いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

北朝鮮の国家実像。 entity of state image in north korea

2016-01-10 19:51:54 | 日記
 (1)国際社会の目がISに向かっているスキにというか北朝鮮が警戒もないうちに水爆実験を強行したことを発表して、国際社会の目を一挙に北朝鮮に向かわせた。

 有力な支援国が中国しかない北朝鮮にとっては世界の注目を集める、向かわせる以外には存在感を知らしめることができない孤立国家(solitary state)であることを、今回は米国も中国も警戒感を持たない中での水爆実験の強行という形で自らその孤立性を証明してみせたというパラドックス(paradox)だ。

 (2)国際社会、安保理は即座に北朝鮮制裁に向けて一致結束してさすがにメンツをつぶされた格好の中国、そしてロシアも緊急安保理での北朝鮮制裁にはこれまでのようにあいまいな見逃し論ではすまない対応に迫られている。

 ただ北朝鮮の国情がほとんど報道されることなく、金第一書記崇拝絶対主義による一極独裁国家に対して国際社会、安保理の制裁がどれほどの効果、有効性を持つものかは、これまでの結果をみても疑問だ。軍事的な制裁ならいざしらず、そうなれば韓国、日本も無傷ではすまない。

 (3)一部の絶対独裁権力者が限られたとはいえモノ、カネの資金力を独占して謳歌している実態報道を見せつけられると、金融、経済、支援、交流の制裁の意味が彼らには何らこたえないものであることがよくわかる。

 権力者の崩壊は国家と国民の格差が限界を超えたところから始まり、市民革命が起きて独裁主義が葬(ほうむ)られる完全構図があるが、北朝鮮の国民がどんな生活をして、何を考えて、どうしようとしているのかはまったくわからない現状では、国際社会は実効性のある手を打ちようもないところが実情だ。

 (4)一時は北朝鮮からの脱北者の話題も伝わってきたこともあったが、脱北者が国民的行動につながっていない(つまりさすがの独裁国家でも御しきれない圧倒的、国民的行動、波としての脱北行動)ことを考えると、北朝鮮独裁国家がその勢力、全力をかけて国民制圧に向かっているのか、それでも国を愛して国民が独裁国家を支持しているのかの方向性が外部にはまったくわからないところが北朝鮮問題の不気味さだ。

 金第一書記の行動、声明を通して金第一書記崇拝絶対主義による国家統制体制は垣間見ることができて、あとはそれから推し量っての国内事情、国民事情を察知しているだけで、国家実像(entity of state image)がまったく見えないところに国際社会のジレンマ(dilemma)がある。

 (5)孤立化の問題点であり、今回の水爆実験強行により唯一の支援国の中国の反発を受けることを覚悟のうえでさらに北朝鮮が孤立化に向かうことが予測されて、国際社会、安保理の制裁などは多分北朝鮮にとってはこれまで同様に大した痛手でもなくて、むしろ国際社会の目を一気に北朝鮮に向かわせた高揚感にあるのではないのか。

 そうしたことも考えての多様な国際社会、安保理の制裁協議、対処選択でなければならないし、多分多様な選択肢が協議されているのだろう。

 (6)その中には中国が主導する6か国協議の開催により北朝鮮を会議のテーブルにつかせて何とか対話に引きだす方程式(equation)につなげたいというのがある。
 6か国協議は北朝鮮も開催を要望していた(報道)こともあり、北朝鮮への制裁強化が叫ばれている中で譲歩、北朝鮮の思うツボとの見方もあるが、孤立化を深めて国家実像をさらにわかりにくくする危険度に向かわせるのではない有効な選択肢、方法論(methodology)だ。

 (7)北朝鮮が最も望むのは米国との直接対話、交渉といわれている。北朝鮮の国内外に向けたプロパガンダ(propaganda)に利用されるという警戒感はあるが、中国ルートも抑制力が薄れて米国としてもほかに有効かつ効果的な北朝鮮(制裁)対策がない中で直接でなくても公的機関同士の対話、協議の可能性など北朝鮮の国家実像を探る方法論を考えてもいいのではないのか。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 軽減税率の試算効果。 an eff... | トップ | 成人と大人。 a born and a g... »

日記」カテゴリの最新記事