自分の嫁入り支度などの着物に、それぞれの状況が反映される。
 私は着物が好きだし、それなりに着ているのだが、読んでいると女の衣装に対する思いいれみたいなものに息苦しくなる。何を着るかというのは重要な自己表現であることは認識しているものの、今の時代は選択肢も多くあり、何よりも繊維自体が潤沢な時代なので、今ひとつぴんと来ない部分も多い。幸田文の主人公にしばしば感じる「今の状況を変えたくて、とりあえず見えているほうへ突き進んでしまう」様な状況はこの本でも幾度も登場し、それはとても私には怖い。
 しかし、この本の中の生活の知識をしっかりと次世代に伝えようとする賢い祖母と、家庭内の些事に普段は口出しをしないようだが家族の要としていざという時に事態を収拾できる父のありようというものは実に理想的なものに思う。

 主人公の結婚式で小説は終わるが、それは主人公の結婚生活の不幸を暗示する終わり方であり、本当に読後感の苦さは決定的になる。
 しかし本当にうまい小説であると思う。

バーバー吉野 (2003/日本)

2006年01月28日 | 映画感想は行
監督: 荻上直子
出演: もたいまさこ
   米田良
   大川翔太
   村松諒
   宮尾真之介

 住民が全員顔見知りのような小さな田舎町の、小学校の男のこの間に芽生えたしきたりへの反逆をのんびりと描く。その町では、小学生の男の子はその町の「バーバー吉野」で散髪した全員同じヘアスタイル(吉野刈り)でお祭りには「ハレルヤ」を合唱する。しかしある日、東京から転校生がやってきて、彼はとてもかっこいい髪形をしていた…

 これは、絶対「吉野刈り=吉野ヶ里」の駄洒落が使ってみたかったんだと思うよね!
 それがまた、どんぐりのハカマのような、実に妙なスタイルだけど、妙に可愛い。天使の輪がくっきり浮かぶようなヘアスタイル。話に目新しさはなくて、オーソドックスに予想内の展開なのだけれど、少年たちの可愛さで見る目が甘くなってしまいそう。それに田舎町が舞台のためか、思春期の男の子のドタバタもおとなしくてナイーブ。子どもの中に知らないものを見てしまったという感覚がなく、懐かしさとか郷愁を感じる程度のもので、映画のインパクトは強くないけれど、優しさが漂う。
 基本的に親や既成のしきたりに対する異議申し立てと言っても、不満や疑問はあっても不信感がなく、根っこのところでは子どもが大人を信頼している関係の上でのお話なのだ。前面に立ちはだかる吉野のおばちゃんは本当の敵ではない。先頭に立たずに既成事実に寄りかかっている先生たちのほうがたちが悪い。
 こんなことは考えるのだけれど、優しい両親に穏やかな生活、思春期の恋心、と軽いけれど穏やかな笑いが浮かぶような映画だった。

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 疲労のためだと思いますが、昨夜は熱出して倒れるように寝ておりました。でも寝ながら「コングの復讐」なんて見てました。全然復讐じゃないんですけど、何でこんなタイトルなんでしょう?

明日は試験!

2006年01月26日 | 日記・雑記
 なんと着付けの。
 ペーパーテストがあるんですな、これが。
 着物の知識とか、織物の種類とか産地とか特長とか。
 まあ、落第したって、延長して面倒見てくれるわけではないのですが、やっぱ試験となると燃えてしまうのが私の悪いクセ。
 やったるで!なのであります。
 でも映画は見ました。「バーバー吉野」 思春期の少年たちの良くあるドラマですが、駄洒落から膨らませたようだなあ、と思う映画なのでした。この感想はまた明日に。

レジェンド・オブ・ゾロ (2005/アメリカ)

2006年01月25日 | 映画感想ら行
THE LEGEND OF ZORRO
監督: マーティン・キャンベル
出演: アントニオ・バンデラス    ゾロ/アレハンドロ・デ・ラ・ベガ
    キャサリン・ゼタ=ジョーンズ    エレナ・デ・ラ・ベガ
    ルーファス・シーウェル   アルマン伯爵
    ニック・チンランド    ジェイコブ・マクギブンス
    アドリアン・アロンソ     ホアキン・デ・ラ・ベガ

 カリフォルニアがアメリカの州になるかどうかの住民投票をしていた頃、民衆の英雄ゾロ(アレハンドロ)は、喝采に迎えられ活躍していた。しかしその妻は家族のために危険なヒーロー稼業はやめるように迫る。そして勇者にあこがれる年頃の息子は父親をふがいないと思っている。そんな時、夫婦喧嘩の末に、アレハンドロは妻のエレナから離婚請求されてしまう。

 なんかね~、前半のまるでソープオペラの如き家庭内のいざこざは強引な辻褄あわせに見えました。コメディタッチでちょっとくたびれたヒーローご夫妻の様子はなかなか面白かったんですけど、あの初代ゾロの娘、自分だって十分強い奥様がなんだって夫に危険なことは家族のためにやめろ、というのか、もうすこ~し強力な動機付けがないと唐突だと思う。
 それにしても、この「日常生活とヒーロー活動の両立に悩む」というのは、スパイダーマンのほうが上手でした。前作から周囲に小突かれやすいバンデラスのゾロですが、この映画ではますますおちょくられてます。

 でもこの映画、みんな闘ってます。主人公は一家全員、神父さんも、ただの住民もみ~んな勇敢に戦ってしかも強い。
 後半のアクション畳み掛けになるとさすがにワクワクドキドキ、楽しませてもらいました。
 それで、この主人公、ワルモノに止め刺しません。悪者はすべて天の配剤みたいにめぐり合わせで命を落します。あらまあ、です。家族の映画になったら、家族で見ても大丈夫路線になったのかしら。
 面白かったりカッコいい絵もあるし、見終わってパチパチ拍手できるくらい満足はしたのですが、悪役のトップがあまりにあたりまえすぎ。その配下の鎌様武器男のほうが激突バトルとしては面白そうなのに、奥さんに任せちゃ駄目じゃない。やっぱりラスボス前の決戦として主人公がこれを片付けてラスボス対決に行きませんと。あ、様式を求めちゃいけないかな。

 キャサリン・ゼタ=ジョーンズはいつもの「一筋縄ではいかない感じ」が素敵でした。ゾロJrが可愛くて生意気で良かったです。トルネード、もっと演技させてあげてもと思っちゃった。

博士の愛した数式 (2005/日本)

2006年01月24日 | 映画感想は行
監督: 小泉堯史
出演: 寺尾聰   博士
    深津絵里  杏子
    齋藤隆成  ルート
    吉岡秀隆   ルート成人後
    浅丘ルリ子  未亡人

 シングルマザーの杏子は家政婦をして一人息子を育てている。彼女の新しい派遣先は、交通事故に遭って80分しか記憶が持たなくなってしまった数学博士。いつしか彼女は、博士の愛する数学の楽しさ美しさに惹かれる。また博士がルートと呼ぶ彼女の息子も、博士との交流を大切なものとするようになる。

 見る前にとっても気になっていたのがルート君のヘア・スタイル。でも普通でしたね。
 それはさておき、構成に思い切った改変もして、原作とは少し別のものになった感じでしたが、静かで温かい感触の残る佳品になっていたと思います。
 成長後のルートに語らせるという方法も、数学の数や数式の解説がそれでうまくこなされていたのでとても自然だった。また野球エピソードがちょっと薄まってしまった様にも思った。

 原作が浄化作用を持つようなファンタジーだと思ったが、映画は同じくファンタジーでも浄化というよりほのぼのと空気を暖めるような感じだった。(えらそうだけど)そう素直に、映画化として肯定できる仕上がりだった。
 浅丘ルリ子のキャスティングは好みはあるだろうが、映画だけに関しては一部が固まってしまった心を感じさせる演技がさすがに彼女だった。また衣装が、ほとんど紬のような裄の長い着物にダークな色調の半襟と帯で役にはまっていたと思う。深津絵里のやわらかい、明るい色調のセーターやエプロンとの対象が印象的だった。

 これは原作もそうだが、数学の楽しさ入門としてもなかなか役立ちそうです。
 もしもっと勉強したくなった方、私と一緒にあがいてみませんか。写真の「虚数の情緒ー中学生からの全方位独学法」それに「オイラーの贈り物」なんかいかがでしょう。ここ数年、ヒイヒイいいながらやってるんですが。周りの数学大好き人間たちは「オイラーの方程式は、美しくてしかも役に立つ」なんて陶然としてるんですが、そうなんでしょうか。

炎のメモリアル (2004/アメリカ)

2006年01月23日 | 映画感想は行
LADDER 49
監督: ジェイ・ラッセル
出演: ホアキン・フェニックス     ジャック・モリソン
   ジョン・トラヴォルタ     マイク・ケネディ
   ジャシンダ・バレット    リンダ・モリソン
   ロバート・パトリック     レニー・リクター
   モリス・チェスナット    トミー・ドレイク

 ある消防士の家族と仲間たちの絆と彼の勇気の物語。

 言ってしまうと、上のあらすじで済んでしまいます。
 消防士という危険な職場で、人を救うという誇りと使命感を持って職務を遂行するご近所の英雄をあざとくなく描いた映画ですが、あざとくないだけにいまいち盛り上がりが… なんかメリハリが…
 主人公も、その仲間もめちゃめちゃに危険な日常を送っているのも、家族がいたたまれないくらい心配でたまらない生活を送っているのも納得できます。それなりに泣かせる場面はあるのですが、結構名の知れた俳優が揃っている割に地味な印象で、テレビの特番を見たような感じがしないでもないです…火事のシーンなんかは迫力あるんですがねえ。きっとテレビ画面で見たせいもあるのでしょう。大画面でブワッと炎がこちらに吹き出したらまた印象は別だったと思う。
 ラストは、やはり911事件が影を落としているのか、と思った。

 まあ、この前の記事にも書いたとおり、本日は冷え切った一日だったので、炎の恐ろしさに鈍感であった、ということもいえるかと思います。 

雪は嫌いだ(2)

2006年01月23日 | 日記・雑記
 関東では、雪の翌日というのはとんでもない温かい日和ということが多いのに、昨日今日は冗談みたいに寒かったです。
 おかげさまで、私はゴム長靴にスコップといういでたちであっちこっちの氷を割ったり引っかいたりどけたりと、肉体労働の日々で、寒いし疲れたの何の。
 昨日誰かが作った雪だるまが、お日様に照らされても全然大きさが変わらない寒さ。それにさすがにこのスタイルで仕事抜けて自転車飛ばして映画館に行く勇気なし。「ゾロ」見たかったなあ…

 それで風呂に入ってから見たDVDが「炎のメモリアル」という火事の映画。寒さが骨の髄まで沁みていますという時に見る映画じゃなかったようです。

雪は嫌いだ

2006年01月21日 | 日記・雑記
 昨夜は、雪の予報が出たので、駐車場の除雪に備えて、夕方からヘッドランプの灯りで排水溝のお掃除という楽しい仕事をしました。ミミズさんがいっぱいの良い土がどっさり取れました。
 今朝は、起きたら心底がっかりしたことに雪がさっさと積もっていたので早速無駄なあがきと知りつつ雪かきです。
 ええ、どけるそばから雪積もります。
 でも、駐車場料金いただいているからには、管理者としてはやっとかないとまずいです。この辺じゃスタッドレスタイヤ常時つけてる車なんてほとんどないし、駐車場の電動ゲートが動かなくなっても大変。
 それに本日は高校の同窓会。5年ぶりだというのに、何で今日降るんだろう!東京タワーのてっぺんから飛び降りるつもりで作った牛首紬を着ていけないじゃないか!
 5センチばかりの雪で愚痴って、豪雪地帯の皆様ごめんなさい。

 今日は「レジェンド・オブ・ゾロ」「博士の愛した数式」の公開だし、「有頂天ホテル」「プライドと偏見」も見にいきたいし、でも「スパイ・モンキー」はきっと駄目だろうなあ。ちゃんとDVDで見られますように祈っちゃう。

ニコラ(1998/フランス)

2006年01月19日 | 映画感想な行
LA CLASSE DE NEIGE
監督: クロード・ミレール
出演: クレモン・ヴァン・デン・ベルグ
    フランソワ・ロイ
    イヴ・ヴェローヴェン
    ロックマン・ナルカカン

 厳格で過保護な父を持つ12歳の少年ニコラ。親の手を離れてスキー教室に参加するが、そこで彼の頭の中には不安な空想ばかりがよぎり、そして実際に悲惨な事件が発生する。

 夜一人で見るような映画ではありません。いや、もしかしたらそれが一番ふさわしい見方なのかな。見た後で気持ちが沈んでたまらなくなりました。
 ニコラの父は、スキー教室に息子をやるにもバスで団体行動では安全に確信がもてないと自分で送り届け、遊園地で遊んでいる時に子どもに教訓としてはとんでもない怖すぎる話をして牽制する。
 ニコラもまたニコラで、その頭の中ときたら「え~~~~~~12歳というのはこんなものまで持っているのか?」「それともホントにこれは特殊例なのか?」と、夜ではあるし、冗談ですまないようなエロチックで危険な妄想をどんどん膨らませていく。
 スキー教室という健康的な環境で、先生たちも実にまともに大人をしている。雪山の描写は実に静かで美しい。そして時々入るやけに明るい教室風景が突拍子もなく騒々しく浮き上がって見える。

 映画の半分は、見ているものがニコラ少年の妄想に付き合わされる形で、ラストの衝撃も
「これは事実なのか?それともニコラの頭の中なのか?」と戸惑う。別の少年を出すことで、その回答もわかるのだが、それでも非現実を引き摺るように映画は終わる。
 一番ぞ~っとしたのが、グロテスクな妄想シーンよりも、殺人事件の犯人よりも、ラストシーン前の子どもを抱いた若い母親に対するニコラの妄想。心底ぞっとした。子どもをこんな映画に出して良いのか、と真剣に思ったくらい。
 これだけ身体にコタエたのだから、パワーのある映画ですが、体調の悪い時にはお薦めしません。

Mr.&Mrs. スミス (2005/アメリカ)

2006年01月18日 | 映画感想ま行
MR. AND MRS. SMITH
監督: ダグ・リーマン
出演: ブラッド・ピット     ジョン・スミス
    アンジェリーナ・ジョリー     ジェーン・スミス

 コロンビアで出会い、恋に落ち結婚したジョンとジェーンは今夫婦仲に隙間風が吹き始めている。そして、お互いが堅実な仕事を持っているはずが、なんと二人が二人とも、凄腕の殺し屋だった…

 しばらく劇場に遠ざかっていた上に、昨日見た映画がなんと「ニコラ」(フランス)という思いっきり見た後の気分が沈みこむような映画でした。これではたまらんと、今日は無理やり時間作って映画館へ。「ともかく一番派手な映画が見たい!」というわけで見てきたのがこれ。

 展開読めます、結末もたいがいわかっちゃいますが、やはり心がなごみました。
 やっぱり、スターの映画はどんなにご都合主義だろうと、かっこよくないとイヤなの。
 ブラピも、ジョリー御姐さまもほんとにかっこいいんですもの。全編絵になる様になる御二人なのですもの。
 殺し合いしても、凄腕の殺し屋同士が殴り合ってもちょこっと傷ができるだけで美しさには影響なし。
 スターの輝きを十分堪能できて楽しゅうございました。

 ただ、まあそれだけといえばそれだけで、映画としてはひねりなさ過ぎ、展開あったりまえ過ぎて、今日みたいに「かっこいい派手な映画で癒されたい」気分に溢れた時でないと物足りないんじゃないかな、とは思う。
 でも今日については、二人ともかっこよくて嬉しかったわ。

百人一首、敗戦、イナズマン、

2006年01月16日 | 日記・雑記
 三題噺にしてもめちゃくちゃなラインナップですが、本日はこんな感じでした。
 一日、白洲正子の「百人一首」を持ち歩き、古歌を古歌としてそのまま読む、というようなお勉強的読書をしました。それで、帰ってから何とか「マーク・ゲインのニッポン日記」の感想をまとめてしまおうと苦心していたのですが、どうもまだ咀嚼していません。この本のことを考えると、やっぱり腹が立ってきます。著者や本にではなく、当時の日本にむかっ腹が立ちます。これだけ古い本でRAA(レクリエイション・アンド・アミューズメント・アソシエイション…早い話が国家運営の占領軍向け売春組織)のことをきっちりと書いてあるのもこの本だけかも。
 敗戦後の日本の国中が灰をかぶったような呆然としたような部分と、一部の妙な昂揚感。政府・国会の空虚さ。
 日本は負けたんだというのを突きつけられます。

 考えるのが、やっぱり日本人は

 敗戦

 を本当にきちんと受け止めたと言えるのか!
 ということ。

「大和」の映画も(見るの怖いけど)役に立つかもしれないけど、この本は、国民の無力とかいろいろ歯軋りしながら感じさせられます。
 …やっぱりまともな感想になりません。
 またしばらく経って読みなおしたら書けるだろうか。

 映画リメイク情報も相変わらず沢山ですが、「明日に向かって撃て」のマット・デイモン、ベン・アフレックでリメイクだけは真剣にやめてほしいと思います。

 DVDレンタルの新作情報で「イナズマン」「怪傑ズバット」というのがあった。これも変身ヒーローものかな。どっちかはゲームの「スーパーヒーロー作戦」で見たかな?これも見てみようかな。

ジョン・カサベテスのビッグ・トラブル(1986/アメリカ)

2006年01月15日 | 映画感想は行
BIG TROUBLE
監督: ジョン・カサヴェテス
出演: ピーター・フォーク 
    アラン・アーキン 
    ビヴァリー・ダンジェロ 
    ヴァレリー・カーティン 
    トロイ・ドナヒュー 
    ポール・ドゥーリイ 
    チャールズ・ダーニング 
    ロバート・スタック 
    リチャード・リバティーニ 

 保険会社に勤めるレナードは三つ子の息子たちがエール大学に揃って進学希望。しかし、とんでもない金がかかり当てはない。そんなときに彼は夫に傷害保険をかけようとするブロンド美女にある相談を持ちかけられる。

 他のカサヴェテス監督作品みたいなのを期待してみると全然違ってびっくりします。ふつ~のコメディ。だから、テンポがよくて、それほど長くないとはいえ一気呵成にラストまで持っていっても「なんかもっと」を期待しちゃってあれ、これだけ?と思っちゃいます。カサヴェテスですから。
 でもほんと、あたりまえに面白いコメディなんですが。
 最初はやっぱり「深夜の報酬」ふまえてるんでしょうねえ。だって列車だのそれにでっぷりした保安部長とか、あからさまにそっくりです。それがブロンド美女の夫役がピーター・フォークですから、こちらの期待通りに真面目な主人公の神経を存分にかき回します。
 テロ集団は少し楽に片付きすぎだな、とか頭をかすめますが、気楽に見られる善人振り回され型コメディ。しかし、周囲を見ると教育費問題は身につまされる人も多いのではないか。ごめんね、お父様。

バニシングIN60”(1974/アメリカ)

2006年01月14日 | 映画感想は行
Gone in 60 seconds
監督: H・B・ハリッキー
出演: H・B・ハリッキー
    マリオン・ブシア 
    ジェリー・ドージラーダ
    ジェームズ・マッキンタイア

 表の顔は保険会社の調査員。盗難車の追跡や事故の調査をしているが、裏では車専門の窃盗団。大口の注文で車を盗みまくるが、ついにある日、地域警察に総動員で追われることになる。

 ニコラス・ケイジ、アンジョリーナ・ジョリーの「60セカンズ」の元作品。リメイク版のほうが盗む理由だの、キャラの性格だのはきちんと描いてございますが、この映画はそんなもの(お芝居とか)はたいして見ちゃいません、私。
 後半の「ウワ~まだまだ続く」というカーチェイス。はじめてみたときはあんなに延々と続くとは思わず、いささか呆気にとられて見ておりました。
 ビデオでしたから、「それにしてもあれだけ走ってよくガソリンもつね」「燃費がいいのか」「丈夫だ」とか一人でぶつぶつテレビの前で呻きながら、制作当時のカクカクしたスタイルの、主にアメ車がガッシャンガッシャンへこみまくりながら、ぶつかったりひっくり返ったり飛んだりして走りまくるのを見ているうちに、なんか異様な面白さに目ざめてしまったのでした。「これがやりたい」というような熱気がビシビシ画面から飛んできたのです。
 そこら辺のアンテナが引っかかると、これは妙に面白い映画だろうし、駄目だと私の一人の友人の如く「眠い!」映画になっちゃうのかもしれません。
 
 音楽については、「悪く変わった」とそこらじゅうのレビューに書いてあるのですが、私はどこが違う、とはっきりいえません。

 不道徳ですが、やっぱりこれでなくては納得できないなあ、というノーテンキなラストです。

船乗りシンバッドの冒険 (1946/アメリカ)

2006年01月13日 | 映画感想は行
SINBAD THE SAILOR
監督: リチャード・ウォーレス
出演: ダグラス・フェアバンクス・Jr 
    モーリン・オハラ 
    アンソニー・クイン 
    ウォルター・スレザック

 船乗りシンドバッドが語る冒険とお姫様と不思議な宝の物語。

 1946年制作という、日本がめちゃめちゃだった時期の派手やかなカラーのアメリカ映画。
 ダグラス・フェアバンクス・Jrのほうの活劇で、いい男ではありますが、見ていて多少一本調子かな、と。これは演出のせいもたぶんにあるのでしょう。
 上に「派手やか」と表現しましたが、実に実に賑々しい色彩で、海上や空の色は書割のようだし、お姫様はどっからどう見ても西洋人、ドレスもお付きの侍女以外はオリエントとは無関係に見えます。兵隊や街の人々はそれなりにアラブ風ですが主人公は「ゾロ」と言っても通りそう。思い切り時代感があってこういうのも面白い。
 主人公のライバルをアンソニー・クインが演じていますが、若くて豪華な衣装を着ています。アンソニー・クインが豪華なものを着ているとなんとなく珍しいと思ってしまいます。
 特撮もほとんどないし、活劇のスピード感もそこそこだし、豪華だけど、あんまりスカッとするという活劇ではありませんでした。
 この映画の目玉は、モーリン・オハラの王女様。とっても美しいですが、オリエントな美女には見えません。ヒロインなのにしたたかで貪欲で機略縦横という、家族向け映画には稀なお姫様です。ジョン・フォードの名作中のオハラが印象に残っていますが、こういう役のほうが美しく見えます。