虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

眼の体操

2004年05月31日 | 日記・雑記
私は眼が弱点です。
遠視性乱視の上に、最近では近視が加わりました。
これで老眼になればフルセットという感じですが、気づくでしょうか。
それなのに本とか映画とかやたら好きで、仕事でPCを使い…
という状態で、とうとう本と映画を減らすように、とお医者さんがおっしゃったんですね。
satoshiさんのサイトで愚痴ったら、目の疲れを取る体操を教えてくれました。以下はその内容です。

目とグリグリ回す
左右に動かす、
近くのものを見てすぐ、遠くのものを見たり
家の中でするのなら20センチ先くらいに人差し指を立てて指紋をじっと見つめる、それからすぐ、指の先の部屋の遠くを見る
これを繰り返すだけでもかなり眼の疲れが取れますよ。
外で遠くを見るのが1番、良いようです。
(お医者さんも、外で空でも見なさい、とのことでしたが)

さし当たっては、ロスト・イン・トランスレーションを見に行くためにがんばる!
鏡みながらやってると、ナサケナクテかなり笑えます。

絵のない絵本/アンデルセン

2004年05月30日 | 
川崎芳隆訳 角川文庫版
初版昭和25年 昭和44年改版

子どものころに読んで好きだった本というのは
翻訳の場合、あらためて読んだ別訳が、
よほど良い訳でない限り、
はじめに読んだままの訳でないと違和感があって楽しめないことがある。

この本も、もうばらばらになりそうだが
新しい本できれいな文章で読んでみても
これでないと「なんか違う…」感がある。
かなと漢字の使い方もちょっと変な感じはするし
言葉も古めなんだけど、それがしっかり心に刷り込まれている。
昔読んでいた時は、好きな言葉に読み替えて読んでいた部分もそのとおりに甦ってきたりする。

これは月が見たものを画家に物語る形式。
一つ一つのお話がまさに一つの絵を浮かび上がらせてくる。
人生の喜び・哀しみ・輝き・安らぎ・悲惨・滑稽…
大人になったほうが楽しめます。

インカコーラ

2004年05月30日 | 日記・雑記
29日のイスパーナスクールの交流フェスタでは
南米のほうのお菓子などの販売もありました。
けっこう買い込んでしまいました。

ほとんどは手作りでした。
このインカコーラは
黄金の国インカにちなんだという黄色い炭酸飲料。
缶に日本語で説明書きがあったので
その辺で売っているのでしょうか?

コーラというより
ちょっとドクターペッパー寄りの味。

十三人の刺客(1963/日)

2004年05月29日 | 映画感想さ行
監督:工藤栄一
出演:片岡千恵蔵 西村晃 里見浩太郎 嵐寛寿郎 内田良平
  
 将軍の弟であり、残忍で暴君の明石藩主・松平斉韶の暗殺を図る目付以下13人と、暗愚な藩主を守るために視力を尽くすそれぞれの側の男たちの知力体力を尽くした闘い。

 この映画は前半のいわば頭脳戦のドラマを後半の死闘で締めくくる、という形になるのだろうか。片岡知恵蔵という「芝居がかった芝居」(変な言い方だが)が身体にはまる役者の物言いがリアリズム画面でも雰囲気を壊していない。13人それぞれの人物を描くのはやっぱ無理で、敵方の切れ者(内田良平素敵だ)と、4・5人がメインになっちゃうのはしょうがないか。お殿様の切れっぷりもよかったですけど。
 それにしてもこのままこの絵を見ていたいと思う様な、ピシッと決まる画面には瞠目の一語。ローアングル多いです。
 ラスト、長い死闘では、待ち受ける男の後ろの低い位置から撮っているシーンが目立つ。画面のほとんどを腰がふさいでいるようなところもある。これは映画館では迫力を感じさせたのだろうか。テレビの小さい画面では、繰り返しが多すぎるみたいに思った。
 
 そして一人ひとり死んでいく。
 剣豪である西村晃の、刀を失って無様に殺されるシーンは印象的。それに前半の流れから言うと、お殿様はもっとあっさり事務的に斬ってしまっても、片岡と半兵衛(内田)とのやりとりがあれば、思い入れは十分なのに(またえらそう)
 月形龍之介、出番少なかったけどカッコよかった!!

キューティー・ハニーの評判

2004年05月28日 | 映画の話題
エヴァンゲリオンの庵野秀明監督のキューティー・ハニーなんですが。
「クローサー」をカッコかわいい!と感激してた友人は
「寝そうになった」
(彼の場合は自腹鑑賞でなく、ショッピングセンターのプレゼントで試写が当たって見に行ったのだが)
他サイトの書き込みでは
「面白かった!」

どうしよう、やっぱりビデオ待ちかな?
永井豪の実写化というのはわたし的にはほとんど外れてる。
「けっこう仮面」なんかその最たるもので、
主人公の身体自体に圧倒的な説得力とパワーがなければ成立しないのに、そのパワーがない映画ばっかだったんだもの。
強烈に根性入れたアニメで見たい!!!!

(けっこう仮面でなくて、キューティー・ハニーを、です)

クローサー(2002/香港・米)

2004年05月28日 | 映画感想か行
監督:コリー・ユン
出演:スー・チー ヴィッキー・チャオ カレン・モク 倉田保昭

 麻薬取引を元に大企業になった裏の顔も持つ大企業をめぐって、美しい殺し屋姉妹と女刑事の駆け引きと交流。

 おかし面白かった。
 3人のアジアンビューティーが、全編アクションしてます。ちょっとぎごちないけど、きれいだからいいやっ。
 スーチーさん演じる運命のいたずらで殺し屋になってしまった美女が、昔の恋人と再会、殺し屋であることがばれてしまうシーンなんか、「ど~してこれでわかっちゃうわけ?」とか絶叫しそうだし、凄腕殺し屋が純愛を捧げるにしてはその恋人、すっごい包容力なさそう。今時珍しい熱血眉毛だけど。
 これはフィフス・エレメントか?マトリックスのイタダキか?てなシーンもそこここで見たし、突っ込みどころいっぱいだけど、きれいだからいいやっ。(昔見た忠臣蔵映画で、膂力の強そうな男の人が苦労してやってたタタミ返し、ヴィッキーちゃん、こともなげにやってた)
 それになんで日本刀なのかな?ちゃんばらは日本刀に限ります?
 それで最大の見所はラストのヴィッキー、カレン対倉田保昭の対決!長くて豪華なバトルで、映画全体をがっちりと締めてくれました!倉田さん、かっこいい!
 それで最後は「おとこご~こ~ろ~におとこ~が惚れ~て~」の女性版になっておしまい。ほんとの娯楽アクション映画。楽しかったよ!

愛しのタチアナ(1994/フィンランド)

2004年05月27日 | 映画感想あ行
監督:アキ・カウリスマキ
出演:カティ・オウティネン マッティ・ペロンパー

62分という小品に入りそうなもの。
これも口数少なく、出演者の表情も、ユーモアもカウリスマキ風味。

 フィンランドの男二人がドライブ先でロシアからきた女性二人に、港まで送ってほしいと頼まれ、四人で数日の車道中。
 この映画でも、いい年した男女が、思う事は口に出せず、一生懸命に相手の注意を引こうとする、なんだか初心な中学生みたいなことしてます。男同士、女同士でお互いを気にしながらぼそぼそ話します。他国人同士で言葉の障害もあったりするし、カウリスマキ監督作品の人物は口下手なのがあたりまえ。
 それでも何とかなっちゃうことはなっちゃう。ここでもわずかなラブシーンは中学生日記みたいだ。見ていると顔がほこほこしちゃう。
 音楽も車や小物も見ていていかにもアナログっぽくて楽しい。
 ラストシーンで日常がそのまま続いていくとこが、たまらなくおかしくてちょこっと切なくて大好き。

原色の街/吉行淳之介

2004年05月26日 | 
まだまだ虫干し月間で古い本の読み返しを続けている。
三島はちょっとお休み。
谷崎の「文章読本」吉行淳之介「原色の街・驟雨」(新潮文庫 初版昭和41年 昭和54年21刷)アンデルセン「絵のない絵本」など。

 吉行淳之介の「原色の街」は売春防止法以前の娼婦の町の物語。
 吉行淳之介もけっこう読んだ筈だけれど、あまり中身を覚えていない。でもこれを読んだ時のため息みたいな感覚は覚えている。
 主人公は自己破壊衝動があるとしか思えない娼婦。何か人間の心の底の苛立ちみたいなものを抱えてしまい、自分にとって負の結果しかもたらさないことがわかっていて、そういう行動をせずにはいられないよう。
 これは絶対私の感覚はシンクロしない、と思いつつ、この底の底まで自分で自分を引きずるみたいな衝動は人間に確かにあるんだろうか、どうしてこの人はそれから眼をそむけて生きられないんだろう、と考えてしまう。
 良家の子女で、感情・感性がまったくつるんとした、今の自分だけを大事に生きられる女性も登場する。肉体や感情の昂ぶりがあくまでその場限りのものであり、いつでも捨て去ることが出来る。そして精神に痕跡を留めない。娼婦的といえば、そちらのほうが娼婦的。吉行はそのどちらが男にとって好ましいとか、どっちが好きとか読者が判断出来るようには書かない。

 この中の風俗的な記録も貴重なものかもしれないが、読後に残るのは作者の暗くて鋭い眼差し。性描写も全然扇情的には感じないし。

春にして君を想う

2004年05月25日 | 映画感想は行
(1991/アイスランド/ドイツ/ノルウェー)
CHILDREN OF NATURE
BORN NATTURUNNAR
監督;フリドリック・トール・フリドリクソン
出演:ギスリ・ハルドルソン シグリドゥル・ハーガリン ブルーノ・ガンツ

 妻にも先立たれ、長年暮らした農場を棄て、都会の娘の家へやってきたゲイリ。しかしそこでは歓迎されざるものであり、彼は老人ホームへ。そこで再開したふるさとの幼馴染ステラ。ふるさとで眠りたいという彼女と、ゲイリはジープを盗んで旅立つ…

 最近見た「ビッグ・フィッシュ」も「みなさん、さようなら」も老いて死を迎えるものと送るものの映画だった。両方ともある意味でとても恵まれた死であり、次の世代と和解し、自分の人生を祝福して旅立てたのである。
 この映画はそのあとだけにかなりつらかった。前半はもろに「東京物語」 子どもは、親を傷つけようとするつもりはない。でも、自分の生活に親が入ってくるのは予想外。その生活の組み直しに自分の時間を向ける余裕はない。…それに必死にはなれない…

 老いていく方もさまざま。孤独から必死に目をそむけようとするもの。疲れてあきらめようとするもの。その中でステラは厳しいプライドを選び、平穏と屈辱的な安逸に背を向ける。

 旅立ちから以後は、アイスランドの冷涼な背景に、幻想的な不思議なムードの二人の旅が続く。ステラの表情も和やかになる。ラスト近くで「ベルリン天使の詩」のブルーノ・ガンツが登場する。これは意味付けにはなるが、ただ「見届けるもの」として捉えても良いのだと思う。

 ラストシーンは、あたかもこの世と別の世界を隔てる門のようだ。静かな音楽、美しい自然、ゲイリの歌、儀式のように裸足で歩を進めるゲイリ…思い出すと静かに胸に込み上げてくる映画。

拉致被害者家族

2004年05月24日 | 日記・雑記
拉致被害者のお子さんたちが日本にやってきた。
初めてだから、帰国というのも変な感じだが
本来ならば、ずっといたはずの場所に戻ったというべきでしょう。

しかし、これからのことを考えるとちょっとつらい。
今まで自分というものを築いてきた基礎が根底から揺らぐことになるのだから。
「アイデンティティ」というやつですね。
周囲が思慮深く接してくれるように、彼らの葛藤をよけい混乱させることがないように、願わないわけにはいかない。

イスパーナスクール

2004年05月24日 | 日記・雑記
 地域ボランティアつながりで知ったことなのだが
 ペルー・アルゼンチンなどスペイン語圏からやってきた家庭の子どもたちの抱える問題というのが、なんと両親との言葉の違いなのだそうだ。
 日本の学校へ通っている子どもたちは、日本語が出来てスペイン語は駄目。両親はその逆。家庭で両親がスペイン語を話していれば、子どもはバイリンガルか?なんていうのは甘い考えで、ほとんどの時間を日本語で過ごしていれば、やはり日本語にしか馴染まないようだ。
 しかし彼らもいずれは帰国する。言葉がわからない状態で子どもたちを母国へ帰すわけにはいかない、と運動しているのが「イスパーナスクール」定期的に子どものためのスペイン語教室を開いている。
 今度の土曜、イベントがあって区長やペルーの副領事もやってきます。横浜近辺で興味のある方、メールくだされば内容をおしらせします。

ローズマリーの赤ちゃん (1968/米)

2004年05月24日 | 映画感想ら行
ROSEMARY'S BABY
監督:ロマン・ポランスキー
出演:ミア・ファロー ジョン・カサヴェテス ルース・ゴードン

ものすごく久しぶりに見て、記憶違いの多いのにびっくりした。
私、悪魔の赤ちゃんをはっきり見たと思ってた。
ああだったんだ!
それにローズマリーが赤ちゃんを見てからラストシーンまではホンのちょっとしかないと思ってたのに、あんなに長かったのか。
相変わらず怖かった。一番はやはり隣のおばさん。
最初に見た時はホンの中学生くらいだったし、予備知識なかったから「これは精神状態不安定な妊婦の妄想という終わり方もありか?」なんてドキドキしながら見ていた。あの病的なムードを発散させるミア・ファローの細さもたいしたものだと思う。寝巻き姿はともかくとして、ファッションがかわいいし、妊婦姿もかっこいい。
 今回は、覚えてなかったとこで苦笑したところもいっぱい。ジョン・カサヴェテスかっこいいのね。それに、悪魔の集団の中でも眼鏡かけてカメラのシャッター押しまくってるあの東洋人はやっぱり日本人ですか?

三島由紀夫(3)

2004年05月23日 | 
これは直接本とは関係のない話題かも

気がついたら三島由紀夫のところに
トラックバックいただいておりまして
濃ゆい三島関連ページの紹介がありました。
私の一番「濃ゆい三島」体験というのは
映画「黒蜥蜴」(1968/日)です。
これは深作欣司監督、主演三輪明宏 木村功で
脚本が三島由紀夫なんですね。
それでもって確か三島が出演してるんです。
何かというと美青年の剥製の役で。
でもって、静止状態でなくてはいかんのに
ちょっとプルプルしたりして…
川津裕介も面白かったけれど、この映画は
三島のプルプルがまず記憶に残ってる。
なんたって見たのが高校生くらいの時だったから。

三島の美学にはまる映画だったんでしょうにね。

ショーシャンクの空に(1994/米)

2004年05月22日 | 映画感想さ行
監督:フランク・ダラボン
出演:ティム・ロビンス モーガン・フリーマン

何回目になるのだろうか。
satoshiさんの映画クイズで出て、やっぱり借りてきてしまった。
見るたびに注目シーンが違うし、
やはり疑問に思うこともあるのだが
本当に見終わって清々しい映画だと思う。
今回もオペラのアリアのシーンでじわっときたし
これから開いていこうとするトミーの人生が
理不尽に奪われたのが見るたびに、やるせない悲しみが募る。
世の中に居場所がなくなることの悲しさ、
自分でなんとしても切り開いていく意思を持ち続けること。
悲しさが残るために、かえって「希望」が輝き
あの空と海に癒されるような気がする。