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超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

ばんがいち感想(後半)

2009-02-21 21:51:43 | 漫画(成年雑誌)
さて、初めての雑誌感想、「ばんがいち」の後半となります。
ネタバレ&18禁の雑誌について取り扱っているのでご注意を。
5回目の更新になります。

前半で書いたように、この「ばんがいち」という雑誌は
成年漫画といえど、一方的なアレではなく純愛が基盤になっているため
カテゴライズがしにくい面白味のある雑誌だと感じています。
18歳以上であれば読んでみて欲しいって気持ちはありますね。
偏見をなくして。

・青い瞳のボーイフレンド2:鈴玉レンリ
先月号の続編なんですが、なぜ日本人の女の子と外国人の男の子の間で
わだかまりがあるのか明確に描かれているのでこっちのが面白い。
「大きければいいってもんじゃない」とか「一緒に”イって”みたい」云々は
作者の実体験から来てるのかな・・・。
やっぱり作者が女性だと、女性の心理描写がリアリティを持つものだな。
出色の出来。

・薄藍の花が実をつけたら:江戸屋ぽち
いつも思うんだけど、絵柄がエロ漫画の絵柄じゃない(笑)
萌え系とも違うし、強いていうならサブカル系の少女漫画?
でもそこまでコアな絵じゃないし、目はキラキラしてるし。
形容しがたい!でもそこがいいですね。
庭師と使用人の恋の話でしたが、見事に美男美女の恋愛だなあ。
男性向けかどうかも疑わしいけど、これはこれで綺麗な形だと。

・沈黙の白い髪:忠之みょうし
かなり久々の掲載でしたが、若干絵がうまくなってます。
生まれつき白髪なせいで不良だと思われてしまっている少女と
それを気にする少年の話ですが、このヒロインがやたら可愛い。
話もすげー良いなあ・・・個人的に今月のナンバーワン。
お互いを想い合う気持ちが伝わってきていいわ、これ。
ちょっと垢抜けた感じがしました。

・あったかい人。:榎本ハイツ
別ペンネームでヤングマガジンで某処女漫画を描いている人。
ばんがいちからヤンマガにいったということで
完全に一般誌に移行・・・と思いきやたまに戻ってきてくれるのがいいですね。
今回は底抜けに明るいヒロインとダメ男の話。
こんな風に励まされたらうれしいだろうな。
江戸屋ぽちが女性の願望を描いていると思われるのに対し、
こちらは男性の願望をストレートに描いてますね。 これがばんがいちの面白いところ。
表情もかなりよく描けてますね。これがメジャー誌に評価されたのか。

・chocolate panic:赤井丸乃進
これは完全に少女漫画の絵柄だな(笑)
目がすげー大きい。で、相手は美少年。もう少女漫画ド真ん中。
行為を中心に描くことによってなんとか成年コミックとしての
体裁を保ってる感じ。 話もベタなバレンタインネタでなおさら。
でも個人的にはこの「はみだし感」は悪くない。
正にばんがいちならではの作家だと思う。

・ついてる?!:山吹ムック
ペンネームは違いますが、アライブでかのこんの漫画版を描いている方。
かのこんは大きな女性と小さな男性ですがこれは逆。女性がやたら小さく、男性が大きめ。しかも不器用。
確か前に載ったのもそんな感じだったんで、これが素ってことなのかな。
とにかく女性キャラの可愛さに特化されていてシンプルな構成になっています。
相変わらずネーム、読みやすい。
人物のデフォルメ具合に女性らしさが出てる。

・Happy Valentine:秋月たかひろ
先月号とは違ってかなりおバカなノリだなあ(笑)
体にチョコとイチゴをのせて「私をプレゼント」って感じの話なんだが
チョコの塗り方やイチゴののせかたが低俗すぎる。サンバの衣装か!
最後を結局ラブラブに締めるのは読者の反応を考慮してのことなのか。
たまにはこういうのもあり、ということで。毎月だとキツイな。

・三月の花嫁:河合二葉
この方は雑誌内でも異色の存在。
まず絵柄が純粋な少女漫画、その上エロはおまけ程度にかくのが
ほとんど。この漫画にいたってはエロ一切なし!

しかしこれはこれで素晴らしい。昔の恋人との
すれ違いを中心に描いてる為、やたら切ないし成年雑誌にこういう作品を
載せるという柔軟性もいいですね。フルカラーで4ページなんだけど
かなり話を凝縮させてるので読み応えはアリ。
タイトルとは裏腹に、花嫁になれなかった人の話ですね。面白いわ、これ。


ここまで長かった・・・語りだすと止まらないですね。
初めての方にも判りやすいように作家に対しての説明も入れてみましたが
どうでしょう? コメントや同志、是非お待ちしております。


しかし全然「簡易」じゃないな・・・。どうしてこうなっちゃうんだろ。
性格の問題?


ばんがいち感想(前半)

2009-02-21 20:56:13 | 漫画(成年雑誌)
注:ネタバレを含む内容です。また18禁を取り扱った内容なのでご注意を。


こんばんわ、西京BOYです。ブログ設立4日目で4回目の更新になります。
今回は前半と後半に分けての更新になります。

内容は兼ねてからやってみたかった雑誌の感想です。
漫画は単行本で読むのも好きだけど、雑誌で読むのも同じくらい好きです。
近年はWebコミックなどが精力的に活動し始めて、
逆に雑誌は休刊するものが次々と出始めて部数も落ち込んでいるので
メディアとしては小縮化されていっている印象ですが
私的にはやはりページをパラパラとめくって、様々な作品を楽しむ
原始的なスタイルが好きなので、淘汰されない限りは応援していきたいと思っています。
とはいえWebコミックを軽視したくもないんですけどね。難しい。

で、第一号は「漫画ばんがいち」をレビューします。
この雑誌、基本コンビニ売りの成年誌なんですが、表紙がすげーあからさまなんで
割と誤解されている雑誌なのでは、と思います。
 まず、表紙をみると必ず女性が一方的に辱められてるのが殆どですが
実際に載っている漫画にそういったものはないです。
基本的には一対一の純愛が中心で、しかも執筆陣の半数近くが女性の為に
少女漫画チックな表現も多い。ということは心理描写も多め、ということで
実は読み応えのある作品が多くて個人的には好きな雑誌です。
数ある成年雑誌の中でもストレートが故に個性派として成り立ってる、といった印象です。

・青い瞳のボーイフレンド:鈴玉レンリ
巻頭カラー。この方はばんがいちの看板作家のポジションにいる人ですね。
絵柄も萌え系と少女漫画を適度にミックスさせた感じで
ばんがいちの象徴的な作家さんですね。日本人女性と外国人男性の話ですが、続編の方が面白いため感想は後半に。

・どきどき初体験!?:Rico
絵柄はぱっと見萌え系なんですが、よく見るとところどころに少女漫画チックな表現が見られるのが面白い。
この人も大体前の方に掲載されてるので主力級でしょうか。
とにかく甘甘な純愛話がメインでほっこりするような話が多いです。
純愛で初体験中心というのは田中ユタカのスタイルに近いですね。
カップルの機微が中心という感じで、最後はラブラブに終わるのもいい感じです。
この話はとにかく女の子がふんどしに挑戦するというのが度肝を抜かれますね
(笑)
しかも途中で黒い下着に着替えてるし。1作で2度美味しい。単行本も出てます。

・スカート短し恋せよ乙女:山井逆太郎
この方はわりとストーリー主体で話を作られる人ですね。
最初からエロを魅せるというよりも、主軸となる話をしっかり作った上でエロを盛り込む、みたいな。
この話も真面目な風紀委員の男子が主人公で、
相手役が主人公の尊敬する先生の不倫相手、ってのも中々ひねっていて面白いです。
それでいて最後は純愛として描ききるのも素晴らしいですね。
絵柄も含めて個人的に特に好きな作家です。 もっと頻繁に載らないかなー。

・これってワンダフル!?:高句タビー
この人は割と線が細めでいて、トーンの使い方の上手さが印象に残る人です。
これで掲載は2回目ですが、クオリティ的にはレギュラーでも
問題ないと思います。とにかく行為のシーンの臨場感がよく出ていますね。
内容としてはペットショップの店員に恋している少女が、
なんとか苦手な犬を克服してその店員に近づこうとする話。
 ちなみにこのペットショップ、犬と猫しか取り扱ってないみたいですが
彼が猫の担当だったら普通に近づけてたのかな。

・ダッチ・ライフ:EBA
基本的にデジタル主体の仕上げで重量感のある胸を描かれるお方です。
とはいえ、毎回胸のサイズや原稿の質感が同じなので若干、金太郎飴的な部分もあるんですが
なぜか飽きないですね。シチュエーションをこまめに変えてるのが大きいのか。
好みはけっこう分かれると思いますが、個人的には好きですね。
しかし女の子がいつもはっちゃけてますね。逆に男が押されてる。

・ふたり暮らし:秋月たかひろ
絵柄・話共に90年代のにおいがするんですが、
オーソドックスが故に安心して読める作家ではありますね。
今回もヒロインが主人公を想って涙するシーンとか、古臭いけどいいなあって思いました。
雑誌内のいいアクセントになってますね。

・スマイルジャック:積気屋ぴろしき
これまで何度もばんがいちの漫画賞に投稿されていた作者が遂にデビュー。
でも絵柄・内容ともに割とこなれている印象で荒削りとは思いませんでしたね。
 内容は兄妹ものなんですけど、ばんがいちって兄妹って
禁止されてたんじゃ・・・?(江戸屋ぽちの単行本のあとがき参照)
今はもうOKになったのかな。
でも圧倒的に姉モノが多いんで妹モノでは不利っちゃ不利か。


という訳でまず1月売りの感想終了~。
ちなみにこれで全作品ではなく、個人的に気に入った作品をピックアップという感じです。
たぶん他の雑誌感想も今回と同じように一部のみのテキストになると思います。
それでは後半に続きます。 コメントもお気軽にどうぞ。