いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

混迷前夜。 the night before of chaos

2019-08-29 20:23:18 | 日記
 (1)駐日中国大使が日本の新聞に寄稿して、香港の正常化を訴えた。香港では中国からの政治犯など逃亡者を中国に送り返す「逃亡犯条例」改正案を巡って、これに反対する大規模市民デモが続いておりデモ隊の議会乱入や空港座り込みが続いて政治、市民生活のマヒ状態が続いており、香港政府トップの行政長官は「逃亡犯条例」改正案の審議を取りやめると表明したが、香港市民は完全撤回を求めて大規模デモをくり返している。

 (2)駐日中国大使は寄稿で香港政府が同条例改正案をひっこめたのだから香港市民はデモをやめて正常化すべき(趣旨寄稿)だと主張しているが、香港正常化は香港に責任があるのか、中国に責任があるのか問題はあるところであり、中国の意向による香港政府の同条例改正案の審議というのは本国に還すことにより不利益を被る政治犯などは逃亡国で保護すべき国際基準に反するものであり、香港市民からすれば到底のめる話ではない。

 (3)香港騒動の原因を考えれば香港正常化は中国の出方次第であり、中国側にあると考えられる。元香港政府トップ2からも同条例改正案の完全撤回を求める(報道)主張もあり、香港市民からすればいつまた出てくるかわからない香港政府の同条例改正案の引っ込めでは問題解決にならないということだ。

 (4)中国政府は同じ1国2制度の台湾事情も考慮して香港に対する強硬介入は避けているが、香港行政長官は混乱を収めるためにネット、報道、交通、集会など幅広く制限(報道)できる「緊急状況規則条例」の適用に言及して、中国軍も香港に近い地域で待機中ともいわれて緊張が高まっている。

 香港は英国植民地支配を受けてその後中国に返還されたが、いきなり共産主義一党独裁国家の統治になじまないということで特別行政区として独自の政治体制を敷いている。
 香港政府トップの行政長官は中国の影響下にあり、中国の影響が強まるたびに香港市民とのあつれき、反対抗議運動をくり返してきた。

 (5)1国2制度体制はわかりにくさからも中国の統治の悩みの種でもあり、香港、台湾と対立関係が続く。米国などからの人権抑圧批判に対しては国内問題の干渉としてはねつけているが、天安門事件のように強力な軍事力で介入することも容易ではなく中国政府の意向、影響もままならない状況だ。

 しかし、今回香港政府が用意する戒厳令非常事態宣言に等しい条例が適用されれば、中国を巻き込んだまさしく香港の非常事態を引き起こして1国2制度にとどまらない中国支配の強化を招く恐れがある。

 (6)米国政府も懸念を示しており、米中対立があたらしい展開を迎えて予測もつかない混迷(chaos)を迎える可能性もある。香港市民の中には台湾への移住者(報道)も出てきて、危険回避がみられて混迷前夜(the night before of chaos)の様相だ。

 香港に責任があるのか、中国に責任があるのか、駐日中国大使が香港の正常化を願うならば中国の出方次第だ。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 二つの見通し。 double outlook | トップ | 未来型志向論。 futurism »

日記」カテゴリの最新記事