超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

サクラサク症候群 1巻/保志レンジ

2013-06-05 03:57:54 | 漫画(新作)















保志レンジ「サクラサク症候群」1巻読了。














この漫画を読んでるとなんかこう・・・男ならではの儚い愚かさというか
美しい間抜けさというか、そういうものを思い出してしまうんですね
相手には好きな人がいて
優しくされるのも全て勘違いで
だけど、その淡い期待に懸けちゃっては砕かれてしまうあの感じ?
これを少年誌のフィールドでしかも(恐らく)女流作家がやってるというのは凄い事だと思う
正直こういう少年ラブコメを自分は待っていたんだなあ、と読んでいて思いました
とにかく若竹の健気な乙女っぷりがたまらないですね(笑)。
彼に一番感情移入してしまう。

読んでて傷痕が残る感じもするんですよね
景虎は本当に良い奴で不器用だけど優しくて、裏表がなくて
若竹の事はあくまで友情を貫きたいんだろうけど、それが男子的にはグサッと刺さってしまう
分かってはいたけど期待した分だけ裏返しで思いっきり傷付いてしまう
思わず読んでて叫びだしたい気分にもなっちゃったんですけど(笑
恋って幸せじゃないよなあ
本当は辛いものなんだよなあ・・・というのを
この漫画を読んでトラウマ的に思い出してしまいました 男子って本当に馬鹿なんですよね・・・。

でも、その分若竹くんを凄く応援したくて(笑)。
少年誌のラブコメって何だかんだいいつつも相思相愛のパターンが多いけれど
これは最初から「報われない恋」「君とは友達でいたい」ってところから始まってるから
余計に何とかならないかなあ、何とか頑張って欲しいなあ・・・って思ってしまう
だからもう最後まで追い駆ける気満々ですけど(笑
ここまで一途に想ってるんだから最後は絶対に報われて欲しい!と希望しながら
続巻以降も勿論じっくりと読んで行きたいと思います
恋模様は当然、
若竹っていう奴は結構センシティブな心の持ち主で些細な事で悩んだり葛藤したり
でもその青春期特有のナイーブな心情描写もまた個人的にはストライクでいちいちグッと来ます
突き放した後の罪悪感だったり、反省して一心不乱に相手の為に尽くす気持ちだったり
そういう青春群像劇的な雰囲気描写もまた秀逸な一作
ちょっと切ないけれど、
でも切ないからこそその後の結実に期待したくなるのもまた事実
ここからの若竹くんの頑張りと二人の心情の変化に注目しながら次巻を待ちたいと思います
このスタートからこの二人が最終的に結ばれたらグッと来ると想うんですよね。


この漫画のもう一つの注目ポイントとしては青春ドラマとしても面白いって部分ですかね
景虎はクラスで絡まれがちな若竹を一生懸命守ってくれたり庇ってくれたり
若竹は素行の所為で誤解を受けがちな景虎を信じてあげたり
そういう誰かの為に一生懸命になる美しさ、
最初は無愛想で真面目人間だった若竹が徐々に熱さを取り戻す過程だとか
ラブコメとしてだけではなくそういう普遍的なドラマ性も備わってるのが更に良いな、と思いました
二人とも健気で真っ直ぐで、本当は悪気も相手を傷付ける気持ちもない
そういうキャラ描写も物凄く好きだった1巻目
ピュアさの表現という意味合いでも優れている漫画だと思いました
この先もキャラクターの成長は逐一描いてくれそうなのもまた頼もしい部分です
泣きそうになりながら壁を磨いている景虎のカットは読んでるこっちも泣きそうになりました
そういう感情を揺さぶれる力があるのも個人的には好きだなあ、と
若竹も何だかんだで彼女を信じてくれてるし。
友情に関しては最初からベストでした。

でも、ラブコメ的描写も抜かりはなくてそこもいいですね
景虎みたいな無防備で純粋な女の子は個人的には大好きです
その無防備さが時々切なくもなるけれど、
でもその切なさも間違いなく恋の一部ですし
そういうのを描いてくれる少年誌のラブコメが昔から大好きです
サービスカットは一切ないけれど、この作風ならきっとないほうがいいんでしょうね
その分健康的な景虎の姿には逐一ドキドキせざるを得ないですが(笑)。
主人公が好きになるのも分かるよなあ・・・という感じでした
早くも最高のヒロインの一人だと思った。














1話で景虎を引き止めちゃった事自体が男の愚かさを表現していて
それは同時に儚く美しい行為でもあって。
是非実るように応援したい。
めっちゃ可愛い女の子との触れ合いが楽しめて尚且つ青春の甘酸っぱさ、切なさも楽しめる
個人的には極上の1巻目に仕上がっていました。こういうの、大好物です!!




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