アニメ産業の日伊比較@"L'industria dell'animazione in Italia" vs「アニメ産業レポート」- その① イタリア
アニメがテーマのイタリア語プライベートレッスン(月1回)も3回目が無事終わり あと2回となりラストスパートが近づいてきたので せっかくのチャンスなので 無謀にも(?)日伊のアニメ産業比較を試みました😲
Durante le lezioni private sul tema degli animazioni ho provato a paragonare l'industria dell'animazione in Giappone con quella in Italia.
「日本のアニメは鉄腕アトム(Astro Boy)の時からメディアミックス展開(media mix distribuzione)をして世界に広まったが イタリアのアニメは アニメグッズ(action figure)の商品化(commercializzare)やコミカライズ(comic adaptation)などでマルチ展開(multi-distribuzione)を図る等 アニメ産業の広がり(estesa)はあるのか」 そして 「イタリアの子ども・青少年・大人は 日伊どちらのアニメをより多く観ているのか?」について知りたかったからです😊
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まずはネットで調べてみました:
日本のアニメ文化とイタリアのアニメ文化の違い(2023.6.7) は こちら
抜粋: イタリアのアニメはファンカルチャーとしての影響力は日本ほど大きくはありませんが、イタリア独自のアニメイベントやコミュニティも存在します。日本のアニメは国内外で大きな人気を誇っており、イタリアでも人気の作品やキャラクターは多く存在しますが、その規模や影響力は異なると言えます。
次の記事です:
人々が集まるたばこ屋で販売されているもの、それはアニメグッズ!【イタリア】(2024.09.16) は こちら
抜粋: 若い世代がバール(bar)・たばこ屋さん(tabacchi)の 店主になると自分の趣味のものを売り出したりします。そのひとつがアニメグッズ。イタリアの50代以下の世代(1970年代半ば以降生まれ)のほとんどは、日本のアニメを見て育った人たち。アニメへの思い入れが深い人が多いのです。
イタリアのアニメについて色々探して ようやく 「アニメ産業レポート2024 サマリー版」(一社 日本動画協会)と "L'industria dell'animazione in Italia"(Cartoonitalia)のサイトを見つけ アニメ産業の日伊比較を試みました

規模は違えど それなりにイタリアのアニメ産業もマルチ展開を試みている という感じでしょうか
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イタリアのアニメ産業について ざっくりまとめますと…
2023年のデータ: Animazione in Italia, fatturato di €200 milioni/イタリアのアニメーション、2億€の総売り上げ(9.4.2023) は こちら
抜粋: イタリアのアニメーション部門は増加しており、2億€(326億円)の総売上高(fatturato complessivo)を記録した 雇用(occupazione)も2018年に比べて30%増加し 6,000人の雇用となった
ちなみに2016年では 1億€(163億円)、3,000人の雇用だった(倍増ですね)
75%が合作(coproduzioni)による出資(finanziamento)である。
RAIがアニメ部門の主役に留まっている。
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次の記事です:
La Crescita Nell’Industria dell’Animazione in Italia(イタリアのアニメ産業における成長) は こちら
(記事の日付が見つからず、2024年以降であることは文脈からわかりました)
要旨: Cartoon Italia(assoziozione nazionale prodottori d’animazione)のCarolina Terzi会長は イタリアのアニメ産業の重要性を 想像力(creavitità)とクオリティ(cualità)の一例であると強調した
協会は、サービスとライセンシング(licensing)も含めて80の会社(aziende)と6,000人の雇用を有しており、5億€(500milioni/815億円)の取引額(giro d’affari)を生んだ
特にtv privateとpiattaforme on-demand(オンデマンドのプラットフォーム)への投資を試みたが成功せず
プラットフォームからの1千万€の投資の増加により この分野で43%の増加と1,120の雇用が生まれ決定的な発展を見た
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最後に見つけた "L'industria dell'animazione in Italia(イタリアにおけるアニメ産業)"(Cartoonitalia) は こちら
(日付が見つからず 数字が一致したため おそらく2016年のデータではないかと思われます):
産業(L'industria)
制作会社(le società di produzione)
イタリアのアニメ産業部門は80の企業(aziende)と3,000人の従事者(addetti)と 年間売り上げ(fatturato annuo)は1億€(100M€/163億円)以上となる
これは国際的なパートナーとの共同制作(co-produzione)によるものであり、国内の投資(investimenti)はおよそ 7千万€(70M€/114億円) となる
テレビ(le televisioni)
イタリアのテレビのシステムは子供や青少年のための22のチャンネル(canali)がある イタリアの制作は11%のみ(フランスでは42%がフランス制作、青少年向けの番組編成は9%)
主要パートナーであるRAIの年間予算(budget annuoe)は15M€(1,500万€/24億円)となる
他の放送局(broadcaster)はDisney ChannelやCartoon Networkも含めて実際には制作現場には存在しない
(中略)
文化レベルでの戦略的な部門(un settore strategico a livello culturale)
観客(il pubblico)
アニメーションは主に 若者や家族の観客に対して展開される
アメリカ ヨーロッパ アジアからの供給は非常に広く 自国の作家や制作者たちは 自国であれ外国であれ 若い世代にイタリアの物語や文体のモデルを提供できるスペースを見つけなければならない
制作物(il prodotto)
テレビシリーズやアニメ映画を製作するには 様々な分野でのハイレベルな能力が必要である ー 書く グラフィック 造形芸術(arte plastica) 音楽 視聴覚言語 演技等 ー そして 2Dや3D映像の制作のためのより最新のソフトウェアの熟達 アニメーション デジタル編集等のテクニック等々
雇用のための戦略的な部門(Un settore strategio per l'occupazione)
若者のためのプロフェッショナルな出口(sbocco professionale)として
アニメ産業は 映画学校やアカデミー学院からだけではなく 大学の各コース(理工系、ニュー・デジタルメディア、DAMS/ボローニャ大学芸術学部、デザイン・マンガ・グラフィックスクール)から 専門的なタイプであるがゆえに 産業・国際的なスケールでの少ない出口のひとつを構成しながら 人的資源を見つけている
中長期的な雇用契約(contratti di lavoro a medio/lungo termine)
1シリーズもしくは長編アニメは約3年間の製作期間を要する
主に若者であるアーティストや技術者たちは 社会保障及び年金制度(Enpals/Inps)に寄与する制度でもってフルタイムで(a tempo pieno)雇用される
国際的なレベルでの戦略的な部門(un settore strategico a livello internazionale)
イタリア文化の普及
若い世代のグローバルなイメージの中で私たちの国(イタリア)の存在を高めながら 世界中で観られるテレビシリーズや映画が作られている
例えばWinxは170か国で放映された

(日本でいえばセーラームーンとかプリキュアのような感じ?)
*速報: 10月からNetflixで配信開始され日本でも視聴可能になる アニメーション界の世界的リーダーであるマルケ州企業Gruppo Rainbow の新シリーズ「Winx Club ‘The Magic is back’」の先行発表。 大阪万博2025において2025年6月3日 マルケ州経済活動大臣に代表される「マルケ州週間」のイベントにて先行発表!
360°のマーケット(un mercato a 360°)
ライセンシング(licensing)、広告制作(produzioni pubblicitarie)、ビデオゲーム、タブレットやスマートフォンへのアプリケーション、デジタル出版、工業、科学、医学、建築分野での特殊効果(effetti speciali)やシュミレーション(simulazione)等の部門に拡大している
定量化されて(quantificato)はいないが、およそ10億€(1 miliardo di €/636億円)とみられる
企業の国際化(Internazionalizzazione delle imprese)
高額な制作費(alti costi di produzione)のため、制作資金供与システム(il sistema di finanziamento delle produzioni)は 通常は国際的な合作(co-produzione internazinale)にもとづいている
このメカニズムは 当初よりイタリアの企業を 編集面(piano editoriale)においても 実現できるクオリティにおいても 競争力を持つことのできる作品を制作できるように 海外のマーケットに開かせていた(una presena attiva sui mercati esteri)
要するに イタリアの制作会社は 国内の放送局(broadcaster nazionale)とともに 残りの予算(budget)の40~60%を国際マーケット(mercato internazionale)で捻出しなければならず 通常はカバーするにいたっている
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制作の海外出資(finanziate con apporto estero)の例、批判点と解決策、仏・米作品の税額控除(credito d'imposta)の影響等は省略
協会について(le associazioni)
CARTOON ITALIAは こちら
イタリアのアニメ産業を代表する協会 90年代末に設立
ASIFA ITALIAは こちら
1982年に設立された イタリアのアニメーション作家、アニメーション専門家を代表する組織
UNESCOに付属するl’Association International du Film d’animation (ASIFA)の国内組織
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ちなみに イタリアで人気のWinx (170ヵ国で放映)のサイトで どんなグッズが売られているか見てみました:
Shop | Winx Club は こちら

ナポリのアニメ・フェスティバル Comocon Napoli でのグッズ販売は こちら ← 下の方にグッズがあります
さて次は 日本のアニメ産業についてです
3兆円を超えて成長を続けるアニメ産業市場(半分は海外)となります…
その②に つづく...