日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「ウォーリーをさがせ!展」と 同時開催「MOE 40th Anniversary 5人展」に行ってきました(2018.4.20←5/7まで開催中)@松屋銀座

2018年04月29日 | 美術館・博物館
「ウォーリーをさがせ!展」と 同時開催「MOE 40th Anniversary 5人展」に行ってきました(2018.4.20←5/7まで開催中)@松屋銀座


松屋銀座で開催中の 2つの絵本関連の展覧会が同時開催中なので 行ってきました

ウォーリーをさがせ!」は誕生30周年記念で盛況でした しかし小さくて小さくて 私には何回見てもウォーリーが探せないままタイムアウト...この頃視力が落ちてダメです~ 
日本の兜や鎧のバージョンまでありました

5才や6才の頃の絵(よくとってありましたね~)が展示されてましたが この頃から小さい絵を描かれていらしたのですね!!
そして 今回の展覧会のための書き下ろしボード展示のそばで それの作成シーンが放映されており 何度もじっくり見ては観察しました 描く順番とか非常に興味あります 漫画をずっと描いていたので...

まずは下描きのあとで 水彩絵の具を塗るのですが サーッと塗らずに 少しずつ少しずつ塗るのですね そして乾いたあとでペンで線をひいてゆくのですが ゆっくりゆっくり ギザギザの線をひいてゆくのです!! サーッとひかないのですね 水彩の彩色の時は普通は 枠からはみ出ないように枠を塗ってから中を塗るのですが そうではなく少しずつ手を引きながら塗ってゆくのですね

しかもペンの持ち方も観察していると 親指と人差し指ではなく 人差し指と中指の間にペンを持っているのです 
さらに驚いたのは 顔の形よりもまずメガネの〇をペンで描くのですね!! ← まずはメガネありき!!
彩色のあとでペンで描くためラインが力強く出て アニメのセル画のようにぴっちりと決まります 拡大してみるとギザギザのラインが実に味があります♡

そして 漫画やアニメシリーズも展示してありましたが これはまた違った風合いで...
1枚絵にいったい何日かかるのだろうか...誰か教えてくださ~い(笑)

   *     *     *

さて次にMOE 40th Anniversary 5人展です すぐ隣で開催中です

 ← MOE 40th Anniversary 5人展

私は「いたばし国際絵本翻訳大賞」「いたばしボローニャ子ども絵本館」「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」「ボローニャ・ブックフェアinいたばし ~世界の絵本展~」等に 地元でもあり長年通いつめ 翻訳ボランティアその他も色々務めていますが 実は語学好きのため 絵よりもまず字に目がいってしまうのです('◇')ゞ でも今日ばかりは絵を堪能させていただきました♡

5人の絵本作家のうち 酒井駒子氏は私の好きな子どもの描き方をされて抒情的 実は演劇をされていたが絵本なら一人で創れる 絵本は自分にとって劇場のようなもの とのこと

島田ゆか氏の「ぷーちゃんとおにいちゃん」シリーズを見ているうちに うちでもそうだったな~ いつもいつも弟はお兄ちゃんのあとをついてまねばかりして...とついつい思い出してしまいました( *´艸`) 
緻密な色見本を作られており すり減った筆もかわいそうで捨てられないとの繊細な心に触れました

なかやみわ氏の「やさいのがっこう」これは食育をきっかけとして ふとしたことから生まれたシリーズで 淡い色使いが可愛いですね!! とうもろこしのひげを髪の毛にたとえたり トマトが赤くなろうとしてがんばる姿の可愛いこと♡ これなら子どもたちも野菜が好きになるでしょうね! 緻密な飛び出す絵本には 細かい設定の書かれた付箋がびっしりでした


ヒグチユウコ
氏の描く猫の表情 眠たそうな重そうな瞼 そしてワニの甲羅のものすごい緻密な描き方にしばし見惚れてしまいました... 猫の毛並みの細かいこと細かいこと!! ウォーリーをしのいでます(笑) 

そしてラストのヨシタケシンスケ氏の「つまんない つまんない」 これは子どもの観察力すごいですね!! いすにひっくりかえって空を見てる いろんなポーズで思いっきり「つまんない」を表現している子どもたち 彼の絵はボローニャ原画展でも見たことがありますが 「ヨシタケシンスケのしくみ」(サイボーグ009の解剖図みたい!!) 「ヨシタケシンスケの一日」「ボローニャ旅行記」「絵本作家になるには」「もうぬげない」等 他の方もくすくす笑ってらっしゃいましたが 実に面白い!! 絵本作家の生態というか 子どもの気持ちがわかる人が絵本作家になれるんだなぁ...って思いました 自分も子どもの頃はこうやって まじめにばかなことを考えたりしたりしていたんだよね... お母さんにまとわりついたり 大人になったらすっかり忘れてしまっていた子ども時代を振り返ることができました 思いついたことを描きとめるメモ帳を常に携えてそれを金庫にしまっているのだそうです 

美術展も 漫画家展も見に行きますが 絵本作家の原画展も面白いですね 先週聞きに行ったイタリアの漫画家たちのトークショーで 「表紙に一か月かかり 1ページに1週間かかる」との衝撃の言葉に ついつい絵を見ながら どれくらいで描くのだろうか...とも考えてしまうのでした(笑)

ウォーリーをさがせ!展」は こちら(2018.4.18~5.7)

MOE 40th Anniversary 5人展」は こちら(2018.4.18~5.7)


美術館・ギャラリーランキング


にほんブログ村 美術ブログ 美術館・アートミュージアムへにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第23回いたばし国際絵本翻訳大賞受賞作品「こどもってね...」本の紹介セミナーに行ってきました(2018.4.13)@イタリアブックフェア2018

2018年04月26日 | イタリアの本・絵本・雑誌
第23回いたばし国際絵本翻訳大賞受賞作品「こどもってね...」本の紹介セミナーに行ってきました(2018.4.13)@イタリアブックフェア2018


このセミナーを聞いてから この絵本のタイトル「こどもってね...」は もしかしたら 大人がこどもに ではなく こどもが大人に「こどもってね...」とささやきかけているのではないか とふと思いました

この絵本の翻訳者である宮川絵理子先生は 外国語大学卒業後シエナに6年間留学され その留学期間中に初めてこの絵本翻訳大賞にチャレンジされ 絵本の翻訳はまったく初めてにもかかわらず 見事翻訳大賞を受賞されたという まさにシンデレラ・ガールです

この絵本"Che cos'è un bambino?"は10か国語に翻訳されたそうで 内容はイタリアらしいというよりも より普遍的な こどもって?という問いかけです

まずは 表紙が可愛い 手に取ってみたくなるような絵であること その一方で中のイラストは力強い個性的なタッチの絵で ポエムと画集をドッキングさせたようなものだというのが第一印象とのこと

大人がこどもについて知るような本だと思ったが これをこども自身が読んだ時にどう思うかが不安だったとのことですが その不安も 出版後の反響で消えたとのこと それはきじとら出版のある広島の8つの幼稚園・保育園を卒園する多くのこどもたちに この絵本が卒園記念として贈られ その音読発表会が行われた様子を知ったことでした 

こどもの時は 大人は別の存在のように見えて 自分がいつか大人になるなんていう実感はわかなかったし 大人たちにも昔はこどもだった時があったなんて こどもには思いもよらなかったものです...  

この絵本はすべて三人称で訳してあります 原文も淡々としたシンプルな言葉でした すんなり入ってくる感じでこの絵本とは相性がよかったとのこと

そしてお好きなページを日本語とイタリア語で音読してくださいました 大人って泣かないんだよ もし泣いていたのを見ても 見なかったふりをしてあげる というシーンと ちいさなこどもは実は大きな世界で生きている というシーンです

これは実は 大人になってみて 広い世界のどこにでも行けるようになったけれど 実は世界は狭かったんだと感じることでもあり こどもの頃は行動範囲はとても狭い反面 世界はとっても大きくて 小さな校庭であっても とっても広く感じていたこと それは自分の存在が大きくなったからではなくて 子ども時代にしかできない向き合い方だということです  
これは実は ご自身がシエナでベビーシッターをされた経験で偶然実感したことなのだと 子どもと一緒に小さな公園で遊んでいた時に ふと この小さな公園がとっても大きく見えたと そう つまり子どもの目にシンクロして世界を見る体験をされたのだそうです 

それは家で辞書とパソコンに向き合ってばかりいるだけでは決して見えてこない 実体験から得たヒントであり どんな経験も生かせるのが翻訳という作業だとのことで 逆に自分の言葉でないものは使えないのですね そしてもし将来子どもを持ったら また別な訳し方もできるのではないかなとのことでした 


質疑に入り このタイトル「こどもってね...」はどうやってつけたかについては 最初は原文通り また英語・仏語版でも原文通りであったこともあり 「こどもってなあに?」としたのですが 出版にあたりアドバイスを受けたとのこと たしかに語りかける感じでいいですよね♡ 

絵本のタイトルって 毎年の大賞作品を見ているのですが 原文をアレンジしていろんなバラエティに富んでいて どうやってつけるのか知りたかったのです (大阪弁のタイトルがつけられていた時はたまげました!)

そして 原文をどこまでぼかしてよいのかについては 「イタリア語の文章から受けた全体的な印象を そのまま伝えるような日本語にした」とのこと 一語一語こだわるよりは 雰囲気を変えないように言葉を選んでいったそうです 

そして イタリア語と同じスピード 同じ長さで読めるように 1ページごとにタイムを計って イタリア語でも音読してみたそうです
あぁこれは映画の字幕でもそうですよね...長すぎてはフレームに入りませんから大変なんですよね~

また 子どもが読むことを意識したかについては 子どもっぽい言葉(語尾など)で話しかけすぎないように気を配り 実際に読み聞かせもしたとのこと (やはり絵本ですので読み聞かせできるかどうか確かめるのは大切ですね)

苦しんだ箇所は?については 自分なら違うように思うだろうと感じたシーンが咀嚼不良になったとのことで イタリア語文の理解力はやはりさすがですね(*´▽`*)

他の年に受賞された若い方のインタビューでも 実はある個所の訳し方に苦しんでいたが 甥っ子の卒園式に出て受けた印象がヒントとなってうまく訳すことができて それが翻訳大賞受賞のポイントとなったというエピソードを伺ったことがありました

なので 家で辞書とパソコンとにらめっこばかりしていないで こどもと接してゆく中で こどもの目とシンクロできる体験が こどもの気持ちを伝える絵本の翻訳にはとっても重要なのではないかなと思ったのでした...

← きじとら出版のチラシ

とてもいいお話を聞かせていだたきました これで通算4回 イタリアブックフェアに通いつめ スタッフの方たちにもとうとう顔を覚えていただきました(笑) 

またこの日は 私が長年絵本の翻訳ボランティアを勤めている 地元のいたばしボローニャ子ども絵本館の方にもお会いできて 私の好きな場所がひとつにつながって幸せでした♡ 

さらに2階の語学コーナーでは イタリア人の先生ともばったりお会いできて ここに来ると知り合いに会わないことはまずなく 10年通いつめて 一度は留学フェアのブース担当という大変貴重な体験もさせていただき ここに来られなくなる日がやがてもし来たら どんなにか寂しいだろうなぁ...とふと感じてしまいました 

絵本は こちら

本の紹介セミナーは こちら


イタリアブックフェア2018
は こちら


ちなみにこの春から 昨年夏のいたばしボローニャ絵本原画展「フュージョン絵本の制作過程」という講演会を開かれた ガブリエーレ・レバレリアーティ講師による「イタリアの絵本を楽しみましょう!」(中級)というコースが新設されています ここのパンフレットをめくると 新しいコースが色々出ていて注目です!!

* 翻訳大賞のスケジュール(8月に課題絵本発表)や 翻訳講座のお知らせ等は いたばしボローニャ子ども絵本館のHPをご覧ください また タイムリーなお知らせをご希望の方は Facebookをやってらっしゃる方は 絵本館のFacebookをフォローするか いいね!ボタンを押しておくと 逐一表示されて便利です♪ 


イタリア語ランキング

にほんブログ村 外国語ブログ イタリア語へにほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ラウラ・イョーリオ、ロベルト・リッチ×ヤマザキマリ特別講演」に行ってきました(2018.4.12)@イタリアブックフェア2018

2018年04月22日 | イタリアの本・絵本・雑誌
「ラウラ・イョーリオ、ロベルト・リッチ×ヤマザキマリ特別講演」に行ってきました(2018.4.12)@イタリアブックフェア2018

満席の会場につめかけた人々の前で 開場まで繰り返し映し出されたのは 「il cuole dell'ombra(闇の心)」という漫画の作成過程のシーンでした 

この作品は 幼いころ抱いていた恐れや夢 希望の源を探る旅の物語で 独創性の高いイラストで描かれ イタリアとフランスで大きな評判を呼び 日本でも2017年第10回日本国際漫画賞優秀賞を受賞されました

この日は作者のラウラ・イョーリオ(Laura Iorio)氏とロベルト・リッチ(Roberto Ricci)氏を迎え 日本の漫画家・随筆家ヤマザキマリさんとともに同作品について語り 漫画評論家・翻訳家の小野耕世氏がモデレーターを務めてくださいました 通訳は小池美奈先生でした  イタリア文化会館館長に続き フランス大使館文化参事官のご挨拶があり この場所でフランス語を耳にするのは珍しいことです このあと名古屋 札幌 仙台 大阪 京都等にツアーでまわるそうです

   *      *      *

私は絵本の原画展にも毎年行っているのですが この映像を見て漫画の原画というよりは 絵本の原画のようだなぁと感じたのですが その秘密がこの講演会で解けました

イタリア人の漫画家のお二人が なぜイタリアではなくフランスで成功したか? 日本という「漫画家が食べて行ける国」で食いつないでいると自ら話すヤマザキマリ氏の質問に お二人は 漫画家を志した時からフランスのマーケットを考えていたと 

イタリア人は (本にせよ漫画にせよ) もともとあまり読まない なのでマーケットが小さい
フランスは 日本のような世界で最もビッグな漫画のマーケット程大きくはないが 主にコレクターによって 1ページに7日間もかかるようなカラーで高価な漫画の本が収集されており さらに原画を売る習慣があるとのこと

なのでマリ氏は 今デジタルで描いているので原画を売って儲けることはできないねと(笑) さらにこの6月の日本漫画家学会でのテーマが 「漫画とデジタル」だとのこと(小野氏)

出版は1年で1冊とは!! それで食べてゆけるなんてうらやましいです 日本は月刊誌から週刊誌になった時に漫画家たちがどれほどきつかったか... といっても今はフランスでも4~6か月で1冊と ペースがだんだんと速くなっているそうですが

フランスで出版される漫画本はカラーで 画集のように美しく 新人の持ち込みの時も ストーリーよりもまずは絵にオリジナリティがあり美しいかどうかが見られるそうです 原画も 我が子のように大切なものを売ってしまうのはつらいが生活の為に...とのこと

ちなみに90年代に週刊モーニングの編集長の肝入りで 海外の多くの漫画作品を連載していた時期があり かなりお金もかかったそうですが(その頃私も読んでましたよ~モーニング!!) あれは今や 海外の漫画を研究する人々にとっては大変貴重なものだとのこと 納得です 

← 作成シーンを皆で見る

そして Il cuole dell'ombraの作成シーンの映像を見ながら説明していただきました 表紙(copertina)になんと一か月もかけているのです!! しかもそれでもまだ不満が残ると...この徹底した仕事ぶりに舌を巻きました まるで絵画ですね 絵本の原画もそうですし... お2人でどこを担当するかを見せていただきましたが 2人の手が入っていることを感じさせないようにしているとのこと

ちなみにラウラ氏は惣領冬美 浦沢直樹 そして松本太陽等がお好きとのこと ロベルト氏はローマの漫画専門学校で教えているが 実はフランスの漫画を教えている つまり卒業後はイタリアではなくフランスで働くことを想定しているのですね 
イタリアでは 漫画で食べる必要のない人が趣味のようにして描くか 他の仕事をしながら描くしかないとのこと それでフランスに移住して描くのが現状なのだそうです

マリ先生は ラウラ氏の漫画を見た時 日本の漫画の影響を受けているなと見抜かれたとのこと ラウラ氏が少女時代 まず最初に出会ったのが日本のアニメ そして日本の漫画 そのあとでフランスやベルギーの漫画だったのですね

こうしてお話を伺ってから見るお二人の作品は また先ほどとは違って見えました...

質疑応答では お好きな漫画家 あるいは将来の目標等を尋ねられ マリ氏は天正使節団についていつか描きたいとのことで密かに楽しみです♡

日本 イタリア フランスそれぞれの漫画の エンターテインメントとしての在り方の違いに触れることのできた 私にとっても大変興味深い講演会でした 

il cuole dell'ombraは こちら

講演会は こちら


イタリアブックフェア2018は こちら

* 素晴らしい講演会を開催してくださいましたイタリア文化会館様に 心よりお礼申し上げます


芸術・人文ランキング

にほんブログ村 美術ブログへにほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イタリアブックフェア初日に『バザーリア講演録 自由こそ治療だ! イタリア精神保健ことはじめ』の本の紹介セミナーを聞いてきました(2018.4.7)@イタリアブックフェア2018

2018年04月18日 | イタリアの本・絵本・雑誌
イタリアブックフェア初日に『バザーリア講演録 自由こそ治療だ! イタリア精神保健ことはじめ』の本の紹介セミナーを聞いてきました(2018.4.7)@イタリアブックフェア2018


まずは行ってきました初日のイタリアブックフェア2018!!

この日は友人と待ち合わせて与 勇輝展 創作人形の軌跡等をはしごしてからイタリアブックフェアへと足を運びました 私は今年は4回程通う予定です(笑)

会場では例年のように 社会 文学 児童図書 料理 音楽 美術 建築 デザイン 地理紀行等 様々なカテゴリーのイタリアに関する書籍が紹介されており 須賀敦子没後20年の展示や 「マルチレイヤ― 名画ナビゲーションシステム」の紹介等もありました 

  *      *     *


この日の本の紹介セミナーは 『バザーリア講演録自由こそ治療だ! イタリア精神保健ことはじめ』という本です  
登壇者はこの本を翻訳された大内氏鈴木氏の2名で セミナーのコーナーは立見も出る程でした 

まずは 精神医療やバザーリア法について イタリア映画の中で取り上げられたものをざっと:
むかしMattoの町があった」「人生、ここにあり!」「輝ける青春」「歓びのトスカーナ」「ふたつめの影」その他10本

私はこの時 イタリア文化会館のステージで 障がい者たちが演じたテアトロ・パトロジコの「王女メディア」の舞台での感動を思い出しました

そして映画「愛の勝利を・ムッソリーニを愛した女」での檻の中の精神病院のシーン 「ボローニャの夕暮れ」等を思い浮かべました あの当時は檻がありベッドに拘束されていたりしていたイタリアの精神病院が いったいどうやって廃止に向かっていったのか... 


フランコ・バザーリア
(1924~1980)はヴェネツィアで生まれ パドヴァ大学医学部時代に反ファシスト運動で半年間投獄された経験が元となり のちに刑務所のような精神病院を改革するようになります

 ← バザーリア

精神医学の学部でトップクラスで学者を目指していたのですが 37才で左遷のようにしてゴリツィアの精神病院の院長に就任し 病院内部の改革に着手することになります
この時に背中を押したのが 妻でありフェミニスト第一人者であったフランカ・オンガロでした

著書『否定された施設』を刊行 46才でミケーレ・ザネッティと出合います 彼はトリエステの県知事で 国境の町で多文化が入り混じるトリエステとの精神病院の院長にとバザーリアに乞いますが この時ばかりは子供たちのこともあり妻が反対するも バザーリアはトリエステに赴くのです

彼がすすめたのは精神病院の窓の鉄格子の除去 拘束衣の使用禁止 白衣の着用の廃止です
彼が身につけてきた精神医学の知識は役に立たない欠陥だらけのものだと自ら気づくのです

そして1978年に「バザーリア法(Legge Basaglia)」とよばれる180号法が成立します
この法律によって「新たな公立精神病院の建設の禁止」「既存の公立精神病院への新たな入院の禁止」「公立精神病院の段階的な閉鎖」が定められました

1980年に彼は56才でヴェネツィアで亡くなります そして1999年 イタリア全国の公立精神病院が閉鎖され 2017年にイタリアの司法精神病院が閉鎖され ヨーロッパで初の公立精神病院の完全閉鎖と 地域精神保健サービスの開設にいたるわけです


イタリアの精神保健改革は社会全体を巻き込んだ運動で 市民の説得 (退院後のフォロー 施設と地域の間の壁を壊す) 精神病院の内実を社会に告発(「アベルの園」というドキュメンタリー番組を1968年1月3日土曜夜に放映) 人的ネットワークの活用(アーティストや作家 ミュージシャン等) 政党や政治家との連携をすすめて ようやく1978年に180号法が成立したとのこと 

イタリアは法律ができても実効があやふやな面があり 地域の精神保健サービス網の構築を進める必要がありますが 日本に比べて生活圏が小さいため 顔見知りが適度にいる圏内で暮らせるのが強みとのこと 障がい者は "同じではないが危険ではない"とのくくり

自由こそ治療だ!」が改革のモットーで トリエステの病院の院長室にはその落書きが30年も残されていたそうです

「退院しても頭は入院状態」つまり精神病院をなくすだけではダメで 自分の意志で行動する力を失ってしまうという「蛇に自由を奪われた男の寓話」をご紹介いただきました
これは他の組織等でも同じですね 自由になっても何をしたらよいかわからなくなってしまうのです そして「~からの自由」だけではなく「~への自由」も取り返すために何ができるか...

ここで紹介されたのがイタリアの「社会的共同組合」の試みです これは昨年のブックフェアで「イタリアの社会的協同組合」という本を買って読んでいたのですぐに頭に浮かびました 様々な種類の仕事があり 個人ではなく集団で社会(マーケット)に勝負していきます

また 「入院モデル(ospialisazione)」と「歓待モデル(ospitalità)」の2つの治療文化をご紹介いただきました 実際に病院の壁を患者たちが壊すシーンもありました 患者本人の意思決定を重要視するとのこと

 ← 2つの治療文化

そして最後に衝撃だったのは 日本では精神病院の数が増加し OECD諸国は減っているというグラフです 日本は明らかに逆行していますね 
ちなみにイタリアでは日本のような養護学校はなく 地域の普通校で受け入れているとのこと 70年代に転換したのだそうで インクルージョンというそうです  日本の状況は こちら
← 精神病床数の各国比較(厚労省医療計画/H24)

色々な揺り戻しがある中で 日本も多くを学ぶことがあるのではないかと感じました

イタリア精神保健改革と『バザーリア講演録 自由こそ治療だ!』は こちら

日本からのスタディツアー(2018年5月)も 満席となったようです 

本の紹介セミナーは こちら

イタリアブックフェア2018
は こちら


翻訳者の方々の運営するサイト「自由こそ治療だ」はこちら

Freedom is Therapeutic」は こちら

当日使用したファイル・データは こちら

* この記事の作成にあたり 翻訳者の大内氏にご協力いただきました 心よりお礼申し上げます




イタリア語ランキング

にほんブログ村 外国語ブログ イタリア語へにほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

当サークルでも使っている「L'italiano dell'arte」(美術のイタリア語)の本の紹介セミナーに行ってきました(2018.4.9)@イタリアブックフェア2018

2018年04月11日 | イタリアの本・絵本・雑誌

当サークルでも使っている「L'italiano dell'arte」(美術のイタリア語)の本の紹介セミナーに行ってきました(2018.4.9)@イタリアブックフェア2018



当サークルで開催している「イタリア語フリートークの集い」で美術の好きなメンバーがいらしたので 先生が「美術がテーマの新しいテキストが出た」とおっしゃっていたのですが まぁこの本のことでした!(^^)! というわけで当サークルでも早速使わせていただいてるのですこのテキスト♪

数年前に「東京へようこそ!(Benvenuti a Tokyo!)」のレッスンを取り 生徒一同で築地見学や イタリア大使館見学にも行かせていただいたロッサ―ナ・アンドリウッツィ(Rossana Andriuzzi)先生が もともとのご専門である美術の語学テキストを出されました!!

というわけで行ってきました本の紹介セミナー:

バジリカータ州出身で フィレンツェの大学で美術史等を学ばれてから フィレンツェの中学校教師や語学教師をされ 来日されてからはイタリア文化会館でイタリア語を教えていらっしゃるロッサ―ナ先生は なんとレッスンで使うテキストをご自分で作ってしまわれました!!

昨年このお話をHoepliという出版社からいただき 10年間温めておいたフィレンツェでの経験をこの一冊にこめられたとのこと そういえば私が受けた「東京へようこそ!」のコースでも 浅草や築地等は写真までも先生のオリジナルのテキストだったのです...すごいバイタリティ!!

先生独自のオリジナルな構成のこのテキストは B1・B2レベル(中上級)対象で 2部構成となっています 第1部は美術の概論  どうやってイタリア人が美術を学ぶか? (日本人だけが対象ではない) 美術用語 時代 様式 絵画の歴史 鑑賞に役立つ言葉 絵画鑑賞のデータを知る 絵画を説明する言葉等 そして練習問題 文法 テストと解答等...



第2部は 10作品
(有名な あるいはそうでもない)を取り上げて 詳しく掘り下げています 
モザイク画 フレスコ画 マザッチョ ボッティチェリ モナ・リザ カラヴァッジョその他 そしてラストは未来派!! 

本のラストにはクーポンがあり E-BOOK 音源ファイル 日本語テキスト その他が無料でダウンロードでき レッスンで使うもよし 独学もよし♪ 

これはイタリア語で絵画の説明がわかるようになり また話せるようになることを目的としています なのでだんだんと語学レベルが難しくなるのではなく 語学面ではフラットで 段々とレベルに合わせて内容がステップアップします
最初から全部やる時間のないコースでは 第1部の概論を終えてから 10作品はお好きなものからどうぞとのこと(*´▽`*) 

通訳のEriさんも元クラスメート♡ この本が出版にこぎつけるまでの苦労談も伺いました 先生はやはりルネサンス時代の ラファエロやティツィアーノがお好きで フィレンツェにいらっしゃることがあれば おススメの美術館は ピッティ宮殿のパラティーナ美術館そして 銀器博物館(Museo degli Argenti/ピッティ宮)がおススメとのことでした!!

「東京にようこそ!」のクラスでは幹事もすすんで引き受けていたため先生にも覚えていただき 今回もサークルでこのテキストを使わせていただくこととなり 大変嬉しいです
今まで習ってきた先生方が出された本は だいたい買っています!!
この日も最前列に陣取って聞いていました(笑) 

この本の紹介セミナーを聞きながら 10年前からサークルで スケッチ講座の通訳をやったり イタリアの美術館見学会に行って通訳したりしてきたことを思い出しました 10年前にこの本と出会っていれば...!! ざっと目を通したら美術のイタリア語の「小宇宙」のようなパワーを感じました 伝えたいこと教えたいことがぎっしり詰まっているのです!!

セミナー終了後はテキストにサインをしていただき ご一緒に記念写真♡ 忘れません...
この春から このテキストを使った新しいコースがイタリア文化会館で始まるそうです

 ← 早速買った本にサイン♡

美術のイタリア語」(中級)のレッスンは こちら 


この本を書かれたロッサーナ先生と W.スピノーゾ先生です(美術に大変造形の深い先生方です)
有名作家の代表作をイタリア語で説明できるようになりましょう!というコースです 

本"L'italiano dell'arte"は こちら

"L'italiano dell'arte
" の紹介ページは こちら
pagina Facebook de L'Italiano dell'arte は こちら


本の紹介セミナーは こちら

イタリアブックフェア2018は こちら


ブックフェア会場でもひときわ魅力的に映ります♡ 美術作品の写真も豊富で美しく 買わずにはおれない一冊でした!!


イタリア語ランキング

にほんブログ村 美術ブログへにほんブログ村

にほんブログ村 外国語ブログ イタリア語へにほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ドイツ語で日本紹介(ガイド演習)」で「明治日本の産業革命遺産」の軍艦島等についてドイツ語で話しました(2017.8.11)@欧日協会ドイツ語ゼミナール夏季講習←このGWにもやります!!

2018年04月09日 | ドイツ語・独検

ファイル一冊分の準備をしてから(笑)「ドイツ語で日本紹介(ガイド演習)」で「明治日本の産業革命遺産」そして軍艦島についてドイツ語で話しました(2017.8.11)@欧日協会ドイツ語ゼミナール夏季講習←このGWにもやります!!


またまた調子に乗ってファイル1冊分の準備をしてから(笑) 欧日協会夏季講習2017「ドイツ語で日本文化紹介/世界遺産」で 軍艦島について発表してきました~(^O^)/

年に数少ないドイツ語レッスンなので 欧日協会の夏季講習は毎年楽しみにしています 今年は初めて「ドイツ語で日本文化紹介」を夏季講習でやっていただき嬉しい~♡

この講座(4回)は 「世界遺産」「日本の習俗」「日本の文化」「日本の社会」等に分かれており 各自発表するガイド演習というもので レベルも高いです!(現役の通訳案内士も受けているコースです)

私は即座に「世界遺産」のみ申し込み 先日「知れば旅がもっと楽しくなる世界遺産講座」(クラブツーリズム)で聞いた軍艦島のお話をしようと即決!(^^)! ← 他の3つの単元はイタリア語でやってるからパス...だって話す相手のドイツ人がいないんだもの...(;_:)

イタリア語では通訳案内士のレッスンを受けていましたが 日本の世界遺産についてはやっていないのでワクワク♡ 説明はなんとかできても質疑応答はどうしよう... 他にも有名な世界遺産の中から選べたんですが 一番数が多くて難しいのを選んじゃったみたい...まっやりたかったものだからいいか♪

当日は念願の 通訳案内士の試験合格者の皆様と机を並べてレッスンを受け トップバッターで発表(疲れる前に済ませようと思いまして)! 何も見ないで満足ゆく暗唱発表ができました(暗唱までしていたのは私だけでした~)

質疑応答では 軍艦島でない他の構成遺産の「登録理由は?」と聞かれてしまいアワアワ( ;∀;) 書類引っ張り出して答えました すぐに何でも答えられるようになるのは(しかもドイツ語で)大変ですね!! でも「実際に通訳ガイドをしていることを想定した」レッスンなので とても緊張感がありよかったです たっぷり予習ができて 満足 満足~(笑)♡

先生も「こういう言い方はしないよ」と訂正してくださったり 世界遺産を説明する時に使うキーワードをたくさん教えてくださり 初めて習ったのですがベテランで安心して受けられました ^^) _旦~~

プロの方の発表は 地図を配って実際に歩きながらという想定で説明するというスタイル わかりやすい!! 長すぎずポイントを絞って紹介してくれました 私の発表はクイズや 軍艦島の元炭鉱夫のお話も入れました(世界遺産講座で聞いたものですが)  皆さんの盛大な拍手が嬉しかった~(#^^#)

   *     *      * 

"Historisce Stätten Japans der industriellen Revolution Japans in der Meiji-Zeit: Eisen und Stahl, Schiffsbau und Kohlebergbau" …und Gunkanjima

「明治日本の産業革命遺産: 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」…そして軍艦島
 
 

*Stätten Japans industrieller Meiji Revolution(Wikipediaより)は Meiji Revolutionは「明治革命」と訳すので「Meiji Restaurazion」が正しいとのこと
なので 上のタイトル(JTPのサイトのドイツ語)にしました


欧日協会ドイツ語ゼミナール夏季集中講座(2017.8.11)
「ドイツ語で日本紹介(ガイド演習)日本の世界遺産」発表原稿(5~7分)


Die neunzehnte Weltkulturerbe in Japan heißt: “Historisce Stätten Japans der industriellen Revolution Japans in der Meiji-Zeit: Eisen und Stahl, Schiffsbau und Kohlebergbau”. Insgesamt 23 Stätten in 8 Präfekturen in Kyushu (Präfektur Kagoshima, Saga, Nagasaki, Fukuoka, Kumamoto) und in der Präfektur Yamaguchi, Iwate, Shizuoka, diese Stätten sind mit dem Konzept “Serialnomination” in der Liste der Weltkulturerbe bei der UNESCO im 2015 aufgenommen*.


日本の19番目の世界遺産は「明治日本の産業革命遺産: 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」は、九州(鹿児島、佐賀、長崎、福岡、熊本県)と山口県、岩手県、静岡県の8県にある23の資産からなっています。「シリアル・ノミネーション」というコンセプトで2015年にユネスコの世界文化遺産に登録されました

*登録される=(eingetretenは使わず) in die Liste aufnehmen, registrierenがよいとのこと

 ← 明治日本の産業遺産の地図


Die Gründe des Eintrags heißen:  “Am Ende der Edo-Zeit (1603-1867) strebte Japan nach der Modernisierung. Durch den Import westlicher Technologien konnte Japan mit der schnellen Industrialisierung in diesen Stätten viel Erfolg haben.”

主な登録理由:「江戸時代末期に日本は近代化をすすめた。西洋の技術を輸入して、日本はこれらの場所で短期間で産業化に成功を収めた」です。

Die Hauptstätte: 

主な構成遺産:  
  *ひとつひとつ写真を見せながら説明する

Miike-Kohlemine(Fukuoka,Kumamoto) 福岡県・熊本県の「三池炭鉱

 ← 三池炭鉱
Burgstadt Hagi(Yamaguchi): die Burgstadt Hagi ist von Chôshû Clan。
山口県の「萩城下町」は、長州藩の城下町です。

Shōkasonjuku-Akademie: die private Schule, an der Chôshû Clansmann Yoshida Shôin unterrichtete.

松下村塾(しょうかそんじゅく)は、幕末に長州藩士の吉田松陰が講義した私塾です。

 ← 松下村塾

Nirayama-Flammofen(Shizuoka) 
 静岡県の「韮山(にらやま)反射炉

  ← 韮山反射炉

・“Hashino Eisenberg und Ruine der Hochofen” (in der Präfektur Iwate )
岩手県釜石市「橋野鉄鋼山跡・高炉跡

Ruinen der Mietsu-Marinenwerft, Präfektur Saga  Mit der Brillen kann man virtuellen Blick sehen
三重津海軍所跡(佐賀県)
メガネでバーチャル景色が見られる

・"Nagasaki Werft Mitsubishi”(Nagasaki)heute noch im Betrieb.
長崎の「三菱長崎造船所」(現在稼働中)

・“Früheres Glover-Haus” (Nagasaki): die Residenz von schottischen Kaufmann, Thomas Glover.
長崎の「旧グラバー住宅」: 英国スコットランド出身の貿易商人、トーマス・ブレーク・グラバーの住居

  ← 旧グラバー邸

Misumi West Port, Präfektur Kumamoto
熊本県の三角(みすみ)西港

Staatliche Yawata Steel Works (Fukuoka) arbeitet heute noch, aber kann man nicht besichtigen.
福岡県の「官営八幡製鉄所」。(現在稼働中、見学不可)

Als Industrialeerbe in Japan sind eingetreten: “Iwami Ginzan(Silbermine) und Kulturlandschaft” (Shimane/2007),  “Tomioka-Seidenspinnerei und Seidenfabrik in Tomioka “ (Gumma/2014), anderseits in Deutschland sind eingetreten: “Die Zeche Zollverein /Steinkohlebergwerk in Essen(2001 ), “Bergwerk Rammelsberg, Altstadt von Goslar und Oberharzer Wasserwirtschaft”(1992), “Völklinger Hütte”(Saarland/1994), usw.


日本の産業遺産には他にも「石見銀山遺跡とその文化的景観」(島根県/2007)「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県/2014)がありますが、一方ドイツには「エッセンのツォルフォアアイン炭鉱業遺産群」(2001)、「ランメルスベルク鉱山、歴史都市ゴスラーとオーバーハルツ水利管理システム」(1992)、「フェルクリンゲン製鉄所」(1994)等がありますね。

   *  *  *

Gunkanjima (Kriegsschiff-Insel)

Insel Hashima gehört zur Stadt Nagasaki. Sein Spitzname lautet “Gunkanjima” Kriegsschiff-Insel, weil er am Kriegsschiff der Tosa-Klasse errinert.  Von 1887 bis 1974 wurde unterseeischer Kohlenabbau betrieben, seither ist sie unbewohnt.


さていよいよ長崎県の「軍艦島(端島)」についてです。島の外観が「戦艦土佐」に似ていたのでこのあだ名がつけられたとも言われています。1887年から1974年まで海底の石炭採掘が行われ、それ以降は無人です。

← 軍艦島

Die Blütezeit des Berghaus began um 1890 unter der Leitung des Mitsubishi-Konzern. Damals lebten über 5,000 Arbeiter und Familienangehörige im mehrstöckigen Wohngebäude aus Stahlbeton mit der höchste Dichetn der Welt.

この採掘場の最盛期は1890年に三菱コンツェルンの指導のもとで始まりました。当時は5千人を超える労働者とその家族が世界一の人口密度で、高層の鉄筋コンクリートの住居に住んでいました。

Existierten auch Tempel, Polizeistazion, Badeanstalten, Kindergarten, Schulen, Geschäfte, Krankenhaus, Bordell, lediglich ein Bestattungswesen fehlte, es gab auf der Insel Nakanoshima.

寺、駐在所、銭湯、幼稚園、学校、店、病院、花街等がありました。なかったのは埋葬施設のみで、それは別に中ノ島にありました。

In Laufe der Energiereformen wurde die Werk im 1974 stillgelegt und gesperrt. Aber ab 2009 ist erstmals wieder möglich geworden, mit dem Schiff die Insel zu besuchen.


エネルギー改革の流れの中で1974年に操業停止し閉山しました。しかし2009年からようやく初めて船で訪れることが出来るようになりました。

Die Steine der Uferschutzanlage sind mit der Vergindungsmaterie “Amakawa” verbindet worden, wegen dieser Technik der Verbindung sind diese Teile gegen die ganz wilde Welle durchgehalten, ohne zusammenzubrechen.

また軍艦島では「天川(あまかわ)」という水に強いつなぎで天草石を積み上げた天川工法という方法で護岸工事がなされ、強い波でもその部分は最後まで崩れなかったそうです。

(Ein Quiz)

Wer damals hat am besten verdient von Ärtze, Beamte und Bergmänner ?

- Ärtze. Damals verdienten die Ärtze vielfach als Beamte oder die Bergmänner. Das bedeutet, je schwere unmenschliche Arbeitsbedingngen um so mehr vdrdienten die Ärzte. – So redete ein damaliger Bergmann.

当時この炭鉱で働いていた人に聞いた話ですが、軍艦島で一番稼いでいたのは医者、役人、炭鉱夫のうち誰でしょうか?(クイズ)

- それは医者で、役人や炭鉱夫の何倍も稼いでいました、それだけ過酷で危険な仕事だったということですね。

Wenn man die Dynamit sprengte, lagten die Bergmänner nur in Richtung Dynamit, ohne zu flüchten (keine Zeit). Wenn man in die andere Richtung Dynamit lag, sind immer die Pulver der Dynamit im Nasen eingetreten!

近くでダイナマイトを発破させる時も避難などせず(時間がなくて)、発破の方向を向いて身を伏せるだけだったそうです。反対に背を向けると、鼻から粉塵(ふんじん)が入ってきたのだそうです。

Nach der ganz strengen Arbeit im Kohlenmine, im ganz dunklen Loch nur mit seinem einzigen Licht am Kopf, die Bergmänner lächelten von selbst am Ausgang, weil sie Gott sei Dank mit heiler Haut aus dem Bergwerk zurückkehren konnten. So redete ein damaliger Bergmann.

暗くて深い炭鉱から、ライト1本で1日過酷に働き往復して帰ってきた炭鉱夫は、無事に1日の仕事が終わり帰ってこれたという感謝の気持ちでか、笑顔にあふれたと、かつての炭鉱夫は語ったそうです。

Nach der längeren Sperre und der Evakurierungszeit ist allmählich die Gräser auf der Insel gewachsen, die während der Bergbauzeit fast gar nicht wuchsen.
Auch das Meer, in dem man während der Bergbauzeit von Müll schumuzig war, ist aber jetzt wieder schöne kobaltblau geworden.
Darum war mir zufällig ein Film “HOMO SAPIENS “ (Menschenerbe) von Regisseur Nikolars Geyrhalter in Errinerung.  Die Insel Gunkanjima wurde auch in diesem Film gefilmt, in dem er das Thema “die Ruinen” behandelte. 
Vielleicht nachdem die Menschen ausgestorben wären, wüchsen wieder die Gräser auf der Erde, meinte ich.

人がいなくなった軍艦島には 人がたくさんいた頃には全く生えていなかった緑の草が生えていたのです。炭鉱当時は廃棄物で汚かった海も、今はコバルトブルーに輝いています。
なので私がこのお話を聞いた時にふと思い出したのが、廃墟ばかりを写したドキュメンタリー映画『人類遺産』(オーストリア・ドイツ・スイス映画/2016 原題『HOMO SAPIENS』... ニコラウス・ゲイハルター監督最新作)を思い出しました。この映画にも軍艦島が登場しています。
もしかしたら私たち人類がやがていなくなったあとの大地には、きっと緑が生えてくるんだろうな...と私は思ってしまいました。

Die Schiffverbindung 船のアクセス:

Vom Hafen Nagasaki laufen die Kreuzfahrtschiffe aus, die die Besichtigungstouren organisieren. Allein kann man nicht landen. Beim schlechten Wetter, z.B. wenn die Windgeschwindigkeit über 5m/s überschreitet, usw, kann man leider nicht landen, nur aus der Nähe die Insel schauen.

長崎港から出航しているクルーズ船による見学ツアーに参加します。一人では上陸できません。悪天候の時、たとえば風速5メートル以上等の時は上陸することができず、近くから眺めるだけです。
(発表は少しはしょりました)

← クルーズ船から軍艦島を間近に見る

 *      *      *

・ im Original erhalten, originalgetreu rekonstruieren オリジナルに忠実に復元する
・ Wirtschaftszweig (経済)産業部門 
・ unter Denkmalschutz stehen 文化財保護(史跡保存)のもとに立つ
・ Berg Fuji ist mehr als ein normaler Berg, Symbol der Seele Japans 富士山は普通の山以上のもので、日本の魂のシンボルだ。
・ Kunstwerke schaffen 芸術作品を創り出す

参考: 「軍艦島」「明治日本の産業革命遺産」Wikipedia、
軍艦島から新たな革命」(クラブツーリズム世界遺産講座)

夕刊フジの記事『軍艦島から「新たな革命」』(クラブツーリズム「世界遺産講座」の黒田講師の執筆された記事)等

英語対訳で読む日本の世界遺産」(Jippi Compact)
世界遺産検定テキスト 

欧日協会の2018年GW講座でも「日本文化紹介」で世界遺産またやります♪ ← もう申し込みました ^^) _旦~~

このドイツ語夏季講座と並行して 当時はイタリア語スピーチコンテスト(2017年12月)の原稿を書き進め 無事に本選出場となったわけですが よくまぁこんな大変なことをしたもんだなぁ…と自分でも今見てビックリ( ゚Д゚) 

* 写真は 夏季講座の説明に使った明治日本の産業遺産の写真 黒田講師が写した軍艦島の写真!!
 
ドイツ語ランキング

にほんブログ村 外国語ブログ ドイツ語へにほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本橋三越でイタリア展・イタリアウィークが始まります(2018.4.11~19)@日本橋三越

2018年04月07日 | イタリア料理・イタリアン食材
日本橋三越でイタリア展・イタリアウィークが始まります(2018.4.11~19)@日本橋三越


日本橋三越でイタリア展(本館・新館7F)・イタリアウィーク(本館・新館各階)が始まります(2018.4.11~19)

イタリアの美・流儀を味わう。

ミシュランガイドのスターホルダーのトップシェフがイタリア各地から大集結! 縁の深い日本人シェフとタッグを組んで 現地の特別メニューをご提供します
(Part-1 4/11~15, Part-2 4/16~19)

南イタリアを代表する店と日本のベテランシェフの共演。

ヴェネチアンガラスモトオブジェ

〈新谷頼子〉イタリア樹脂のネックレス

〈マリアーニ・アフレスキ〉フレスコ画「トーチを持つ天使たち」

テーブルに華やかな表情を。

伝統を受け継ぐ日本人の技。

〈イナウディ〉白トリュフ刻み

〈クアトロチョッキ〉a.オリヴァストロ/b.モライオロ

高評価のイタリアワインを愉しむ

シェルカメオのマエストロたちによる芸術的作品。

〈キャンティ〉ナポリターナババ

すべてが一点もののコンテリエネックレス

往年の名車 イタリア「ヘリテージカー」の魅力

イタリアが誇る美味が集合。

マリア・モンテッソーリの教え

a.〈アグレスティス〉ネッタリブレオ/b.〈テヌータペンニッタ〉アリーナ

〈サルトリア チャルディ〉イージーオーダースーツ

ミラネーゼが太鼓判を押す味。

〈ボルゴ デレ トヴァーリエ〉a.クッション/b.テーブルランプ

などなど...今年もイタリア展がやってきます!!

詳しくは こちら





グルメランキング

にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミニコンサート「震災から7年。福島・相馬子どもオーケストラからイタリアの皆様に感謝の気持ちを込めて」に行ってきました(2018.4.5)@イタリア文化会館

2018年04月05日 | イタリアの歌・音楽
ミニコンサート「震災から7年。福島・相馬子どもオーケストラからイタリアの皆様に感謝の気持ちを込めて(Soma Children's Orchestra in concerto)」に行ってきました(2018.4.5)@イタリア文化会館


今日は途中からでしたが ミニコンサート「震災から7年。福島・相馬子どもオーケストラからイタリアの皆様に感謝の気持ちを込めて(Soma Children's Orchestra in concerto)」に行ってきました!s

エル・システマ1975年 南米ベネズエラで、子どもたちを犯罪や非行 暴力などから守ることを目的に始まった音楽教育プログラムです
現在ではイタリアを含む70以上の国・地域でエル・システマの理念に基づいた音楽教育が実施されており、今までに70万人以上の子どもたちが参加しています

日本では 2012年5月に福島県相馬市で 東日本大震災で被災した子どもたちからなる相馬子どもオーケストラが創設され エル・システマジャパンとして活動を開始しました
エル・システマのなかでは 自然災害で被災した子どもたちを対象とした世界初のプロジェクトです

現在 オーケストラには約70名、コーラスには約60名の子どもが参加しています

2014年
にはイタリア・クレモナのストラディバリ弦楽器製作学校から ヴァイオリン4台とヴィオラ1台が オーケストラに寄贈されています
今回 イタリア大使館の招聘により 相馬子どもオーケストラがミニコンサートを開き ヴィヴァルディ コレッリと、 今年 没後150周年となるロッシーニの曲を演奏します

プログラム:

A. ヴィヴァルディ(1678-1741) 「調和の霊感」より第6番 イ短調
A. コレッリ(1653-1713) 合奏協奏曲 第4番 ニ長調
G. ロッシーニ(1792-1868) 弦楽のためのソナタ第6番 ニ長調より 第2楽章アンダンテ・アッサイ


相馬市からやってきた16人の子どもたちはみなとても純真でまっすぐで 見ていて心が洗われるようでした 演奏もさわやかで素晴らしく 聞いていて心が晴れ晴れとしました
会場はほぼ満席 その拍手に込められた聴衆の皆さんの熱い思いを感じました ホワイエには募金箱もありました 

そしてアンコールは バッハのG線上のアリア...これは東日本大震災で亡くなられた方がたの追悼 そしてこの3月末に亡くなられた エル・システマジャパンの創設者ホセ・アントニオ・アブレウ博士を悼んで演奏されました この曲はほんとに心に染み入りますね...涙が出そうでした

終了後 高円宮久子様がお帰りになられます とのアナウンスがありビックリ!! いらしてたのですね... 偶然 若い頃職場で少しご一緒させていただいた高円宮様のことを 音楽を聴きながらふと思い出していたのです 

若い頃の思い出が 演奏を聞きながらよみがえっていたら...同じこのアニェッリホールに久子様がいらしていたとは...不思議ですね 

このあとイタリア文化会館のあちこちに立ち寄ってから すぐ向かいの二松学舎大学の食堂で 素晴らしい眺めを見ながら 友人とランチして帰りました  

 ← 二松学舎大学のすぐ向かいがイタリア文化会館です♪

ミニコンサートは こちら


エル・システマジャパンは こちら
音楽を愛するベルリン在住の小児科医や ベルリンフィル団員の志と後押しで 2012年に創設されました

 ← エル・システマジャパンのパンフレット

素晴らしいミニコンサートを開催してくださいましたイタリア文化会館様に 心よりお礼申し上げます
4月7日(土)からはいよいよイタリアブックフェア2018ですね!! 初日から行きます(笑) 


芸術・人文ランキング

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

実用イタリア語検定1級合格者は全国通訳案内士試験(旧称 通訳案内士試験)筆記試験語学科目が免除されることになりました!!(2018年度/H30年度より)

2018年04月01日 | イタリア語検定・スピーチコンテスト
実用イタリア語検定1級合格者は全国通訳案内士試験(旧称 通訳案内士試験)筆記試験語学科目が免除されることになりました!!(2018年度/H30年度より)


速報! 朗報です!!
「実用イタリア語検定1級」合格者は 全国通訳案内士試験(旧称 通訳案内士試験)筆記試験語学科目が免除されることになりました!!

「通訳案内士試験制度の見直しについて」
(観光庁 観光資源課)によると このH30より 通訳案内士一次試験(イタリア語)が 実用イタリア語検定1級所持者には免除されることになったそうです 

詳しくは こちら


平成30年3月改訂のガイドライン」は こちら


実用イタリア語検定が外務省の後援事業にもなったことですし 独検や仏検1級は前から免除でしたので まだかまだかと思っておりました 関係者の皆様のご尽力に心より感謝申し上げます

他にも スペイン語検定1級で免除等 色々と見直しがされているようです TOEICの免除基準点もアップしていますね 


2級のあと 通訳案内士試験にしようか 1級にしようか はたまたCILSにしようかと 迷われている方も多くいらっしゃると思います なので朗報ですね!!

両方受かった方にお話を聞いたことがあるのですが 通訳案内士のイタリア語の試験は記述中心(和伊・伊和) ガイド業務で必要な単語も出されます 四択ではなく「書く」試験・出力中心の試験で 7割が合格ライン 一方伊検1級は8割と高く ボキャブラリー 読解 作文等の力が広く問われます 

伊検1級をお持ちの方は 邦文試験と二次試験に力を注げますね 

といっても通訳案内士の資格がなくとも通訳案内業務ができるように通訳案内士法が改正*されましたが... 

* 平成30年1月4日より改正通訳案内士法が施行され、通訳案内士は「全国通訳案内士」となるほか、通訳案内士の業務独占規制が廃止され、資格を有さない方であっても有償で通訳案内業務を行えるようになるなど、通訳案内士制度が大きく変わりました 

ちなみに 日頃からボランティアガイド等に携わっていらっしゃる方は 通訳案内士の合格率もやはり高いようです 私の習っていた先生のところでも数名受かっています


全国通訳案内士試験
は こちら


実用イタリア語検定
は こちら

* 写真は ローマのナヴォーナ広場「ムーア人の噴水」 ここに行った頃はまだ全然しゃべれなかったなぁ~



イタリア語ランキング

にほんブログ村 外国語ブログ イタリア語へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする