2013年6月29日(土)午後 午前中の日伊学院の出版記念講座を聞いてから昼食もとらずにそのまま 地図を片手にダンテ・アリギエーリ協会東京支部へと向かいました すぐ近くですね~
今回はここ「ダンテ・アリギエーリ協会東京支部」の翻訳クラスの仲亮子氏が この学校で2人目の翻訳大賞受賞者となられたことを記念してのセミナー開催とのこと (1度目は第14回の「ひつじのメェーリンダ」です) 初挑戦で見事大賞を受賞されたというシンデレラガールでもある仲先生は それは控えめなステキな方でした:
絵本「Parola di Napoleone!」(第19回翻訳大賞テキスト絵本)の このタイトルは名詞ですが それをどのようにして動詞を使ったタイトルに直したのか ぎくしゃくしない文にどうしたらなるのか どんな辞書を使っているか 翻訳期間はどれくらいか ラストのクライマックスの一行の訳し方等々...興味は尽きず 受賞された講師の先生自らの 翻訳に苦労された箇所などをひとつひとつ説明していただき 参考になるサイトや 絵本翻訳を志す方にちょうどよい本もご紹介いただき 大変参考になりました
まずは訳す前に「講評」をよく読むこと ←私も読みました ただし訳し終わったあとで...(笑)
まずは直訳してから何度も直してゆくのですが 原文から離れないように常に原文コピーと最初の訳を手元に置いたり 声に出して読んでみたりされたとのこと
!を?に変えたり 「 」を使わずに文体で話し言葉とわからせたり 漢字とひらがなのバランスについて等々…先生から直接 絵本翻訳のコツを教えていただくことができた大変貴重な機会でした
私自身はどうも意訳をしてしまうたちなので 原文の意味からできるだけ離れないように気をつけること 同じ単語でもさまざまな意味があり どの訳語が最もふさわしいかを伊伊辞典や類語辞典その他を駆使して妥協せずに調べること 言葉を常に意識すること どれだけ作者や登場人物の気持ちに近づけるか等々を伺い これは言葉が本当に好きでないととても務まらないなぁ…楽しくイタリア語を話して通じてそれでおしまいっ!というタイプの私には 翻訳はなかなかに根気のいる奥が深い世界なんだなぁ...と痛感し 自分の小ささに恥じ入った次第です(-_-)
地元の「いたばしボローニャ子ども絵本館」(イタリア語のみならず各国語の絵本がたくさんあります 貸出はできませんがここで読めます)で翻訳ボランティアを長年させていただき 8月17日(土)~25日(日)の成増アートギャラリーで開催される「ボローニャブックフェアいたばし」の抄訳作成のために ちょうどこの前日に絵本の選定に行き 受賞作品の翻訳も読んできたので さてこれから抄訳作成に取りかかるその前にこうして大賞受賞者の貴重なお話を聞くというグッドタイミングに恵まれたことに大変感謝しております
また この日は検定や翻訳大賞等にとても意欲的な方たちと出会えて 大いなる刺激を受けて本当に嬉しかったです あの絵本の時は難しかったよね~等々 苦労を分かち合える初めての出会いでした
モチベーションを保ちながらずっとこれからも勉強し続けてゆきたいので CILSやPLIDAの試験当日の大変ハードな一日の様子を伺えたのは収穫でした! ←これはもはや体力勝負ですね(+_+)
これからも青い鳥を探して頑張りましょう!!
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セミナーのあとはダンテ・アリギエーリ協会のMarco先生からイタリアのスプマンテとオリーブ等の軽食をふるまわれつつ 翻訳談義や サイクリング雑誌に掲載されたマルコ先生の写真を拝見させていただきながら(すごくカッコいい!実はこの学校では「自転車ファンのためのイタリア語会話教室」というのを開催しています) 講師の先生を囲んで愉しいひとときを過ごさせていただきました 終了時間を過ぎても全く構わずに(笑) ここはさすがとてもアットホームな学校だなぁと感じ入りました(^_^)
「たくさん本を読まなければよい翻訳はできない」 とのマルコ先生の言葉を大切に心にしまっておきます
また 楽しい講座も色々ありますし 自分の通っている学校だけでなく あちこちの学校の単発講座等に出ればまた違った新しい出会いも刺激もあり その都度自分の「立ち位置」というものを振り返り確認し前に進むこともできるのではないかと思います
いろんな方のレッスンをどんどん受けて 初対面の先生や生徒さん達と出会い 新しい刺激を受けてゆかないと 立ち止まり淀んでしまう気がするのです (それはドイツ語を学んでいた時に同じ先生と同じクラスメートのまま何年も習っていた私が 違う先生になった時に大ショックを受けた時にそう感じたことがあるのです)
素晴らしいセミナーを開催してくださいました ダンテ・アリギエーリ協会様 講師の仲亮子先生 そして参加者の皆様に この場を借りまして心よりお礼申し上げます
開催のおしらせは こちら
「いたばしボローニャ子ども絵本館」は こちら
「ボローニャブックフェアいたばし」昨年のリポートは こちら

