(1)外務省の対応がおかしい(strange the foreign office)。沖縄米軍基地内でのオミクロン株感染拡大の中で米国防総省が米国出国前の米軍人のコロナ検査を免除していた件で、米国側は昨年「9月」時点で日本政府に「情報提供した」(報道)とし、一方日本側は「12月24日」の確認だったと説明して何と3か月のタイムラグ(time lag)が発覚している。
日米のタイムラグは時差だけではない。米国から沖縄米軍基地に入国した米軍人からオミクロン株感染者が多数見つかり、その間米軍人の外出自由行動で沖縄県内にもオミクロン株感染が急拡大して関連性が社会問題となった。林外相は「外務省の取り組みに不十分な点があった」(報道)と述べている。
(2)そして今回はウクライナ軍事危機でウクライナ駐日大使が林芳正外相に面会を求めていたが、1か月間も面会が実現できなかった(報道)といわれる。ようやく昨日2日に同駐日大使と林外相の会談が実現した。
ウクライナ駐日大使は本国政府の意向を受けて日本の林外相との会談を実現し本国の要望、支援、協力を伝える立場にあり、事態が事実だとすれば日本外交の不理解、非協力とも映り国際的な信用問題にもなる。
(3)冒頭前例同様に外務省の情報収集、適応、判断力が機能していないとすれば、大きな問題だ。外務省は一時駐在外国大使館が過度に予算を使い施設、生活をぜいたく三昧にして過ごしていたことが問題となり、外国駐在大使館などの機構改革、規模の縮小、整理集約に迫られたことがあり、そうしたことが情報収集、日常業務能力に影響が出ていないのか昨年、今年と理解のできない大きな外交対応、業務タイムラグが目につく。
(4)もちろん目につきにくい世界各国、各地域での駐在外国大使館、館員などの日常業務、生活であり、外国政府、高官とのつきあいなどの業務の特殊性はあってもぜいたく三昧の予算、財政を浪費してもらっては財源となる国民投資(税負担)からは理解は得られない。
ムダ排除は必要だが、世界で起きていること、これから起きうることが日本にどう影響するのか予測、情報、対策、資料収集は大切で重要であり、必要な人員、人材、機構、経験を縮小して日常業務、判断に不都合、齟齬(そご)がでるようでは国益を損なうことになる。
(5)国際情勢、情報、資料が米国依存頼りでは比較、対比、多角性に乏しく、日本の外交政治の自主性、自立性、自発性を欠き国際情勢判断の遅れで国際信用を失うことにもなる。冒頭2例の問題点、外務省のまだどこに問題があるのか検証が必要だ。
ウクライナ軍事危機、露の軍用ヘリによる北方領空侵入、中国、北朝鮮の挑発動向など的確で適正、適切な情報、情勢判断、対応の重要性は増している。