いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

消費税判断。 decision of raising the consumption tax

2013-08-26 19:46:49 | 日記
 (1)来年4月の消費税8%引き上げ実施に向けて、日銀データの景気動向とあわせて政府は各界の有識者、代表など60人に広く意見を聞いて判断材料にする方針だ。
 安倍首相がすでに今秋には消費税引き上げ判断(decision of raising the consumption tax)の方針を決定すると述べている。

 直近の世論調査では、予定通り8%に引き上げるべきが21%、時期を先送りすべき18%、段階的に引き上げるべき33%、5%を維持すべき25%と方法論は別にしても消費税引き上げを支持するものが72%と大勢を占めているが、そのうち先送り、段階的引き上げが51%と過半数を占めているので、慎重論が国民意識の方向性ということになる。

 企業業績は回復しても賃上げ効果に結び付かずに、輸入材料の高騰による夏からの食品、ガソリンほか一斉値上げが慎重姿勢にあらわれている結果だ。

 (2)政府、安倍政権の対応にも優柔不断なところがある。昨年民主党政権時代には、当時10年以上も続いたデフレ円高不況の真っただ中で国民の過半数が反対している逆風の中で、民主、自民、公明3党合意による消費増税法を成立させて一度は14年4月8%、15年10月10%の引き上げを決定しておきながらの、円安株高効果による経済回復基調の中での判断先送りだ。

 昨年民主党政権時代の自民と公明党の消費増税法成立への協力、賛成意思は何だったのかと言われてしまうだろう。

 (3)国の借金(国債発行増加)は1000兆円を超えて、そのほとんどを国内需要(銀行ほか)でまかなっているが先進国で最悪の財政事情で、どの時代、どの国民がどれだけ応分の負担をしていくのかの問題はあるが、財政健全化は国内外の緊急な政治課題にもなっている。

 今や即効性があって、国民が公正、公平、平等に負担する消費税引き上げに依存するのはいたしかたのないところだ。その際の収入格差に配慮した軽減税率の導入には70%近くが必要だと回答している。

 (4)昨年のデフレ円高不況真っただ中での消費税引き上げの決定プロセスを考えるならば、円安株高効果の反転の中、GDP2~4%成長で経済回復基調のある今年の消費税判断としては、法律施行どおり実施するというのが整合性、理論性のある政治判断ということになる。

 その前提条件となるのが賃上げ効果というところだが、これは政府も物価上昇の後になるという認識だ。政府の賃上げ期待に反して、経済界は円安株高効果を企業体質強化(内部留保)に回して、賃上げには消極的な姿勢が大勢だ。

 (5)日銀総裁は来年4月の消費税引き上げは経済回復基調には影響しないと述べているが、民間エコノミストの見方は総じて今年の消費増の反動が反映されて来年度の日本経済は冷え込むと予想している。

 消費税8%引き上げには、買い物に使うお金を減らすと回答したのが51%と過半数で、民間エコノミストの景気判断が現実性のあるものといえる。

 (6)賃上げ効果とセットでもない限りは、消費増税法成立による整合性、理論性のある政治判断は自己満足にすぎずに、段階的(gradational)な消費税引き上げが国民の理解を得られる方法論だ。

 あわせて財政健全化の見通し、計画、方法論も国民に示す必要がある。

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