日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

イタリア文化セミナー『イタリア広告が庶民の生活に及ぼした影響』に参加してなつかしのカリメロに再会してきました(2018.2.25)@LCI

2018年02月26日 | イタリア関連の催し

イタリア文化セミナー『イタリア広告が庶民の生活に及ぼした影響(l'influenza della pubblicita' nella cultura popolare Italiana)』に参加して なつかしのカリメロに再会してきました(2018.2.25)@LCI


カリメロは昔アニメを見てたけど もとはイタリアのアニメだったのですね...トッポジージョ(Topo Gigio)もそうなんですね! 「Carosello(カロゼッロ)」(1957~1977)という 広告とアニメ等が合体したイタリアの超人気番組の中で放映されていたのですね(^.^)

Caroselloは約10分の番組で 「カロゼッロの後ベッドへ(a letto dopo il Carosello)」という言葉が 当時の子どもたちが夜9時に番組が終わったらベッドに行く合言葉ともなっていたそうです (旧東ドイツにも同様の人形アニメ『ザンドマン/ Sandmännchen』がありました) その中の2分強のアニメが「Calimero」で 1963年から始まりました 日本でも1974~75年に「カリメロ」は東映動画によってアニメ化され 劇場映画もできました! あぁ 懐かしい~(*´▽`*) ← 学生の頃アニメ大好きで 実は東映動画F.C.にも入っていたくらいです♡

Calimeroの名前の由来を調べたら 作者Nino Pagot氏が結婚式を挙げたBasilica di San Calimero(サン・カリメロ大聖堂)に祀られている聖人Calimelloの名にちなんでつけたとあります
もともとカリメロという名前はよくあったのですが この人気アニメが出来てからは どうしても黒いヒヨコのイメージが強いのであまりつけられなくなったそうです♪

(ちなみに「カリメロ」という名は ギリシャ語のKallimerosを由来とし Kalosは「美しい」 merosは「脚」で カリメロ=「美しい脚」を意味する(日本語版Wikipedia)とありますが アニメのカリメロの由来とは直接関係はないようです)

カリメロの有名なセリフ: "Ava, come lava!" Avaは洗剤(detersivo)の名前で ”Calimero non è nero, è solo sporco!"との少女の言葉に続きます
"È un'ingiustizia però!" は そんなのずるいよ!という抗議のセリフですね

    *      *      *

1946~1969の奇跡の経済発展(miracolo economico)でイタリアのGDPが年率6.3%も上昇する中で FiatやOlivetti社等が急成長し 就職率が増加し楽天的な空気の中で消費社会が到来しました 

1948~1962年の教育改革(Riforma scolastica)により 義務教育や 教師がイタリア語を話すことが義務付けられました 文盲率も割と高く方言(dialetto)が主流でした 

イタリアで1954年に初めてRai(Radiotelevisione Italiana/イタリア放送協会)がテレビ放送を開始し その3年後に消費社会(società dei consumi)の到来に合わせたかのように始まったのが この「Carosello(カロゼッロ)」(1957~1977)という広告合体番組でした 

  ← Caroselloのオープニング sipario(幕) 音楽はナポリ民謡の一節

広告(pubblicità
)はまだ当時はネガティブなものととらえられており(TV番組には広告を出せない決まりがあった) 当時この番組以外にTVコマーシャルはなかったのだそうです (ちなみに日本では1955年に広告が始まっています テレビ放映そのものは1953年からです)

最初はテレビも高額なため バールや裕福な家に集まって見ていました 60年代初めにはほぼすべての家庭にテレビが普及し (私も日本で同じくらいにテレビが家にやってきたのを覚えています) 家族が夜テレビの前に座る風景が見られました 

新聞は読めなくとも テレビは見られるし受動的に楽しめるし 当時は皆が冷蔵庫や洗濯機や車やバイクなどを買い始めた時期で 広告は庶民にとって重要なものでした

   ← イタリアで普及し始めた冷蔵庫のCM   洗濯機は最初からドラム式だった

この「Carosello」は毎晩放映され 特別なイベントや災害・大事件(テロやケネディ大統領暗殺とかローマ法王ご逝去等)以外は 必ずお茶の間に現れていました
 
Totò  Domenico Modugno  Eduardo De Filippo
等 実に多くの名優たちがここに登場しており驚くばかり いかに当時のイタリアでこの番組が人気だったかわかりますね テレビは国民の意識を刺激し固める役割を果たしており 道徳を学べる学校のような役割も持ち 「テレビの言うことが正しい!」と当時は皆思っていたそうです 
この番組が当時 方言(dialetto)が主流だったイタリア人に 話し言葉の標準語(standard della lingua parlata)を普及させていったのですね
ちなみに2017年に"Carosello"は60周年を祝いました

約10分の番組の中で 2~3分のエピソード(siparietto)が5本ほど ラストに30秒程度の広告(codino/しっぽ)つきで 毎日続き物で放映されていました 子供向けアニメ コメディ(コント) ショートムービー等です 
中にはストーリーとはまったく関係のない広告もありました そこでいよいよクイズ!!3本のビデオを見てどれがどの広告か当てるのですが 内容と関係ないのもあって当たらなかった~(笑)

チンザノ(Cinzano
)の広告では 女性が外で働き始め より独立した女性像を望み 女性も男性同様に余暇を楽しみ 飲みたいということを表す広告もご紹介いただきました 
ガスコンロの宣伝(それ以前は窯)では "Non c'è due senza tre"(二度あることは三度ある)ならぬ  "Non c'è due senza triplex!"(triplexはガスコンロの名前) その他いくつかの面白い"Carosello"のビデオを見せていただきました   
 ← STARのコンソメをいただきました! この女性の写真は何十年も変わらず使われているそうです

当時はテレビが教育的な役割も果たしていて あまりふだん使わないような単語の意味を説明する場面もありました 広告の中では方言はおバカなキャラクターが使うことが多かったそうです 

 *      *      *

さてこちらは予習編ですが(だんだんと予習が密になってくる...) Wikipedia等の他に「イタリア人に最も愛された番組Carosello(Carosello, la trasmissione più amata dagli italiani)」という記事が 当時のイタリアの社会的背景もわかって大変参考になりました:

"Carosello, dunque, può essere una fonte molto ricca per osservare come l'Italia divenne una società indistriale-urbana." (Caroselloは どのようにイタリアが工業都市社会になってゆくのかを観察するのに適した番組となった)

さらに興味深いのは 「なぜイタリア人に最も愛された番組がla pubblicità(広告)だったのか?」というくだりです Carosello テレビ 当時のイタリア社会がそれを解くキーワードとのこと 

paleotelevisione(旧テレビ)の時代 

イタリアのテレビは1954年に始まりました(当時は1チャンネルのみ) アメリカでは最初からTv private commerciali(民放)の広告収入によって賄われていましたが イギリスではBBC放送が政府のコントロールのもとでrigorosamente senza pubblicità(厳格に広告が禁止)されていました (日本のNHKもそうですね)

そこでイタリアが選んだ第3の道が 3つのI(informare, istruire, intrattenere/知らせる、教育する、楽しませる)のミッションだったわけです 実際教育的な番組はたいして面白くなかったようです

1960~68年には「Non è mai troppo tardi(per imparare leggere e scribere)」という教育番組を通して 文盲(analfabeto)の人びとがイタリア語や文化・教養等を身に着けたそうです 

テレビのcodice morale (道徳基準)

テレビは当時の政権DC(Democrazia Cristiana/キリスト教民主党)のコントロール下にあり 50~60年代はカトリックの検閲(censura)がありました そのためRaiの初代代表Filiberto Guala(1954~56)は 厳格なun codice d'autudisciplina(自己検閲)を施し 卑猥な言葉 暴力的な表現等を排除し 70年代まで続いたそうです

彼にはCMを打ちたいという勢力とのせめぎ合いがあり 辞職(1956)のあとに広告番組"Carosello"が誕生した(1957)とありました

1957年にRaiがmessagi pubblicitari(宣伝広告)の放送を始めようとした時 "non poter fare pubblicità durante gli stepptacoli TV(テレビ番組の間はコマーシャルは出せない)"というテレビ放送の法律により 新しいformat televisivo(テレビのフォーマット)を作ったとのこと (wikipedia)

広告を導入したことを容赦してもらうために番組は12分のみ 商品よりもストーリー重視
アニメのラストにのみ商品名を言える アニメのストーリーとラストのCMは切り離されている  キャラクターは週1回のみ登場し(ひとつのキャラクターがひとつの商品を宣伝していた) 1作品ごとに内容が違い(製作コストの増加を招いた) 商品名を連呼するのは6回まで等の決まりがあったとのこと 

SipraがRaiのpubblicitàを管理していました 広告を許してもらうかわりに内容を面白くしたとのこと また当時はまだアナウンサー自身が広告を読むこともあったようです 広告番組の広告が新聞に載ることもありました

1976年に憲法裁判所(Corte Costituzionale)がTv private commerciali(民放)を自由化しました 1978年にはテレビ王ベルルスコーニの息のかかったCanale 5が始まりました

そして1977年にこの番組は終了しました この20年間でテレビ契約者は3倍の1,200万に増えました 終了の理由は色々あり 広告業界の成長や変化 CM(spot)の時間制約等が我慢できない テレビが教育を担う時代が終わった 国際市場は多くの国に通用するCMを望みイタリアのみに通用するCMを好まなかった等です ちなみに次の番組は「Spazio F」でした(Wikipedia)


今回のセミナーの準備はテーマが身近だったこともあり数日間みっちり取りかかり 以前イタリアのテレビについてIPAのレッスンでやったのまで見直して 日本とイタリアのテレビの比較までやってしまいました(笑) おかげさまで当日もバッチリ! イタリア語で2つ質問ができました 数年前は聞き取るのも難しかったのに 先生にも成長をお褒めいただき嬉しかったです(#^.^#)

こちらの先生とはサークルを通じて 何年か色々とご一緒させていただいたので 終了後の送別会では思わず涙が...先生 どうかお幸せに!!

セミナーは こちら
ここの「関連記事」でカリメロの映像が見られます カワイイ♡ 本当にアニメ2分+CMの構成でした!

*素晴らしいセミナーを開催してくださいましたLCI様に心よりお礼申し上げます 


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当サークルの総会・新年会を開催しました(2018.2.18)@池袋イル・チンギア―レ

2018年02月23日 | 活動の報告
当サークルの総会・新年会を開催しました(2018.2.18)@池袋イル・チンギア―レ


恒例の総会・新年会は 今年は池袋のイル・チンギア―レという 会員さんおすすめのイタリアンのお店で開催しました♪(参加者7名)

イル・チンギア―レは 「いのしし」という意味のイタリア語です

 ← アンティパスト

2018年度は 4/22(日)から年4回の「イタリア語フリートークの集い」の開催 7/22(日)の「第2回世界遺産入門講座 - イタリアの世界遺産(南イタリア・シチリア編)-」その他を予定しています 

 ← トリュフときのこのパスタ

サークルも11年目となり 折り返し地点を過ぎたかなぁ~という感じです 余興はイタリアクイズではなく 私のスピーチコンテストのスピーチでした ^^) _旦~~
スピーチを披露している間 小さなお店がしーんとして 知らないお客さんまでもが私のスピーチをきいてくださってたのかな...(*´▽`*)(/ω\)

初めて行きましたが 小さなお店ですのでこちらの細かなリクエストにも実に誠実に応えてくださり 心から感謝いたします

会員の皆さんも海外に出られる方もあり それぞれですね 

通訳の友人から「イタリアの歴史を知らないと イタリア人とまともに話ができない」と前日のセミナーで聞いたばかりなので 思い立って家から持ってきた「物語イタリアの歴史―解体から統一まで (中公新書)藤沢道郎」の本を 会員さんにお貸ししました 実は先生からこの日お薦めされた本なのです←もう読んだも~ん(笑)( `ー´)ノ  

今年は7月22日に「第2回世界遺産入門講座」で シチリアやカステルデルモンテ(フェデリコ2世)等をやるので みんなでイタリアの歴史をやろうね♪

  ← ドルチェいろいろ

ご参加くださった皆様 一日ありがとうございました♪

イル・チンギア―レ
は こちら

地図は こちら



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「森を歩けばドイツがわかる?!ー興味森々!ドイツと森の深イイ関係ー」に行ってきました(2018.2.9)@(公財)日独協会

2018年02月20日 | ドイツ語・独検

「森を歩けばドイツがわかる?!ー興味森々!ドイツと森の深イイ関係ー」に行ってきました(2018.2.9)@(公財)日独協会


昔 ドレスデンのペンフレンドの家に行った時に ちょっと散歩しようというのでサンダルつっかけて歩き始めたら...1時間くらい山というか森をえんえん歩かされ...ドイツ人と日本人の体力差を思い知らされたのですが この日の森のお話を聞いてついつい昔のことを思い出してしまいました ^^) _旦~~ 

Wanderführer(ハイキングガイド/WF)
って聞いたことありますか? 日本語には訳しずらいのですが 日本のハイキングガイドよりも ナビゲーターという意味合いが強く その日本人第1号のドイツハイキング連盟(DWV/Deutscher Wanderverband)認定ガイドの 小野和美氏(Harmonisch代表)が ドイツのWanderung(森歩き・ハイキング)について 詳しくご紹介くださいました:

このWFはドイツには 約6,300人いるそうですが 通常は猟師(Jäger)やハイキンググループの主催者などが取る中で 日本人で初めて取ったという方なのですね! その認定試験の苦労談は日独月報の記事で読ませていただきました 

OWK(Odenwaldklub e.V.)Heidelberg
の推薦を受けて Sauerlandにある SGW Wanderakademie9日間の合宿コースに参加し すべてドイツ語での多岐にわたる講義や実技 様々な課題をこなし シダ植物について発表し 自分ひとり筆記試験に最後まで残り...涙の合格発表!! ←自分も伊検や独検を受けてきたので感動が伝わりました(涙) 

一番大切な「地図読み」は この小野講師が10年間所属しているOdenwaldklub e.V. というオーデンの森クラブでのWanderung(森歩き、ハイキング)の体験から 徹底的にたたき込まれていたので完璧とのこと その森の地図を実際に見せていただきましたが この地図を見ながら景色が頭に浮かぶとのことでスゴイ!!

引率のために最低2回下見をするそうで 森に入る前のおトイレの仕方... ドイツ人の...  それを聞きながら思わず昔 戦場ヶ原に入った時に なぜ最初にトイレに行っておかなかったのかと泣きそうになったことを思い出しました(笑) ←トイレが行けども行けども全然ないんですよ!!

セミナーでは ハイデルベルク近郊の3つの森をご紹介くださいました オーデンヴァルト プファルツの森 シュヴァルツヴァルト(黒い森)ですね 

そしてドイツの森豆知識! ドイツの国土のどれくらいが森か? 森とはどんなに標高が高くとも 木が生えているところは山でなく森と呼んでいること (日本人にはちょっとわかりずらい?) 牧草地や里山も森と呼びます

そして特別保護区以外 ハイカーが自由に出入りできること また原生林は殆ど残っておらず* 100年くらい前の人工林の林が多いため 整ったハイキングルートが作りやすいこと等を伺いました

* 世界遺産カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林は 2011年にはドイツ中部・北西部にある15箇所のブナ林が追加され 2017年に13ヵ国に範囲拡大されました ← こういったブナの原生林はとても少なく貴重なため世界遺産になったのであり やはりドイツでは人工林が多いようです(補足)

また ドイツの森にいなくなった動物は何か? という興味深いクイズ ドイツ人の森のイメージにはない言葉は? 日本で発明されポピュラーになった言葉ですね~ 〇〇浴とか... グリム童話でも森は暗くて怖いイメージがありましたね 

ドイツ人は予定していた森歩きはどんな天候でもたいていは行くそうです 新鮮な空気でリフレッシュ!!が最大の目的です♪ 夏も夜まで明るいし(私も8月に行った時は9時まで日が沈まなくて)  "Frisch auf!"というスローガンがあるのですって ちなみに炭鉱では"Glück auf!(無事に戻って来いよ!)"と 安全を記念して呼びかけるのです

皆で歌ったり 古城ではハイカーたちのための簡単な昼食を特別に出してくれるとのこと ドイツのリンゴと栗の話 ブドウ畑があれば必ず...

  ← Pauseでいただきました♡

そしてここでいよいよ サクランボ(Kirsch)の焼酎とJägermeisterが出てきましたよ!! 行者にんにくのペーストを塗ったパンにプレッツェルまで♡ しばしPause... 
(習っていたドイツ人の先生の帰国送別会でJägermeisterを飲んだっけ...しばし回想に耽る)

そのあとはドイツの森クイズ!! 皆さんで想像力を駆使して景品ゲット ^^) _旦~~ 

ドイツの森には立て札は少なく 地図が頼りなのだそうです なのでトイレではぐれたりするともう見失ってしまう... 大きな道だけを歩きましょう! でも熊除けの鈴はつけなくともよいのだそうです 日本の森との色々な違いを知ることができた貴重なセミナーでした!

終了後は ドイツの森を歩きたいという参加者の方たちが行列になっていました♪

ドイツ・ハイキング連盟認定ガイド
の小野和美さん(Harminisch代表)はハイデルベルク在住で 「四季を通じてドイツの森をゆっくり楽しむ」1人一日プランからご相談に乗るとのことです 

セミナーのお知らせは こちら


貴重なセミナーを開催してくださいました(公財)日独協会様に心よりお礼申し上げます

* このあと 一緒に参加した夫が この日のPauseで出されたJägermeisterを買ってきてビールと交互に飲んでいます ^^) _旦~~ 
ちょっと養命酒みたいな味だけど とても材料がいいのであとに残らなくて嬉しい しかしこれを森歩きの休憩でひっかけながらまた歩き続けるドイツ人ってすごい!! ← アルコール度数35%!! 


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第24回いたばし国際絵本翻訳大賞 結果発表!早速読みに行ってきました♪(2018.2.16)@いたばしボローニャ子ども絵本館

2018年02月17日 | イタリアの本・絵本・雑誌
第24回いたばし国際絵本翻訳大賞 結果発表!早速読みに行ってきました♪(2018.2.16)@いたばしボローニャ子ども絵本館


第24回いたばし国際絵本翻訳大賞 結果発表! 今年は英語部門798件 イタリア語部門244件の中から審査の結果 次の方々が入賞されました

入賞者は こちら

イタリア語部門
書名:「SOGNI D'ORO POMODORO

というわけで土曜の午前に早速チャリで駆けつけて(近所なの~♪)読みに行ってきました入賞作品!! となりでは子どもたちに絵本の読み聞かせをやっていました ← 昔私もドイツ語で1回やりました♡

タイトルのoro とpomodoroのoroと韻を踏んでいるのですが これは日本語に反映しずらいですね 
最優秀賞受賞の方の訳は実に参考になります 次にチャレンジされる方はぜひご一読ください 昔のものも出版されていますので...

字数がちょぅどイタリア語と同じくらいの分量で 日本語として実に読みやすく 訳した文章とは気づかないくらいなめらかなのです これは子どもに読み聞かせをする絵本としては必須条件ですね...

訳し方も トマトの匂いがくさい(puzza)とは訳さずに たいへん たいへん!とぼかしてあります 他の方は くちゃい くちゃい! 等と訳していましたが 参考になりました
トマトって青くさい匂いがするのですよね...

英語の絵本は移民をテーマにした長い本でした 中学生部門は移民は遠いテーマだったと講評にありました

私は3回くらいトライしたけど予選通過もできなかったなぁ... 日本語に置き換えるのってまた世界が違うんですよね 

2年前の同じ記事を読み返すと 『「翻訳」メインの生徒の方が「会話」メインの生徒よりも検定等で高得点を出せるのは 単語としっかり向き合っているからだ』そして 『原書のイメージにぴったりした訳語を選ぶのは難しく むしろぴったりくる訳語は辞書にはないものです』とありました 

ドイツ語ですが 翻訳専門の生徒さんが独検2級で満点を取られた方がいるのを知っています 会話だと通じればいいや~みたいなところがありますが 書く 訳すとなると辞書ひきひき大変ですからね! 単語との向き合い方が違うなと感じます

英語部門の講評には 誤訳を少なくする 読み聞かせを前提に声を出して読んでみる をよく見る 関心を持って訳す というポイントが書かれていました

絵本は絵がある分訳しやすいですね その人物のキャラクターが絵でわかるので文も違ってきますし... またイタリア語では細かいスペルで違う単語になるので誤訳につながります
llかlか等 最新の注意を払って訳しましょう

受賞された皆様 本当におめでとうございます! チャレンジされた方も本当にお疲れ様でした!!

講評はぜひご一読ください!!

* 写真は 今いたばしボローニャ子ども絵本館でやっている韓国語の絵本特集





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セアダスフラワーカフェ自由が丘にGiovanni Piliarvu先生の写真展「Caratzas-仮面」を見に行ってきました(2018.2.14)@セアーダスカフェ

2018年02月14日 | イタリアンレストラン
セアダスフラワーカフェ自由が丘にGiovanni Piliarvu先生の写真「Caratzas-仮面」を見に行ってセアーダスを食べてきました(2018.2.14)@セアーダスカフェ



バレンタインデーの日に とうとう初めて行ってきましたセアーダスフラワーカフェ自由が丘!! 初めて食べたセアーダス♡ ミルト(銀梅花)のはちみつにしました♪
丸い形の甘じょっぱい揚げたお菓子の中から ペコリーノチーズがとろけてきます 

 セアーダス


用事のついでに電車を乗り継いで ひさびさにあたたかな午後に自由が丘までGiovanni Piliarvu先生の写真展を見に行ってきました~

← Giovanni先生の写真

大昔から地中海の島では 人間と動物とが共に暮らしていたが やがて毎年1月にオッターナ村で人間と自然の世界が 年に一度だけ大きな炎の前で会うようになる その一日限りは人間と動物の境がなくなるというー

 ← マモイアーダのカーニバルの人形

この仮面の祭りの絵は昔 見たことがあります 覚えています
背中にたくさんの鈴をつけて 鳴らしながら歩くのですね 黒い仮面がちょっと不気味な...

そしてお店の中にはサルデーニャグッズやドルチェ サッサリのサッカーチームのユニフォームや Giovanni先生のステキな写真などが所狭しと! ちょっと舞い上がってしまいそうに~(笑)

白い壁にはサルデーニャの方々の寄せ書きがたっくさん書かれていて 思わずひとつひとつ読んでしまいました ^^) _旦~~

← 壁にはサルデーニャグッズが!!

ひとつだけサルデーニャ語の寄せ書きがあり 読めなかった(笑)

セアダスカフェの入り口にあったドルチェ 「ビアンケッティ」をお土産に買いました♪ 

← サルデーニャのドルチェ かるかんみたいなビアンケッティ

いつも乗ったことのない電車に乗って 遠くに行くのも気分が変わっていいですね~ 今まで遠いからとなかなか来れずにいましたが Giovanni先生の写真展のおかげでようやく行くことができ セアーダスも初めて食べられました♡ 

セアーダスフラワーカフェ自由が丘
は こちら

お店のHPは こちら ←自由が丘駅からまっすぐでとても分かりやすかったです ^^)

地図は こちら

写真展「Caratzas-仮面」のお知らせは こちら 2018年3月4日(日)まで!


おまけ:

サルデーニャの民族の起源(origine)について

サルデーニャの歴史は 「aC800年頃 ヌラーゲ人が住んでいた島にフェニキア人が入り カルタゴ人やローマ人の侵略を受け 中世のスペイン支配と続いた」とのことですが
他にもアフリカが起源という説 「古くから馬と共存するサルデーニャ人の先祖はアジア・アルタイ高原にいた遊牧民族であるという有力な説もある」そしてモンゴルがサルデーニャの民族の起源という説も、そして「サルデーニャ人は周辺地域の人々や若い民族とは異なり、前インド=ヨーロッパ人だとしている。」ともあります

さらに 「新石器時代西アジアから来た民族が 高度なオリエント文明を伝えた ヌラーゲがその一つである」と 本やネットや新聞やDNA調査等も拾ってみると サルデーニャ民族の起源には 所説あるようで興味津々です...♪ 
お店にいらした方が話題にされたので ついつい調べてみました…自分で書いておきながらうろ覚えになっていたので...

詳しくは こちら



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2017年に新しく登録されたイタリアの世界遺産: 「15世紀から17世紀のヴェネツィア共和国防衛施設群」他@2017年7月第41回世界遺産委員会&イタリアは世界一をキープ!!

2018年02月11日 | イタリア旅行・世界遺産

2017年に新しく登録されたイタリアの世界遺産: 「15世紀から17世紀のヴェネツィア共和国防衛施設群」他@2017年7月第41回世界遺産委員会&イタリアは世界一をキープ!!



2017年7月2日(日)~12日(水)までポーランドのクラクフで開催された第41回世界遺産委員会で 新しく 自然遺産 3件 文化遺産 18件 複合遺産 0件 合計 21件の世界遺産が登録されました

というわけで 世界遺産の件数は、自然遺産 206件 文化遺産 832件 複合遺産 35件 合計 1073件になりました。(1052件から21件増えました)

またイタリア 中国ともに2件ずつの新規登録があり、イタリア53件、中国52件と、相変わらず1件差でイタリアが1位を堅持しました!! ← ほっ...( ^^) _U~~

    *      *       * 

イタリアの新規登録の世界遺産は:

15世紀から17世紀のヴェネツィア共和国防衛施設群 : スタート・ダ・テーラと西スタート・ダ・マール/Venetian Works of Defence between 15th and 17th centuries: Stato da Terra – western Stato da Mar」が登録されました!
(イタリア/クロアチア/モンテネグロ共通)文化遺産(iii)(iv)


ヴェネツィア共和国時代の防衛施設3か国15件
を推薦した物件ですが うち9件は世界遺産「ヴェネツィアとその潟」「スタリー・グラード平原」「シベニクの聖ヤコブ大聖堂」「コトルの自然と文化歴史地域」に含まれている要素と重なります
ICOMOSは15件中6件のみに「顕著な普遍的価値」を認め、その名称を「16・17世紀のヴェネツィア共和国防衛施設群 : スタート・ダ・テーラ(英語版)と西スタート・ダ・マール(英語版)」として登録することを勧告しました

15~17世紀にベネチア共和国が外洋からの侵略に備えて築いた城壁や城塞・地下トンネルなど15件を構成資産とする遺産。

主な構成資産は、ベネチアやサダル、フヴァル島、コルチュラ島の防衛システム、パルマノヴァやフォルテ・マーレ、ヘルツェグ・ノヴィの要塞、城塞都市であるベルガモやペスキエーラ・デル・ガルダ、ウルツィニ、コトル市など。

詳しくは こちら


この中でイタリアからは ベルガモペスキエーラ・デル・ガルダパルマノーヴァの3か所が選ばれました

ペスキエーラ・デル・ガルダはガルダ湖畔の街で 湖上に五芒星の形をした防衛施設が残っています
パルマノーヴァは 上空から見ると綺麗な星形になっている城塞都市です


詳しくは こちら


記事は こちら


星型城塞」は 15世紀半ば以降のイタリアで発生した築城方式で 多方向からの援護射撃ができる完成形として星形の要塞が出現した 
フィレンツェでミケランジェロによって土木工学の分野に採用され 16世紀に発展を遂げ
続く3世紀にわたってヨーロッパ中に広まったそうです
 
詳しくは こちら


    *     *      *

カルパチア山地とヨーロッパ他地域のブナ原生林(範囲変更)

「Primeval Beech Forests of the Carpathians and Other Regions of Europe
  [extension to “Primeval Beech Forests of the Carpathians and Ancient Beech Forests of Germany” Germany, Slovakia, Ukraine, (ix), 2007, 2011]」
アルバニア/イタリア/ウクライナ/オーストリア/クロアチア/スペイン/スロバキア/スロベニア/ドイツ/ブルガリア/ベルギー/ルーマニア共通、自然遺産(ix) ← 計13カ国の共同申請で 「登録延期」の勧告を受けていましたが 逆転で無事「登録」となり 壮大なスケールの自然遺産として もっとも多くの国にまたがる世界遺産となりました!!

最終氷期以降に広がったブナ林を登録するものですが ヨーロッパのブナ林のほとんどは伐採されており 数少ない生育地となっているとのこと

当初はスロバキアとウクライナの世界遺産でしたが その時点からさらなる拡大への期待が示され 2011年にドイツに拡大されましたが 今回はさらに9か国を加えた拡大です(ただしポーランドは推薦書提出後に離脱)
IUCNは保護のための国際協力自体は評価しつつも 既登録部分の適用理由である基準 (9) の強化としては 構成資産の選定が不適切としました
しかし逆転で登録が認められ、シュトルーヴェの測地弧(10か国)を上回る、最も多くの国境を越える世界遺産となったのです

詳しくは こちら

* 範囲拡大によってイタリアにも範囲が広がり 晴れて2つの新規登録となったわけですね!!


   *     *      *

シーラ国立公園/Sila National Park」(イタリア)は 取り下げました

シーラはカラブリア州にある山塊で その高原に広がる森林はイタリア最大とされます
正式な勧告前に取り下げられました


イブレーア/Ivrea, industrial city of the 20th centuryは ミラノの北のオリベッティの工場のある町ですが やはり取り下げたそうです 


「2017年新登録の世界遺産」は こちら


    *       *       *


Italia.itより:

Siamo fieri e orgogliosi(誇りに思う) di annunciare che l'Italia ha due nuovi siti UNESCO. 🎊
Si tratta delle "Opere di difesa veneziane" di Palmanova, Bergamo e Peschiera del Garda e delle Faggete (ブナの森) Primordiali (原始の) che è possibile trovare dall'Emilia Romagna alla Calabria.

Questo prestigioso riconoscimento (承認) consolida (強化する) la posizione dell'Italia come Paese col maggior numero di Siti UNESCO al Mondo: ne abbiamo 53! (53の世界一の世界遺産保有国)

Li conoscete tutti? Scopriamoli insieme:

記事は こちら

年があけてしまい 記事掲載が遅くなってすみません...

* 写真は パルマノーヴァの星型要塞



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「イタリアの小児科医が子どものスマホ使用に警笛を」(2017.1.31)@イタリアのネット記事+日本のスマホ育児

2018年02月06日 | イタリアのニュース

"La rabbia dei Pediatri Italiani: “Basta cellulari e tablet ai bambini, i danni sono devastanti”(イタリアの小児科医たちの怒り: 「子どもへの携帯電話やタブレットはもうたくさんだ、損害は重大だ)"(2017.1.31)@イタリアのネット記事+日本のスマホ育児

Facebookで拾ったネット記事です 電磁波の脳への影響について小児科医が危惧する内容ですが イタリアがスマホ保有率がヨーロッパでもっとも高く スマホ使用年齢が年々低くなっているというのは初めて知りました  ひるがえって日本の「スマホ育児」についても調べました


La rabbia dei Pediatri Italiani: “Basta cellulari e tablet ai bambini, i danni sono devastanti”.

イタリアの小児科医たちの怒り: 「子どもへの携帯電話やタブレットはもうたくさんだ、損害は重大だ」 


L’utilizzo dei cellulari si sta modificando da uso ad abuso* e gli effetti dannosi per la salute sono sempre più lampanti, specie per i bambini. Ecco perché.

携帯電話の使用は 使用から濫用*へと変化しており 健康への有害性は 小児に対するものではますます明白である、以下はその理由。

* abuso = 乱用 濫用 悪用 過度の使用

L’utilizzo dei cellulari, come spiegano i pediatri della Società Italiana i Pediatria Preventiva e Sociale, si sta modificando da uso ad abuso e gli effetti dannosi per la salute sono sempre più lampanti: mancanza di concentrazione, difficoltà di apprendimento e aggressività.



携帯電話の使用は、「イタリア小児科予防ソーシャル協会(SIPPS)」の小児科医たちの説明によると、使用から濫用へと変化しており、健康への有害性はますます明白である: 集中力の低下、学習困難そして攻撃性だ。


Ma non solo. L’allarme riguarda anche le onde magnetiche emanate dai telefonini: “L’Italia è al primo posto in Europa per numero di cellulari in utilizzo e l’età media dei possessori diminuisce sempre di più – spiega Maria Grazia Sapia, pediatra – Stiamo passando da un uso ad un abuso.


しかしそれだけではない。 携帯電話から発散される電磁波に関する警告もある: 「イタリアはヨーロッパでの携帯電話使用数が第一位であり、携帯電話保有者の平均年齢がますます下がり続けているのです」と小児科医のマリア・グラツィア・サピアは説明する - 「使用から濫用へと変化しつつあるのです」と。


Non dimentichiamo che cellulare, o smartphone che dir si voglia, è sinonimo di piccolo ricetrasmittente che viene normalmente tenuto vicino alla testa, durante le chiamate o mentre si sta giocando o comunicando.


携帯電話あるいはスマートフォンが 言ってみれば小さなトランシーバーと同義語であることを忘れてはなりません。 通常は通話中 あるいは遊んだりコミュニケーションを取っている間中 ずっと頭のそばで持たれているトランシーバーと。
 

Gli effetti dannosi per la salute sono sempre più evidenti, alcuni in relazione agli effetti termici: il sistema naturale del nostro organismo, a causa dell’ interazione del campo elettromagnetico con il nostro corpo, si attiva per via dell’aumento della temperatura generata dall’interazione stessa, localizzata dunque se parliamo di cellulari.


健康への有害性はますます明白です、そのいくつかは熱効果と関連があります:  私たちの臓器の自然な体系は 私たちの身体と 電磁波の分野での相互作用によって 相互作用そのものによって生じた温度上昇を通じて盛んになります、それがつまり携帯電話で話す時に特定されるのです


Quando queste esposizioni sono prolungate ed intense possono comportare la morte delle cellule  con necrosi dei tessuti, in quanto superano il meccanismo di termoregolazione.


これら電磁波にさらされることが長引かされ激しくなると、組織の壊死をともなう細胞の死をもたらしうるのです、温度調節のメカニズムを超えた時点で。

Inoltre è ormai appurato che, di fianco alle varie dipendenze che affliggono la nostra società senza escludere i più giovani, una collocazione predominante l’ha conquistata la “dipendenza da telefonino”, con danni serissimi sullo sviluppo sociale e psichico”.


その上にすでにもはや立証されていることは、より若い人々も除外することなく 私たちの社会を苦しめているさまざまな依存と並んで、携帯電話の支配的な位置づけが「携帯電話依存」にまで到達してしまったのです、社会的・心理的発達の上での重大な被害とともにです。


“Per ora – continua Giuseppe Di Mauro, presidente dell’SIPPS – non abbiamo prova di tutte le conseguenze collegate all’uso dei cellulari, ma siamo certi che da un uso eccessivo potrebbero aver origine perdita di concentrazione o memoria, oltre ad una minore capacità di apprendimento, a disturbi del sonno e un aumento dell’aggressività.


「今のところ」 ー とSIPP(イタリア小児科予防ソーシャル協会)会長ジュゼッペ・ディ・マウロは続ける ー「われわれは携帯電話使用と関係したすべての結果の証拠を持ってはいないのですが、しかしながら確かなことは、使い過ぎは集中力と記憶力の低下原因となりうることです、学習能力の低下の他に、そして睡眠障害攻撃性の増加の他にです。」


Inoltre ritengo che ai bambini non debba essere data la possibilità di usare il cellulare o, se proprio non possono evitare per qualsiasi motivo di dare ai propri figli questo dispositivo, spero che venga utilizzato per pochissimo tempo e non per ore interechattando o mandandosi sms: sono migliaia gli adolescenti che, pur stando nello stesso posto, non si parlano e continuano a tenere la testa bassa sullo schermo del proprio telefonino.


さらにはこう考えます、子どもには携帯電話を使わせない、あるいは何らかの理由によって まさに自分たちの息子たちにこの装置を渡すことが避けられない時は、ほんの少しの時間だけ使う事を望みます、そして長時間にわたりチャットしながら あるいはsmsを送りながらではなくです:  同じ場所に立って 携帯電話のスクリーンの上に頭を下げたままで何もしゃべらない たくさんの青年たちがいるのです。


Se non mettiamo un freno, o se non ci dedichiamo ad una vera e propria educazione al corretto utilizzo del dispositivo (perché di reali vantaggi, se usato correttamente, ne ha ndr*), rischieremo un’invasione da cellulare che comporterà ad una vero e proprio isolamento”.


もしブレーキをかけなければ、あるいは この装置の正しい使用への正真正銘の教育に努力を捧げなければ、(なぜなら実際正しく使えば利点はあるので、という注釈付きで) 正真正銘の孤立をもたらすであろう携帯電話の蔓延の危険に 我々はさらされているのです。

* ndr: 注釈/Nota della Redazione

記事は こちら

   
   *       *        *

子どもにスマホを!?

横断歩道を渡るのもまだおぼつかない幼子が スマホを見ながら母親の後ろを歩く 気にも留めない母親
イヤホンとスマホで クラクションすら聞こえないまま 赤信号で渡る子供
積極的にスマホを育児に取り入れているという若い親御さん...

大人向けスマホ市場が飽和状態なので 今度は子供向けに売り始めた」との業界ニュースに接し これがその結果なのだと痛感

スマホ育児は会話がなくサイレントベビーになる危険が指摘され 電磁波の影響は大人よりも大きいと小児科医も警告 集中力や学習意欲等の低下も起き 依存が強くなる
子供の視力悪化のスピードは早い
  * スマホ育児 allevamento del bambino usando lo smartfon

日本の専門家は 以下のように述べています:

「ネット依存や中毒化は、従来の中高生の思春期の問題のみならず、乳幼児期から意識すべき問題です
今は、乳幼児期の子ども達がスマホやタブレットを利用するようになりました
ネット依存が乳幼児期から始まると、治療が困難になるという指摘もされています。
 わが国のネット依存の予防、治療体制は諸外国から遅れていることから考えても、乳幼児期からのスマホ、タブレットの利用は危険です。」

出典: 「スマホからのネット利用はできるだけ遅らせるべき(2014.04.10/日経DUAL)」

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この記事に触れながら 子育てサイトや子育て番組で「スマホ育児」について取り上げられたものが自然と目に入りました 

赤ちゃんにスマホを触らせることをどう見ているかは 年代や立場によっても違います スポンサーの方を向いたサイトもあり このイタリアの小児科医の真摯な態度とは大きな隔たりを感じました 

テレビでも長時間赤ちゃんに見せると 脳 言葉の発達 視力等に悪影響を及ぼし 2歳までは長時間のテレビやビデオの視聴を控えるよう推奨しています(日本小児科医会の「子どもとメディア」対策委員会)
スマホの電磁波の影響も WHOが2011年に「発がん性の可能性あり」と発表しました

あるサイトでは「スマホが子どもに与える影響についてはまだ科学的な定説がありません」とありますが 逆に結果が出てからでは手遅れで 定説がないからといって安全が証明されたわけではないのです

また他でも「今のところ電磁波が小児白血病の原因であるという明確な研究結果は出ていません。総務省も電波による体への影響は熱作用(体温の上昇)だけであり それ以外の影響については根拠が示されていないと発表しています」とありますが 引用元は「電磁波の影響はない、安全が確認された」とまでは言っていません

これらをうのみにして赤ちゃんの健康は守れるのか… もちろんむやみに怖がらずに 双方をよく比べてみることが大切ですね  それにしてもあまりにも違うのでどちらが正しいのか?? あるいはどの国が誠実なのか?? シロかクロかはまだはっきり言えないのでしょうね まだ世に出てから数年ですから...

 電磁波に対する各国の状況は こちら ←日本のユルさは突出! 

少しでも赤ちゃんや子供たちが健康に育ってゆけるように その思いをきちんとくみ取ってくれるような世の中であってほしいと思います

でも 赤ちゃんの頃からスマホに触れるこの世の中で この先どんな未来が待っているのでしょうか...?

* 「スマホ、依存症のおそれ警告を」(2018.3.19毎日新聞くらしナビ)は こちら

* 「スマホが脳の発達に与える無視できない影響-脳トレの川島教授が2つの実験結果から分析」は こちら



スマホで若者の「斜視」増加か」 は こちら
  子どもに長時間見せると急性内斜視になる確率が高まるとの警告です

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「クインテットIV 五つ星の作家たち」に行ってきました(2018.1.13~2.18)@損保ジャパン美術館

2018年02月03日 | 美術館・博物館
「クインテットIV 五つ星の作家たち」に行ってきました(2018.1.13~2.18)@損保ジャパン美術館


またまた次の雪が降る前にと(笑) ようやくまったり見てきました「クインテットIV 五つ星の作家たち」@損保ジャパン美術館♪

『(前略)ポール・ゴーギャンは「芸術とはひとつの抽象なのだ」と言明し 絵画に思想・哲学的要素を取り入れましたが 5人の作家たちはゴーギャンの革新性を無意識に踏襲し 理知的な線と感覚的な色彩とを組合せ 世界を写すことと自己を表出する振幅の中で制作しています

私たちと同時代に制作された 手法と環境も異なる5人の作品を見ることは 「時代精神」に立ち会うことにほかなりません
具象と抽象の狭間の深い闇の中で 光を求めて彷徨い続けているのが現代作家たちであり 私たち自身でもあるのです(後略)』

いつもより少し広く感じられる美術館会場には5人の作家の作品がそれぞれ飾られており ますは船井美佐氏の立体作品 子どもが遊べるようにできていて 作家も子育て中の方のようで ちっちゃな遊び場スペースのようで嬉しくなります♡

 

次は竹中美幸氏の 35mmフィルムを彩色加工したスタイリッシュな作品 

  

また水玉模様のような水彩とパステルの絵 それから「何処でもないどこか」という作品は 水彩に樹脂を水玉のように丸く貼りつけた 雨の窓のような不思議な作品でステキです

 

そして室井公美子氏の この世とあの世の境目をあらわすかのような抽象的な油彩の作品の数々 紫色の油絵が多く 第4回目となる今回のテーマ「具象と抽象の狭間」をとてもよく表しています 

 

そして 田中みぎわ氏は 故郷の熊本で幼い頃過ごした川の思い出を 墨や胡粉等でにじみの出る麻紙や半紙にあらわした 日本画のような大きな作品の数々に圧倒されました 
白と黒だけであらわした川辺 故郷の風景など...この作家はカタログに収録されていた5人のインタビューの中でも異色で テレビやラジオもなく 自然と触れ合うことを大切にする生活の中で 自らが自然と作品との触媒となるように創作活動を続けられており 実に考えさせられました 最新のものを常に追っている日々の中で こんな純粋な創作活動ってできるのだろうかと...

 

そして最後に チラシの写真で一番に目をつけていた青木恵美子氏の 実に立体的なアクリル絵の具の花びらの「INFINITY」シリーズ!! これはどうやって作ったんだろうかと...花びらの形をしたアクリル絵の具が立体的に「置かれて」いて 平面の絵というよりは花びらの立体造形のようなのです♡ 色も 白 赤 青 各色それぞれに魅力的です

 

 ← ここまで立体的に!!

「継続的な作品発表実績があり 将来有望な5人の中堅作家たちを紹介するシリーズ企画第4 弾」とのことで 今回初めて見に行ったのですが ひとりひとり個性が光っており また生き方もさまざまで 魅入ってしまいました

「クインテットIV 五つ星の作家たち」
は こちら 2月18日(日)まで!



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