虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

亡国のイージス (2005/日本)

2005年07月31日 | 映画感想は行
監督: 阪本順治
出演: 真田広之   仙石
   寺尾聰   宮津
    佐藤浩市   渥美
    中井貴一   ヨンファ
    勝地涼    如月 行
    チェ・ミンソ   ジョンヒ

 東京湾沖で訓練航海中のイージス艦「いそかぜ」が乗っ取られた。艦の副長・高級乗組員以下と某国工作員が組んで行ったことだ。そしてある事実を公表しなければ、生物兵器を東京に打ち込むと政府に脅しをかける。
 乗組員たちは離艦させられたが、先任伍長・仙石は密かに艦に戻り、艦と残ったものを救うために闘う。

 見終わって思わず「換骨奪胎」という言葉が浮かんじゃいました。
 原作本とセリフなんかはそんなに違わないようなのに、なんかメッセージがすごく違うような… まあ、私は原作福井氏の主張というか、お説教みたいなところに大賛成しているわけではないので、こういうのもアリか、と思います。
 ただ、物語の面白さとしては、原作は人物の絡ませ方をはじめとして、緊密にはじめから最後まで織り上げていく感じがするので、あれだけの大部をこの時間で納めるのはちょっと無理があります。
 で、感想としては、イージス艦を舞台とした「ダイハード」型アクションというものでしたが、仙石役真田広之は良かったと思います。如月君、恐れていたほどヒヨヒヨではなく、結構目に力のある若者でほっとしました。でも如月の生い立ちなんかばっさり切っちゃったせいもあり、やはり原作キャラの重みを背負うには今一歩かと。しかし一番ワケわからなかったのはジョンヒで、なぜ彼女がいるのかも、海から上がったところも結構意味があるのに、あれで分かれというのは無理。
 ほかにも、出ても出なくても特に意味ないようになってしまったキャラ多数、というわけで、映画化における整理・再構成の難しさを痛感した。出てくる人が正しい人ばかりなので結局「亡国」の亡国たる所以はとても薄くなってしまい、宮津の行動の理由が肯定しづらくなってしまった。良く似たアメリカ映画の「ロック」でも将軍反乱の理由は、とても同情できるものだったけどなし崩しになってしまったのを思い出すが、私は「どうして」の部分の弱さはちょっと辛い。

 素人が口幅ったいことを言ってしまうと、イージス艦の中というシチュエーションが存分に生きていると思わせてくれたら良かったんですが。中井貴一は、この映画の方が「壬生義士伝」より好き。
 いろいろ言っちゃったけど、緊迫感は「もっと」を期待したものの途切れず高まっていたし、出演者の演技力・面子の重量感はさすがで、映画全体を底上げしてくれたように思います。

 ところで、昨日ベイスターズファンと一緒に宴会してきたのですが、さすがに現実の試合では映画の球場シーンよりはもっとエキサイトした雰囲気で応援してると思います。
コメント (4)   トラックバック (5)

女王の教室

2005年07月31日 | エンタテインメント
 普段あまりテレビドラマ見ないのですが、家族がはまっているので、私も総集編やら、第5回目の録画とか見せてもらいました。
 今までのストーリーをいっぺんに見たので、順次手に汗握らせながら見ていた人とは微妙に感想が違ってきそう。
 このドラマ、結末をどこに落ち着かせるつもりなんでしょう?先生が悪役になって、組織のリーダーとか、頭脳役とか、カナメになる子を育てていくお話なのかな?やっぱり時間帯から考えるとそれほどはヒドイ結末になるわけないだろうと思う。

 小中学生がのめりこんで見ているのが、私にはそちらが興味深い。ある小学生の意見では、先生より6年3組が憎たらしいと言っていた。
 先生の言うことはひどいようでも、正論のようでもあり、所詮はケースバイケースになっちゃう。ただ、小学校高学年くらいは、思春期の入り口。子どもとしての一種の完成と新しい自己形成の始まりの時期。自分を正しく認めてほしくもあり、自分が特別扱いされたい願望がまだまだ表面に出たりもするお年頃だから「不公平」に敏感だし、そこをどう納めていくのでしょう。この時期の深すぎる傷はとても人生によくない。
 先生がきれいで姿勢が完璧で、結構スーパーウーマンなのがいかにもはまり役ですが、子どもたちもきれいですね。今時の子どもの水準はあんなに高いのでしょうか。

 それにしても、夏休み返上する先生っているのか…
コメント (6)   トラックバック (2)

ドラゴンクエストV

2005年07月30日 | エンタテインメント
 結婚相手、フローラとビアンカと2通りでクリアしました。後はクリア後のエスターク戦とすごろく場を残すだけですが、これもかなり大変そう。
 両方で100時間以上使ってます。その1/5はコントローラー持ったまま寝ていた時間ですが、やはりゲームは時間を奪います。でもやめる気になりません。困ったものです。

 エンディングのワルツは出だしは「舞踏への招待」に似てるかなと思ったけど、花びら舞い散る華やかさ、明るさ、軽やかさがとっても素敵。

 主人公の結婚相手が二者択一で、結婚相手の違いによってどこが変わるのかな、と思ったらさして違いがありません。もっとドラスティックに違ったら面白いのに。
 ところで、主人公がフローラと結婚すると、ビアンカはずっと独身なんですね。
 両ヒロインともイベントでは「愛してるわ」が飛び交い、サブいぼが出そうなのを必死に我慢してプレイしました。このように親子3代にわたる大河小説みたいなストーリーよりも、「ドラクエVII」みたいなほうが私の性には合っています。
コメント (2)

丹下左膳 百万両の壺 (2004/日本)

2005年07月29日 | 映画感想た行
監督: 津田豊滋
出演: 豊川悦司  丹下左膳
   和久井映見   お藤
   野村宏伸   源三郎
    麻生久美子   萩乃
    金田明夫   柳生対馬守
    武井証   ちょび安
    坂本長利   弥平

 柳生家では、先祖が百万両の軍資金のありかを隠したコケざるの壷をそうと知らずに、婿養子に出した源三郎に渡してしまい、取り戻そうと必死。しかし源三郎の妻萩野は、汚い壷をくずやに払ってしまう。それは二八蕎麦屋の弥平の孫、安が金魚を入れていた。そして弥平が殺され隻手隻眼の左膳とお藤のところに安が転がり込む。

 1935年の山中貞雄監督のリメイクだが、オリジナル+「狐のくれた赤ん坊」みたいなストーリーになってました。
 オリジナルを知らなければもっと面白かっただろうなあ。
 豊川悦司は背が高いし、姿形は決まってる。黒、白、赤で決めた着流しはかっこ良い!でもちょっと無理を感じる。時代劇不慣れなせいでしょうか。声が評判良くないようですけど、私はそれほど悪いとは思いませんでした。でもトヨエツは抑えた声が素敵ね。それに「回収屋」とか、「けんくわ」が「けんか」になったような今風の言葉にやっぱり引っかかってしまう。山中監督オリジナルに比べると、展開やテンポの良さは負けちゃいます。元作品の場面転換の鮮やかさはもう唸るばかり、目を見張るばかりですから。
 ないものねだりをしてもしょうがないので、これはこの映画として見ると、やはりコメディとして楽しかったし、色がきれいで、殺陣は迫力があったし、大画面で見るとテレビ映画っぽくなくてもっとそこを楽しめたと思う。(上映館少なすぎ)
 チョビ安家出シーンで、後姿でなく、前面からのショットを使っていたのは、役者の動きが違うからなんでしょう。
 この丹下左膳は原作よりも、オリジナルよりも根が素直で純情そうです。
 和久井映見もきれいで可愛くても伝法な感じがありますが、オリジナルの喜代三さんの仇っぽさ、粋は今の女優さんに探せないかも。野村宏伸、がんばっていますが、奥様の萩野もいささか怖いのでご夫婦とも、もうちょっとおっとりしてほしいです。時代の違いは致し方ないかな。
トラックバック (1)

西鶴の笑い

2005年07月28日 | 
「大阪物語」を見てつい西鶴を読み出しました。
 俳諧にも多才・多作を持って知られる西鶴ですので、落語みたいなのや、今昔物語みたいなの、「耳袋」みたいなの、好色ものと本当にたくさんです。そしてその多くに笑いがあり、それが見事に成功しているのは西鶴ならではの天才だと思います。

 市井の金にまつわる悲喜劇…落語でも大晦日の掛取りとの攻防が一大テーマでありますが、それ以上にキツイ、主に悲劇なんだけれどどこか滑稽さをぬぐえない、「日本永代蔵」「当世胸算用」「万の文反古」などは、その悲喜劇のなかの人間のエゴイズムを残酷なまでにあっさりくっきり描いています。「大阪物語」の感想で触れましたが、西鶴は
”「好き」というにはちょっと気持ちに差しさわりがあるけど、しょっちゅう読んで”
しまうのです。特に後期になればなるほど、そのペシミスティックな滑稽さに磨きがかかるように思うのですが。
 
有名なものをいくつか。
・脱力系の笑い
「傘の御託宣」(西鶴諸国噺)
 観音様の参詣者のための貸し傘が飛ばされ、なぜかご神体扱いされて拝まれているうちに性根が入って国中のゴキブリを退治しろの、美しい娘を差し出せのと言いはじめる。娘たちがあんなご神体では身体が持たないと悲しむので、ある後家さんが「私が身代わりに」と申し出る。
 後家さんは、一晩中待っていたが、傘のお出ましはなく、朝になって腹を立てた後家さんはご神体を「この見掛け倒しが」と散々に引き破ってしまった。(下ネタですいません)

・声も出ない、顔がひきつるような滑稽
「京にも思ふやうなることなし」(万の文反古)
 嫉妬深い妻に愛想つかして京に逃げた夫が、仙台に残った妻に送る、何とか離縁しようという文。
 この時代でもそれほどあっさりとは離縁できなかったんでしょうか。既に何度も離縁状を送っているのに承知しないのを納得させるために、男のそれまでの妻遍歴を延々と書き綴る。17年で23人の妻をとっかえひっかえ、そのたびに彼自身もその人生も削られていくような羽目に陥る。それをまあ、淡々と語らせることで浮かび上がる彼自身のふがいなさ、性格の悪さ。
 期待はずれの妻たちの生態もおかしいが、懲りない男にも、声出して笑うには男ならずとも背中にひやりという部分が多すぎる。そしてその期に及んで、離縁しない妻と、女は同じなんて達観もせず絶対離縁しようとする男の意地みたいなものに、馬鹿馬鹿しいと思いつつその滑稽さには笑でなくため息が出るよう。

 そんなわけで、たまには西鶴みたいなのも面白いですよ。文庫や古典全集でわりに手軽に読めますので、お暇な時にでもいかがですか。

大阪物語 (1957/日)

2005年07月27日 | 映画感想あ行
監督: 吉村公三郎
出演: 中村鴈治郎  仁兵衛
    浪花千栄子  お筆 
    市川雷蔵   忠三郎
    香川京子  おなつ
    林成年   吉太郎
    勝新太郎  市之助
    三益愛子  お徳

 年貢が納められず、妻と二人の子どもをつれ大阪へ夜逃げした百姓の仁兵衛は、頼った地主に冷たくあしらわれ、顔に傷までつけられる。大阪で運搬中の米俵からこぼれた米を拾い歩いて命をつなぎ、倹約を重ね、店を持つまでになった仁兵衛だが、いくら身代を大きくしても爪に灯をともすような生活は変わらない。

 元が西鶴で、溝口健二が計画し、その死去により吉村公三郎が監督したという作品。いかにも西鶴らしい、と思う映画になっていると思った。私も根がミーハーなせいか、西鶴では「日本永代蔵」「当世胸算用」「本朝二十不幸」なんていうのが読んでいて実にわかりやすく、読後が脱力で「好き」というにはちょっと気持ちに差しさわりがあるけど、しょっちゅう読んでいます。ケチのお話はどこか情けなく、どこか痛快です。「始末する」倹約するが、自己目的化しちゃうのね。それに損をしたと思うことが耐えられなくなっちゃう神経も、やだなと思う一方でどっかわかってしまう。
 仁兵衛が、お徳という始末屋の同好の友を得て嬉しい気持ちもわかる。それにラストはケチが高じて人間味を捨ててしまった仁兵衛が家族に捨てられ狂う悲劇。確かに悲劇だけどやはり人間の滑稽さに縁取られていて、当然の報いだと思うよりも哀れになってしまう。その親父に振り回されてきた子どもたちの結構ふてぶてしい強さもそれまでに見せられるし。
 それにしても、強烈な個性と演技を見せてもらったその面では実に豪勢な映画でありまして、いつも怖い役ばかりの浪速千栄子の優しく悲しい母役だの、なんだか強い勝新太郎・林成年の若旦那二人、奉公人に強く迫っちゃう娘、遊女の中村玉緒も小野道子もきっれい~~!
 市川雷蔵が、あごで使われる怒鳴られどおしであくまで腰の低い、でも店の要みたいな良く出来た番頭やっていて、そのちょっと情けないキャラクターずっと維持してます。身体の筋肉感じさせないし。この翌年に「濡れ髪剣法」や「炎上」やって…やはりたいした役者なんですね。
 しかしこの映画はなんと言っても中村鴈治朗、金の力の及ばないものを悟って狂気に落ちて、やはりそこでも金にしがみつくその表情が鬼気迫ります。

 1962年の「殺陣師段平」でも雷蔵と鴈治郎の共演は見られるが、雁治朗はそちらでも思い込んだら周りの見えない男の役のはまり方は最高。雷蔵は新国劇スターでインテリの役で、この映画とは大違い。すごいなあ。

アイランド (2005/アメリカ)

2005年07月26日 | 映画感想あ行
THE ISLAND
監督: マイケル・ベイ
    ユアン・マクレガー  リンカーン
   スカーレット・ヨハンソン  ジョーダン
   ジャイモン・フンスー ローレント
   スティーヴ・ブシェミ  マッコード
   ショーン・ビーン  メリック

 近未来。汚染から生き残り、地上と隔絶した管理されたコミュニティで暮らすリンカーン。彼らのうちから抽選で選ばれたものが、汚染から逃れた地上最後の楽園といわれる“アイランド”へ行くことができる。だが、リンカーンは、単調だが安全な生活に満足できず、いつしか不満を育てている。管理側にも友人を作り、好奇心を募らせるリンカーンはやがて恐ろしい事実を発見する。

 え~、アクションはすごかったです。スカーレット・ヨハンソンもこんなことするんだな、っと思いましたし。追跡者が姿を現してから、どんどん加速するアクションとスピード感を、うわあ、うわあ、と画面を追っかけていくだけで十分堪能できました。「トルク」「スターウォーズ」並みのぶっ飛んだのを見せてくれます。でもスピード感はあるけど、ギリギリ追い込まれ感がそれほどではないので我を忘れるまではのめりこめませんでした。
 ストーリーの先が見えるような定番の展開ではあるし、設定には疑問を感じずにはいられないし、結末はほうりっぱなし。主人公たちにはハッピーエンドかもしれないが、「ほんとにそうか?」とか思っちゃうし。
 ユワン・マクレガーというのは、どこか軽さと少年ぽさを演じられる人なので、あの設定でも納得させてくれるキャラではあるし、クローンと本物の演じ分けなんてたいしたもの。でもスカーレット・ヨハンソンがいささか「?」 この種の映画にしては、ラストに至っても、この子が何を考えてるのか不明部分が多くて。ラブシーンにはなぜか吹き出しちゃった。でもこの個性が今までの作品では良かったんだろうなあ。そこいくと、ローレントとか、マックは、わかりやすくていいです。彼がなぜそうするのか、きっちりわからせてくれて(後からはともかく)そこで疑問符を挟む隙はない。
 音楽は、かなり荘重。決して悪くないけれどお話に比べると重く感じる。

 マイクロソフト社がそこらじゅうに顔を出しているのには、ちょっと笑います。

 クローン人間を中心に、どこまでが人間かとか、物事を自分の都合のいいほうに納得させてしまう人間の能力などを描いたものとしてはハインラインの小説「フライデイ」のほうが面白かったかな。でもアクション好き。
コメント (2)   トラックバック (7)

ライオンと魔女のチラシ

2005年07月25日 | 映画の話題
 今、試験時期真っ盛りの大学生に、週末に心理学の試験の対策ということで、「ちょっと文章を見て」といわれまして。そのままついフロイトとユングとアドラーの復習をしてしまいました。
 こういうのに乗って古い本出してきたりしてしまうのは、クセですかね~。おかげで予定が押せ押せです。今日の午前中「アイランド」でも見に行こうと思ってたのが駄目になりました。とはいえ、まったく学究タイプではなく、アマゾン古代文明についてのTBをいただいて、「半魚人」のところかな、など思ってしまう、何よりエンタメ優先な人間です。
 出来れば明日行きたいけど、台風来るというし、そうするとまたきっと用が増えるな。どこか崩れるほどは降らないで、と切実に願っちゃう。
 先日の地震は、怪我した方などは少なかったものの、影響は大きかったですね。交通機関があんなに広範囲に止まっちゃうのは、覚悟しとかなきゃいけないなあ、と改めて思いました。
 
映画館で、「ナルニア」のチラシが出てきました。


アスラン、ほんとにほんとのライオンですね。
さて、映画では神々しさをどう出すのかな。
ネットに出ている予告映像では、私のイメージよりかなり空が明るいような気がするけど、このチラシだと暗い空に雪明りの雰囲気は保たれていそう。


この、衣装ダンスから光は違うと思う。
やはりどうということのない古いワードローブの中にひょいっと入って、でもその先には…というのがいいなあ、と思っているけど、どうなるのかなあ。
 公開が楽しみ、だけど不安も半分。
コメント (4)   トラックバック (1)

帰ってきたもてない男/小谷野敦

2005年07月23日 | 
ちくま新書

 今日は土曜というのに、休めない。地震はおきるし、ほんとにやんなっちゃう。

 愚痴はさておき、「もてない男」の小谷野敦がその後の結婚離婚経験を経てあらわした「帰ってきたもてない男」タイトルからしてお遊びが入ってますが、これはちょっと奇妙な感触でした。
 私は、「もてない男」は著者が非モテ系の自分をサカナに展開する恋愛論というか、人間関係と孤独についての本のブックガイドみたいな読み方をしていました。今度はさすがにこの著者らしく引用は多いけどブックガイドとは言えません。

 それにしても、恋愛至上圧力とか、いろいろ言ってはいるんだけど、なんか論が滑っていく感があります。あくまで私に迫ってこない、という意味なのではきちんと読み解いている方はいらっしゃると思います。著者の言う「もてない」というのは、自分の好きな女性に好いてもらえない、ということであって、不特定多数に騒がれたいことではないというのですから、もうこれは未来永劫存在する人間の悩みでしかないです。

 そもそも、人間関係って不条理なものだというのが、私の認識の出発点ですので、
「なぜ東大大学院卒でもてないんだ!」
と言われたところで、(もちろんこれは著者本人もルサンチマン…私怨だと言ってるけど)そうなんだから仕方がないんですね、としか思えない。異性に惹かれる理由には趣味・容貌・経歴にプラス、好み・相性というものがあります。愛別離苦、怨憎会苦の理不尽は永遠です。
 立場の強弱があからさまなもの以外のセクハラ論争にも、私が私見を申し述べることにためらっちゃうのは、「私は人間なので、好き嫌いがあって、同じことでも行為者が誰かに拠って全然感じ方が違います」を認識しているからです。人間て、そういうものだから結婚したり恋愛したりができるんではないかと思います。だからこそ、大勢が顔をつき合わせて仕事しなきゃならない場では、控えめ、抑制が大事になるのではないですか。
 女性がカタログデータ的に男を選別するといわれたって、お互い様だし、その選別基準にイチャモンつけたって空しいだけでしょう。それでもって、もてないことを否応なく認識してしまったら、それぞれ自分を道化にしたり、異性嫌悪になったり、とりあえずお金で解決方向へ走ったり、あくまで赤い糸の人を待ち続けたり、人はいろいろな行動をとるのではないでしょうか。そういう事を描いた小説なら、ドストエフスキーとか、日本の私小説から、それこそ山のようにありますよね!その先に幸せがあるかどうかは運しだいですが。
 私は、著者の言う1.5流大からもはずれている大学出身ですし(いえ、文中におつきあいしたい女性の出身大学指定なんてされてるので)、稼ぎ悪いし、美人とはとても自己申告できないので、まあ、隅から小さい声で言っちゃうのですが、東大大学院修了、ブリティッシュコロンビア大留学経験あり、サントリー学芸賞受賞暦ありの小谷野氏が、自分の異性への理想が満たされない現実に折り合いをつける気なんかさらさらないのに、「どうしろというんだ!」とわざとらしく吼えてるような感じがします。(小谷野氏は負け犬の遠吠えなんか気にしませんよね…やはり私は小心者)

 この本を読んでみると、私がこう感じるのも男と女の、また個人的な性と性行為に対する欲求度の違いに起因するのかもしれないな、と思いますが、やっぱりどこか沁みない議論です。フェミニズム論客やそのほかの人の「もてない男」についての論評や反響についての言及もあるけど、やっぱり私は「女が誰かと対にならなくては生きていけない」強迫観念がないほうがいい世の中だと思ってるので、もてないのはやっぱり自分で解決というか対処しないとなあ、と思うのでした。
 いや、今度も掘り出し物の本を紹介してもらえるかと思ったので、ちょっと辛目の感想かも。
トラックバック (1)

ジキル博士とハイド氏 (1932/アメリカ)

2005年07月22日 | 映画感想さ行
DR. JEKYLL AND MR. HYDE
監督: ルーベン・マムーリアン
出演: フレデリック・マーチ 
   ミリアム・ホプキンス 
   ローズ・ホバート

 スティーヴンソンの名作の映画化。二重人格をあらわす言葉としても定着した「ジキルとハイド」という、同一人の中の善悪の人格分離を試みた研究者が、結果を制御できずに自滅していく物語。

 ジキルとハイドを演じるフレデリック・マーチの人格の演じ分けの見事さは言うまでもなく、あの時代に特殊メイクもお見事。端正なジキル博士と毛むくじゃらなハイドの行ったりきたり。ハイドと決別しようとして、しかし支配されてしまうおののき。
 でもこの映画のジキル博士の解釈は、フランケンシュタイン博士みたいに科学の力とそれを自在に操る自分への驕り、そして若い恐れを知らぬ時期の男の驕りで、はじめから少し浮き上がった存在に描かれているし、ハイドは、悪の人格の分離というより、先祖帰りの本能むき出しを感じる。動きもそうだ。ハイドの動きは、明らかにサルの仲間を思わせる。あの猫の狩りに反応してしまうシーンは恐ろしいけど、これも原始の本能の呼応と解釈したほうがいいんだろうと思った。
 それにミリアム・ホプキンスの哀れさとずるさの混じった娼婦に今回はとてもひきつけられた。最近ルビッチの「生活の設計」で、ミリアム・ホプキンスの闊達で自由でコケティッシュな美女がとても説得力があった。3人の男を次々に渡り歩くよう役なのに、汚れがまったくない不思議な妖精のような美女だった。この映画では、「汚れ」をまとっているのだが、そのバランスが上手で、こんなにいい女優さんなんだなと感心した次第。

 これもホラーよりもSF的サスペンスというほうが私にはしっくりする。

わかさいも一代記

2005年07月21日 | 日記・雑記
にゃらさんご紹介の「わかさいも」検索して、思わず注文してしまいました。

わかさいも

このサイトの、「漫画 わかさいも一代記」面白いですね。
いかにも実際に印刷されたものをスキャンしてアップしてるような見た目がまたいいですね。
スキャンする時に、裏に黒い紙でもあてておけば、裏ページの移りが少なくなりますのにね。
でも、この絵柄といい、マンガ仕立てといい、会社の雰囲気がわかるようで好感持てます。漫画家の名前がまだ見つからないんだけど、どこに入っているのかな。
家族には「17歳からはげ始め、24歳でつるつる」という部分がとても反響を呼んでいました。

こういうので、私が好きなのが、ご近所の江島神社。
江島神社サイト

江島縁起

こちらは、レディースコミック風の絵でオールカラー。
お局様タイプ美女の天女様の無敵さと、なんだか気の毒な五頭龍のヘナチョコさに泣けます。

 昨日は、「愛国戦隊大日本」を中学生と共にキャーキャー楽しみ、高校生とフレドリック・マーチの「ジキル博士とハイド氏」を見て、大学生と「悪い種」の話をし…いかにも夏休み入り口の一日でした。レディースデイだけど新作映画にいく時間はなくて残念。
コメント (2)

中華まんじゅうの謎

2005年07月20日 | 日記・雑記
ネットで見つけた「中華まんじゅう」をみて本当に驚き。

中華まんじゅう

私の考える中華饅頭といえば
横浜中華街の料理店の店先で蒸篭の中に並んでる
肉マンとか、アンまんとか、フカヒレまんとか、チャーシューまんとか、桃まんとか、
まあそういうものです。
カステラ生地の中にあんこが入っったお菓子と、中華饅頭という言葉は、ほんとに全然結びつかない。

たまに頂く、このお菓子と似てるかな?
和菓子・清流若鮎

 あまり食方面に興味のない私だがパンロールとか、この中華まんじゅうなど、北海道へ行って食べてみたいものは増えている。近々行ってみようかな。でも飛行機乗るのいやだな。
コメント (3)

ブレイド (1998/アメリカ)

2005年07月20日 | 映画感想は行
BLADE
監督: スティーヴン・ノリ
出演: ウェズリー・スナイプス
    スティーヴン・ドーフ 
   クリス・クリストファーソン
   ウンブッシュ・ライト
   ドナル・ローグ
   ウド・キア 

 ヴァンパイアに噛まれた母から生まれたブレイドは、ヴァンパイアでも人間でもない特殊な存在となった。成長したブレイドはヴァンパイアハンターとなる。

「ブレイド2」は何回も見てるのに、これは初めて。映像の質感がかなり違う。とりあえずそこに目が行っちゃったけど、アメコミものとしてはとても定石でよろしいのではないでしょうか。突っ込もうと思えば思いっきり出来ますし。
 主演が見るからに、身体がコミック・ゴツイ系の肩幅から主張する全身像が画面に決まるし、表情で芝居しようなんてしてない。一つ一つポーズ決めてくれるし、横顔からの登場シーンとか、もう問答無用のキメキメ絵・アクション全開物ですね~
 ヒロインはインテリ風に登場したくせして実は思いっきり血の気が多くてイケイケだったり、クリス・クリストファーソンはやたらノッテルし。

 ここでのヴァンパイアの定義がよくわからないけど、日焼け止め程度で日光の下に出ていけるんなら、ヘビメタやってれば問題ないんじゃないかと思ったりして。スティーヴン・ドーフはキレた役はあってるとは思うんだけど、「セシル・B・ザ・シネマウォーズ」の印象が強いこともあって、邪悪さが足りないように思う。
 「SW3」でも思ったけど、剣での戦いの迫力はやっぱりチャンバラに止めをさすのね~
トラックバック (1)

今日はレキハク

2005年07月17日 | 日記・雑記
 今朝も朝から千葉県佐倉の国立歴史民族博物館へ行ってきました。
 昨日の今日で、足もはれ気味で寝ていたい気分だったのですが、「付き合わないと、間食して太ってやる」と脅すショウも無い人がいるので、いってきました。今月いっぱいやっている、水辺と縄文展を見に行ってきました。
 本来なら跡形もなく消えうせている、繊維質のものや木のものが湿地帯の水や泥の中に残っているのと、縄文の生活と水とのかかわりが中心の展示でした。見せ方にはもう一工夫ほしかったようにも思いますが、木の片口のような器など、細やかな飾りがつき、丁寧に漆が置かれ、物自体少なくても、これだけ一つ一つに気合が入ったものを使っているというのは豊かな生活のような気がします。アイヌ展を見に行った時も感じましたが。ただ、自分が出来るかどうかは保留します。(どうせ私は軟弱です)

 ところで、上野の科学博物館でも「縄文弥生ガチンコ対決!」みたいな、すごいタイトルの特別展やっています。どうせこっちにもいくことになると思います。
 混んでないときがいいけど、夏休みの上野じゃ、混んでない日なんてないよな、きっと。

ルーブル展・海底軍艦・ライオンと魔女

2005年07月16日 | 日記・雑記
 今朝は朝駆けで横浜美術館のルーブル展行ってきました。
 近所なので、平日の空いたときに行こうなんて考えてたら、結局行きそびれて終了2日前に1時間並んで入場という破目になりました。さすがルーブルで、帰ったらどっと疲れが出て、へたり込んでしまいました。体力が必要な絵が多かったです。特に肖像画。風景画になるとほっとしました。風景は一般的に緊張を要求しないですから。
 修復もされているのでしょうが、人物画のみずみずしい肌の質感など、すごいです。
「怒りのメディア」の絵は見たいと思っていましたが、ドラクロワの描くメディアも狂気は感じませんでした。夫の新しい妻と、自分の二人の子を殺して去っていく、そういう行動をとらせたものをやっぱり怒りだけではくくれないのですが、それ以上を理解しようとするのはこれからでしょうか。ナポレオンを描いた絵が4枚ありましたが、みんな違って見えますね。

 海底軍艦のDVDが来ちゃったので、今度は1968年版のを見てみました。オリジナルのビデオ版の感想は
 こちら
 少し短くなって、省かれているところもかなりあるようです。海底軍艦建造の島での「黄鉄鉱とボーキサイトとマンガンが!」地層になって露出してシーンなんか、なかったです。好きだったのに~!やっぱりあんまりご都合よすぎるからでしょうか?あの終戦直前の危急存亡の時から秘密兵器を20年かけて作ってる設定のむちゃくちゃさに比べればどってことないのに~
 でも、いつ見ても轟天号かっこいいなあ!怪獣マンタ出番少なくてすぐやられちゃうなあ。皇帝陛下可愛くて尊大そうでいいなあ!

 映画館に「ライオンと魔女」チラシおいてありました。
 不安55パーセントくらいになりました。でもやっぱり見たい。
コメント (4)   トラックバック (1)