人間らしい表情で。
前回、めんまが消えなかった事でホッとした、という記述をしましたが
その一方ででは本当の願いは?と考えると
やはり一致団結か、って思えたんですが
実はそれよりももっとシンプルで、単純な願い。
「本音を抱え込まずに、明るく楽しく、笑って泣いて生きて欲しい。」
それが本当の願いだったように思えます。
考えて見ると確かに1話から「あの花」の登場人物たちは非常に辛気臭く
常に何かを押し殺しているような表情でした。
めんまを除いて
本音ばかりを隠して、泣きもせず笑いもせず・・・おおよそ健全な成長とはかけ離れ
誰もが陰を背負ったまま
モヤモヤを抱えたまま生きていた。
それを打開するのがめんまの役目だったんだと思います。
本来はじんたんだけの目的、というかじんたん母の願いだった訳ですけど
結果的にそれが全員に広がって
感染して
本来の願い以上のものをもたらした・・・というのは非常に素敵な着地点だったと思います。
つること鳴子の悲恋だったり
ゆきあつの重過ぎる愛情
ぽっぽの「何も出来なかった」という後悔の念。
それを全員が吐き出して、じんたんも自分の独占欲を吐き出した。
誰もが一度素っ裸の状態になって
関係もまたイチから始まって。
気が付けば昔の呼び名に戻ってて。みんなまた、笑ったり泣いたり、本音を言ったり。
そういうことが出来るようになってた訳ですよ。
だから、もう願いは叶ってた。
あとはさよならをするだけだった訳ですね。
それがあれば、それがあったら、本当にみんなが前を向いて歩ける。
お互いの感情を確認し、再び元のまっ更な関係に戻ったみんなが、本当に一歩進む為の
最後の集会。
あの日叶えられなかった最後のお別れ。
めんまが再び生まれ変わって、またみんなと出会う為に。
また一緒に笑えるように。
笑えますように。
とはいいつつも、
自分もめんま消えるの嫌だー!!
って思いながら観てたんですけどね(笑)。
だってあまりにもストレートな演出だったから、そりゃ別れも惜しくなるけど
1話以来に少し泣いてしまったけどさ。
でも、ある意味予想出来てたとはいえ、みんなに成長しためんまが見えて良かったよね。
色々とスッキリ出来た部分はあったんじゃないかな。
観てるこっちとしては
目から液体がポツポツ出てきて大変だったけどさ(笑)。
でも、やっぱりめんまとじんたんはここで一回結ばれたんだと思う。
めんまの最後の告白は正直泣けた。
それだけで良かった。
ある意味ではハッピーエンドとも思えて、それがとても嬉しくて
最後のみんなの顛末が嬉しくて。
結局、人間としてこの世界を生きる為に必要なものって
世間的に言えば打算とか妥協とか我慢なのかもしれないけれど
この作品はそれを許さなかったというか
辛い時には泣いて良いし
笑いたいときには笑って良い
喜んだ時には思いっきり喜んで誰かとその想いを共有して・・・
っていう人間としての当たり前の機能だったり、感情を出す事が大事だと。
そういう事が言いたかったんではないでしょうか。
もっといっぱい感情出していいし
誰かとぶつかり合ってもいい。
それによって人間らしさが、新しい一歩が踏み出せるのならば。
最初の頃は常に俯いていたような超平和バスターズの面々も、そういう意味ではすっかり人間らしくなった。
本音を押し殺して辛そうに生きることをせずに
感情を無くして能面のまま生きてる訳でもない。
すっかり良い表情になった。
人間らしくなった。
そんな彼らが、初期よりも素敵に見えるのは言うまでもなくて。これからも衝突はあるだろうけど
多分もう、大丈夫なんじゃないかな、って云える程度には
過程も結末も描けてたと思います。
そんな彼らの今後に幸あれ、と。
という訳で、感想を書いてる春アニメの中で真っ先に終わったのがこの作品です。
もうここまでガッツリ書いたら総評は要らんかな、と思いつつ
少しだけ書かせて頂くと
インパクト重視ではなく積み重ね方で、
狙った展開というよりは流れを重視する形で、
そんな風に淡々と丁寧に紡がれていった物語なんじゃないかと思います。
多少ネタ的な要素もあれど
すぐにそれを打ち消す辺りに
単なる話題性の作品では終わらない、って強い意志を感じました。
だからこそ私も乗っかって観れたし
作品が伝えようとしてる事も汲み取れて、
自分にとっても大切なアニメ作品の一つになりました。
最初は制作スタッフ云々の期待で観始めた作品ですけど
そこまで類似性を感じることなく
これはこれでオリジナリティがある作品なのでは、とそう思います。非常にストイックな作品でしたね。
今期のアニメでも特にハマって観てたのは間違いない。
お疲れ&ありがとうございました。
これからも「あの花」ワールドが広がっていくのを願いつつ・・・。
感想には時折コメも頂きました。それを含めてここまで読んでくれた方、どうもありがとうございました。