どこ吹く風

旅のことを主に書く。

出発前に

2005年12月31日 18時35分47秒 | 旅-トルコ
 近頃旅に出るとき事前勉強をしなくなった。これは私の負い目の表れだろう。
訪ねる地の気候風土はもとより、歴史についてはもっと知識を持って行くほうがいい。トルコも地中海沿岸はギリシャ・ローマ神話の世界だから神々の名前、その間柄は知っておくほうが好い。

 中学生の頃姉から「アポロンの竪琴」という本を貰って読み始めたが難しくてギブアップした覚えがある。その後物語りや小説としてギリシャ神話やローマの神々を読んだが今でもゼウスやヘラの人間関係(?)神々の関係は理解していない。

 トロイの物語はかつて映画でパリス王子とヘレンの恋愛物語として見たことがある。その程度の知識だから遺跡で説明を受けても少ない知識を一生懸命思い出そうと苦労した。中学生向け程度の本を読んでから行くべきだった。

 トルコ一般についての知識も無かった。ギリシャ・ローマ時代に住んでいた人と現在のトルコ人との関係についても、考えたことすらなかった。旅行から帰った今でも分からないが、たぶんその関係は卑弥呼時代の日本人と現日本人程度のつながりだろう。

ギリシャ時代以前からヒッタイト人が住み着いたので、その人たちと現代トルコ人とはどうなんだろう。
トルコは古くて歴史があるが、割りに新しい国である。矛盾しているようだが、現在のトルコを建国した人は1000年ほど前に中央アジアから移り住んできたようだ。歴史の教科書でも歴史はその頃から始まるとの事。

 なにか奇妙な感じがする。あのギリシャ時代は先史時代ということか。
歴史とは民族と切っても切れないものと考えるとしょうがないのかもしれない。トルコの歴史はトルコという地に、現在のトルコ人の祖先が移り住んできてからスタートしている、人間が違うと言う事か。征服者の立場ならそうなるのだろう。

 まあ、とにかく旅に出るときはその土地の歴史には目を通して行くべきだろう。

添乗員・ガイド

2005年12月29日 09時53分23秒 | 旅-トルコ
 今回は出発時から添乗員が付いた。40才ほどの女性でベテラン風だった。
注意事項を説明するのは当然だが、毎朝点呼して出発すると、自分の経験を元に注意事項を話す、それが毎回完結するお話風でおもしろい。お客の失敗・トラブルを交えながら注意事項を守らないとこのような目に合いますヨとの教訓話が多かった。

 例に出すのは結果的にハッピーエンドになるのだが、話に出せない笑い話では済まないもの、悲惨な例も経験した事だろう。それらを何とか解決処理してきただろうからベテラン添乗員と言える。

 それに客あしらいというか、客の要望不満をさりげなく処理するところは見事だった。客同士の不満だから全員の前では言いにくいだろうが、お互いを傷つけることなく納めていく様は参考になった。

 飛行機の座席は添乗員がどうしようもないところがある、そのときも搭乗券をもらった後で調整していた。
サフランボルの宿は民家をホテルに改造した建物で、部屋の質に差があった。そのときは”籤ですから恨みっこ無しですヨ。"とクジを引かせて決めていた。もちろん3人部屋・一人部屋は考慮していた。

 家庭があるだろうに、15日間の長旅をするのは辛いものがあるだろうに、と他人事ながら同情した。絨毯見学のとき高価なものを買って、”予定以外にもう一本出なきゃならない。”なんて笑っていた。旦那さんもお子供さんもタイヘンだ。

 またガイドは日本語が上手い方だった。15日間なので政治・経済・文化・宗教・歴史・社会事情など何でも一応は知っていて解説していた。適正な解説だったかどうかは別にして勉強している感じがした。トルコを知ってもらいたい熱意が感じられた。

 大学で日本語を専攻したとの事で、日本の事情も詳しかった。また旅行社勤務なのでオミヤゲ品屋さんとの関係もあるだろうに、割りに公平な態度だった。

お二人の人間性が良かったので楽しい旅ができました、ありがとう

ツアー参加者

2005年12月28日 07時47分16秒 | 旅-トルコ
 参加者は30名だった。定員がそうなので人気が有ったということか。チラシによると9月から3月まで月に2~4班出発させるので中には定員割れもあるだろう。それにしてもすごい人数がトルコを楽しんでいるようだ。
往復の飛行機が満席状態だったのを見ても分かる。
 
 さて参加者は年寄りばかりである。この季節に15日も休めるのはリタイヤー組か悠々自適組しかいないのだろう。女性の年齢は分からないが旦那さんの年齢から想像するに、たぶん私よりチョットだけ若いだけだろう。

 私たちは価格の安さがイチバンの参加理由であった。料金が1日1万円以下を目途に判断している。交通費に宿泊、食事つきでその料金ならとても安いと思う。この料金で旅行社は合うのだろうかと心配もするが、数を送れば合うのだろう。
その仕組みは知らないが格安ツアーがあちらこちらの地域に拡大する事を祈る。

 半分以上が夫婦ものであったが、男性の一人での参加者もいた、女性の一人での参加者もいた。いろいろである。
 ある方に”なぜこのツアーに参加したのですか。"と問うたことがある。その方は連れて行かれた店での買いっぷりが私の常識の範囲外の買い方をしているので質問したのである。私たちみたいに安さに基準に選んだわけではないだろう。

 答えは「生活習慣病の気があるので、このツアーなら歩く機会もあって健康のために良さそうだった。」
ナットク。
その方は温和・柔和という感じの顔つきだが芯は強そうな感じの人で、帰りのタシケント空港でお世話になりました。

 それは、イスタンブール空港でトルコリラを全て使い切りドルも無くなった。タシケントの免税売店でウズベキスタンの酒を見つけたが、ドルしか使えないという。カードは使えるようだ、買いたいと妻に言うと、たった4ドルでカードは使わないと言う。酒を買うのが面白くないのだろう。私は準禁治産者並みなのでカードを持っていない。
待合室で”買って~かって~”と駄々を捏ねているとその方が財布から4ドル出して、どうぞと言う。

 こういう場合どのような態度をとるべきか一瞬考えた。
私は即座にありがたく貰うことにした。いい年こいて4ドルを恵んでもらうのはカッコ悪いが酒は欲しい、それに断るのも逆に変な気がした。素直に貰うのがお互い気持ちがいいのでは・・と考えた。
たぶん他の人なら貰らわないと思う、私だから貰ったのだと思う、ハジをあまり感じない神経回路になっている。

 妻にはお前がケチるからだヨ、と笑いながら言い残して酒を買いに行った、ウォッカの類だろう。あの酒は未だ封を切っていない、その酒はあの時手に入れていなければ二度と味わえないだろう。美味しいとか不味いとかの問題ではない。
封を切るときは、その方の事を思い出して感謝しながら飲みます。

 この参加者というテーマは書きにくい、メンバー同士をあまり知らずに過ぎてしまった。オキナワに来たら30年もののアワモリをご馳走すると最後に挨拶したが覚えてくださる方はいらっしゃるのだろうか。
みなさん、こちらに来たら歓迎します。

ウズベキスタン航空

2005年12月22日 12時37分25秒 | 旅-トルコ
 魅力の15都市を廻る!! 15日間のトルコ 全食事付
129.800円~159.800円 の文字がチラシに躍っている。
さらに37回の全食事(朝13・昼12・夕12) イスタンブール、トロイ、ベルガマ、イズミール、ミレトス、ディディム、エフェソス、パムッカレ、アンタルヤ、シデ、コンヤ、カッパドキア、ボアズカレ、アンカラ、サフランボルと地名が並んでいる。

もちろん文字の大きさ色づけされ写真が興味をそそる。地名は知っている処もあるが、知らない所はなお更魅惑的に思われてくる。129.800円というのがイチバンの魅力だ。
トロイはもちろんの事カッパドキアは言うに及ばずバムカッレの石灰棚も見たい。しかしコーヒールンバの歌詞ではないが、♪だけども私にゃ カネがない♪だ。そこでさりげなく妻に見えるようにチラシを置いた。

”あら いいじゃない、説明会に行って来て。”しめしめと思いながらも顔には出さずに鷹揚に構えてその場を離れる。そして首尾よく出発まで漕ぎつけた。
日程の都合で139.800円掛かった、それに関空発着のツアーなので往復2万数千円が余分に必要だ。幸い前後泊が要らない時間帯の発着便だったのが救いだ。

 安ツアーはJTBのタイ旅行で経験済みなので何の不安も感じないし又過大な期待もしない。”まあこんなものだろう”で済ますことにしている。15日間のほぼ全ての経費を込んで14万円弱なので文句を言う方が間違っているという雰囲気になる。

 使う便はウズベキスタン航空、聞いたことも無い航空会社だ。アフガン戦争でアメリカが基地を置き、最近断られたウズベキスタンという国、そこの会社だからマトモではないだろう。安ツアーに耐えられる会社と言うことだろう。いや、その会社に耐えられる客ということか。

 数グループのツアー客で飛行機は満席、旅行社からは人気があるのだろう。タシケントで乗換のために一時待合室へ行く。添乗員は次便の席の手配でおおわらわのようだ。別のグループは次々と説明を受けているようだが、我が方は何故か”今しばらく・・”との言葉があったあと音沙汰無し。イライラしている人もいたが、ようやく説明があった。”タシケントーイスタンブール間を15ドルの追加でビジネスクラスに乗れるが希望者はいるか、との事。それから暫らく待った後搭乗券が配られた。オーバーブックキングで我がグループの内大半の人がビジネスクラスになった。

 後日談だが、ビジネスクラスに移った人がいて、その15ドルはどうも会社ではなくカウンターの職員のポケットに入ったようだ。
こんなこともアリのお国柄で会社である。そういう事で目くじら立てるより笑って済まさざるを得ないでしょう、外国では。

 ウズベキスタン航空の良い点は、天山山脈やヒンズークシ山脈(と思われる。)を眼下に楽しめることだ。延々と続くシベリアのツンドラを退屈しながら見るよりはるかに素晴らしい風景を眺めることが出来た。
ヨーロッパへ行く機会が又あったら、ヒマラヤの外れとはいえ数千メートル級の山々が連なる光景を窓側で見たい。

トイレあれこれ

2005年12月21日 05時03分53秒 | 旅-トルコ
 各地に様々なスタイルのトイレがある。
人間の排泄作用なのでその地域、気候風土に合うスタイルがあるのは当然だろう。私が子供の頃のトイレは、簡単に言えば縦穴を掘り踏み板を二枚並べてその上に坐る式だった。
紙はトイレットペーパーなるものは無く、新聞紙を手ごろの大きさに切って釘に刺してありそれを取って使った。また読み古した雑誌をポンと置いて適当なページを破って使うというのもあった。それら新聞とか雑誌の紙を使うときは両手でクチャクチャに揉んで紙を柔らかくしてから使うのは生活の知恵ということか。
 もっとスゴイのは紙の代わりに木の葉が置いてある便所もあった。木の葉はユウナの木の葉が大きさ丈夫さで優れていたようだ。ただし葉っぱの裏側を使うのが原則、表側はツルツル滑って拭きにくいのである。

 さてトルコのトイレであるが、出かけるときは小銭を用意する必要があった。有料トイレが多いからだ。0.5リラが相場だった。スイスではコインを投入する無人トイレが多かったので、0.5フラン場所によっては0.25フラン硬貨を常に準備していないと悲劇に見舞われることになる。トルコでは会計係が常駐しているところが多かったのでコインを用意する必要は無かった。

 またスイスでは男性の小はフリーが多かったが、トルコではしっかり取られた。小で0.5リラは高い。
紙をトイレ内に用意してある所が多かったが、中には料金徴収所で渡す所もあった。それを知らずに往生したことがあった。男性の場合は必ずしも紙を必要としない時もあるので請求しないと渡さないようだ。

 トイレの形式も洋風と和風があり、様式には手動のウォッシュレットが付いており、和風には桶が置いてある。手動のウォッシュレットとは、普通に見られるボタンを押せば水が出る式ではなく、ガランを手で捻る式であった。ホテルのトイレもガランを捻る方式なのでこれが一般的なのだろう。

 タイでは1mほどのホースがありレバーを握れば水が勢いよく出る。
タイ式とトルコ式どちらが良いのか・・・命中率つまり自分が好きな箇所に水を中てるのはタイ式が良い。トルコ式は尻を動かして場所決めする必要が有る。日本で見られるウォッシュレットとの違いは、日本式では水が出るところが自動的に飛び出してきて上手い具合に尻に命中するようになっている。
ところがトルコ式は水の出口が便器の後部に固定されているので、日本式ほど命中率が良くない。

 またトルコ人はそれほど背が高いとは思えないが、小便器の取り付け位置が高すぎる。ちょっと爪先立ちになるような感じで済ましていた。また大便器も足がブラブラしそうで安定感が無かった。
水を流すレバーがなく水タンクの蓋の一部をプッシュするものや壁のボタンや板状のモノを押して流す式などいろいろあった。

ラク

2005年12月19日 17時04分38秒 | 旅-トルコ
トルコ旅行の思い出を綴るにあたりまず酒の話から入ります。
旅行から帰ってもう一月以上も経つのに今回は何故か「書く」ことが出来なかった。書くことへの恐怖症が起ったみたい、それも薄らいできたので記憶が薄らぐ前に書いておきましょう。
 トルコの代表的な酒はラク(RAKI)呼ばれ、独特の香りと水を注いだ後の色の変化が面白い。初めて飲んだのは旅も後半に入ってカッパドキアへ行ってからだった。
カッパドキアでベリーダンス観賞が設定されており、そこは飲み放題だったので話のタネにラクを注文した。小ぶりのラクのビンとチャイを入れるようなグラス、水が出された。つまみは既にテーブルに置かれていた。

 あっラクを注文したのはビールを飲んだ後だった。同行の人たちもモノは試しにとラクを口にする。独特の香りがするアニス(別名ウイキョウ)というハーブの香りである。初めての香りではない、”何とかの香り”と表現しようと後日インターネットで調べていたら、「他のハーブの香りを表す際に「アニスのような香り」と例えられる程、独特な芳香です。」とある。先を越された感じだ。で、他の何とかに似た香りという言い方ができなくなった。(笑)

 つまりウイキョウの香りということです。まずラクをグラスに三分の一から四分の一ほど入れる。そこに好み量の水で割る、すると無色透明のラクがミルク色に変わる。水割りしてあるので口当たりは柔らかく甘みを感じる。甘口の酒は悪酔いするのではないかと恐る恐る飲んだ。

 オミヤゲに買った。1本11トルコリラ(1リラが約90円)、空港の売店では免税だろうに11ユーロだった。錯覚を利用した悪質商法なのか。(笑)
家で飲んでいるが香り味に慣れてくるにつれて益々美味しく感じるようになった。手に入る方はチャレンジしてみては如何でしょうか。数日かけて1本飲み干す頃には次の1本が欲しくなるでしょう。

 旅は地酒を楽しむ良い機会なので努めて地元産の酒を飲むようにしている。これまでハズレは無かった、トルコも然り。ビールも美味しかった。ただワインは他の飲物より高くつくので味が分かるほどは飲んでいない、それでワインの良し悪しは判らない。
ラクが美味しいのでそれで十分ということです。