(1)G「6」サミットが閉幕して各首脳集合写真では前列に開催国のカナダ首相を中心に右に仏大統領、左にウクライナのゼレンスキー大統領、イタリア首相と常連が並び初参加の石破首相は後列左から2人目だった。
確認できるところでは同じく初参加の英首相も後列中央だった。G7を構成する米トランプ大統領が初日で帰国して、4年を挟んで2期目のトランプ大統領がいたらどの位置を注文したのか。
(2)G6集合写真は招待国を含めて首脳間勢力図が示されるもので注目を集めるが、開催国カナダ首相を挟んで常連仏マクロン大統領、ゼレンスキー大統領、初参加ながら仏とウクライナ支援協力を打ち出す独首相が1列目と並び、EUのウクライナ支援の結束を示すものとなった。
しかし、現在世界を揺るがしているのは露プーチン大統領のウクライナ軍事侵攻であり、イスラエルのガザ侵攻にG7サミット開催に合わせたかのようなイスラエルとイランの空爆、ミサイルの応酬であり、EU首脳としては仲介、停戦に向けて対応、尽力すべき問題であろう。
(3)G7サミット開催前から首脳宣言の見送りが決まり、トランプ大統領の帰国を1日遅くにできなかった結果の首脳集合写真では招待国を含めて数だけ多く、しかし何に対して「圧力」を示すものだったのか、起きている問題と対応すべき問題のギャップばかりが感じられる集合写真となった。この人たちでは世界はまとまらない、まとめられない悲哀が映し出されている。
(4)石破首相もサッサと帰ってきて日本国内にも通常国会会期末を迎えて本来なら問題山積のところを法案先送りで、成果は途中就任した小泉農相の備蓄米対策だがコメ価格高騰に反映されているわけではなく、物価高対策では給付金なのか消費税減税なのか与野党対立もあり、今後の政権運営にかかわる参院選も控えて指導力(あるとすれば)を発揮しなければならないところだ。
(5)石破首相はG7は初参加であったがこれで見納めということも現実感があり、そういう想いの集合写真だ。1日目でのトランプ大統領との日米首脳の関税協議では「ゼロ回答」(報道)となり先行きは譲歩しか見えない。