虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

レインボーマンの対象視聴者は???

2006年07月31日 | エンタテインメント
『ラヴェンダーの咲く庭で』も見ましたし、他にも映画も見たり、『宝島』(スティーヴンソン)読んだりしていますが、本日はレインボーマン入手分をきっちり見直すのに時間を割きたいと思っております。

 見ることができたのは
 レインボーマン誕生1.2話、
 恋人らしき人ができていてその人が死ね死ね団に殺されてしまう「危機一発」、 通貨価値が大混乱、ひどいインフレ状態で人々に食料がいきわたらなくなる第21話 「電流人間(スパークマン)をやっつけろ!!」

 それぞれにでてくる敵キャラとか、技の数々よりも、やはり目を剥くのは設定。
 しょっぱな印パ戦争。そういえば、インドとパキスタンが分かれて、そのパキスタンがまたバングラデシュとパキスタンになったんだっけ。
 戦場を暢気に(としか思えない)放浪する18歳(にしては老けた)主人公。髪型が時代を語ります。
 はじめて見た「ヨガの眠り」にもパンチ喰らいました。言葉も出ません。終わってみると悲劇的なのに、ヨガの眠り状態のタケシを仏像だといって死ね死ね団をごまかすのは笑うというより腸がひっくり返りそうです。
 21話のにせ札インフレ状態はいかにも戦中戦後の記憶も生々しい、というのを感じさせます。
 また出典を度忘れしてしまったのだが、第2次大戦後は日本人に対する怒りがアジアでは渦巻いていて、終戦後しばらく経って留学のために船でフランスへ向かうときにも、日本人はアジアで上陸することができなかったというのを読んだことがあります。もう少し戦後史を学習して見てみたい!と思わせるのでした。というわけで、世界史年表片手に2回ほど見ました。今日で締めて明日あたりは何か書いて見ようと思います。

 う~ん、しかし本当に子供向けだったのでしょうか????

ROCK YOU! [ロック・ユー!](2001/アメリカ)

2006年07月30日 | 映画感想ら行
A KNIGHT'S TALE
監督: ブライアン・ヘルゲランド
出演: ヒース・レジャー    ウィリアム
   マーク・アディ     ローランド
   ルーファス・シーウェル    アダマー伯爵
   シャニン・ソサモン     ジョスリン
   ポール・ベタニー     チョーサー
   アラン・テュディック    ワット
   ローラ・フレイザー    ケイト

 14世紀。平民のウィリアムは諸国を巡る騎士エクスター卿の従者をしていた。ある日、卿が不幸にもジュースティング(馬上槍試合)の最中に命を落とす。ウィリアムは卿の代わりに出場、みごと優勝してしまう。そしてそれ以後、彼は騎士の身分を騙って試合に出、勝ち進む…

 おとぎ話なんですが。楽しかった。
 音楽がクイーンの”ロック・ユー”に始まってデビッド・ボウイとかエリック・クラプトン、そしてエンディングの We Are The Champions に至っては、ゲンコツ作って一緒に歌っちゃいましたね。
 実際には暗黒の中世の真っ最中で、身分を越えるだの運命に挑戦というたら、99パーセント閉じられてる世界です。だからおとぎ話なんだけど、気持ちのいい青春ドラマになっていて、主人公もいいし、その仲間たちの結束や信頼もとても気持ちいいし、ラストの展開は都合よすぎても、こうでなくてはいけないっ!それでゲンコツなのです。
 ダンスシーンの中世風ダンスがいつの間にかロックになって、それが違和感なく楽しめるし、ケイトのロゴにもきゃっきゃと笑える。
 原題が”A KNIGHT'S TALE”なのは、ポール・ベタニーのチョーサーがでてきて納得いたしましたが、あんなふうに油を売っていてはイタリアへ行く暇がなくなっちゃいそう。邦題もうまく選んだと思う。
 ハレバレ気分。

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト(2006/アメリカ)

2006年07月29日 | 映画感想は行
PIRATES OF THE CARIBBEAN: DEAD MAN'S CHEST
監督: ゴア・ヴァービンスキー
製作: ジェリー・ブラッカイマー
出演: ジョニー・デップ    ジャック・スパロウ
    オーランド・ブルーム    ウィル・ターナー
    キーラ・ナイトレイ     エリザベス・スワン
    ビル・ナイ    デイヴィ・ジョーンズ
    ステラン・スカルスガルド    “ブーツストラップ”・ビル・ターナー
    ジャック・ダヴェンポート   ノリントン
    ケヴィン・マクナリー    ギブス

 ジャック・スパロウはブラックパール号を得るためにデイヴィ・ジョーンズと取引をしていた。約束の年限がきて、彼はデイヴィ・ジョーンズに100年魂を隷属させられそうになり、それを逃れるために必死。そして一方ウィル・ターナーとエリザベスはジャック・スパロウを逃がしたという理由で、結婚寸前に共に逮捕される。

 期待通りに楽しゅうございました。
 ただ、1作目のようなスパロウ船長の汚くて悪くてカッコいいお姿に絶叫したいというよりは、これこそが娯楽映画でございますとばかりにごぼごぼあふれるようなサービス精神に楽しませていただきました。
 私はあの籠球ブランコと水車大立ち回りが面白くて、隣の席にいた連れが止めなかったら実際拍手喝さいしてたかも。どうして映画館てあんなに静かなんだろう。
 ジャック・スパロウ船長が1作目よりもそのとらえどころなさという点で一歩後退したみたいでしたが、オーランド・ブルームが今回は目立ちました。「ロード・オブ・ザ・リング」の時から体育会軽業系な方でしたが、今回はちょっぴり(だけ)お年を召してたくましくもなっていまして、それでもう動く動く。
 キーラ・ナイトレイはちょっとかわいそうな気がしました。
 ターナー父は周りがクリーチャーだらけなこともあって、どうも「ロード・オブ・ザ・リング」の気の毒なデネソールに似て見えてしょうがありません。
 3部作の真ん中は何かと不満が出るものです。これもまた例によって「これからもっと面白くなりますよ」というところで終わっちゃってるのであります。1作目のあの人物も、あれもこれも、そして最後にあの彼も出しておいて「最終編は全員総出の大団円」をちらつかせて終わるなんて、上手ですね~ 卑怯ですね~

 蛸、あちらでは食べないんでしょうか?嫌われてるみたいですねえ。クラーケンて、海のまがまがしい怪物としていろんなところで出てきますが、この映画のあれはアノマロカリスの口を持った蛸、と形容したい。どうも「まがまがしさ」というのがあまり迫ってこないのだが、やはり西欧ではもっと邪悪に見えるのだろうか?

 それに、私はあの歌をメロディーつきで聴いたのがなかなかうれしかったですね。
 岩波少年文庫の「宝島」(阿部知二訳)では
 亡者の箱まで、はってのぼった15人ー
  いっぱい飲もうぞ、ヨー、ホー、ホー!
 他に出典の本が見つからないけどこんなのもありました。
 死人の箱にゃあ15人
  おまけにラムが一瓶だ、ヨーホーホー!

有言実行三姉妹シュシュトリアン

2006年07月27日 | エンタテインメント
 1993年に放送された、東映不思議シリーズの最後を飾る作品。
 ポワトリンのように、いきなり神様に酉年の平和と幸福を守ることを押し付けられてしまう雪子・月子・花子の三姉妹。ま、こちらのほうは引き換えに仲の悪い両親をラブラブ夫婦にするという条件付で、少しは交渉の余地ありました。
 そして毎回ことわざで妖怪その他を説教して話を収める…強引なこじつけばかりみたいだけど、三姉妹がかわいくて頼りなさそうなので(アクション的にはすごく弱い)あれ以上はもう望みません。
 各回のゲストもなかなかのメンバーですし、ネズミ男的キャラ、お酉様の取次ぎ役フライドチキン男も絶品。
 東映不思議シリーズがどうして終了してしまったかはわからないけれど、残念でたまりません。
 シリーズ最終のせいでしょうか、たった4回分しか見ていないにもかかわらず、その各回の設定の開き直ったようなぶっ飛びぶりには脱帽です。

今回見ることができましたのは以下の4作
・涙の妖怪・ザ・お正月 (初回)粗末に捨てられたお年玉袋が妖怪に!
・フライドチキン男の青い鳥  (「青い鳥」のキャラ・チルチルとミチルをせこい守銭奴にしちゃってます。おとぎ話ワールドから助けに来るキャラが特定しきれないのが悔しい。)
・好き嫌いのあるゴミ箱 (お行儀とか固定観念がぐらぐらしそう)
・命短し、コイせよ乙女! (これは素晴らしい。イモリの黒焼きで女の子を惑わして貢がせるというイモリ男も、対するにラーメン抱えながらイモリ男を嘲弄する月子ちゃんもたまりません。さりげなく出てくる仏壇にも悶絶)

 エンドクレジットの歌が矢野顕子!その歌に乗って三姉妹の映像と「ゴミ箱を襲う人々」などと題された出演者の名前が…!!!
 本当に心なごむ番組です。

バッファロー・ソルジャーズ 戦争のはじめかた (2001年/イギリス)

2006年07月26日 | 映画感想は行
BUFFALO SOLDIERS
監督: グレゴール・ジョーダン
出演: ホアキン・フェニックス
    エド・ハリス
    スコット・グレン
    アンナ・パキン
    エリザベス・マクガバン

 ベルリンの壁崩壊直前の1989年の西ドイツ。シュツットガルトの米陸軍基地でも綱紀弛緩の状態。エルウッドはこの基地で補給部隊所属、軍の物資を横流しするのは当たり前、さらにはヘロインの精製と密売もしている。上官も丸め込んで順調だった裏仕事も、厳しいリー曹長が新たに着任、エルウッドはマークされる。

 コメディ分類されている映画なのだが、笑ってはいられません。
 刑務所か軍隊か、で軍隊にやってきてその中でうま~く立ち回るエルウッド。とりあえず人間としての善悪の判断は棚上げ。どんなやばいことでも、その結果なんてお構いなしに金儲けに走る。
 ピンボケ上官(エド・ハリスの無能ぶりがすごい)とか、とんでもない菜食主義のMP。薬にラリって悲惨な事故をおこしてそれを認識も出来ない兵士たち。ブラックコメディといえば、どんぴしゃりだなあ、と感心してしまうほどブラックで、しかもありそう。
 清廉そうな上官も一皮剥けば殺人鬼。
 エルウッドのような悪党も、出世に眼がくらんだピンボケ管理職も、果ては異常者も抱え込んでいそうな軍隊というもののリアル感がしみじみ怖い。

サイドウェイ(2004/アメリカ、ハンガリー)

2006年07月24日 | 映画感想さ行
SIDEWAYS
監督: アレクサンダー・ペイン
出演: ポール・ジアマッティ    マイルス
     トーマス・ヘイデン・チャーチ   ジャック
    ヴァージニア・マドセン   マヤ
     サンドラ・オー    ステファニー

バツ1で小説家志望の教師マイルスは、大学時代のルームメイトで落ち目の俳優ジャックの結婚祝いに式前の1週間を二人でワインとゴルフ三昧で過ごすために出かける。

 これは今までの人生の恥ずかしい体験を穿り返されたような気持ちに襲われる。
 私は女だし、酒飲めないし(ワインの味なんて絶対にわからない)、実体験で積極的にアバンチュールを求めたこともないし(面倒だから、映像とか読書体験で十分なの)失恋経験さえもないという貧しい人生送ってますが、生きてれば思い出すだけでいたたまれない「きゃあ!」と叫びたい経験とか、やりきれない想いとか、報われない思いは積もっていきます。そういうものを刺激してくる映画なのでした。

 ノーテンキなジャックの後始末を引き受けてしまうマイルスもなんとなくわかるし、特別な日のワインをジャンクフード店の紙コップで煽ることになるのもたまらなく切なく、それしか無い様に思う。そしてラストは臆病だった彼が積極的に求める行動にでるのだ。
 ちょっと不安で、でもきっと…と温かい期待を抱かせてくれて、エンディングをゆったり聞く気分になりました。
 ただ、私だったらジャックをもっと叩きのめしたいですねえ。

正義の味方の心意気

2006年07月23日 | エンタテインメント
怪獣以外の特撮ヒーローシリーズには、大人になってから半分笑いながら目ざめてしまった私なのですが、このたび全く未見のものをいくつか見せていただき、ますますその奥深さに魅了されています。

今回は
・美少女仮面ポワトリン(東映不思議シリーズ)
・有言実行シスターズ シュシュトリアン(東映不思議シリーズ)
・マシンマン
・レインボーマン

 みんなすごいのばかりで、中でも極めつけはレインボーマンなのですが、このたび初めて知った「マシンマン」というのも絶句ものでした。
 悪の大組織が、(たぶん)トップが子ども嫌いなので、子どもいじめが悪事の中心というのも落差が大きすぎて眼が回るし、ヒーローがアイビー星の宇宙人大学生で卒論のためにたまたま地球に立ち寄って正義の味方をしている!
 古いせいか、特撮がチープな感じで、コスチュームもなんだかなあ、あのビニールマントは何とかならないかしら、と思う。第1話の落下シーンとか、なかなかいいシーンがあるのになんとなくチープ感がぬぐえない。主人公の相棒のボールボーイの漫画っぽさもその一因かも。でもアクションがんばってる。

 まあ、宇宙から来たばかりだし、事情がぜんぜんわかっていなさそうなのに、主人公はかなりやかましいヒロインにいきなり肩入れして子どもをいじめる悪の組織と戦っちゃう。これがやはり正義の味方の心意気というものでしょうか?
 第一話は「教科書真っ白事件」で、子ども嫌いのボス(天本英世氏)が「子どもから教育の機会を奪ってやる!」と教科書の字を消してしまうのですが、子ども自体がそれほど困ってるようには見えないのがなんとなくおかしい。
 今のヒーロー・シリーズも年月を置いてみるとおかしなものもあるのでしょうね。まあ、「遊戯王」の衣装は年月置かなくても笑ってますが。

美少女仮面ポワトリン

2006年07月22日 | エンタテインメント
 1990年にフジテレビ系列で放送された特撮テレビ番組。
 このたびarudenteな米様のご好意で「神様の贈り物」(初回)「ナポレオンの亡霊」の2本見ることができました。本当にありがとうございます。

 驚きました。「怪傑ズバット」もすごいと思いましたがこれもかなりのものです。ズバットよりは新しいけど、この時代ってどういう雰囲気だったんだろう?(私もちゃんと生息してましたが、テレビはあまり見ていなかった)
 ポワトリンになったきっかけというのも、主人公の高校生ユウ子が登校中に何の気なしに寄った神社で、転地療養に出かける神様(うっそ~!鈴木清順!?)にご町内の平和と安全を託されてポワトリンへの変身することになった、というもの。本人がなぜかわりと意欲的。ハル・ベリーの「キャット・ウーマン」よりも変身後がちゃんと変身前より非日常的な美人に見えてよろしいです。
 それに、ユウ子の弟とその仲間のガキンチョ4人組の凸凹ぶりとか、お父さん、お母さんののほほんぶりも跳んでいる。

 何より決めセリフがいいですね。
 「愛ある限り闘いましょう!
  命燃え尽きるまで
  美少女仮面、ポワトリン!」
 「たとえ○○が許しても、
  このポワトリンが許しません」
 この○○がまたシュールで面白い。

 もう一人、「ナポレオンの亡霊」で現れた新井礼子というキャラがものすごかった。小学生4人組を女の涙であやつってしまおうという本当にあつかましく傍若無人なお嬢様で、演じた女の子の無表情な演技もたいしたものだと思う。

 いえ、こういうシュールでとんでもない設定や女の子キャラが一年間がんばっていたなんて、戦隊シリーズばかりが特撮ではなかったのね…今は…綾波レイみたいな辛気臭いのや、やたら強いだけばかりでなくて、こういう女性キャラはは出難い状況でしょうか? 

ベルズ・アー・リンギング(1960年/アメリカ)

2006年07月20日 | 映画感想は行
BELLS ARE RINGING
監督: ビンセント・ミネリ
出演: ジュディ・ホリディ
   ブレット・クラーク
    ディーン マーティン
    ジーン ステイプルトン

 1956年のニューヨーク。電話応対代行会社に勤めるエラは、子どもにサンタのマネでほうれん草を食べさせたり、オペラ歌手にのどのお手入れを紹介したり、ついつい性分で契約以上のサービスをしてしまう。彼女は顧客である劇作家のジェフリーに惹かれている。しかし、ある日彼女たちの仕事を秘密売春組織と誤解した刑事が現れる。

 ちょっとおせっかいな電話対応代行業の女の子が、奇跡の女神役をしてしまう、おまけに恋も獲得という、楽曲は少なめだけど甘くて、眼にもにぎやかで楽しいオーソドックスなミュージカル。エラという気のいいアメリカ娘を(当時の)アメリカ的な性善説丸出しで描き、ハッピーエンドで納める。
 その多くない曲も、ノミ屋大合唱とか、むちゃくちゃ面白い。
 ジュディ・ホリディは「ボーン・イエスタディ」ですごいな、と思ったが、これを見て話し方までトーンが違って演技の多彩さにびっくり。いかにも知性より性格に見える、メリハリバディで「キューティーブロンド」のブロンド美女神話的な美人で、しかも芸達者。それにクールよりも親しみの持てるかわいらしさがあって、本当に夭折が惜しまれます。

 というわけで、ヒロインは素敵だったけど、私はエラが結ばれる劇作家ディーン・マーチンが今ひとつなのでした。これは私の趣味なのでどうしようもないですが、もっと清潔感とカワイゲのある遊び人風だったら良かったのになあ…

 この劇は、脇キャラが面白くて作曲家志望の歯科医を主役にしても面白そう。

これから公開の映画など

2006年07月18日 | 映画の話題
…について少々。

・「パイレーツ・オブ・カリビアン2 デッドマンズ・チェスト」
 公開前の先行上映が何度もあるので行って来たかったが、家に「先に一人で行ったら一生恨むからね!」と怒鳴るのが1名いるので延期。公開してから割引日に行くことに変更。残念。

・「ゲド戦記」
 不安なのである。
 ゲドが、「ナウシカ」のユバ風のジブリのおじさんに見えるのがとっても不安。
 他のキャラもやっぱりジブリだ。
 それに予告編を見る限りではジブリのアースシーが私のイメージを裏切らないものになっているか、もしくはそれを超えた映像になっているか、ものすごく不安だ。

・しかし、ゲド戦記映画化の話題で、二人ほどにシオドラ・クローバーの「イシ」(イシ 感想)を読ませることに成功。うれしい。どうぞ皆様も是非お読みください。

・さて「ブレイブ・ストーリー」「日本沈没」ぜひとも映画館で見たほうが良いのはどちらでしょう?

・ビリー・ワイルダーの「情婦」をリメイク。それもニコール・キッドマンで!
 いやもう少し年取ってからおやりになっても…と思う。

蝋人形の館 (2005/アメリカ)

2006年07月17日 | 映画感想ら行
HOUSE OF WAX
監督: ジャウム・コレット=セラ
出演: エリシャ・カスバート   カーリー・ジョーンズ
   チャド・マイケル・マーレイ    ニック・ジョーンズ
   ブライアン・ヴァン・ホルト    ボー/ヴィンセント
   パリス・ヒルトン    ペイジ・エドワーズ
   ジャレッド・パダレッキ    ウェイド

 カーリー、ペイジら6人の若者たちは、フットボール観戦するため長距離ドライブ中、キャンプ場で一泊。翌朝車の一台のファンベルトが切断されていた。仕方なく仲間と別れ、修理品の調達で近くにある片田舎の町へ向かうカーリーと恋人のウェイド。アンブローズという寂れた街には人影もないが、立派な蝋人形館があった。

 私ももちろん世飢魔Ⅱを連想しました。
 怖いよりも気色悪くてバイオレンスなホラー。それほど血みどろではないんだけど、あっさり指チョンとか、パリス・ヒルトンの絶命シーンとか「ひええ~」と絶叫でなく声が後ろへ引けるような悲鳴が上がってしまう描写。あの蝋人形の眼が動く~~~とかも。まあしかし、あれは蝋人形にするんだったら致命的欠陥でしょうけど。だって生きた部分は変化するから…うう、思い出すと気持ち悪い。
 それにラストの火事のシーンで蝋の中へ足がずぶずぶ、あの蝋の半融け感がすっごく気色悪くて嫌でした。まさに原題の”HOUSE OF WAX”の部分がモロに「うげげ」だったのです。
 その意味では成功したホラーだったと思います。
 
 結局、双子対双子の対決になって、無人の映画館で延々とかけられている映画も「何がジェーンに起こったか」のきょうだいもので、その辺になにか意味はあるのかもしれません。あのシスコンのお兄ちゃんも最後はなんだかハレバレしてます。

絶望の精神史/金子光晴

2006年07月16日 | 
講談社文芸文庫

 ここ数日持ち歩いて読んでいた本。微熱が出ていたのだが、この本のせいではないかと思うほどで、後からじわじわと効いて来る言葉に満ち満ちている。東京オリンピックの翌年に書かれた本で、日本は高度成長真っ只中で、ようやく世界の中で肩身の狭い思いしなくていいかな、と思い始めたような時期だろうか。
 金子光晴が、彼自身と、彼自身で見聞きした日本人たちを自他共に容赦なく露骨に描く。

・ 湿っぽい気候と閉ざされた地理的条件から、抑圧された精神が異常な発酵をし、それらが近代日本人の歴史的性格まで作り上げた。それは時代が移り、壊され、なくなったと思っていても人々の生活習慣好みに絡み合うだけでなく、人々の迷信深さを利用して不条理な世界へ追い込んでいる。
・日本のような孤立した国は、ある意味では恵まれているが、他国と優劣をきそうような機会は少ない。しかしその代わりに進展は自己批判も生まれにくく、本当に自分たちが幸福なのか不幸なのかわからない。統治者が言ったことが全国民の合唱になる。それが根拠の無いものであった場合、傲慢不遜・狂信的な国民が出来上がってしまう。

 書かれた当時の状況、明治100年の日本の行き方を善しとする見方と、敗戦後の20年の平和こそが善しとする見方の対立と双方の論の持つ危険を書いた最終章などは今に当てはめてもその通りなのだ。

 この本は、次の言葉で結ばれる。

 日本人の誇りなど、たいしたことではない。フランス人の誇りだって、中国人の誇りだって、そのとおりで、世界の国が、そんな誇りをめちゃめちゃにされたときでなければ、人間は平和を真剣に考えないのではないか。人間が国をしょってあがいているあいだ、平和などくるはずはなく、口先とはうらはらで、人間は、平和に耐えきれない動物なのではないか、とさえおもわれてくる。

 日本を考えるなら一度は読んでみなくては。
 愛国心とか国家の誇りなどの言葉は口当たりが良くて受け入れやすいのでつい目をくらまされてしまう傾向があります。

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 今晩の港の花火の前に浴衣完成できました。本日朝7時にやっと最後の袖付け終了。
 ここ3日くらいは朝5時起きで作業してましたのでヘロヘロです。
 肩はがちがちに固まり、細かい作業用の眼鏡かけっぱなしで痕が鼻にくっきりで冴えないですがともかくできました。
 昼間に雨がしょぼしょぼ降り出したときは、アタシの苦労をふいにする気か!(誰が?)と怒りました。
 幸い、雨も上がってますので行ってきます。

浴衣追い込み

2006年07月13日 | 日記・雑記
 もう少しです。
 運針下手なので右肩が完全に固まってます。
 でも私何かつくるのが好きみたいではじめるとやめられません。
 映画の記事もちょっと舌足らずになっていますが、書いてしまわないと忘れるといけないのでアップしておきます。後日書き足すかもしれません。
 TBなどもさせていただきたいところは数々ですが、土曜か日曜、作業終了後にさせていただきたく思っております。
 がんばるぞ~

ウォーク・ザ・ライン/君につづく道 (2005/アメリカ)

2006年07月13日 | 映画感想あ行
WALK THE LINE
監督: ジェームズ・マンゴールド
出演: ホアキン・フェニックス     ジョニーキャッシュ
リース・ウィザースプーン     ジューン・カーター
ジニファー・グッドウィン     ヴィヴィアン・ロベルト

 貧しい農家出身のカントリー歌手ジョニー・キャッシュの半生と、2度目の妻やはり歌手のジューン・カーターとの愛の物語。

 貧しい家庭出身・父との確執・歌手デビュー・うまくいかない結婚・子どもの頃からの憧れの女性歌手とのめぐり合い・ドラッグに溺れる・離婚・立ち直り・再婚。「Ray」でも同じような展開を見たような気がしますが、女性が主人公を支えるというのは同じように思えますがあちらのほうがドラマティックに思えました。この映画のほうが時間もずっと短いし、それに、私にはジョニー・キャッシュがそれほどお馴染みではなく、プレスリー、ジェリー・リー・ルイスが出てきてあの時代の歌手だったのか、と確認するような有様でした。その点が「Ray」との大きな差異になっているかもしれない。

 歌をすべて歌ってのけた主演二人は素晴らしい。

 世の中には感性が特に鋭く人間の感情のうねりを特に感じすぎてしまう人がいて、そういう人はともすると運命的にドラマティックな人生を歩んでしまうのだろう。
 それに響きあう魂というのも存在するのだろう。ジョニーはジューンを得て初めてその生を生きることを実感できるような、そんな二人だったのだろう。
 ジョニー・キャッシュのジューン・カーターに対する思いは真に切実なものだったろうが、そういう二人に関わってしまったジョニーのはじめの奥さんはとてもとても気の毒であったと思う。

ユカタ・夏休みには成田亨

2006年07月12日 | 日記・雑記
 7月16日に横浜で花火があります。
 それまでに浴衣3枚仕立ててしまおうと、必死です。4人きょうだいのうち男除いて3人分。
 もちろん手縫いです。ミシン使ってもいいんですけどね、でもなんとなく手縫い。今2枚目が完成。さあ、間に合うか。
 昔と違ってそれほど浴衣を頻繁に着るわけでもないけど、やっぱり夏になるとおろしたてが欲しい。下駄と帯セットで3,980円の袖口までミシンがけの浴衣なんか絶対着たくない。(気にしてるのは私だけですが)かといって2万円もする様な浴衣を毎年買ってられない。だから4000円くらいの反物買って必死に縫うことになります。
 
 そんなわけで時間が無いのですが、映画も見てます。
 ホアキン・フェニックス、リース・ウィザースプーンの「ウォーク・ザ・ライン」見ました。
 その感想はまた明日。

 今日は成田亨氏のお話。
 今日の新聞で青森県立美術館で成田亨のデザイン画を常設展示していることを知った。
 成田亨とはウルトラマンなど特撮シリーズのヒーロー、怪獣、メカなどのデザイナー。シリーズの成功は怪獣の造形の素晴らしさに負うところ大であるのは誰が見ても明らかであろう。それに今までに読んだ特撮関係の本によれば、成田氏の今までに無いもの、敵として倒されるべきもの、また地球外のものを感じさせながらなおかつ嫌悪感を過剰に持たせない造形を創造するセンスはスタッフの中でも秀でていた様。
 今年の夏休みは行くぞ行くぞと言っていながらまだ行っていない三内丸山遺跡と、この青森県立美術館へ是非行って来たい。