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超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

γ-ガンマ- 第12話「この街のヒーロー ホーネットマン 後編」 感想

2014-02-04 21:31:34 | γ─ガンマ─
















最期まで「友達のまま」で・・・。















一時敵対したかのように見えた二人も
結局はずっと「友達」のまま、お互いの身を案じ続けたまま関係性を終えたんですね
ブルートレインが最後にホーネットマンを庇ったのもヒーローとしての行動ではなく
ただただ「友達だから」って理由でしかないんでしょうね
始まった時から守られ続けて、
終わる時にも変わらずに守られ続けた
だからこそ、今度はホーネットマン自身がブルートレインの役割を引き継がなければならない
彼の「してきたこと」「したかったこと」を実現させ続けなければいけない
彼を生かすも殺すもホーネットマン次第・・・という事で
最終的には上手い具合に着地をしつつも
どこか物悲しさが漂っている
同時にある種の「美しさ」みたいなものも感じられたエピソードに仕上がってました

今回のシリーズはヒーローしての悩みや悲哀などではなく
ヒーローも結局は人間
血の通った一人の人間としてブルートレインやホーネットマンを描きたかったのかなあ、なんて思いました
友達を守る為に非日常的なヒーローになった彼らも最後の最後で再び単純な「友達」に戻れたのでしょう
裏を返せば、ヒーローがヒーロー活動を行う理由なんてそんな大層な事でも大袈裟な正義感がある訳でもない
ただ自分の身近な人たちや世界を守りたかっただけ・・・
という
そういう「人間らしい」行動原理や描写が印象的かつ特徴的な作品になっているなあ、と
振り返れば純粋にジーンと来るような「友情物語」を感じる事が出来たエピソードですけど
その分言葉に出来ないような切なさも付随してますね
でもその「切なさ」こそがこの漫画らしいのかもしれないですけどね

個人的には、このシリーズの始まりの頃はお互い腹の内を隠してる印象で
先月号でもそれは地続きだったために、
繰り返しになりますが
最後の最後で使命とか正義感は別に置いて本当に「ただの友達」に戻れたんだなあ・・・って気がして
なんだか気持ち的に泣けてしまいます ヒーローも所詮は人間
だからこそ、時には信じられないような強さや意志も発揮するしその逆もまた然り
でもそんな彼彼女らが懸命に頑張ってる姿こそ読み手としてグッと来るんだと思います
死者を殺すも生かすも全ては自分次第・・・益々物語の目的を果たす時が楽しみになるような回になってました
平気で同士が亡くなっていく容赦のない作劇がリアル感を演出していて
かつそれを無意味にもしないと誓うキャラのタフさが見ていて眩しく儚さと共に力強さも感じます
遂に色々と露になっていく仇の描写も含めてこれからの展開にもワクワクしてきます

いずれは、それらを打ち破るユリやホーネットマンの姿も拝んでみたいですね。
ユリの覚醒も見られて少年漫画的な熱さを多く内包している切なくも燃えるような後編でした。
いくつ失っても、その度に立ち上がり想いを果たさなければ気が済まないのがヒーロー・・・もとい人間
ここからのユリやホーネットマンの行動にも注目しつつ来月もまた楽しみです
タイトルから察するに短編かと思われます。
VOMICもありますし、コミックス3巻も発売、そしてセンターカラーと久々に賑やかな月になりそうですね!


ヒカリちゃんは有言実行できちんとミユキ(たち)を守ってくれました
その上敵と対峙もいとわぬ勇敢さで非常に観てて格好良かったですね
レドネフさんも負けはしたけれど彼女もまた勇敢に戦っていて流石の正義感だなと
また彼女やミヅキちゃんの掘り下げ話なんかも是非観たいですね
前中後編と3話も掛けただけの事はあって中々の緊張感とスリルを見せてくれたシリーズでした
結果的に親玉は倒せなかったけど、二人のパワーで幹部クラスはきっちり撃破する事が出来た。
そして親玉に対する憤りや想いも沸騰とさり気にその瞬間に向けて駒を進め
ボルテージも高めつつある段階の広げ方もまた好みなシリーズでしたね













先月の引きといい、
「男同士の熱い友情」もしっかりと描ける手腕に感心ですね
それはさておきガンマで検索して来てくれてるような同士の方は共にアンケート出しましょう
一応VOMIC化は決まってるとは言え新人が生き辛い雑誌なのは変わりがないので
というか是非ガンマが表紙のスクエアとか見てみたい。これからも応援続けるぞ。




γ-ガンマ- 第11話「この街のヒーロー ホーネットマン 中編」 感想

2014-01-05 11:05:06 | γ─ガンマ─


















TVのコメンテーターはまんまテ○ー伊藤ですね。



















ブルートレインは以前指摘された「甘さ」を払拭する為にホーネットマンと本気で対峙した
皮肉にもあの時教授された思想が確執を生んでしまった訳ですけど・・・
それでも最後には助けに来てくれた辺りは非常に熱かったですね
恐らくは「殺されなかった」「ある程度は無事だった」という配慮が再び信頼を戻したと思うんですけど
それだけじゃない、理屈じゃない「感覚的なもの」もあったのかもしれませんね
正直二人が戦ってる場面はかなり面白かった、
昔こういう展開見たかもしれない、っていう懐かしさもあって中々の作劇だったと思います
取り合えずホーネットマンが本当は犯人ではなく、芯から正義のヒーローだったという展開に関しては
これまた熱いものがあって良かったんじゃないかなと
来月はまた二人のタッグ、コンビネーションが観れそうで私的に楽しみです
展開自体も相当に張り詰めたものになってますが・・・レドネフさんらの防衛に期待、かな。

一方で、ヒカリちゃんはミユキ愛が強すぎて基地まで目が向きませんでした
それでも、それが彼女のスタイルなんで咎める事は出来ませんけど
結果的にどう収束が付いていくのか、
あとは今は敵側に一方的に掻き回されたり攻撃されたりしてますが
軍側の反撃、軍側から仕掛けていくような展開にも大いに期待したいですね
ユリがこの先何を見てどういう行動を取っていくのか。にも個人的には注目しています
非常に緊迫した展開ながらも
それぞれの友情が垣間見えるような回でした
そしてホーネットマンとブルートレインの戦闘シーンの格好良さ、躍動感は格別でしたね
ユリとミユキの家は壊れちゃったけど、建て直しの間誰かの家、例えばヒカリの家に行ったりするのかな
それはそれで観てみたいですが・・・(笑 今まで散々いいようにやられて来た分の「反撃」も是非望みたい。
その兆しが見え始めた回でもありました。レドネフさんの見せ場や掘り下げも楽しみにしています。


今月のユリちゃんは真っ向からニセ者だと見極めていたり
本当にヒーローが大好き、信頼しているんだなあっていうのが伝わって来て良かったです
多分作中最もヒーローを気に掛け愛しているような娘なんでしょうね
そんな彼女らとの邂逅が逆にブルートレインを意固地にさせてしまった出来事もありましたけど
真正面から肌と肌でぶつかり合った分きっと理解出来た感覚もあったのかなあ、と
ブルートレインに足りなかったのは「経験」だと思うので
これをきっかけにまた彼が成長したりもう一歩逞しくなってくれればいいなって思います
その分しっかりと見極める事が出来ていたユリちゃんの凄さ・鋭さもまた際立っていたお話でした

それと、家では常に姉のミユキの腕の中にいる可愛い姿もまた良かったですね(笑
良い具合にシリアス過ぎない空気を生み出せていました
ユリちゃんグッズのネタも面白かったですし
二人の描写的な観点でも中々に満足出来た回でしたね さり気ないのが絶妙に感じるというか。
スリリングな中にも小さな癒しが点在している感じ。その塩梅の小気味良さは荻野さんの個性の一つですね。













今年はかなりストーリーが進みそうで、あとはVOMICも控えてますし
色々とこの作品で楽しめそうです
今年も自分なりの目線で味わっていければ、と思います。




γ-ガンマ- 第10話「この街のヒーロー ホーネットマン 前編」 感想

2013-12-05 06:00:41 | γ─ガンマ─





















冒頭から(ある意味)クライマックス!



















今月の掲載順は、凄く良いですね
VOMIC化も決まり単行本の売り上げも新人としては中々
実に良い感じに来ていると思います これからもアンケ出し頑張ろうと思います
ガンマで検索して来ているようなファンの方もよろしければ共にアンケ等で応援しましょう
なんせスクエアはビックリするほど新人の生き残りにシビアな雑誌なので(笑
気が付けば週刊の方もなぜか連載経験組のが生き残りやすくなってるけど。
時代の流れ・・・なのかな。

アンケート裏の質問で「表紙にして欲しい作品」「サイン会を行って欲しい作品」みたいな
そういう質問があったので今月もまた特に出して欲しいアンケになってますね(笑
維持は堕落に繋がるのでもっと高みに行けるように応援も頑張りたいです
荻野さんのサインとかめっちゃ欲しいなあ。

とにかく、掲載順が良いに越したことはない。
折角話が面白くても別の要因で心配になっちゃうのは出来ればナシにしたいですからね
スクエアはスクエアで週刊と別の意味で戦場なので油断せず支持の提示を行っていければ。
特に今回はシリーズの始まりなのでこういう順位を取れたのは何気に良いと思う。














今回は、何とヒーローvsヒーローという
これまたショッキングかつ懐かしい展開ですけど
格闘描写に躍動感や面白味がある分対決自体は中々に楽しみ
でもこれどう考えてもショウとヒロトなのは間違いないわけで
それ考えると随分重い展開も待ってそうで、その意味でも楽しみです
この漫画の重いシーンは各々で印象に残っていて、独特のカタルシスをくれるので。

やはり、「みんなのヒーロー」と義務感を負って囃し立てられていても
肝心な大切な人の存在は守れない、「それだけ」に尽力出来ない状況や
欺く為とは言え住民に内緒で地下に基地を作っていたというある種の「勝手」
様々な要因が重なってああいう風になっちゃったのか、
それともまた違う要因なのか。

この漫画は少年漫画のお約束にちょいちょい牙を向く傾向があるので
その意味ではこれまた容赦のない描写が続きそうで先行き不透明ながら続きを読むのが実に楽しみです
市民に対しての「説明不足」という、事情があったにせよそれだけは間違いない事実なワケですし。
ブルートレインがホーネットマンに対して何を思うのか
元々優しすぎるきらいのある性格だっただけに
その行動の顛末も気になりますね
「みんなのヒーロー」という役割から「ヒーローを疑う存在」へ
それでもユリやミユキがヒーローの価値を示す事が出来るのか・・・にも期待
ヒーローを演じる、と言う事は自分の人生の一部を犠牲にしなきゃいけない、という事でもありますから。
毎回凄い部分に切り込んでくるな、予見させるなー、と個人的に感心しております(笑
多面的な深さを含んでいる漫画ですね。
存在自体に対する疑念。


「こんな時代だから生きてるだけでありがたいじゃない」
この台詞は強がりであると同時に何%かは本音なんじゃないかと思う
それと同時に生存自体を喜び、糧にしていくという今回のメッセージであり
同時に現実世界に対してのメタファーでもあるというか、震災以降の世界に対する言葉でもあるのかと
恐らく来月以降に彼女の隠している心情も描かれるのかもしれないですけど
「今日も生きた」という切実な言葉に関しては、
この先どういう描写があろうと確かに尊い事実の一つなんだろうな、と思います
「失ったこと」以上に「失っても残ったもの」を大切にしょう、という独特で前向きな考え方
その強がりであろうと必死に前を向こうとしている儚い強さ・・・みたいな描写は凄く良かったですね
この3人を巡るドラマの行方にも注目を置きつつ、、、
清廉とした態度で生きる神宮寺さんの姿もまた可憐で美しかったです。
この漫画は「人は人が思ってる以上に実は強くもある生き物」という事も描きたいのかもしれない。

状況としては刻一刻と軍自体に危機が迫って来てますね
それを引き起こしたのはホーネットマン?ですが
それ以前に色々な企みを感じる今回
ディスチャージの弄ばれた正義を挽回する目的でもユリやヒカリには頑張って欲しい所ですね
ユリも当初の相談役ポジションからようやく主人公っぽくなってきて読むのも楽しいですね(笑)。
来月以降はユリの見解やどう動くのか、にもこれまた注目しつつ読み進めましょう。


さて、今回はそういうシリアスで物悲しさを感じるエピソードの裏側で
さり気に女の子同士のキャッキャウフフが楽しめる回にも仕上がってました
まず衝撃的だったのはミヅキちゃんが普通に学生だった事ですね
個人的に大人だと思ってたから余計に驚いた
って言うか、彼女もまた言動と行動が一致してなかったり面白いキャラだなあ、と(笑
まあ顔付きは幼くはあるんだけど雰囲気が学生のそれとは違かったので・・・。
彼女もまたミユキたちの輪に加わって欲しいところですね

それと、ヒカリちゃんとミユキの関係性が強化されたお話でもありました
冒頭の描写はかなり友情を超えた何かが感じられましたけど(笑
いや、でもシリアスに考えるとヒカリは一回「喪失」しているので余計に神経が過敏になっている
何が何でもミユキだけは守りたい、という本音が思いっきり噴出していて感情移入させられました
女子の友情ものとしても楽しめる本作
その辺の描写もまた後々ガッツリ味わえそうな予感です
そしてそんな親密になりつつある二人に嫉妬気味のユリは更に可愛かった(笑
ま、家では存分に愛してもらってる、って事で。それにしてもグラマー同士のカップリングは燃えます!

ユリは正直中学生ぐらいに見えますね(笑
でもその分不相応な感じもまた彼女の個性なのだと思う
今月も扉絵(少しヤバい)からちょくちょく挟まれるラブラブ描写と
正しくキャッキャウフフを堪能させてもらった
やっぱり荻野純って絵上手いわ。美少女だけじゃなくおじいさんもしっかり描けてますし。
最後のヒカリちゃんがユリをからかうシーンも面白かったんですが良い具合に三角関係も期待出来そうだな。
まあ三角関係というか、ユリ嫉妬要素の旨味っていうか(笑)。
















あと今月巻末の読者コーナーでもγが取り上げられています
やはり荻野さんはグラマー好きだったか(笑
個人的に「○○マン」ならやっぱりロックマンが好きですかね
でもボスキャラ勢のが実は好きなあたり何となく2巻のあとがきの話も分かるような。

ヒロトは勿論甲本、神宮寺はレミオのドラマー
山中町はさわおから・・・っていうかディスチャージって山中さわおのソロアルバム名だし
そのディスチャージの名前もさわおになってたわ。荻野さんは本当に和製ロックが好きなんだなあ。
そろそろRADWIMPS、ACIDMAN、THE BACK HORN辺りの出番かね(何が)。




γ-ガンマ- 第9話「一日一発ヒーロー キャノンボール」 感想

2013-11-02 13:26:04 | γ─ガンマ─

















VOMIC化決定!
















VOMICって某ジャンプ番組でやってるアレですよね
個人的に生活上観れない時間帯にやってる事が多いのであんまり詳しくはないんですけど
決定云々以上にそういうのをやるくらいの人気はあるんだなあ、と
それが嬉しかったですね
WJだとある程度続けば自動的に組み込まれますけど
SQの場合はそうじゃないですからね。1巻も瞬殺だったようですし位置もカラーの頻度も悪くない
この調子で今後も更に人気が上がるようにアンケと感想で支援して行きたいと思います

そういえば今月のアンケート商品は連載作家のサイン色紙や複製原画がありました
普段アンケを出してない人もこれをきっかけに出してくれれば嬉しいですね
私は勿論荻野純さん関連を優先しました
河下水希もファンなんですけど、やっぱり私は時代ものよりもあの人が描くラブコメが好きだったので・・・。
いやまあ、普通に読めはするんでいいんですけど。そんな訳でガンマ好きの人は共に応援しましょう
勿論善意でね。 倍率は中々に高そうですが、まあ一番は票を入れることなんで。


今月は、キャノンボール云々というよりは
今後の為の複線を張るような回になっていました
キャノンボール自体はある種の出オチキャラでしたね(笑
でも、彼の存在自体もいつか展開に於いて複線になりそうな予感もしますけど。
下の名前が「一義」なのが正に!って感じですね。

それよりも重要だったのはユリのタメの男子の存在、新たなる幹部の登場、
そしてヒカリちゃんの仇役だったという事実・・・。
多分相手側にも先月の流れからするときっと確たる理由や行動の源泉が存在するのでしょうけど
ヒカリちゃんにとっては大切な親友を奪った怪人、という解釈に過ぎないワケで
作戦を忘れて崩れ落ちるヒカリちゃん
その様子は傍目から観ても酷いものでしたが個人的にはここで彼女の因縁が蘇る展開には意表を突かれたし
正直面白いな、と

面白いというのは元々ユリ→サカキの因縁フラグは立ってますけど
それ以上にヒカリ→今回の怪人という因縁フラグが立った事により来るべき対決が尚盛り上がりそう
熱さを見せてくれそうでワクワク度が高まった、という意味合いですね
それと、それによって女子たちの友情も際立ちますし

ただ、もっと単純に言えばショッキングな流れに引き付けられたのと
ヒカリにもまたいつか救済の、因縁を晴らして一歩進める機会が用意されたのが良かったなあ、と
その時はまだまだだと思いますがこれもまた失った親友の死に価値を与える好機の一つ
ユリの成長物語らしくもなってきましたがヒカリの物語としても期待したいですね
ある意味ヒカリちゃんの為のような回でしたね。


ユリとタメの少年に関して言えば、少年はとても危険な匂いがしますし
今回の怪人も中々に心が読み辛い、それ故に一筋縄では行かなそうな感覚がするし
何より師を手にかけてつまらなそうな顔をしている榊の目的と本心が気になる
そういう後々に繋がる要素を多々出したような回に仕上がってました
だから、この先を読むのもまた楽しみですね
レドネフさんが今後どういう変遷を遂げていくのかにも期待ですが。きっと冷たい人じゃないんだよね。












しかしこの方のカラーは本当にきれいで可愛くていいですね
キュートなのに格好良い、という絶妙なバランスが素敵です

今月のヒロインズの表情は日常漫画っぽいゆるさがあってこれはこれで和みました
10ページ目の抱きつく表情とか、ユリとミヅキの会話もちょっと優しい雰囲気が漂ってて好みだったな
ユリは「怖い」というよりは正しさにねじ伏せられて劣等感みたいなものがあるんじゃないかと思うけど。
でもそこからの「相互理解」もきっとこの漫画の大きなテーマの一つだと思ってるので
レドネフさんと砕けて語り合う瞬間にもまた想いを馳せております
可能性に溢れている漫画なので応援したい気持ちも強いですね 色々と後の展開が楽しみになる良回でした。


スクエアの中で一番読者に投げかけたい主張が明確な気がしてやっぱり一番好きです
今月も読み終わってすぐにアンケート出しに行きました(笑
一票に想いを込めて。
単行本2巻の感想も書いたのでお暇でしたら是非 入荷数増えてて嬉しかった。少しでも届けばいいなあ。



γ-ガンマ- 2巻/荻野純

2013-11-01 22:21:48 | γ─ガンマ─




















荻野純「γ-ガンマ-」2巻読了。


















ええと、この巻は本誌感想を書いてる時も思ってたんですけど
いや、こうやってまとめて読んで改めて感じたんですが非常にダークでシリアスです
ある意味少年向けとは思えないくらいに容赦のない展開が待ち受けてるんですけども、
そうですね・・・
「正義」の形は決して一つだけじゃないというか
ヒーローの個人的な感情で誰かを巻き添えにするという選択肢を封じられてしまった
それは反少年漫画的でかつ現実的な選択ではあるんですけど、決してその選択「も」間違ってはいない
各々に正義の尺度が違っていてその尺度に基づいて動いただけ・・・という流れが
「不条理」という印象を与えず
「避けられない現実」という印象を突き付けた
それは本誌を読んだ時からショッキングな展開ではあったんですが
こうやって単行本で流れに沿って読むとより衝撃的で、かつ沁みる展開だったんだなと深く思いました

今回渦中の人となったディスチャージは決してズルに溺れた訳ではなく
愚直なくらいに真っ直ぐだっただけなんですよね
他の脆弱な能力者にとって救いになるかもしれない、自分以外の事も持ち出されてしまった為
それが結果的に「正義」に繋がる事を信じて、最後まで己の「正義」に殉じた訳です
そこにブレはなかった
例え騙されていたとしても、
最後まで「正義」を信じて生き通したディスチャージ

そんなディスチャージは結局利用された挙句悲惨な最期を遂げてしまい
ユリもまた救おうとしたけど、救えなかった
どうしても届かないこと
救えないものは絶対的に存在する
誰も彼も全部をこの手で救えるなんて幻想に過ぎないし、それを改めてユリは知ったんでしょうね
それはヒーローものに於ける「確実なハッピーエンド」から背を向けた一歩踏み込んだ表現だと言えます
実際私も本誌でこのエピソードを読んだ時はショッキングで思わずタイピングの手が止まらない程でした
っていうか、無性に感想が書きたくなったんですけど
そういう挫折だったり
無力感、
どうにもならない現実という事を見事に描き切った作劇にカタルシスを感じたのもまた事実
誰かの所為には決して出来ないユリの追い込まれっぷりは見ていて可哀想になりましたが
間違った選択をしていたものはユリも含めてあの場には一人もいなかったと思います
だからこそ単なるユリだけの悲劇には留まらない、
複雑な思想交差の物語として深みを増している気がしましたね
結局は、ユリが己の「正義」を貫く為のビジョンも力もなかったのが彼女の敗因だったと思うんですけど
そんな青二才云々~なんて記述では済ませられないくらいにユリの抱えている気持ちもまた切実でね。


でも、そんな展開は決して残酷さや派手さ、話題性を集める為に選んだ展開では決してなく
そこにも「意味」はちゃんと付随していたのが更に良いなと個人的に思いました
勿論甘い物語ではないという提示的な意味合いもあったんでしょうけど
それ以上に「そこ」で終わりではないということ
「その先」を描く為に敢えてそういう展開を描いたんだといち読者として勝手に解釈しています

ディスチャージはあの場面で無残にも散ったけれど、
最後まで「正義」に殉じた志までもが散ったわけではない
彼の意思は確実に残っていく・・・けど
自動的に残っていくわけでもない
それを残していくのは、それに価値を与えていくのは、意味を見い出していくのは残された人々自身
守りたかったもの、ずっとあり続けて欲しかったものを失った事自体は「結果」であって「終わり」ではない
それを終わらせるか、それとも根付かせ続かせていくかはあくまで残された人々の役目で
要するに失っても、道筋が途絶えても残された者には「やるべき事」だけは確実に残っている
そしてそれ自体が失って悲しみに暮れている人々にとっては救いに変わる―
と、いう
ただ単に「死にました」だけではなく
「そこからどう立ち上がるか」「どうするべきなのか」もしっかりと描かれていて
むしろこの部分こそが最も描きたかった部分なんじゃないかな、と個人的には思える
そう思えるからこそやっぱりこの漫画はいいな、って 好きだなってちゃんと感じる事が出来た
しっかりと地に足が付いた目的意識を受け取る事が出来た素晴らしい2巻目だったと思います

確かに主人公であるユリを甘やかさない作劇に仕上がっていたけど、
その分、落とした分ちゃんと彼女を救済してくれる、教授をもらい一歩成長した姿を描いてくれる
そういうキャラクター想いな部分とキャラに対する誠実さも光っていたと感じました
ディスチャージの存在を、意味を残していく一員としてユリも存在している
彼の残した「正義」を彼女が貫く事が出来たなら
それに影響されて大きくなる事が出来たなら
きっと彼の存在はきれいごとじゃなく続いていく
各々の思想の中でしっかりと息づいていく・・・という凄く大切なテーマを描いてくれた気がして
その意味でもこの巻は辛くもやっぱり大切でずっと向き合い続けたい内容だと思えるんですよね
ユリが実直に泣けたのも、悔しさを口に出来たのもまた「成長」、
ヒーローのお助けストーリーとして始まった今作ですけど
同時にユリの成長物語としても機能し始めてきたのが益々好印象だった2巻目
ショッキングな展開に対してきっちり答えと救済が用意されてる手さばきに大いに感銘を受けた新刊でした
かなりへヴィな内容になってますが、その分得られるカタルシスも多いと思う。大好きですね。


個人的な話になるんですが
今年自分の大好きな表現者が他界される事が多くて
それに対して悩んだりモヤモヤしっぱなしのここ最近だったんですけど
この巻に収録されている7話を読んで少しだけそのモヤモヤが収まった感覚があり
自分のすべき事ややりたい事がちょっとだけ明白になった気がしたんですよね
影響を受けた一員として、
影響を受けたまま生き続ける事
自分の中でも、他人の中でも彼らを途絶えさせずに生きさせようと思える力
この漫画はそういう風に読み手の背中を押してくれるような力があるんじゃないかなあ、と
勝手に感じています
だから、私的には感謝してますし
これから先どんなテーマを描いてくれるのかも非常に楽しみですね
失ったからって、成す術がないわけじゃない、「生」の形は決して一つじゃない。
そんな風な思想を噛み砕いて受け取る事が出来たのがこの巻最大の収穫であり価値のある事でした。
















そして、物語は「本当の意味での平和」というテーマ
更にはいよいよ「怪獣たちの心情」という部分にも触れていく段階に差し掛かり
色々と水面下で動いて来ている思想や心情が明かされていくのもこれまた楽しみですね
非常に面白くもあり、考えさせられる部分もあり
ライトで可愛らしい絵柄とは対照的に相応の深みを携えているお話だと思います。

にしても、ユリちゃんは本当に健気で可愛い女の子ですね
読み始めた頃はミユキが一番好きだったんですが、今はユリが一番好きかもしれません
でもまあメインの3人組はどの子も素敵だと思ってますけどね(笑
VOMIC化も決定のようで、ある程度の人気はあるようでそこも何よりです。これからも応援するぞ。