西森博之「鋼鉄の華っ柱」5巻。
うーん相変わらず面白いですね(笑)。真道が真道過ぎて困る。
やってることは人を利用して自分の好印象を演出し、成り上がってるのにも関わらず
不思議と不快感がないのは
きっとやられた側がその後生き生きしてるっていうか
それで完全には不幸にしないところかな。
救いっていうか
フォローをちゃんと与えてやる的な。これぞ正に紳士ですよね。正直惚れるに値する男だと思う。
客観的に考えれば卑怯だし最低な部分もあるのに、最終的には格好良く映る男真道。
西森作品の主人公の中でも特異だと感じるのと同時に、
ここへ来て異なるアプローチっていうのは長年の読者的にも面白いッス。
もっともっと描いて欲しいし、早く続きが読みたい!そう思わせるには十分の新刊でした。
実は前回の展開もよく覚えてたので、その意味でも割と熱入れて読めたかも。
そんな引きの上手さも相変わらずですね。
今度はモンスターチャイルドが襲来、って事で実際どうなるのかな?何にせよ一本調子じゃないのは歓迎。
どことなく真道に似た頭の回転の速さと狡猾さを感じますが・・・(笑)。
直接対決も見てみたいのう。
毎回書いてて毎回思うんですけど、正直ベテランの絵柄じゃないですよねー。
書けば書くほど最先端になっていく絵柄の妙は一体なんなのか。
これは本当に不思議です。
常に打ち立ての蕎麦を食ってるような感覚。
クセに関しても段々抜けつつあると思うから間口も広くなってると思うし
何より真道のゾクゾクする格好良さは半端ないですよ。
かの渡久地東亜の再来的な。
そこからたまに覗かせる人間らしさもまたツボで。気が付けば良キャラ多くなってきているその手腕も見事です。
最近なかったタイプの作品でもあるので毎回新鮮な気持ちで読めるのは得なのかも。
しかし、サラダボーイが漬物になったのは流石に笑わざるを得なかった(笑)。
その癖敢えて公衆の面前で彼を励まして印象爆上げと、
こりゃ色々な意味でおいしい所攫いすぎだろって。
面白いけど、意図とか結果を考えるとちょっと怖くもありますよね。でもこういう尖った主人公は貴重だと思う。
夏野のがむしゃらな性格も割と好きだし、取り巻きの方々も大分キャラが立って来て
どんどん展開が広がっていくのにもまた期待ですかね。
懐柔されまくってる従業員の方々にもまた笑ったけど、結果的には真道の方が付いてく価値はあるでしょうね。
そう思わせるキャラ造詣にもまた拍手ものな5巻目でした。スカッとした。
次の巻では、許婚が登場?これはこれでまた面白そうだな(笑)。
本格的に加速していくのにも期待したいッス。そして真道の行動からは目が離せない!