5回目の修了式となるこの日は 5名中3名の方が出席され 皆さんそれぞれに立派なスピーチを披露されました
イタリア語総合コースの上級修了までには6年かかるそうです 私も Espresso 3終了までは それくらいかかったかな...
そして特別セミナー『ミラノとイタリア・デザイン』(同時通訳付)を聞いて そのあと懇親会で様々な方々とおしゃべりしてきました
* * *
1.デザイン一般について
まずは デザインの歴史についてお話いただきました
ルネッサンス時代からの流れ 産業革命や 重工業の発達とともに 工業製品が手作り製品にとって代わられるようになった歴史 航空機の民需への転換についてなど
そしてMoto(バイク)の Guzzi 有名なFiat 500 Topolino これはディズニーが選んだといいます
← Fiat 500 Topolino
車は イタリア人にとってはデザインが最も重要なファクターで 修理し続けながらも使うそうです
というのも質疑では 日本車はデザインよりも性能重視 一方イタリアではデザイン重視か?という質問が出ました そのとおりですね
ちなみに ドイツ車はデザインよりも性能重視ですね
Vespa これは「ローマの休日」で一躍有名となったスクーター♡ 大成功を収めました
航空機メーカーのピアッジオが 大戦後の復興期で民需転換するために開発されたそうです
この 実はバイクが嫌いだったデザイナーからの Vespaの誕生秘話を伺いました
ズボンが汚れないように カバーをしつらえる等の工夫も生まれました
また 広告に女性が起用されたのも 大戦終結直後に イタリアで女性の参政権が生まれたことに関係があるのだそうです
← Vespa
Lambretta イノチェンティは 手軽に自分で移動する将来を見るため
低価格の 誰でも運転できるオートバイとして スクーターの製造を始めました
名前の由来は 工場のあったミラノの ランブラテ地区の Lambra川だそうです
50年代は Fiat 600 e Fiat nuovo 500 - Giacosa
これは ダンテ・ジアコーザによる丸みを帯びたデザインで
カーマニア垂涎の的だそうです
Lexicon 80 - Nizzoli タイプライターで有名な オリベッティ社についてもお話いただきました
オリベッティのタイプライター うちにもありました...すっごい大きくて重くて(#^.^#)
Radio Brionvega TS 502 (Zanuso e Sapper) これは60年代のラジオですが
赤い四角いかわいいボディで 「ラジオを変えたラジオ」で "Cubo(キューブ)"と呼ばれたそうです
私はなんとなく 目覚まし時計のように思えました♡
Lavatrice Candy 46年の洗濯機ですね
サイズもまだ小さく 捕虜だったデザイナーが描いたデザインから生まれました
ちなみに キャンディではなく カンディと発音します(^.^)
(私が小さかった頃に うちに初めてやってきた洗濯機も とても小さくてどこか似ていました)
Superleggera - Gio Ponti
軽量の椅子 軽くてシンプルで安定したデザイン これは大好きです!! 人工の材料は使わなかったとのこと
そして 建築・都市から ソファやランプなどのポップなデザインまで 幅広い領域の活動を行うイタリアの建築家集団
superstudio-archizoomについてもご紹介いただきました
2. ミラノのデザインについて
Salone e Fuorisalone
ちょうどこの4月9日~14日に 世界最大規模の家具見本市である ミラノサローネ国際家具見本市(Salone del Mobile.Milano)が開催されますが
その紹介をしていただきました
フオリサローネという市内のイベントもありますね
Premio Compasso d'Oro これは1954年から始まった国際デザイン賞で
今はイタリア工業デザイン協会が主催しています 美術館もありますね
私もイタリア文化会館の展覧会で知りました
このミラノデザインウィークは 1961年の経済ブームを受けて メイド・イン・イタリーの製品を輸出する狙いで始まりました
「ミラノサローネ国際家具見本市」開催に伴い ミラノ市内ではさまざまな企業やデザイナーによる展示が行われ
このデザインの祭典は「ミラノデザインウィーク」と呼ばれています
約2300の企業が出展していますが 80年代に企業から自発的に始まったのだそうです
Triennale についてもご紹介いただきました
Zona Porta Genova ここは 昔は危険な地区でしたが このイベントのおかげもあり安全になってきたとのこと
革新的なクリエイターが活躍しています
← Zona Porta Genova
3. Designer importanti
ここでは重要なデザイナーについて ご紹介いただきました
ブルーノ・ムナーリ(Bruno Munari) (1907年ミラノ - 1998年)
美術家 美術家 グラフィックデザイナー プロダクトデザイナー 教育者 研究家 絵本作家です
おもちゃ 伝記 エイナウディ カンパリ社等とのコラボ 子どものための教育法など 自然さがないと駄目というポリシーがあります
ジオ・ポンティ 1891年ミラノ生まれ
建築とデザインの融合 そして機能主義(funzionalismo)
リチャード・ジノリ社でアートディレクターを務め 自身の建築事務所を設立し 建築・デザイン誌「ドムス」を創刊
戦後のイタリアデザイン界を牽引した偉業から「イタリア建築・デザインの父」と称されます
マルコ・ザヌーゾ(Marco Zanuso) (Milano, 1916 – 2001)
先ほどの赤いラジオのデザインで有名ですね
デザインの美しさという枠を超えて 技術革新 産業 流通 コミュニケーションの多様化を組み入れる「プロダクトの工業化」に興味を示したのは
ザヌーゾがイタリアで最初でした
ルネサンスの建築家を理想とし 椅子 カルテル エラムの台所等をつくり 何回もコンパッソ・ド・オーロ賞 (Premio Compasso d'oro)を受賞しました
ジョエ・コロンボ(Joe Colombo) (1930-1971 ミラノ)
画家 建築家 グラフィックアーティスト インダストリアルデザイナーです
ブルジョアの家に生まれ 家にこだわりがあり エアコン 時計 新しい素材にチャレンジしました
アキッレ カスティリオーニ & ピエル ジャコモ カスティリオーニ(Achille & Pier Giacomo Castiglioni)
Achille Castiglioni: 1918年 ミラノ生まれ 1956年創設のADI(イタリア・インダストリアル・デザイン協会)創設者の一人 9つのCompasso d´Oroを受賞
兄のPier Giacomo Castiglioni(1913-1968): 1937年に 兄Livioとともに、“建築デザイン、都市建築、工業デザインの研究”を開設
ミラノにおける建築大学教授 1964年第13回トリエンナーレの実行委員会メンバー
1940年以降 ミラノ・トリエンナーレに毎回出展し 多くの賞を受賞しました
スタンド(arco という照明器具) 日用品 トースター デミカップ等をつくり 無名作家からインスピレーションを得ました
使う人の役に立つことが大切で デザイナーとしての痕跡を残すよりも 知らない人との小さな交流をよしとするそうです
50年代に前衛芸術運動「Movimento Nucleare」に参加しました
"PININ"という愛称のBattista Farina
彼は Pininfarinaの創設者です
フェラーリに代表される自動車のデザイン エンジニアリング デザイン分野では 船舶や電車から エスプレッソマシンに歯ブラシに至るまで 幅広く手がけています
エットレ・ソットサス(Ettore Sottsass) (1917年インスブルック生 - 2007年ミラノ没)
ソットサスは 戦後イタリアン・デザインに対する世界的な評価を高めた一人です
オリベッティ社の製品デザインで知られるようになり コンピュータやポータブル・タイプライターなど 数多くの製品デザインを行いました
多色の色鮮やかな家具や書架も作りました
Gaetano Pesce (La Spezia, 8 novembre 1939)
女性のフォルムのソファーが印象的でした ソファーに足置きがついていることの示す 社会的メッセージなどもお話いただきました
ちなみに90年に日本プロジェクトで来日されたそうです
ガエ・アウレンティ(Gae Aulenti)
彼女は パリのオルセー美術館 パリのポンピドゥー・センターの国立近代美術館 ヴェネツィアの美術館パラッツォ・グラッシなど
既存の建築を改修して 巧みに光を用いた美術館建築が有名ですが 東京のイタリア文化会館の新ビルを完成させたのも彼女とのこと!!
まとめとして デザインは 今までにないものをこの世に生み出します 創造力(creativitarità) それは生活を変えますが
それを使うことはまた デザインの世界にも影響を与えます とのことでした
今まで色々なデザインの紹介セミナーや展示を観てきたので 少しはわかるようになっていて嬉しかったです
特別セミナー『ミラノとイタリア・デザイン』 & イタリア語総合コース修了証 授与式は こちら
この日は 講師の先生や 何人かのイタリア語仲間とまたまたおしゃべり♪ 新しい出会いもあり楽しい一日でした!
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