MONOBRIGHT「ACME」全曲レビューその3「NO CONTROL」です。
3.NO CONTROL
【知らずに離れてく世の中と 誰にも言えないまま】
歌詞の内容的には非常に際どい歌です。
いいように親におもちゃにされる娘のお話。
昨今のご時世を反映しているかのよう・・・とはいいつつ
そこまで私も詳しい訳ではないですけど。だからこそ、こんな現実の歌が
一つの救いになることもあるんじゃないですかねえ。
こういう状況じゃなくても
誰にも知られない想いだとか
気が付けば世の中の流れから隔離されてた自分だとか
そんな心境のまま生きている現実だとか。
抱えてる苦しさとは裏腹に
世の中を見渡すと、みんなが自由に生きているように見える
それは大きな勘違いだって事を知ってても
辛さが先に来てしまう。
それもまた人間らしいと言えば人間らしい。そんな心情を吐き出すような歌です。
アレンジがほぼパンクに近いんですけど
これが実に本格的で
ダークな雰囲気とも合さって正しく新境地と呼べる楽曲の出来になっています。
安易に救いを与えない世界観だからこそ
じっくりと浸れて
ちょっとした反面教師にも出来る。救いのない表現が逆に救いを与える事だってあるのです。
誰もが前向きに生きれる訳じゃないけど
誰もがその想いを吐き出すことは出来る。
それに触れて、少しでも心にある刺が柔らかくなればいい
想いの共有で少しでも痛みが引けばいい。
ヘビーな曲調に
ヘビーな詞ですけど、
その分残るものも大きい曲ですね。アレンジが派手な分、歌詞とのギャップも大きく
そんな気持ちの良い違和感に関しても上手く使えてるなって印象があります。
タイトルは色々な意味に捉える事が出来ますけど、
個人的には
抑制の効かない気持ちだとか
制御できない苦しみや悲しみだとか。そういう意味合いに捉えてたりしますね。