虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

今宵、フィッツジェラルド劇場で(2006/アメリカ)

2007年08月25日 | 映画感想か行
A PRAIRIE HOME COMPANION
監督: ロバート・アルトマン
出演: ウディ・ハレルソン ダスティ
トミー・リー・ジョーンズ アックスマン
ギャリソン・キーラー ギャリソン・キーラー
ケヴィン・クライン ガイ・ノワール
リンジー・ローハン ローラ・ジョンソン
ヴァージニア・マドセン デンジャラス・ウーマン
ジョン・C・ライリー レフティ
マーヤ・ルドルフ モリー
メリル・ストリープ ヨランダ・ジョンソン
リリー・トムリン ロンダ・ジョンソン

ロバート・アルトマン監督の遺作。実在の人気ラジオ番組「プレイリー・ホーム・コンパニオン」をモチーフに、番組の名物司会者ギャリソン・キーラー本人が手がけた脚本を豪華キャストで映画化。長年続いた公開ラジオショウの最終回。出演者はそれぞれの思いでステージに立つ…

 これも出来れば映画館で見たかった。それもちょっと小さめのあんまり混んでないようなところで雰囲気出してみたかったのですけどねえ。しかし、行ける範囲の劇場ではどこもやってないんだからDVDでも見られてラッキーというものです。
 アルトマン監督は好きだし、特に「ゴスフォードパーク」みたいなのが好きで、この映画なんか見る前からすごく私の感覚にフィットしそうな気はしましたが、もうピタリ。
 出だし、劇場の警備担当ガイの登場シーンの絵からノスタルジックでしかもおかしい。彼の名前からしてガイ・ノワール!遊んでますねえ!愛すべきマンネリのような番組進行に、なんだか変てこなコマーシャル。存在感があまりない観客。
 そしてここでは死がとても普通にあることとして語られる…老人の死も、不慮の死も。
 涙がにじむような感動、というわけでなくて「しみじみ」が胸をじわじわ侵食していく感じ。人間が生きていくことのおかしさ・切なさ・つらさ・馬鹿馬鹿しさを決して張り上げない、普通の声で聞かされたようです。
 豪華キャストの、ストリープ&トムリンのジョンソン姉妹役の2人も、ジョン・C・ライリーたちカウボーイコンビも、リンジー・ローハンもわかっていることとはいえ、ほんっとに歌うまいのねえ。

マンガ・アニメ的感性

2007年08月20日 | 日記・雑記
 今日はまた病院。
 相変わらず、うちでじっとしてるのと、薬貰いに行くのとどっちが身体に良いのだろうという暑さ。しかしながら、日差しの暴力性が和らぎ、風の感触に夏がピークを過ぎたのを感じる。さやかに見えねど、季節は確かに巡るのである。ああ、四季を味わう、日本人の幸せだなあ。

 今日は病院でとうとう読むものがなくなり、本宮ひろ志氏のマンガに手を出してやっぱりダメだった。いかに世評が高くとも、個人的にまったく受け付けないものは誰しもあると思う。私は弘兼憲史もダメ。もちろんこれは評価ではなく、私がコミットできないという表明。

 最近のアニメも似たような絵柄の区別が出来なくなり、NHKのアニメ以外に、民放でまともに見ているのは「銀魂」くらいである。

 だんだん感性が老けていっているのか!?と思う。でも、もう新しいものむさぼるより好きなのだけ見ていてもいいや、と思うようになっている。

映画なしでも生きられる…かな?

2007年08月18日 | 
 今年の猛暑で倒れてしまいました。
 もともと子ども時代から腎臓が悪いので、塩分を制限した食生活なのです。
 今年の猛暑で熱中症予防に一生懸命ガブガブ水を飲んでいましたが、ただ水分を摂取すればよいというものではないそうで、汗をかいて気持ちが悪くなってそのまま4日まったく頭が上がらない状態で寝込んでいました。身体に必要なものが汗で出て行って足りなくなってしまったようです。少なくとも水でなく、スポーツドリンクを飲んでた方が良かったのですね。

 それやこれやで、パイレーツ以来劇場とはまったくのご無沙汰です。命に別状も特に精神不安定にもなっていません。

 でも楽しくもありません。

 早く普通の生活に戻りたい。

 ところで、めまいのする頭でアダムズの「銀河ヒッチハイクガイド」シリーズ最終作「ほとんど無害」を読みました。ラストに至ってしばし呆然でした。
 こう、始末をつけちゃったんですか!?
 はじめに還る、という見方も出来るかもしれないけど…
 もともとがシニカルなユーモアにあふれた作品ではありますが、これは、シニカルの領域は過ぎてるようにも思えて… 今までの作品では、あの陽気でハチャメチャで、時間というものが主人公たちにかかわりなくなっちゃった世界が、何時までもぐるぐる回っているように感じていたのだな、と思います。
 私も今まで好きだったもののイメージを保守的に守りたい、ショックに弱い歳になったのかもしれないです。

はだしのゲン テレビ版

2007年08月12日 | エンタテインメント
 立秋過ぎてもとってもお暑うございます。私は暑さと忙しさでバテバテです。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
 仙台からは10日の深夜に帰ってまいりました。11日はだるい身体を引きずって町内会のお手伝い。本日は近所の神社のお祭りで、今年からお神楽はやめて、神社本庁から日本神話のお話をするということで、見学に行き、図書館に行き、やっぱり暑い中を駆けずり回ってきました。

 昨日は、PCも立ち上げずに夜は「はだしのゲン」テレビ版後編を見ていました。
 印象としては、漫画より怖くなかった、というものです。

 今は中学校の図書館にテニプリとかスラダンがあるのが珍しくないそうですが、少し前までは、学校図書館においてある漫画はこの「はだしのゲン」だけなのがほとんどではなかったのでしょうか。
 それで「図書館にマンガだ!」と喜んで読み出すと、内容にショック!という小中学生が普通のパターンでした。でも漫画だから、とやめずに読んでたりして。
 昨日のテレビはさすがにテレビだからひどすぎるシーンが差し控えられているせいでしょうが、漫画を読んだ時に一番強く感じた「怖い」という感情よりも、あの状況でなおも未来へ向かっていくゲンのたくましさを感じていました。見逃した全編を見たら、印象が変わってくるかもしれません。
 原作の絵柄のくどさ(悪い意味でなくストーリーに合っていると思います)や、気の滅入るような被爆者差別、それに負けてないゲンのストレートな怒りと仕返し(道徳的には決して褒められないかも…でも良くやってくれましたと思わせられる)にどうしても作品にこめられた激しい怒りと憎悪を突きつけられずにはいないのですが、テレビではかなりやわらげられていて、まあ、テレビだからしょうがないかな、と思います。やっぱりこれをきっかけに原典を読んでいただきたいな、と思った次第でした。

またもや他出

2007年08月07日 | 映画の話題
 トラブル発生のため明日早朝からまた仙台行きです。
 片付けなくてはならないことはあるものの、今度は春のように日帰り強行軍でなく、8~9日連泊してきますので、七夕とか、青葉城とかも少しは見られるといいなあ、と思ってます。

 レビューを書こうと思って書いていない映画は
・時をかける少女
・イカとクジラ
・世界最速のインディアン
・モンスターハウス 書き足し
などなどたまっています。
夏なのに、何で余裕無いんでしょう。

 ゲームは「キングダム・ハーツ」やっとクラウド(FF7の)に会えました。
 このゲームのCM見た時に、クラウドのコスチュームが少しはよくなったみたいと思ったのに、ち~ともよくなっていませんでした。画像がきれいなだけ余計に着たきりすずめの埃っぽさがリアルになったみたい。ちょっと悲しい。
 オリンポスコロシアムでは、もちろんクラウドに勝つまで繰り返し5回ほどやりました!だからちっともゲームが進みません。
 ホントは仙台なんか行かずに家でゲームやって映画見ていたい…

アトミック・カフェ(1982/アメリカ)

2007年08月06日 | 映画感想あ行
THE ATOMIC CAFE
監督: ケヴィン・ラファティ
ジェーン・ローダー
ピアース・ラファティ
 米ソの原爆製造が盛んに競われていた40年代後半から50年代に、アメリカ政府が国民用に製作した数多くの原爆PRフィルムやニュースフィルムを再編集したドキュメンタリー作品。

 私の最近の症状の一つが、夜中に眼が覚めて眠れない、というものなのだが、病院ではおとなしく寝ていても、家に帰れば映画を見てしまうのです。そういうわけで見た深夜のテレビ映画。ホラー映画が裸足で逃げ出すくらい恐ろしい映画だった。収録されている当時の映像は、今の私の貧しい知識だけを持ってしてもる大嘘や捏造だらけで、原爆が爆発したら「さっと隠れて頭を覆え」(子供向けの対処法指導)よくまあここまで、というすっとぼけオンパレードなのだが、ことがことだけに笑うに笑えない。
 こういう政府お墨付きの情報が大真面目に流布され、 みんなそれを信じていた…今でも一部信じてるんでしょうね。
 音楽だけが映像にかぶせられて、ナレーション等はすべて当時のオリジナルそのままらしい。

 放射能が危険なのは傷口から体内に入ったときと説明されただけで、きのこ雲に向かって突進する訓練をさせられたアメリカ兵たち… 「被爆した人たちは見たところ元気そうでした」と言い捨てられ、故郷と健康を奪われたビキニ環礁の島々の人たち…

 第5福竜丸についてのニュースはマグロの扱いのほうが人より大きい。
 当時を覚えている50代の人に伺ったら「日本でもそんなものだったよ。放射能マグロに怯えて魚が食べられないという反応のほうが、何も知らずに死の灰を浴びた人に対する悲しみや怒りよりも大きかったようなような気がする」
 いいの悪いのでなく、原爆が人類にとって必要無いもの・被爆はもう2度と起きてはならないことだという認識が人類にとって共通のものになる日を、キング牧師じゃないけれど、"one day""some day"を夢見ていくしかないんでしょうね。

 ほんとに見られて良かった。不眠傾向もこういうときにはお得に感じてしまった。

おとまりでした

2007年08月05日 | 日記・雑記
 都市伝説の記事を書いてから、3食付、冷暖房完備、点滴もあります、というところへ4日ばかりお泊まりしてきました。ほんとに体力落ちたかなとがっかりです。

 眼が悪くなってきて、マスカラをつけるのがますます下手になった。眼鏡かけてアイメイクも出来ないしなあ。置いとくだけなのもなんなので、うちの大学生に私のマスカラとトップコートをやってしまった。高かったのに悔しい。
「電池式ビューラーはくれないの?」とあつかましいことを言う。
 絶対あげない。

 今回はサドン・ディスアピアーだったので、後始末がけっこう大変です。後ほどまた。

シャーロットのおくりもの(2006/アメリカ)

2007年08月05日 | 映画感想さ行
CHARLOTTE'S WEB
監督: ゲイリー・ウィニック
出演: ダコタ・ファニング   ファーン・エラブル
   ケヴィン・アンダーソン   Mr.エラブル
   エシー・デイヴィス    Mrs.エラブル
   ゲイリー・バサラバ
   ボー・ブリッジス
   エレン・バースティン

声の出演: ジュリア・ロバーツ    クモのシャーロット
   スティーヴ・ブシェミ    ネズミのテンプルトン
   ドミニク・スコット・ケイ    子ブタのウィルバー
   ジョン・クリーズ    羊のサミュエル
   オプラ・ウィンフリー    ガチョウのグッシー
   セドリック・ジ・エンターテイナー   ガチョウのゴリー
   キャシー・ベイツ     牛のビッツィー
   レバ・マッケンタイア    牛のベッツィー
   ロバート・レッドフォード   馬のアイク
   トーマス・ヘイデン・チャーチ    カラスのブルックス
   アンドレ・ベンジャミン    カラスのエルウィン

 春の夜、エラブル家に生まれたうちの11匹の子ブタは、母ブタの乳は10個しかなく、しかも虚弱なので殺されそうになる。いかし、エラブル家の娘のファーンは自分が面倒見ると宣言し、その子ブタをウィルバーと名付け大切に育て始める。やがて、ウィルバーは向かいの広いザッカーマン農場に預けられ、個性豊かな動物たちと一緒に暮らすことに。ある日、ウィルバーは“春に生まれた子ブタは、冬を越せない。なぜならクリスマスのハムになるから”という話を聞いてしまう。怯えるウィルバーに対し、賢くて心優しいクモのシャーロットが…

 原作は、子供向け良書ガイドには必ずのっている全国図書館でおなじみの児童書。
 私も、かつて涙ながらに読んだのですが、この映画ではシャーロットとウィルバーの別れのシーンで少しウルウルになっただけでした。やっぱり感受性がすり減っているのでしょうか。
 映像はかなり感心したのです。動物が余り違和感なくしゃべり、動き、ああ、今の技術はすごいなっ…と。
 それにキャストの豪華さはびっくりですね。

 ところが、いざ主眼の友情・命・成長というところで、原作でかすかに感じたけど、展開と描写の巧さで目をつぶってしまった
・ ウィルバーは食べられなくても、別のブタは食べる
・ 命は連綿と受け継がれていくが、命を貰って(食べて)というのも、生命の連環である
という点が本より気になった。
 また、成長すると、子どもはやはり別の世界に旅立っていく。昨日の私にそのまま今日を付け足したのが明日の私ではない、ということも本で語られていたのだが、そこのところはちょっと半端になっちゃった感じです。

 なんかほんとに最近映画素直に見てないなあ。原作ものは少しの間避けとこうかな、と思う今日このごろです。