虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

EAST MEETS WEST(1995/日)

2005年02月22日 | 映画感想あ行
監督:岡本喜八
出演: 真田広之 竹中直人

 咸臨丸に乗り込んでいた通辞見習(実は暗殺者)がアメリカ到着後、銀行強盗にあい、その時に殺された男の子どもと強盗を追い、敵討ちに付き合う。そしてやはり咸臨丸に乗っていた忍者がそれを追う。

 監督の訃報を聞いてしんみりと見ました。
 アイデアはいいじゃない!と思うんだけど。せっかくあれだけの素材を使って、ちょっと間延びして見えるのが残念。真田広之ならもっともっとクールなアクションが出来たんじゃないか、脳みそに焼きつくようなクールな絵が!とか惜しんでしまう映画だった。岡本監督の代表作の弾むようなリズム感というか、軽やかさを感じるセンスって言うのは並大抵ではない。時代の感覚の先端をはずさない、それでいて鋭さと錆びないセンスにしびれる監督だった。
 「大誘拐」も、私にはそれ以前の物に比べてとろく感じる部分もあったし、私がもう少し円熟すれば(するのか?)もっとこういう作品をわかるようになるだろうか?
 それでも異文化接触を描くなら、私は「ラストサムライ」よりは、こちらの軽快さのほうが個人的には好み。

 岡本喜八監督をはじめてみたのは「殺人狂時代」
 都筑道夫の原作が好きだったので、ついこの間閉館したばかりの旧作館の監督特集で見た。「殺人狂」から見始めた私は幸運だった。
 商業的大作もいいけれど、私にはこういう、いわば中小作品の持つきらめきに魅了された。
 
 岡本監督、本当にありがとうございました。

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3 コメント

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投稿後 (ningyo)
2005-02-22 08:37:07
読み返して、「クール」連発に苦笑。

でも岡本監督にはつい、期待してしまいました。

それに期待を裏切らない監督さんなのでした。
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私も (arudenteな米)
2005-02-22 22:47:01
岡本監督作品で一番好きなのは「殺人狂時代」ですねぇ

仕込み松葉杖の殺し屋とか電車に轢かれるシーンの後のケチャップとか天本英世のスペイン式決闘とか弾けた感覚が無国籍で見た当時新鮮でした。



あと仲代達矢はどの時代の映画みても仲代達矢ですねぇ
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殺人狂時代 (ningyo)
2005-02-23 11:10:02
映画も原作もほんとにセンスのいいナンセンスっぷりだと思います。



仲代達也、原作の世の中から浮いた感じが

ものすごくよく合ってて嬉しかったです。

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