虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

小説 ハッシュ! 橋口亮輔著

2004年08月31日 | 
あの映画「ハッシュ!」の小説。

映画のちょっと不思議な雰囲気はあります。
ラストも違いますね。川原のシーン好きだったのですがこれもなし。
小説のほうが親切。
地の文があるだけ、説明的だし,主人公たちの必然がよくわかります。
著者は監督ですけど、絵が立ち上がってくるような文章は少なくて
さらさら読めちゃうような本。

でもわかる。
映画版と違ってフレーズが結構効いてきます。

「下腹にクッと力を入れて」
自分の明日をあきらめない、
世間知だので自分を鎧って本当の望みから
目をそらさないでいる勇気をもちたい。

日常に流されっぱなしの私には、結構効きました。
特にお義姉さんのピンバッチの描写なんか。

ヴァン・ヘルシング

2004年08月31日 | 映画の話題
なんだか妙な気候の今年の8月も本日で終了。
8月の最後の映画館はBBSに書いたような有様で、これもオリンピックの余波かもしれません。

今の楽しみは、注目ヒュー・ジャックマン、麗しのウィル・ケンプ、美人ぞろいのモンスターと、これだけそろった「ヴァン・ヘルシング」です。(ケート・ベッキンセールはちょっと保留させてください 美人でスタイルがいいのはもちろんです)
昔の映画では、ヘルシング教授というと、スーツ姿の書斎の人みたいな雰囲気でピーター・カッシングとかやってましたよね~ 今はアクションバリバリになるんですね。楽しみで楽しみで!
というわけで、これから映画見るまでBLOGテンプレートをヘルシング・バージョンに変えてみました。

GOO BLOG がなんと絵文字を使えるようになってます。
がんばって機能拡張進行中ですね~

RONIN(1998/米)

2004年08月30日 | 映画感想ら行
監督:ジョン・フランケンハイマー
出演:ロバート・デ・ニーロ ジャン・レノ ナターシャ・マケルホーン

カーチェイスというか、車の見せ方が最高ねっ、という映画だと思います。アウディが最高に速い車かどうかは異論は諸方面であるでしょうけれど。夜の取引の緊迫感なんてさすがです
 バイオレンスが派手で、街中のチェイスシーンは破壊が多くて見ていてちょっときつい。
 フランケンハイマー監督って、時々はてな?という絵を撮るけど、こういうアクションてやっぱり手馴れたもの。それに最初の「ローニン」の説明とか、あのジオラマと「セプク」はちょっとこっぱずかしかったりするんだけど、「七人の侍」に代表される「サムライ」が好きで彼なりのサムライたちが撮りたかったんだろうなあ。良くも悪くもシブイ、デキる男たちなのです。
 まあ、ちょっとだけ「大列車作戦」なんかの重厚さが懐かしかったりして。
 ナターシャ・マケルホーンの鋼鉄の美女っていう感じもいい。ショーン・ビーンは、ここでも途中でいなくなっちゃう。

エヴァンゲリオン実写版

2004年08月29日 | 映画の話題
alcinema onlineのニュースから

現在製作へ向けて準備が進められている状況の
「新世紀エヴァンゲリオン」実写映画化プロジェクト
キャスティングの候補として
ミサト役に「デアデビル」「エイリアス/2重スパイの女」のジェニファー・ガーナー
(「デアデビル」ではちょっとトロくなかったですか?)
ただし、まだアイデアのレベルのよう。

同様にウィッシュリストの中にはゲンドウ役として「マトリックス」シリーズのヒューゴ・ウィーヴィングの名前も。

…ぜひ出演してください!

チャイナタウン(1974/米)

2004年08月29日 | 映画感想た行
CHINATOWN
監督:ロマン・ポランスキー
出演:ジャック・ニコルソン フェイ・ダナウェイ ジョン・ヒュ-ストン

この映画を見た後のやりきれなさはただ事ではありません。
有名な鼻のシーンで、痛さで敬遠していたんですが、やはりこれだけの独自のハードボイルドなムードにあふれた映画というのはそうそうないです。
ジャック・ニコルソンの格好だけでない真に自分のスタイルを持った男・謎を持った美女フェイ・ダナウェイ(さほど強烈に美女でないところがより申し分ない)それに、カナメになるのはジョン・ヒューストン演じる王様状態の黒幕的人物。
ラストシーンの映像と音楽と…
誰もが逃れられない孤独と無力感がひりひりと肌を刺すようなラスト。

復讐の谷 (1951/米)

2004年08月28日 | 映画感想は行
VENGEANCE VALLEY
監督: リチャード・ソープ 
出演: バート・ランカスター  ロバート・ウォーカー ジョン・アイアランド ジョーン・ドルー

孤児だったオーウェンは牧場主に拾われて育てられ、牧童頭をしている。牧場主の息子リーは、理想的な妻を得ながら酒場のリリーにも子どもを産ませている。オーウェンはずっとリーの尻拭いをさせられていたが、恩ある牧場主に頼られやむなく引き受けている。
リーはオーウェンの人望あるのを妬み、リリーの子どもの父親はオーウェンだとリリーの兄弟に吹き込み、彼を狙わせる。

義理と人情のお話でした。出来のいい拾い子と、甘やかされて根性の悪い実子。
それでいて、その根性悪に妊娠させられちゃう女の子も奥さんも両方とも、並以上に出来がいい。ストーリーは勧善懲悪、予定調和という感じ。
根性の悪い役がはまるリー役ロバート・ウォーカー。根性悪いけどなんか甘え上手でついつい気を許してしまうって役回りで、この映画全体を納得させちゃいます。
自分は居るべきでないと思いつつ、恩人の懇請を振り切れないオーウェン役バート・ランカスターもまたはまり役。この人自分の信念とか義務に忠実な役ってこれまたうまいです。
全体にかなり淡々で、さほど盛り上がりませんが、ラストの広大な自然を背景の撃ち合い、馬でのチェイスはいかにも西部劇らしい迫力。

380円というDVDの新リリースですが、ビデオから起こしたもので、退色などはそのまま。でもほかの廉価版と違って少しだけどスタッフ・キャストとか入ってるし、意気を感じます。

8月はやはり戦争を考えてしまう

2004年08月26日 | 
この夏、TVドラマ「さとうきび畑」を見て沖縄戦について初めて知ったという中学生に見せる為に、沖縄戦の記録の本でも写真が多く入ったものを借りてきた。
悪くないドラマだと思うものの、私ガ沖縄戦の記録を見て決定的に打ちのめされた部分が欠落していた。
沖縄戦の記録は米軍側のものしか残っていない。だから事実の半面しか見られないことはわかっていても、それらは十分衝撃的である。
兵士として駆り出された中学生たちの写真。
ほとんど今の小学4・5年にしか見えない子もいる。
それにみんな着ているものがドロドロ、ぼろぼろ、あるいはほとんど裸のようなひとたち。
集団自決・スパイ容疑で殺された人・日本軍に壕を追い出されて死んだ人。沖縄戦の慰霊碑はすべての戦没者を(加害者でもあった日本兵も含めて)祀っているが、その慰霊碑にも祀られる事を遺族が拒否している朝鮮半島から慰安婦として連れてこられた人がいると聞いた。
沖縄の悲劇は戦闘が終わっても、まだ続いた。特に女性に降りかかった。

「さとうきび畑」は、それで全部ではないことを忘れないで。

一緒に借りたのが、「敵国日本」ヒュー・バイアス著 刀水書房
太平洋戦争が始まったころ、日本をよく知るジャーナリストの日本を紹介し、分析したもの。日本に独裁者はいなかったということも、軍部の集団意思決定、とどのつまりは責任がどこにあるかよくわかんない体制まできっちり書いてあります。戦後天皇が戦争責任を問われなかったのも、これをアメリカ側でわかっていたから?アメリカについてここまできちんと分析してあった論文や本が、当時の日本に存在してたんでしょうか?なかったとしたら、負けるべくして負けたのか、と思います。

アラスカ珍道中(1946/米)

2004年08月25日 | 映画感想あ行
ROAD TO UTOPIA
監督:ハル・ウォーカー
出演:ボブ・ホープ ビング・クロスビー ドロシー・ラムーア

 芸人で降霊術を使ったいかさまで金を稼いでいた2人組、アラスカへ新天地を求めるが、金鉱の地図を巡る騒ぎに巻き込まれ悪人だらけの中で、金鉱の正当な持ち主の歌手とアラスカの雪の中犬とともにを走り回る。


 「バリ島珍道中」でも、楽屋落ちギャグは満載だったけれどこれまた、オープニングから思いっきり楽屋落ち的解説付きで、思わず力が抜けます。力が抜けたまんまず~っと笑ってれば良いんですね。「アカデミー賞取らないように…」脚本賞ノミネートされたそうですが。
 ドロシー・ラムーアはエキゾチックなメイクの「バリ島~」よりきれいに見えます。一文無しになったクロスビーとホープが素人演芸会に出てこてんこてんになったところ、この感覚は「イシュタール」と似てる、とか、ギャグがともかく楽しかった。
 MGMマークとかサンタクロース、大笑いでした。

なぜ世界の半分が飢えるのか/スーザン・ジョージ著

2004年08月24日 | 
著者が人為的に発生すると断定する第3世界の飢えを、先進国の食料による世界の支配の構造を原因として「今できることは何か」を論じたもの。現状の分析だけでなく実際の運動の方法まで書かれている。
書かれたのが1970年代であるにもかかわらず、文中に指摘されているアグリビジネスによる利益追求のために、現地の人に必要な作物を作れないでいる世界の状況や、飢餓の原因として一般的に流布していることはちっとも変わっていない。
・天候異変
・貧しい人の無計画な多産
など。

日本でも、戦前、いや戦後十数年目くらいまでは、子どもが大人になるまで生きているということはけっこう大変なことでした。本を読んでいると、一週間前一緒に遊んでいた子がもう葬式なんてよくあることだったらしい。医療技術も今ほどあてにはできなかった。どうしたって数を作っておかないと安心できません。
それに、いざとなったら子ども売ってましたよね。(今でもないわけじゃないけど、今よりおおっぴらに)も~っとさかのぼれば間引きなんてのもありましたよね。それが今では、出生率下がって大騒ぎです。ある条件下では子どもの数なんて減るようになるという見本みたい。
でも子どもの数減ってってないとこは減ってないんですね。
因果関係は明白だと思いますが、なかなか根本にはメスは入りません。

アメリカによる他国の支配階級の構成メンバー取り込みとか、時々チョムスキーとか読んでるみたいな気にもさせられます。

きついことには、最後「あなたは何をしているのか?」で締めくくられます。

オリンピックとは

2004年08月24日 | 日記・雑記
見るのにも体力がいるものですね。
しみじみ実感する今日この頃です。
休み時間に昨日見た「アラスカ珍道中」「名探偵登場」どちらかについて書いてしまおうと思っても、眠くて頭が働きません。
夜元気があったら書きたいですが、また競技が始まってしまう。こんなに夜中のテレビにかじりつくとは思ってませんでしたが、すごいですからねえ、日本選手の活躍。

それにしても、選手たちの顔、すがすがしく美しいです。それに体操と水泳では同じ筋肉隆々でも少し違う…とか、人体って美しい、と見惚れる日々でございます。

キングコング(1933/米)

2004年08月23日 | 映画感想か行
KING KONG
監督:メリアン・C・クーパー
出演:フェイ・レイ ロバート・アームストロング

 画期的な映画の為に、南海の未知の島にやってきた一行。中には失業中のところを拾われた女優のアンもいた。金髪のアンは目的地の島で、島民にその地で神とあがめられるコングに捧げられるためにさらわれてしまう…

 いまさらですが、怪獣映画の古典中の古典を見ました。
 面白い!
 もちろん特撮はカクカクしてておもちゃっぽいけど、人物描写とストーリーがしっかりしててびっくりした(勝手にB級と思い込んでてすいません)。
 コングとともに消えたアンを探すために船の乗組員がジャングルへ踏み込むとこなんかわくわくドキドキするし、いきなり現れる恐竜、ネッシーのような水中恐竜と見せ場たっぷり。それに哀れなコングの有名なエンパイア・ステートビルのシーンは、文明社会のコングの大きさをモロに表していて、このイメージは今見てもすごい。

ゾルゲ事件

2004年08月21日 | 日記・雑記
 BSで篠田正浩監督の「スパイ・ゾルゲ」をやっていた。

 この映画自体は公開時から、CGによる戦前の東京再現はすごいなあと感心しても、今ひとつ入り込めなかったのだが、本木雅弘の尾崎秀実の口を通しての時局分析は胸が痛くなる。「日本はファシズムと手を切らなければいけない」もしそれができていれば。三国同盟を結んだとき、私のような素人が考えても、見通しが甘かったとしか言いようがない。

 ゾルゲ事件は、歴史の授業でやって、それから「生きているユダ」を読んだ。尾崎秀実の弟、文芸評論家 尾崎秀樹による告発の書(だと思う)だが、この本で一番こたえたのは尾崎一家の戦中の生活である。
 黒澤明の「わが青春に悔いなし」でもそうなんだけど、普通の人々も戦中の鬱屈した気持ちのはけ口を求めて、堂々といじめてもいい人を探していたようで、こわい。

水曜どうでしょう

2004年08月20日 | エンタテインメント
「ジャングル・リベンジ」シリーズのテレビ朝日の放送終わっちゃいましたね。

今日もこうもり飛び交う洞窟の中を
またまたぶちぶち
「来なくてよかった」とみんなが言いつつ出口に向かったり
大泉さんが「今年は(スタッフと)絶交だ」と言うそばから
「来年は牛追い祭り」なんていうのを見て
例によってヒクヒク笑ってました。

このメンバーなら温泉に行っても
なぜか絶叫シリーズができそうな感じしますね~
牛と大泉さんの対決早くみたいですね~
このまま中央キー局で「どうでしょうリターンズ」やりませんかね~

今度は380円

2004年08月20日 | 映画の話題
今日、駅のキオスク(プラットフォームでなく、改札の外にある店舗形式の)に380円のDVD発見!
3タイトルで
「雨の朝パリに死す」(E・テーラーの)
「キング・ソロモン」
「復讐の谷」
見たことない「復讐の谷」を買いました。

発売元が PD CLASSIC というところです。

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も中のリーフに出ていたんですが行ってみたらびっくり。
これからどうなるのかちょっとドキドキですね。

当り屋勘太(1936・米)

2004年08月20日 | 映画感想あ行
Strike Me Pink
監督:ノーマン・タウログ
出演:エディ・カンター エセル・マーマン

 学生街の便利屋ピンクは、男らしい強い男に憧れ、そうなるべく研鑽中。クラブの歌手ジョイスがあこがれの人。ひょんなことから友人ブッチの実家の遊園地の支配人になったピンクは、遊園地にスロットを売り込もうとするギャングの悪巧みにだまされてしまう。憧れのジョイスも実は悪女で一味だった。

 コメディで、主役のエディ・カンター(この映画がはじめて)も目をぐるぐる回して一瞬ジム・キャリー連想しました。ラストの見せ場と言うべき遊園地のおっかけっこはなかなかエキサイティングですが、これはミュージカルに分類されるべきものじゃないかと思う。
 主役も歌うまいし、レビュー部分の華やかさ、粋さはぜんぜん古くない。それに比べると、ギャグとかドラマ部分の展開はちょっとタルイかな、と感じてしまうほど。
 特にエセル・マーマンのショウはむちゃくちゃ素敵。