日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

人間になったピノキオが 昨日までの自分だった木の人形の抜けがらを見た時のような(2017.12.2)

2017年12月30日 | イタリア語
人間になったピノキオが 昨日までの自分だった木の人形の抜けがらを見た時のような(2017.12.2)


イタリア語スピーチコンテスト出場という大舞台を終えた直後 会場でイタリア語仲間に貸してあった伊検過去問数冊を返してもらった時 私は思わず声にならない叫び声を挙げそうになった...

そのぼろぼろの伊検過去問数冊はまるで 昨日まで自分が入っていたサナギの抜け殻のように見えた それはまるで 人間になったピノキオが 昨日までの自分だった木の人形の抜けがらを見た時のような感覚だった...

10年かけてここまでやってこれた 歩いてこれた 書き込みや付箋だらけでぼろぼろになった伊検過去問を久しぶりに見た時の 私はこんなことをしてきたんだという驚き 自分なりに完璧なスピーチと質疑応答を無事終えてようやく肩の荷を下ろしたその時 昨日までの古いサナギの抜け殻を見た瞬間の声にならない驚き それは本当に 忘れられないものでした...


そしてまだまだ道は続きます さらなる高みへと...

スピーチコンテストには10名ものイタリア語仲間たちが聞きに来てくださいました 忘れられません その他にも多くの仲間たちが練習を聞いてくれたり応援してくださいました 

試験を受けて切磋琢磨した仲間たち 同じクラスで学んだ仲間たち サークルのみんな ブログやイベント等で知り合った人たち あちこちの語学学校で出会った人たち そして先生方... この10年で随分と多くの出会いがあった 自分もまた成長してきた

2013年
実用イタリア語検定2級に一発合格 2014年に昔取った杵柄の独検準1級一発合格 2015年に初めてイタリア留学フェアでサルデーニャ校のブースを担当 そして2017年イタリア語スピーチコンテストに初出場と 留学わずか1週間でこの年齢の私が 自分なりに全力で積み上げてきた


でも 何もしていないとどんどん落ちてしまう 同じところにいてはだめだ 上に登ってゆかないとキープすら難しくなるから さまざまな出会いを通じて刺激を受け続けてゆきたい

目標に向かって歩く仲間に出会うと 私もまたエネルギーがみなぎるのを感じる こうしてはいられない!!


皆様 来年もどうぞよろしくお願いいたします

* 写真は イタリアに行く直前の友人と会って昨日食べた千疋屋のフルーツワッフル♪

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「デンマーク・デザイン展」に行って「ヒュッゲ(hygge)」を感じてきました(2017.12.20)@損保ジャパン美術館

2017年12月28日 | 美術館・博物館
「デンマーク・デザイン展」に行って「ヒュッゲ(hygge)」を感じてきました(2017.12.20)@損保ジャパン美術館
 

行ってきましたクリスマス前の「デンマーク・デザイン展」!!

12月10日欧日協会の「2017年を振り返って」の恒例セミナーで 今年流行った言葉として出たのですよ hyggelig ← デンマーク語からの外来語で 「ヒュッゲの」つまりドイツ語でgemütlichkeitを指す言葉です 
主に若者に使われているhyggelig は居心地のよさを表す言葉で 暖炉の前に座り本を読んだりお喋りしたり...という まったりした時を持つというわけ(#^.^#)
この単語が即分かったのはクラブツーリズムの世界遺産講座の北欧編で「ヒュッゲ」について習ったのでピンときた!

 *       *        *

デンマークは 北欧デザインの中でも数々の巨匠を輩出し続けるデザイン大国なのだそうです
シンプルな美しさと機能性 技術力にすぐれた高いクオリティが特徴で 誰もが良質で快適な住まいを持つことを推奨してきた福祉国家だからこそなのですね!

19世紀から ミッド・センチュリー(20世紀中頃)に至る 家具 食器 証明器具等を見てきました

第1章 国際的評価を得た最初のデンマーク・デザイン

ここではまずロイヤルコペンハーゲンの19世紀の磁器等が展示されており 歴史を感じました

第2章 古典主義から機能主義へ
深皿やピッチャー等 またテーブルランプ そしてテキスタイル等がありました

第3章 オーガニック・モダニズム - デンマーク・デザインの国際化

ここでは Y字型チェアがとても大きくて 初めてオーガニック・モダニズムを知りました
そして アーネ・ヤコブセンアントチェアは 背中と椅子の部分が初めて一体化した形の椅子とのことです 1952年に作られました
彼は デンマーク古典主義からインターナショナル・スタイルに移行したのだそうですが そのデザインがとても気に入りました! 頭の両側のスペースが大きく取られていて安心♡

また デンマーク生活協同組合連合会の家具開発部門責任者のバアウ・モーウンスンが 安価でよい椅子を設計したことも知りました

なんといっても ポウル・ヘニングスンペンダント・ランプの形が松ぼっくりに似ていて 光がちゃんと下の方にやさしくあたるような形になっているのですよね... この板の角度がなんともいえず優しく感じました♡

ヴェアナ・パントン
は チラシにもある真紅のハート型のハートコーンチェアを作りました これは目を惹きましたね~

デンマーク・モダニズム
は1970年代に始まった シンプルで使い勝手がよいデザインです 小物やブローチ カトラリーや台所用品などもありました こんなキッチンに憧れます( *´艸`)

レゴブロック(無限連結式ブロック玩具)もありました 懐かしいですね~ レゴは leg godtよく遊べ」というデンマーク語(Danish)から来ているのだそうです


第4章 ポストモダニズムと現代のデンマーク・デザイン

ナナ・ディツェルは女性設計者で トリニダード・チェアは 休暇で訪れたカリブの島の椅子のイメージだそうです 

そして最後の特別出品コーナー ここで実際に座ったチェアは 外国の方の身体に合わせた大きなチェアでうっとり... そしてそのうしろの壁には テキスタイルタイルが貼られていて 壁という空間を立体的にアレンジしたKVAdrat(クヴァドラ)社のウールの感覚に なんともいえず魅せられました...  

   ← テキスタイルタイルは まるであじさいの花畑みたい...♡

年末のせわしなさが一瞬ふっとんだヒュッゲのひとときを 忘れません...

デンマーク・デザイン」展は こちら ← 12月27日(水)で終了

 *       *        *


さてでは 2017年11月25日に放映された「世界ふしぎ発見!デンマーク」についてです:

デンマークは 国民(260万人)の幸せ度が高い 「世界幸福度ランキング」で2016年1位(2位はスイス) 2017年2位(1位はノルウェー)なのです 日本は51位

税金は高いがきちんと反映されていて 教育費・医療費も無料 選択の自由があり ただし物価は高い (ペットボトルの水が400円くらい) 消費税25% 国民負担率70%(直接税、社会保障費) という高負担・高福祉の国です
 
暖炉のあるリビングで ゆったりと家族と過ごすのが「ヒュッゲ(hygge)」とのこと 

デザイン王国デンマーク 森の幼稚園 スモーブローという名物オープンサンドイッチ  

自転車専用ハイウェイ(首都圏13エリア)があり通勤・通学は半数が自転車  2050年までに化石燃料廃止を目指している

クリスチャニアバイクという 子どもや荷物を載せるリヤカーのような自転車もある
自転車専用のスマート信号もつく 逆に自動車税150% 通勤時間が2/3に減り 医療費や環境保全費が削減されたという マイナスをプラスにするのがデンマーク流

スーパーキーレン
に5年前にできた公園は 50か国以上の住民の出身地を象徴する遊具を取り入れたところ 治安がよくなり住民の交流のきっかけとなった 日本からはタコの滑り台♪

住宅ローンの優遇制度
があり 蚤の市で家具も揃う 広々とした家 週末の家族でのお菓子作り 平日は午後3~5時に仕事から帰宅 ←うっそ~デンマークはみんなそうだって!!古代ローマ時代も午前中しか働かなかったし(笑) 

教育費も貯金していなくて 大学生は生活費も税金から出る 「税金が高くとも有効に戻ってくるなら暮らしに支障はない」とのこと 

ヒュッゲ(hygge)
とは: 居心地がよいこと ささやかな幸せを大切にすること 日常の大変さからの避難 なのだそうです

(日々ただ忙しくしているだけの私たち日本人は...とても到達できないと思う...)

相席食堂で見知らぬ人とおしゃべり 子どもと老人がゲームをしたり 政治の思惑を超えた人々のつながりが ヒュッゲの一つでもあります
 
2017年
日本とデンマークの外交樹立150周年 ロイヤル・コペンハーゲンも記念に日本の植物のモチーフを発表 

19世紀の敗戦 領土減少から立ち直ったデンマーク人の強さを表す言葉は「外で失ったものは 内に見つかるだろう」(作家 ホルスト) とのこと
酪農大国となったデンマーク ロラン島のオーガニック農園の 伝統を取り戻し 豊かな大地を取り戻す試み デンマークの古代から続く茅葺き屋根に使うススキは 日本からの養殖 

そんなデンマーク人の強さを作るのが 実は「森の幼稚園」なのです
子どもたち(25人いた)は 広い森の中で自然と遊び のこぎりやペティナイフやスライサーを平気で使ったりしますが 大けがはないとのこと 文字も計算も小学校入学まで教えずフルに五感を使い鍛えて 人と自分が違うことを学ぶのだそうです

独身の30才男性には 胡椒が贈られるのだそうです 人生にスパイスを!!とのこと(笑) 

また 広島市は 日本にヒュッゲを伝えてきており 広島アンデルセンのパン屋さんが紹介されました ここのデニッシュがデンマークに里帰りしているそうです♡
2030年までに現金が廃止されるとのこと これにはビックリ!! キャッシュレス社会は犯罪が防げるからだそうです

* 写真は デンマーク・デザイン展の入り口 ここで記念撮影しました♪

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「マルコの世界」展&高畑勲氏トークショーの思い出(2016.12.17)@イタリア文化会館

2017年12月26日 | イタリア映画・映画
「マルコの世界」展&高畑勲氏トークショーの思い出(2016.12.17)@イタリア文化会館


もう一年たってしまいましたが 昔大好きだった「母をたずねて三千里」のトークショーの思い出を 記録に残しておきますね:

この日は年末三連チャン!! 夕方2つめのイベントを終えてそのままダッシュでイタリア文化会館へ...((+_+))

30分くらい遅れて着くと満席 でも最初に第2話の上映のため トークを大幅に聞き逃すことなく助かりました 第2話はLPにも収録されていて 若い頃に何十回となく聞いていたのです(^_^)v


      *       *       *

(途中からですが) 「アルプスの少女ハイジ」のためにスタジオをズイヨーに移り 同じメンバーで作った 「フランダースの犬」の企画はラストに主人公が死ぬと聞きビックリした その次は「母をたずねて三千里」と名作路線の予想はついた 

クオレ」を読んでいて 少年の非行の話などけっこう暗い話があった 
貧しさの中にあった当時(19世紀末)のイタリア人のアイデンティティを イタリアのネオリアリスムをベースに描こうじゃないか となったのです

母を探すというのは口実のようなもので(会場笑) 一話一話さまざまなトラブルを解決してゆき成長してゆく話で 一宿一飯の恩義を感じた主人公が ヒューマニズムのために動く話ですね

原作では父親のピエトロはただの貧しい人だったが 脚色で 貧者のための病院を作る運動をしている人という設定にした 日本でもそういう病院はあった 

会場からのQ&A:

Q: ロケハンに行き 強い現実感はロケハンあってこそのものと感じたが...
 
宮崎駿氏の才能を刺激した 彼の空間のつかまえ方の能力を見せつけられた
 下町の縦の街の描き方とか...急斜面にはりつく街に憧れていた フランス映画「赤い風船など

太陽の王子ホルスの大冒険」では意識的にカメラを動かしていった でもテレビシリーズでは描くのが大変だから カメラはできるだけ動かさない フィックスのショットで描いた

日常的な描写 学校に行く 下町の人々 お釣りの渡し方 火をつけたり水汲み等 料理を手伝うシーンなどは テレビシリーズだから描き込めた 映画だったらそんなの描く余裕はない 
イタリアの建物は外は昔のままですが 中は改造して住みやすくしてある いろいろな手を使って日常のシーンを見せてもらえるよう努力しました 文献や研究者の話を聞いたり...

それらを描いてゆけるような話を作ろうとしたのです 

また ペッピーノ一座やフィオリーナを出したり バイアブランカに行く話を盛り込んだりと シリーズを膨らませてゆきました 

フランダースの犬のネロ少年は可愛げがあるが マルコ少年は誇り高く自立心が旺盛で 言ってみれば可愛げのない 同情されにくい少年ですね 

つらい話をつらい顔して描くのは実に大変なことで 第一話は僕も前回の小田部氏同様の感想ですが 第二話は比較的明るい話で お母さんがアルゼンチンに行ってから一年たった日常を生き生きと描く話でしたからね

また 第一話ラストで 港でだまって立ちすくむマルコ少年の硬い表情がずっと続きますが ヘタに動きを入れるよりいい それにしても失神したり 見ていてつらいシーンを...


その他 イタリア語やフランス語はできません キャラクターの名づけは監督の役得 (フィオリーナは"お花ちゃん"と言う感じの名づけ) あまり本を買って調べることはせず 創造で補う (おつりを籠に入れて窓からひもで降ろす、狭い階段ですれ違うシーンなど)
帆船の構造を自然に頭に入れてしまうような宮崎駿がいなければできなかった作品 

また 働くシーンが多いのは 描きがいがあるからです 意識して入れたのです 働きながら話す方がやりやすい ただ喋るだけよりも描きやすい 

実写を撮りたいとは思っていません ドン底に落ち込んだ時などは 「この制限の中で精一杯やった」ことで乗り切ってきた 団結が崩れると全体がこわれますから 自分だけずるしようというのはダメですね 

ロケハンでは アルゼンチンは食べ物もよくなくて平原ばかり続き イタリアに行ったら料理はおいしくて景色も凹凸があって美しくて 嬉しかったですね 等...

以上 実は 私は初めて高畑勲監督を直接見たのですが 若い頃に監督のご親戚の方とご一緒したことがあります なので初めてという気はしなかったです♡ 

お知らせは こちら

小田部洋一トークショー」リポートは こちら


素晴らしいイベントを開催してくださいましたイタリア文化会館様に心よりお礼申し上げます
記事が遅くなってしまい申し訳ありません(/_;)



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ピアッッアイタリアのクリスマスパーティーでモデナ産のバルサミコ酢がTombolaで当たりました♡(2017.12.10)@高円寺ピアッッアイタリア

2017年12月24日 | イタリア料理・イタリアン食材
ピアッッアイタリアのクリスマスパーティーでモデナ産のバルサミコ酢がTombolaで当たりました♡(2017.12.10)@高円寺ピアッッアイタリア

ピアッッアイタリアのクリスマスパーティーに初めて参加してきました!

今ここで月1回くらいの「古代ローマ歴史講座」に出ているので 知り合いもできたし...

この日は午前中に欧日協会の毎年恒例の「2017年を振り返って」のセミナーで たっぷりドイツ語を聞いてきました(^O^)/

クリスマスパーティーは 今年は学校で開催され(レストランで開催の年もあるとのこと) 40名くらいが各部屋で食べたり飲んだりお喋りしたり... ここはとてもアットホームで イタリア旅行好き サルデーニャ好き(サルデーニャ出身の先生が2名) 古代ローマ好きの方が多い感じがします♪ 

← 高円寺駅そばなので便利♪

小さい学校なので すぐに誰とも話ができて仲良くなれて この日は私もナポリ出身の先生に早速「ナポリピッツァの無形文化遺産登録おめでとうございます!」と 新聞記事を翻訳して仕入れたばかりの語彙を最大限に駆使してお話してきました(#^.^#)

そしていよいよトンボラ(tombola)!! 先生から日本語で説明があり 横一列に3つ(terno) 4つ(quaterno) 5つ(cinquina) そしてすべての数字が出たらTombola!! と叫び 数字をチェックしてもらい景品ゲット!! いい数字が出るのを待っていたら景品がなくなっちゃうぞ!! といっても40名に対して10個以上の景品があります♪

私ってばくじ運悪いんだぁ~ と半ばあきらめていたところに...なんと5つ (cinquina)をラストから2番目にぎりぎりゲット!! な なんとモデナ(Modena)産のバルサミコ酢 IGP(地理的表示保護認定商品)を 景品にいただきました~(^O^)/



すっごく嬉しかった... 初めてです♡ なのでGiovanni先生とツーショット(笑)

まっ スピーチコンテストでは入賞できなかったんで 代わりにご褒美かな??
ほくほくで家路につきました クリスマスパーティーは まだまだえんえん続いていたようです(笑) 

  

また1月のローマ歴史講座でお会いしましょう!!

クリスマスパーティーのお知らせは こちら


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第3回フォスコ・マライ―ニ賞(Premio Fosco Maraini)授賞式リポート(2017.12.7)@イタリア文化会館

2017年12月22日 | イタリア関連の催し

第3回フォスコ・マライ―ニ賞(Premio Fosco Maraini) 授賞式リポート(2017.12.7)@イタリア文化会館

スピーチコンテスト出場の余韻冷めやらぬ12月7日(木) 行ってきましたイタリア文化会館の「第3回フォスコ・マライ―ニ賞 授賞式」!!

2013年に設置された「フォスコ・マライーニ賞」は 1978年に創設し 2007年に中断された「マルコ・ポーロ賞(Premio Marco Polo)」を継承するもので 日本におけるイタリア文化への理解と関心を促進することを目的としています

第3回受賞作は 委員長の和田忠彦氏をはじめ 西谷修 小佐野重利 尾崎真理子の各氏で構成される選考委員会により 2015年7月から 2017年6月の間に出版された 日本語によるイタリアに関する優れた著作の中から 中谷惣著『訴える人びと : イタリア中世都市の司法と政治』(名古屋大学出版会、2016年)が選出されました

私的な利害関係を動機に市井の人びとが法廷に立ち その訴えを通して正義と公共善の結びつきを絶えず更新していく様を 未踏査の裁判記録の綿密な資料調査に基づいて明らかにしていく研究書です

本は こちら


受賞の言葉で印象的だったのは 氏の12年間の研究の成果だということ またそして 氏がルッカ古文書館(Archivio di Stato di Lucca)で 14世紀の裁判の記録をひたすら読み続けたその際の描写 羊皮紙のカバーの匂い 14世紀の紙の匂い インクを乾燥させるための砂がページの隙間からぱらぱらと落ちるさま 中世の空気を ページとページの間に感じながら読み進めたこと... その様子が目に浮かびました

この時代の市井の人々の裁判の記録は ひとつひとつは小さなことでも 大きなスパンで見てみると 時代の変化が見えてくる それを一冊の本にまとめたとのこと 
そしてタイトルを「訴える人びと」としたのもまた 市井の人々の記録をまとめることで やがて司法や国家の形を変えてゆくきっかけになるのではないかと思ったとの言葉に ご家族や支えてくださったまわりの方々への感謝の思いとともに 感銘を受けました

授賞式のあとにはビュッフェが行われ 私はそのあとすぐに 自分が元いたクラスに行って 元クラスメートに自分の今回のスピーチを聞いてもらい 先生ともお話しました♪ そのあとは引き続き「伊東マンショ」の上映会です 

素晴らしい賞を受賞されました研究者 中谷惣様の 今後のさらなるご活躍をお祈り申し上げます 

第3回フォスコ・マライ―ニ賞 授賞式 開催のお知らせは こちら


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バチカン博物館修復中にラファエロの絵画2点を発見!!(2017.12.15)

2017年12月20日 | イタリアのニュース
バチカン博物館修復中にラファエロの絵画2点を発見!!(2017.12.15)Sorpresa di Natale ai Musei Vaticani, spuntano due Raffaello inediti

ローマではよく 地下鉄工事中に遺跡が見つかったりすると 工事が中断したりするそうですが 今回はなんと ラファエロ(Raffaello Santi/1483~1520)が亡くなる前の年に描いた2枚の最後の絵が 修復中のヴァチカン美術館で発見されたというニュースです!!

正義」と「友情」を表す2人の女性で 未完成のままラファエロが亡くなり 他の芸術家が内壁の装飾を仕上げ この絵のことはずっと忘れ去られました

ローマ法王ユリウス2世から装飾画の依頼を受けた彼は 4部屋目の「コンスタンティヌスの間」は フレスコではなく油彩の計画を考えていたと ヴァザーリの「芸術家列伝」にあり それがこの発見につながりました

修復作業員らが今年この壁を掃除し始めたところ この2人の女性が油彩であると気づき 調査の結果 特有の筆遣いや色彩などからラファエロの作品とわかったのだそうです

ニュースは こちら

      *     *      *

イタリアでのニュース "Sorpresa di Natale ai Musei Vaticani, spuntano due Raffaello inediti(ヴァチカン美術館でのクリスマスのサプライズ、未公開のラファエロの2枚の絵現れる)"は こちら



i restauri della Sala di Costantino コンスタンティヌスの間の修復

Il tocco è inconfondibile タッチは間違えようのない

Due dipinti di donne, una raffigurante la Giustizia e l’altra l’Amicizia 「正義」と「友情」を表す2人の女性

due capolavori restare nascosti per oltre cinque secoli 2つの代表作が5世紀もの間隠されたままでいた

papa Giulio II
commissiona a Raffaello gli affreschi dei suoi appartamenti privati ユリウス2世がラファエロに 私室にフレスコ画を描くよう依頼する

portare a compimento 完成に導く
“stanze di Raffaello” 「ラファエロの間」
la Scuola di Atene アテナイの学堂

restare incompiuta a causa della sua morte prematura 彼の早すぎる死によって未完成のままになる

raccontare Giorgio Vasari nelle sue “Vite dei più brillanti pittori, scultori e architetti” ジョルジォ・ヴァザーリが彼の『画家・彫刻家・建築家列伝』で述べている

iniziare a lavorare ai dipinti di due figure femminili, sperimentando una nuova tecnica di pittura a olio 油彩の新たなテクニックを実験しながら 2人の女性を描き始めた 

elemento a confermare la paternità delle opere 作品の作者を確認する要素

tutti i dipinti erano realizzati con la tecnica della pittura a fresco すべての絵がフレスコ画のテクニックで描かれていた 

A fornirne ulteriore prova そこにさらなる証拠を提供するのは

le verifiche con i raggi infrarossi  赤外線での検査

Basta guardare la delicatezza con cui delinea le onde dei capelli
髪の毛の波うつ輪郭を描く時の繊細さを見るだけで十分だ

i musei Vaticani possano ancora stupire con dei capolavori nascosti ヴァチカン美術館がまだ 隠された名作でもって驚かすことができる

chi lavora al recupero e alla conservazione degli affreschi tiene sempre gli occhi ben aperti フレスコ画の補修・保存に携わる者は 常によく注意している


ラファエロの最後の作品2点が バチカンの清掃・修復中に見つかるとは...スゴイですね( ゚Д゚)

年の終わりにいいニュースでよかった♪

* 写真は ヴァチカン美術館のパティオ



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「地理でバッ地理交流会」に参加して東京都庁展望台からの景色を眺めてきました(2017年夏)@クラブツーリズム交流会

2017年12月18日 | 日本文化紹介
「地理でバッ地理交流会」に参加して東京都庁展望台からの景色を眺めてきました(2017年夏)@クラブツーリズム交流会

地理教師を長年務められ「地理バッ地理塾」等を主宰されていらっしゃる とてもエネルギッシュな澤内先生(クラブツーリズムテーマ旅行部アドバイザー)の 「小中高の地理は忘れてください」との言葉に惹かれて受けてきました「地理でバッ地理交流会」!!

「地理とは 地球理解 地域理解 地縁理解のことです」とおっしゃる先生はまず 「バッ地理NEWS」(NEWSとは東西南北の英語の頭文字です!)と称して パンダの赤ちゃんのニュースやトリビアの数々をご紹介くださり 日頃はミサイル等のニュースに触れていた私はとっても癒されました ^^) _旦~~

10秒ハンバーグ」を出すという久留米のハンバーグ専門店は 駐車場に停まった車の人数を見てもう焼き始めるから「10秒」で出てくるのだそうです!!
ドローンタクシーVolocopterや バッテリー不要の携帯の登場 はたまたたこ焼きを作っちゃうロボットに品川プリンスのルームサービスロボットの登場...水上バスで荷物を宅配 水陸両用車などなど いや~ほとんど知りませんでしたトリビア!!
 
次なる衝撃(?)は 5テーブルに分かれての「江戸東京バッ地理〇✖クイズ」で 10問中4問しかできなかったこと..."(-""-)" 9問取れたテーブルにはもしかしたらボランティアガイドさんがいらしたのかも...??

東京消防庁のビルの高さが実はある番号と同じであること その他東京タワーや 表参道の傾斜 日本橋の字を書いた将軍 隅田川花火大会を始めた将軍等... 

次は地図の見方を教わり それぞれの地元の川や池の由来を調べるとよい ブラタモリよりもずっと前からクラブツーリズムでは まち歩きの旅をやっていた等伺いました

まち歩きのポイントは 自分ごと 生活にメリットがある 知のルーツを探るということ 暮らしの舞台を歩く人間観光 生活観光なのですね 時間 空間 仲間を大切に ひとりで地図を手に歩くのもよいが 何人かの仲間でおしゃべりしながら歩くのが楽しいとのお話に つい先日イタリア人3名をアテンドした谷中七福神めぐりのことを思い出し 丸一日歩き疲れたけど良い思い出で 友人も増えました♡

わが町を知る 魅力を共有しよう 地理 地図 地名がポイント とのこと
その他 青梅街道について 日本橋の次に 内藤新宿ができたエピソード 新宿三丁目にあった追分 そして追分団子が江戸時代からあったこと等...を昔の地図を見ながら聞きました


その他 まち歩きを地域イベントに取り入れよう 文化財マップやハザードマップなどもできます との提案 さらには各区には必ずその区の博物館や資料館などがあるので活用してとのこと 

中学で教わった地図の記号や地図の種類あれこれ 様々なトリビア 隅田川が昔は浮間公園を通っていたこと(時々行きます 知らなかった~) 世界一早い初日の出が拝める国はどこ? 明治神宮がどのようにできたか 伊能忠敬の作った江戸時代の地図は今のものとほぼ変わらず 彼は50才で地図作りを始めたのだそうです! 

記念写真のあとはみんなで東京都庁(新宿アイランドウィングから歩いて数分)の展望台に上り またまた詳しいご説明をいただきました 話がつきません♪

← いざ 都庁へ!!


六本木ヒルズの名前の由来 東京タワーを作った前田氏は貧農の出であり 次にマザー牧場を作ったが 病で亡くなった母の思いを受け継いで作ったので「マザー」牧場というのだと...  

このあと解散となり じっくりみっ地理(!)みてまわり そのあと1階の観光PRセンターで各県と各区のパンフレットを 自分が行きたいところ 世界遺産のあるところや候補地のパンフレットを中心に たくさんいただいてきました♪ 世界遺産検定前なので実にいいタイミングでした!!

  ← 都庁にある大熊手

都庁展望台は こちら

観光PRセンターは こちら


← 都庁のロビー

素晴らしい交流会を開催してくださいましたクラブツーリズム㈱様に 心よりお礼申し上げます
 
*     *    *

東京都庁(西新宿) Uffici governativi di Tokyo (a Nishi-Shinjuku)

高層の展望台からは 富士山から東京湾までの眺めが広がります
Dal belvedere molto alto  si estende la vista dal monte Fuji fino alla baia di Tokyo

摩天楼 Grattacielo
明治神宮 Santuario Meiji
花園神社 Santuario Hanazono
映画館街 Sale cinematografiche (angolo di Kabukicho)


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「レオナルド・ダ・ヴィンチとかくれキリシタンの聖画 -《洗礼者聖ヨハネ》像を「読む」-」を聞きに行きました(2017.9.30)@星美学園短期大学イタリア文化講座

2017年12月14日 | 日本文化紹介
「レオナルド・ダ・ヴィンチとかくれキリシタンの聖画 -《洗礼者聖ヨハネ》像を「読む」-」を聞きに行きました(2017.9.30)@星美学園短期大学イタリア文化講座


来年に もしかしたら長崎の教会群が日本の22番目の世界遺産に決まるかも...と思っていたので その観点から楽しみにしていきましたが お話を聞くうちに隠れキリシタンの長きにわたる苦悩が伝わってきて しかも星美学園というカトリックの学校で開催されたとあって 帰り道の坂を下っていたら 坂から見える風景が 若い頃行った長崎の風景に何となく見えてきてしまいました...

講座はまず レオナルド・ダ・ヴィンチの《洗礼者ヨハネ》と 他のいくつかの洗礼者ヨハネ像を比べることから始まって まずはイタリア・ルネサンスの絵画表現について考察しました

サインも何もなくてどうやって当時 誰がいつ何を描いたのかを突き止めるために 何が必要だったのか... 後世の我々は 美術館に行ってプレートに書いてある絵の説明を読めばいいわけですが...
というわけで 講師の先生に習っている学生さんたちはまず 何も説明を見ずに 先入観なしに絵を見て自分なりに説明してゆくディスクリプションという作業を しょっぱなからやるのだそうです 確かに必要な能力ですよね!

アトリビュート(attribute) 
これはペテロであれば鍵 聖人であれば光輪...といったように 対象物でその人物を象徴するもので 持物(じぶつ)ともいいます

イコン(ICON)
 これは標識で イコノグラフィー(iconography)は図像 何かの意味内容を表す画像 それらの解釈をするのが図像学です

 ← ダビンチの「洗礼者ヨハネ」

この絵を見ると ラクダの毛皮 指を天に向ける 背景が黒 モデルは弟子? 中性的に若く描かれており 他の画家の伝統的な描き方による作品とは違う等... そしてヘロデ王の娘サロメは イエスに洗礼を授けた洗礼者ヨハネの首を求め ヨハネは斬首されたといいます
王の肖像画として描かれた「ヨハネとしてのフランソワ一世」(ジャン・クルーエ)についてのお話が興味深かったですね


次に 日本独自の図像表現がみられる一枚の絵を見ながら 前述の学生の課題のように何の先入観もなしに 何が描かれているかを箇条書きにしてから 順次その謎を紐解きました

最初は何の絵かわかりませんでしたが...
男の着物の柄等は 椿の花と思われる花が描かれていること 椿の花は ぽとりと落ちることから斬首をイメージし 赤い色も殉教をイメージさせるとのこと

手に持っているのは? と 順番に見てゆくと それが長崎県の「かくれキリシタン」の聖画《洗礼者ヨハネ》の絵であることがわかります 川はヨルダン川 杖は雲の上にある小さな十字架と同じ色 なるほど~ 絵の技術よりも何よりも 信仰の強さから発せられるものが人の心をとらえるのですね 


ここでドイツの好きな私は ラファエロの「システィーナのマドンナ」が 宗教画が禁じられていた旧東ドイツ時代に クリスチャンの家に飾られていたのと同じだなぁと感じました この絵だけは芸術性が高く 唯一認められていたためです

そして次に 講師の小倉先生の 非常に体力のいる 平戸と生月島のフィールドワークのご報告に移りました

中ノ浦教会堂の窓の上(西洋の教会ではちょぅどステンドグラスが貼られている部分)には その椿の絵が描かれ さらに天井にはと思われる絵が描かれており これを発見した時の驚きが伝わってきました

そして 生月島の教会堂 黒島教会堂(黒島天主堂)など 潜伏キリシタンの教会についての貴重なお話を教えていただきました


お掛け絵
と呼ばれる 隠れキリシタンの民家での隠された祭壇に 聖水がお供えされ 上記の絵が飾られていたそうです

さらに聖地中江ノ島におけるサンジュワン(聖ヨハネ)信仰の可能性について探りました 中江ノ島には断崖絶壁があり その崖で取った聖水をお供えするお水取りの行事があります

  ← 中江ノ島 この断崖絶壁で聖水を取るという


一日数本しかないバスに乗り ようやく歩いて殉教の浜である根獅子ヶ浜に出た時の感動や 海の中の昇天石を見つけた時のエピソード チチャの木は出エジプトと似ていること バスチャンの椿(聖木)のこと だんじく様のお話 アントー様という民家の中にある殉教の碑 ガスパル様の松(聖木)等...実際に行かれただけあってすごい迫力でした 書かれたものがあると弾圧・処刑されてしまうため 伝承だったのですね 
イタリアでは キリスト教は 313年にローマ皇帝コンスタンティヌス1世によるミラノ勅令によって公認され 長かったキリスト教迫害に終止符を打ったのですが 日本では 1549年にF.ザビエルの来日で布教が始まり 1614年に江戸幕府により禁教令が敷かれ 1873年の明治政府のキリスト教解禁後に 多くはカトリックに復帰しましたが 長崎県などには先祖を重んじて 今でも隠れキリシタンが存在します  

また隠れキリシタンを描いた遠藤周作原作の「沈黙」という映画もご紹介いただき これは長崎の教会群を見に行く時にはこの映画見てからがいいなぁ~と思いました ちなみにオラショというのは キリシタン用語で「祈り」の意 ラテン語オラシオ (oratio) に由来します

ある家に来た男と結婚して子供も生まれたのでもう大丈夫と思って隠れキリシタンだと打ち明けたら 翌朝密告され捕えられてしまった話もしていただきました 切ないですね...

受講者の中には長崎に詳しい方もいらして 人数もけっこう多く大変充実した講座でした 今年度はとうとう全講座に申し込みました♪


このあとに開催された星美学園のイタリア文化講座は「宗教に揺れるイタリア
-移民の急増、イスラムとの向き合い方-
」(10/21) そして「未来派の身体感覚と舞踊 -前衛芸術運動のイタリア的身体観-」(11/18)です

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(世界遺産候補)については こちら


「~かくれキリシタンと聖人信仰~」は こちら

講座は こちら


素晴らしい文化講座を開催してくださいました星美学園短期大学様に心よりお礼申し上げます。

* 写真は 中ノ浦教会堂 

*おまけ
上半身裸の女性肖像画、「モナリザ」の習作か?」パリで見つかった女性の絵がダビンチの習作か? ルーブル美術館の専門家が鑑定を進めているとのこと( ゚Д゚)

ニュース(2017.10.1)は こちら


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ナポリピッツァがユネスコ無形文化遺産に登録!!(2017.12.8)La pizza napoletana patrimonio Unesco

2017年12月10日 | イタリア旅行・世界遺産

ナポリピッツァがユネスコ無形文化遺産に登録!!(2017.12.8) La pizza napoletana patrimonio Unesco: premiata l'arte del pizzaiuolo



2017年12月7日(木) 韓国南部の済州(Jeju)島で開催された世界遺産委員会で とうとうナポリピザの職人「ピッツァイオーロ(pizzaiuolo)」たちの技が ユネスコ(UNESCO)の無形文化遺産(Intangible Cultural Heritage of Humanity)に登録されることに決まりました!! 本当におめでとうございます!!

私も ナポリに行った時に Da Micheleにナポリピッツァを食べに行ったり AcciGUSTOの「真のナポリピザ協会・日本」のセミナーを聞いた時に署名してきましたので と~っても嬉しいです(#^.^#)

薄くて丸いピザ生地を空中に回し投げるのは あれは空気を混ぜ込むためとのこと その技はナポリで何世代にも渡って受け継がれてきました そして仲間同士の言葉のかけ合いや 歌や物語等も含めた由緒ある儀式のような姿となって 客のカウンターとピザ焼き窯が まるで舞台の代わりとなるような雰囲気でした

農林相はツイッターに「勝利!」と書き込み 「イタリアの食とワインという文化遺産を守るためにまた一歩前進した」と喜び 委員会に出席した前農林相も ツイッターに「ナポリのピッツァイオーロの職人技、万歳!」とのメッセージを投稿したとのこと

ナポリは今 お祝いムードのただ中!!

ニュースは こちら


ナポリでもお祝い!! のニュースは こちら 

     *      *      *

さて イタリアでは...
    

イタリアのニュース"La pizza napoletana patrimonio Unesco: premiata l'arte del pizzaiuolo"(Repubblica.it)は こちら
← たくさんの写真や ナポリ方言交じりのインタビューが見られます

A Jeju, in Corea del Sud, voto unanime del Comitato di governo dell'organizzazione dell'Onu per l'unica candidatura italiana. Il sindaco di Napoli , de Magistris: "Riconoscimento storico"
 di ANTONIO DI COSTANZO

韓国南部の済州(Jeju)島で、イタリアでは唯一の候補に対しての 国連の政府組織委員会の満場一致の採決
ナポリ市長de Magistris曰く: "歴史的な承認だ"。

Fare il pizzaiuolo è un’arte e ora questo antico mestiere è riconosciuto patrimonio dell’umanità.
Il via libera è arrivato nella notte dal consiglio dell'Unesco riunito a Jeju, nella Corea del Sud.
Ed è stato voto unanime del Comitato di governo dell'Unesco per l'unica candidatura italiana.

ピッツァ職人/ピッツァイオーロの仕事は芸術であり、今この古い職業は世界遺産として承認された。
この夜 韓国の済州島に集まったユネスコの会議において 前進が伝えられた。
イタリア唯一の候補に対して ユネスコの政府委員会の満場一致の採決だった。

"Congratulazioni Italia", ha twittato l'Unesco annunciando l'inserimento dell'arte del pizzaiuolo napoletano nella "rappresentativa lista dei patrimoni culturali intangibili dell'umanità”.


「おめでとうイタリア!」ユネスコはツゥイッターでつぶやいた、ナポリのピッツァイオーロの芸術が「無形文化遺産の代表リスト」入りしたことを告げながら。

動画 Capodimonte, qui fu infornata la prima pizza al mondo
カポディモンテ、ここで世界最初のピザが焼かれた

Per l'Unesco, si legge nella decisione finale, "il know-how culinario legato alla produzione della pizza, che comprende gesti, canzoni, espressioni visuali, gergo locale, capacità di maneggiare l'impasto della pizza, esibirsi e condividere è un indiscutibile patrimonio culturale.

ユネスコにとって、最終決定はこう読める「ピザづくりには切っても切れない料理法のノウハウは、ジェスチャー、歌、ビジュアルな印象、ローカルな仲間言葉、ピザ生地を操る能力、現れ方や分かち合うことは、議論の余地のない文化遺産である」と。



Pizza Unesco, la soddisfazione dei napoletani: "Ora ne mangeremo ancora di più"
 
ユネスコのピザ、ナポリ人たちの満足: 「さあ まだもっと食べよう」


LE REAZIONI, I PIZZAIUOLI: "COSI I NOSTRI GIOVANI NON SARANNO COSTRETTI A EMIGRARE"

ピッツァイオーロたちの反応: 「こうして俺たちの国の若者は 他国への移住を強いられることはなくなるだろう」


I pizzaiuoli e i loro ospiti si impegnano in un rito sociale, il cui bancone e il forno fungono da ‘palcoscenico’ durante il processo di produzione della pizza.

Ciò si verifica in un'atmosfera conviviale che comporta scambi costanti con gli ospiti.

Partendo dai quartieri poveri di Napoli, la tradizione culinaria si è profondamente radicata nella vita quotidiana della comunità.
Per molti giovani praticanti, diventare Pizzaiuolo rappresenta anche un modo per evitare la marginalità sociale".


ピッツァイオーロとその客たちは ピザが出来上がるまでの間 カウンターとピザ窯が まるで「舞台」の代わりとなるような社会的慣習に身をゆだねる

それが、客たちとの変わらぬ交流をあらわす饗宴の雰囲気をかもしだすのだ。
ナポリの貧しい地区から発したこの料理法の伝統は コミュニティの日常生活に深く根付いている。
多くの若い見習い職人たちにとってピッツァイオーロになることは 社会の淵にいる人びとにならずにすむ方法をも表している」と。


Pizza napoletana patrimonio Unesco: la cravatta di Cilento

ナポリのピザがユネスコの世界遺産に: チレントのネクタイ

L'Organizzazione delle Nazioni Unite ha premiato così il lungo lavoro del Ministero delle Politiche Agricole Alimentari e Forestali che nel 2009 aveva iniziato a redigere il dossier di candidatura con il supporto delle Associazioni dei pizzaiuoli e della Regione Campania, superando i pregiudizi di quanti vedevano in questa antica arte solo un fenomeno commerciale e non una delle più alte espressioni identitarie della cultura partenopea. Il dossier della candidatura e la delegazione sono stati coordinati dal professor Pier Luigi Petrillo.

国連組織(ユネスコ)は 農林省の長きにわたる仕事にこのようにして賞を与えた、それは2009年に始まった カンパーニャ州のピッツァイオーロ協会のサポートを得て 候補となる関係書類一式を起草し始めたのだ。
この古い芸術の中には商業的なことがらだけでなく、ナポリ文化のアイデンティティーを表すもっとも高い表現のうちのひとつというだけではないという偏見を越えながら
候補となる関係書類一式はPier Luigi Petrillo教授によって調整された。


Al termine dell'iscrizione della candidatura, l'ambasciatrice italiana all'Unesco, Vincenza Lomonaco, ha ringraziato tutti gli Stati che hanno votato a favore dell'Italia, sottolineando la centralità dell'Italia nel promuovere le tradizioni agroalimentare nel contesto dell'Organizzazione delle Nazioni Unite per l'Educazione, la Scienza e la Cultura.

候補登録の期限では、ユネスコのイタリア大使Vincenza Lomonacoはイタリアのために投票したすべての国に感謝した。 
国連のユネスコの組織のコンテクストにおいて、農産物加工の伝統を推進することでは イタリアが中心的存在となることを強調しながら

Pizza Unesco, de Magistris: "Riconoscimento storico, grazie ai pizzaioli napoletani nel mondo"
 ユネスコのピザ、de Magistris(ナポリ市長): "歴史的な承認、世界のナポリのピッツァイオーロのおかげだ"

Subito dopo la proclamazione, in sala è scoppiato un lungo e fragoroso applauso che ha festeggiato il successo italiano a lungo atteso, e molti dei delegati presenti sono venuti ad abbracciare i rappresentanti italiani che nella lunga notte del negoziato finale hanno stretto in mano un cornetto napoletano porta fortuna, rosso come tradizione impone.

宣言のあとすぐに、ホールでは長い大音響の拍手が沸き起こった、長く待たれたイタリアの成功を祝う拍手が。そしてその場にいた多くの代表たちがイタリア代表団たちを抱きしめた、この最終交渉の長い夜に、彼らはその手にナポリの幸運のおまじないのコルネット(クロワッサン)を握りしめた。壮大な伝統としての赤いコルネットを。



Pizza patrimonio Unesco, pizzaiuoli in festa
ユネスコの遺産のピザ、お祭りの最中のピッツァイオーロ

Congratulazioni sono arrivate dal sindaco Luigi de Magistris: "Riconoscimento storico: grazie ai pizzaioli napoletani, che vivono ed operano a Napoli e in tutto il mondo, grazie a tutti quelli che hanno firmato per questa petizione.
È il segno della potenza di Napoli attraverso la sua arte, la sua cultura, le sue tradizioni, le sue radici, la sua creatività, la sua fantasia. Una grande vittoria per Napoli e per la pizza napoletana”.


Luigi de Magistrisナポリ市長からの祝いの言葉: "歴史的な承認だ: ナポリそして世界中に住んで働くナポリのピッツァイオーロたちのおかげだ、この請願書のためにサインをしたすべての人々のおかげだ。
それはナポリの、その芸術、文化、伝統、起源、想像力、そしてファンタジーによって得られたナポリのパワーの現れだ。ナポリに対してそしてナポリビザに対しての勝利だ。"

Soddisfazione è stata espressa via Twitter anche dal ministro per i Beni culturali Dario Franceschini: "L'arte dei pizzaiuoli napoletani è Patrimonio Immateriale dell'Umanità!  Un riconoscimento per Napoli e l'Italia intera mentre sta per iniziare il 2018 #annodelciboitaliano #PizzaUnesco".


文化財相Dario Franceschiniからもツゥイッターを通して喜びのことばが告げられた: ナポリのピッツァイオーロの芸術は無形文化遺産となった! ナポリそして全イタリアの承認であり、2018年に「イタリアの食の年 ピッツァユネスコ」が始まろうとしているこの時にだ。"


"E' un grande riconoscimento per l'Italia, per Napoli e la Regione Campania". Così il presidente della Regione Vincenzo De Luca ha commentato l'importante successo ottenuto grazie all'impegno del capo dell'Ufficio legislativo della Regione, Luigi Petrillo, che ha seguito personalmente, da Parigi fino in Corea, il dossier che ha portato a questo riconoscimento mondiale.

"これはイタリア、ナポリ、カンパーニャ州にとっての大きな承認である"。このようにVincenzo De Luca州大臣は、パリから韓国まで個人的に赴いたLuigi Petrillo州法制局長によって得られた重要な成功を、そしてこの世界的な承認をもたらした関係書類一式をこうコメントした。


“La Campania è il luogo in cui l’eccellenza alimentare diventa cultura, questo è quanto dimostra il riconoscimento dell’Arte del Pizzaiuolo quale Patrimonio Immateriale dell’Unesco.

Per il futuro la Campania deve muoversi nel sentiero di una valorizzazione innovativa del suo patrimonio, capace di unire la storia millenaria del territorio alla creatività di artigiani e famiglie".


"カンパーニァ州は 卓越した食のすばらしさが文化となった場所です。それはピッツァイオーロの芸術の承認が、ユネスコの無形文化遺産となったことが示しているところでもあります。

将来のためにカンパーニャ州はこの遺産の革新的な価値を上げる道を歩まねばなりません。この地域の千年の歴史と、職人たちや家族たちの創造性とを結びつけることができる遺産の。"

動画: Pizza Unesco, festa dei pizzaioli in via Tribunali
ユネスコのピザ、Tribunali通りでのピッツァイオーロたちのお祭り

"L'arte dei pizzaioli napoletani era già nella storia da oltre un secolo ma con il riconoscimento a patrimonio immateriale dell'umanità viaggerà nel mondo con la dignità che merita il popolo napoletano, diffondendone l'indotto e la sapienza".
Così sui social Mara Carfagna, deputato e consigliere comunale a Napoli di Forza Italia.

"ナポリのピッツァイオーロの芸術はすでに一世紀も前から歴史にあるが、この無形文化遺産の承認でもって、ナポリ市民にふさわしい尊厳とともに世界中を駆け巡るだろう、衝動と知恵を広めてゆきながら。" 
このようにフォルツァ・イタリアのナポリ地区代表顧問のMara CarfagnaはSNSで述べた。


Pizza gratis per tutti per celebrare e festeggiare con centinaia di pizzaioli, tutti coloro che hanno contribuito al successo e i forni della più celebre e grande manifestazione dedicata alla pizza napoletana. L'appuntamento è per giovedì 14 dicembre a partire dalle 11, su iniziativa del Napoli Pizza Village.

何百人ものピッツァイオーロたちとともに祝うために、この成功に貢献したすべての人々に無料でピザが、より有名な焼き窯と、ナポリのピザに捧げられた大きなイベント/デモ行進が。
Napoli Pizza Villageのイニシアティブによって、12月14日(木)11時からの予定。

Al Casamento Torre nel Real Bosco di Capodimonte è ancora attivo il forno di campagna dove fu cotta la prima pizza margherita.  Qui, nell’estate del 1889 il pizzaiolo Raffaele Esposito della pizzeria Brandi preparò le diverse pizze per la Regina Margherita di Savoia: Mastu Nicola bianca con strutto, basilico, pecorino e pepe; pomodoro, alici, aglio, origano e olio; pomodoro, mozzarella, basilico, olio e pecorino; calzone fritto con ricotta e cicoli secondo la tradizione dell’Ottocento. La regina preferì quella con la mozzarella e il pomodoro che, in suo onore, fu chiamata margherita.

Real Bosco di Capodimonte にあるCasamento Torre には、最初のピッツァ・マルゲリータが焼かれた田舎の焼き窯ががまだ現役で動いている。

ここで、このpizzeria Brandiで 1889年の夏に ピッツァイオーロのRaffaele Espositoが、サヴォイヤ家のマルゲリータ王女のために様々なピッツァを作ったのだ: Mastu Nicola bianca、ラード、バジル、ペコリーノチーズ、胡椒; トマト、アンチョビー、にんにく、オレガノ、オイル; トマト、モッツァレラチーズ、バジル、オイルとペコリーノチーズ; 19世紀の伝統にならってリコッタチーズ、チコリを使った calzone fritto (詰め物をした揚げピザ)が。
王女はモッツァレラチーズとトマトのピザを好んだ、そして王女の名にちなんで「マルゲリータ」と名付けられたのだ。
 
Un sito storico da valorizzare, secondo il direttore del Museo di Capodimonte, Sylvain Bellenger, che entro un mese aprirà le porte del Giardino Torre del Bosco di Capodimonte grazie a un bando europeo che coinvolgerà, a rotazione, i pizzaioli napoletani.

 
カボディモンテ美術館
館長のSylvain Bellengerによると、価値ある歴史的な場所が、ナポリのピッツァイオーロたちが交代であたることになったヨーロッパの公示のおかげで、一か月以内に Giardino Torre del カボディモンテの森の庭園の塔の門が開けられるだろうとのこと。


* ACCIGUSTOで署名したことありましたよ♡ おめでとうございます!

追記:

一方 ICOMOS(国際記念物遺跡会議)国内委員会は12月8日(金) 「日本の20世紀遺産20選」として 日本で最初に開業した東海道新幹線 迎賓館赤坂離宮などを選定しました 番外として広島平和記念資料館と平和記念公園も選定しました 

ニュースは こちら



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日本で最も美しい村連合フォーラム2017でアルベルゴ・ディフーゾについて聞きました(2017.11.15)+2017写真展@西武池袋本店(12.12~18)

2017年12月08日 | イタリア関連の催し

日本で最も美しい村連合フォーラム2017でアルベルゴ・ディフーゾ(Albergo Difuso)について聞きました(2017.11.15)@イタリア文化会館+連合2017写真展のお知らせ@西武池袋本店(2017.12.12~18)


日本で最も美しい村連合フォーラム」のシンポジウムで イタリアにできた「Alberbo difuso(AD)」協会のジャンカルロ・ダッラーラ(Giancarlo Dall'Ara)会長から イタリアでの事例を示していただきました  

Alberbo Difusoとは 大きなホテルを建てるのではなく 空き家をいくつか再生して村ごとホテルにするという「集落まるごとホテル」といった試みのことで イタリアでは1980年代から始まり クロアチア スペイン スイス等にも展開しています

この日は立ち見が出るほど満杯で (私も立ち見...)スローフード協会のカルロ・ペトリ―ニ会長来日の時を思い出してしまいました 全国各地から「小さな村」連合の関係者が見えており熱い質問を投げかけ ホワイエには日本の「小さな村」のパンフがぎっしり!! 自分たちの村をどう興していったらよいか 空き家の再生の事例を真剣に聞いていました

  *     *     *

アルベルゴ・ディフーゾ(AD)は 直訳すれば「分散型ホテル」です
持続可能なホスピタリティー形態で 家屋とサービスのネットワークのことです ひとことでいうと 大きなホテルを建てるのではなく 空き家を再生して村をひとつのホテルに見立てた地域経営の仕組みです

イタリアのBorghi(ボルギ)は village(村)と異なり 人々の居住地域が城壁などで囲まれた形を示しますが 5,000ものボルギが救いを求めており イタリア全土で700万戸もの空き家が(全戸数の22,5%)あり 南イタリアに集中しています

 ← カンパーニャ州エボリ(Eboli)の事例

そのボルギの過疎化をくいとめ アイデンティティーを失うことなく発展する方法として アルベルゴ・ディフーゾは 既存の建物を活かして 観光地化されたものを好まない旅行者のために作られたものです 

つまり 地域になじんだ住居のままの宿泊施設に泊まり 観光客としてではなく 一時的な地域住民(residente)としてそこにいることになります 旅行者は住民たちの中で暮らし 住民たちと同じものを その村で採れたもの(キロメートルゼロ)を食べ アクティビティを楽しみます 
たとえば村の「道」が「廊下」の役割をするなど 家屋とサービスのネットワークを構築するのです 

←モリーゼ州(Molise)の事例 Centro storico(歴史的中心地区)に作られた

村の中心地にレセプションを ロビーは広場 家屋が宿泊部屋となり 最低7棟がアルベルゴ・ディフーゾの認定に必要とのこと なので 最初は普通の宿泊施設から始まり やがてはアルベルゴ・ディフーゾに認定されるところが多く 住民も増えて雇用も増えてゆきます 気に入ってそこに住む人もいるそうです 

自治体が主導し 住民にアイディアを示し 家主が空き家を提供あるいは再生し 宿泊施設とします アルベロベッロにも2つのアルベルゴ・ディフーゾがあるそうです
2015年現在で86地区あり 2011年の35地区から2.5倍に増えました トスカーナやラツィオ州に多く サルデーニャにも10地区あります

 ← サルデーニャのアルベルゴ・ディフーゾ
 
ほんものの環境にこだわる「真正性(autenticità)」と 新しい仕組みを導入しようとする「革新性(innovatività)」が特徴です


成功のカギは経営者(gestore) また村は活気ある(viva)地域社会であること 人のいない(disabitata)旅行者のみの村では意味がありません 

そしてまた 季節に左右されない(ビーチ・リゾートは夏だけ流行りますが 村の生活そのものを楽しむので年間を通して人が来ます)とのこと

小規模集落の再生に向けた新しい地域経営モデルと 環境負荷の少ない地域資源再生と ネットワーク化にもとづくホスピタリティが 持続可能なツーリズムの新しいモデルなのですね 

    *      *      *


日本におけるアルベルゴ・ディフーゾについて
 
←日本におけるアルベルゴ・ディフーゾ

日本では伝統家屋の空き家は多く アルベルゴ・ディフーゾにするには問題はないのですが ノウハウが問題で イタリアのように 住民とのアイディアやコンセンサスの共有がまだなく また改築費用は イタリアでは8割が私的に 2割が公的資金で賄われているが やがては家賃収入で回収してゆくとのこと 無償で空き家を貸し出すところもあるそうです

ただ 具体的な質問に答えて会長より 「イタリアでも困難な歴史のあとで成功した」とのお話をいただきました 20州それぞれに異なったアルベルゴ・ディフーゾの法律(legge)があり 16年かかったところもあったそうで 会長はイタリア中を駆けずり回り かけあったとのことです 

今は150の自治体にあるのですが 今後も増やす予定で 日本で作るには セオリー上はできるにせよ imprenditorierità(起業家としての能力)が つまりはやる気 意気込みが大切であり 横のネットワーク作りが必要で たとえば家主が若い経営者志望の若者に空き屋を売るか? ローカルガイドの育成等です

日本では今のところは北海道等で 地域活性化策として検討されているとのこと

 ← 日本とイタリアのパートナーシップ

トーク・セッションについては 次の予定があり パネラーの皆様の自己紹介を聞いたところで失礼させていただきました...残念((+_+)) ← なぜ同じ日に3つも重なるんだ~(泣)

私は前の予定があり 『「日本で最も美しい村」連合 設立から将来に向けて』は聞けませんでしたが レジュメをいただきました 
連合は2005年に設立し 「世界で最も美しい村」連合会には イタリア フランス ベルギー(ワロン) スペイン カナダ(ケベック) と合わせて世界連合ができています 

世界で最も美しい村」連合会は こちら


ちなみに 日本では「平成の大合併」で市町村数が激減し 慣れ親しんだ由緒ある地名がたくさんなくなりましたが フランスでは合併はしなかったそうです なので小規模自治体の再生はフランスが参考になるのだそうです

ホワイエには 「イタリアの最も美しい村 全踏破の旅(I Borghi più belli d'Italia)」の写真集や 各小さな村のパンフレットに名産品がぎっしり...参加者もぎっしり...すごい熱気でした!! 

 ← 日本の美しい村のパンフレット

NPO法人「日本で最も美しい村」連合は こちら

Tutta Italiaの展開する「アルベルギ・デフーズィ(Alberghi Diffusi)」については こちら ← いよいよ出ました 「イタリアの小さな村の古民家滞在とシンプルライフの旅22か所!! なかなかここまではできません♡

開催のお知らせは こちら


     *       *       *

【「日本で最も美しい村」連合2017写真展@西武池袋本店】のお知らせ


日本で最も美しい村」連合フォトコンテストの全受賞作品の中から 珠玉の30点を集めて写真展を開催いたします

生活の営みにより形成されてきた その土地ならではの景観・環境や地域の伝統文化が伝わる写真など 小さくても輝くオンリーワンを持つ加盟村の情景を 是非お楽しみください

場所: 西武池袋本店 8F特設会場
日時:2017年12月12日(火)~18日(月)午前10時から午後9時
※12月17日(日)は午後8時まで
主催:「日本で最も美しい村」連合

写真展は こちら

これからの 美しい村そしてアルベルゴ・ディフーゾの将来に向けての発展を 心よりお祈り申し上げます 



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イタリア語スピーチコンテストでは悔いのないスピーチができて満足です(2017.12.2)@イタリア文化会館・日伊協会主催

2017年12月03日 | イタリア語検定・スピーチコンテスト

イタリア語スピーチコンテストでは悔いのないスピーチができて満足です(2017.12.2)@イタリア文化会館・日伊協会主催


2017年12月2日(土) 第27回イタリア語スピーチコンテスト本選にようやく出場なった 勉強を始めて10年目 3度目の正直のチャレンジだった

12名のうち 若い方8名 私と同年代くらいが4名 女性8名 男性4名だった 
11時に集合し くじ引きで出場の順番を決める 私は2番め! すぐに終わるからいいかな♪ 最初の方なので友人たちが間に合わないと困るので連絡 連絡~♪
マイクテストの時の皆さんの素晴らしいスピーチを聞いて これは入賞は難しいと直感

8名もの友人たちが駆けつけてくださり 撮影してくださったり応援してくださり ビュッフェまで一緒にいられてとても嬉しかった♡ 
このあと 実は聞きに行きましたという方が次々と連絡をくださり 14名となりました!

予選123名から 今年は12名が本選に通過 10倍もの倍率 出るだけでもすごいことなんだ!!

心臓が口から飛び出る程緊張が高まり どうしていいかわからず困っていたら 1番目の方のスピーチ(彼は優勝した)で ナポリ方言の面白い言い方を聞いて笑ったら 自然と心臓バクバクが止まった! 大感謝!(^^)! 「笑い」のパワーを初めて実感しました

「イタリア語よもやま話パート2
」では オノマトペの日伊比較のお話を もぉリラックスして笑いながら聞いていたら な なんと 「」はprefetturaではなくprovinciaだとの指摘をされて (毎回スピーチの中からミスを見つけてお題に上がるんですよ~) 最前列で思わずのけぞってしまいました(''◇'')ゞ 

← スピーチコンテストの舞台

審査は時間が遅れて接戦で僅差だったそうです スピーチでは質の高さ パフォーマンス 発音 質疑応答などが問われるとのこと

1位の方はナポリ方言交じりの実に流暢なスピーチで 誰が聞いても優勝だと直感したとおり 2位+イタリア文化会館賞のダブル受賞の方は 「私のすべての道はローマから始まる」とのしめくくりの言葉 3位の同年代の方は通訳案内士で 働く母親の実感を述べられた かたや私は通訳案内士の試験が難しすぎて 代わりに世界遺産検定を受けているので これはかなわんと思いました 

朝日新聞社賞
の男性はサッカーへの熱い思いを語り 日伊協会賞の同年代の女性は 原稿なしで立派にスピーチされ(原稿を見ながらの方もちらほらの中) 観光ガイドのボランティア活動での体験を綴られた 今年は通訳ガイド率高かったよね~

私は 7月から原稿を作り始めて 寝言でも言えるくらい練習し 9回も人前で練習した(そのたびごとに違う箇所を間違えた) 人前で話す練習をしておかないと 本番で度忘れすることがよくあるのです (9回人前で練習しても当日は心臓バクバク!!誰か~緊張しない秘訣教えてください!!) 

質疑応答も10個以上想定問題を作り覚えて (テーマからはずれるような質問はされません) ミスのない迫力あるスピーチができたし 質疑応答は 質問が聞き取れなかったりうまく答えられない方も多く実はネックなのですが 準備も念入りにしたために ちゃんと迫力ある応対ができて自信が持てた 何を聞かれても即答できたのはよかった!  事前に沖ノ島や軍艦島についてテレビやネットで調べておき 何でもイタリア語で話せるように準備しておきました♪ 

テーマは別にイタリアのことに限らずともよく 私は今回日本の世界遺産を選んだのですが(今年から世界遺産の勉強を始めたこともあり) ユニークなテーマなので本選出場まではできたのですが やはり入賞するには「イタリアへの愛」が溢れるようなスピーチじゃないとなぁ...と実感 さらに「実体験に基づいた自分の考え」は ただ調べたことよりもはるかに説得力があることは確実ですね

当日の朝は緊張していたのか気もそぞろで 念入りに準備したつもりが服装のことでぎりぎりであわててしまい 他の方の完璧な服装に気圧された 人前に出る時の服装って大変よね...(笑)  

ビュッフェではたくさんの方たちと話した 友人たち 他の出場者たち 審査員の方とも歓談できた 質問者の先生には「この舞台であなたを待っているわよ」と8年くらい前に言われたことを忘れていませんでしたと話せてよかった 若い方たちの上達の速さには毎回舌を巻く この調子でどんどん伸びていってください!! 私はもう満足のゆくスピーチができただけで 悔いはありません

← 初めてステージに立ってスピーチ

私のスピーチと質疑応答は こちら ← 8分くらい 音が出ます

いやぁ めっちゃ楽しかった!! 舞台から見るアニェッリホールの眺めも満喫しました 皆さんのレベルのあまりの高さに こんな場所に出られるだけでも実によくやったと感じています

      *        *       *

スピーチができあがるまで:

沖ノ島が2017年7月9日日本の21番目の世界遺産に登録が決まり インスピレーションが湧き早速原稿を作成 それは世界遺産講座で聞いた軍艦島の話だった...

原稿をチェックしていただいたイタリア人の都合もあり 原稿をいったんは暗記してから 8月末に原稿チェックと暗記発表のレッスンを敢行!! Q&Aの想定質疑も10個以上作って覚えました
実は原稿はこの時までに15回も手直ししました...普通そこまではやらないよね

そして9月初旬に早々と原稿を提出してからは 世界遺産検定やイベントに忙しく何もせずすっかりスピーチも頭から抜けてしまったある日... 
11月2日に届いた 「一次予選通過」のメール!!

その時まで取り組んでいた世界遺産検定テキストをかなぐり捨てて(笑) 早速スピーチの暗唱再開 だいぶ抜けているがもう一度思い出すのにさほど時間はかからず

とはいっても年齢が年齢なだけに 自分では暗記したつもりでも やはり人前で練習しないとダメだと思い トータル9回 友人たちに聞いていただきました!! この場をお借りして心よりお礼申し上げます<(_ _)>

最初に聞いていただいたペラペラの方に しっかりとアクセントや発音のミス(10年間間違えていたのですよね!!)をチェックしていただいたのがよかったです その後 間違えたりストップしたり(しかも毎回違う場所で!)大変でしたが(笑) ようやく感情をこめてスピーチできるようになってきました 似たような表現が何度も出てくるので 文章の出だしを間違えたらアウトです なので 暗記できるかどうか確認してから原稿提出したのがよかったです

読み聞かせをしている方からは 「考えながら話さないと相手に届かない」 との貴重なアドバイスをいただきました 毎年聞きに行っていると 5分をオーバーする大ボリュームのスピーチをものすごい早口でされる方が多く(若いから覚えられる?) 中には5分きっちりでわかりやすく話す方もいらっしゃいましたが 私は後者を選びました (それでも当日はかなり早口になってしまった)

寝言でも言えるくらいにまで仕上げて なんとか満足ゆくスピーチができて 本当に嬉しいです 一生のよい思い出となりました 

第27回イタリア語スピーチコンテストのお知らせ
は こちら


優勝者のスピーチ "Il napoletano, musica e spettacoli quotidiani(ナポリ、日常の中の音楽とドラマ)"は こちら

原稿とQ&A(想定)「世界遺産のコントラスト:軍艦島そして沖ノ島(Patrimoni Mondiali in contrasto: Gunkanjima e Okinoshima) @イタリア語スピーチコンテスト」は こちら

2019年イタリア語スピーチコンテストに2度目の出場で日伊協会賞を受賞しました」は こちら

* 主催者の皆様に心よりお礼申し上げます 


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映画「否定と肯定」「ヒトラーに屈しなかった国王」「5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生」のお知らせ

2017年12月01日 | イタリア映画・映画
映画「否定と肯定」(12/8~)「ヒトラーに屈しなかった国王」(12/16~)「5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生」(2018.1.13~)のお知らせ

否定と肯定(DENIAL)」2017.12.8(金)~全国ロードショー

ユダヤ人歴史学者とホロコースト否定論者の 前代未聞の対決を映画化!
"真実"とは何か? ユダヤ人の歴史学者リップシュタットは ホロコースト否定論を自著で主張するイギリスの歴史家アーヴィングを真っ向から否定し 異例の法廷対立が2000年に行われた その史実に基づいた映画

フェイクニュース時代に必見の映画 2000年に行われた歴史的裁判の行方は...
2016年イギリス・アメリカ映画 言語: 英語

映画は こちら

 *      *      *

「ヒトラーに屈しなかった国王(KONGENS NEI/The King's Choice)」2017.12.16(土)~@シネスイッチ銀座

ナチスに降伏を迫られた国王が"選択"した決断とは...
ノルウェー国家の礎を築いたホーコン国王の映画が大ヒット!
北欧の小国ながらナチス・ドイツに最も抵抗し続けたノルウェーにとって 歴史に残る重大な決断を下した国王ホーコン7世の 運命の三日間を描く

2016年ノルウェー映画 言語: ノルウェー・独・デンマーク・スゥエーデン語

映画は こちら

 *      *      *

5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生(Mein Blind Date mit dem Leben)」2018.1.13(土)~@新宿ピカデリー・角川シネマ有楽町

ぼやけた明日が 輝きだすー

95%の視力を失った青年が 五ツ星ホテルで働くために"大芝居"を打つ!
実話を映画化し 大ヒットを記録!
夢 挫折 努力 友情 そして恋愛 人生に大切なことがすべて詰まった 感涙必至のハートフル・エンターテインメント!!

2017年ドイツ映画 言語: ドイツ語 

映画は こちら

* 情報をいただきました(公財)日独協会様にお礼申し上げます


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