どこ吹く風

旅のことを主に書く。

あれこれ(二) 火事

2006年10月23日 06時17分24秒 | 懐かしい旅の記録
マニラで中華街を見物したとき気付いたのだが、街角に消防車が停まっている。それも何ヶ所かに停まっている。案内してくれた方に聞くと、中華街は何時も混雑しているので消防車が来るのに時間が掛かるしマニラの消防士の質の問題もある。それに木造家屋も多いのですばやく対処する為に地域で消防を設立したようだ。車体に漢字で自警消防団のような意味の文字が書かれていた。

 ことあらば近くの人が飛び乗って消火活動をするのだろう。公的な消防活動に頼っておれない状況と中国人の団結の力を見た思いがした。

 ある時ハリソンプラザの斜め向かいの密集した住宅地で火災が発生した。真昼間の火事で家財道具を持ち出す人や消火活動する人それに野次馬で付近はごった返していた。私も野次馬の一人としてうろついていた。
消防車が何台も着た、そこへ中華街のあのボランティア消防車も来た。10t車の水用タンクローリーの上には数名の人間が坐っている、あのような場所に坐って出動するとはいかにもフィリピンの光景だ。到着すると飛び降りて野次馬を整理しながらタンクローリーを誘導している。バックするときは細い棒切れでタンクをリズム良く叩きながら運転手に合図している、確かに騒がしい中での合図にはピッタリだと感心した。

 乾季で乾燥した時期だったので次々と延焼していく、その日の前日にも近くで火災が発生したので不審火のようだ。住民同士で罵り合っている人もいたし、その横で半狂乱になった女性もいる。野次馬の目にはいつもの火事場風景だった。
被災者数で言えば日本の同程度の火事に比べて数倍の人数になるだろう。なけなしの家財を失った人はホントに気の毒だ。

 旅先で火事に遭い野次馬になるとは思いもしなかった。

最新の画像もっと見る