(1)トランプ大統領がイスラエルにガザ地区攻撃の停止を求めた最中にイスラエルがイランの核施設を空爆して、これにイランは報復としてイスラエル都市部、ガス田にミサイル攻撃を実施した。
トランプ大統領の顔を立ててイスラエルがガザ地区ではなくイランの核施設を空爆したとも受け止められるし、イランの核施設を空爆したことは中東から撤退した米国の影響力が減少した結果ともいえる。
(2)イランが核兵器を製造し保有するということになれば中東の軍事バランスが崩れて、米国がイスラエルに核兵器を配備するということも懸念されて、危険な中東情勢の中では核兵器の使用が極めて容易な状況を生んで中東情勢は一気に制御不能の危険状態、地域になる。
トランプ大統領としてはイランの核武装化を避けるためにもイスラエルの軍事挑発、攻撃を抑える姿勢を打ち出している。
(3)イランはハメネイ師を最高指導者とするイスラム宗教国家であり、核兵器製造、保有が宗教観、宗教思想、戒律とどう関係するのか、問題はないのか、国家安全保障の問題でもあり歯止めが効かないのか外部からは不思議な疑問はある。
宗教国家が大量破壊兵器を製造、保有することが宗教観、宗教思想、戒律と合致するのか、イスラム過激派組織がテロ活動をしていることには距離を置いているが、イランはイスラエルに対峙する近隣国のイスラム過激派組織ヒズボラを支援しており、米国などからはイランはテロ国家として経済制裁を受けている。
(4)中東紛争は米国とイランなどの宗教戦争であり、石油など利益確保の資源戦争でもあり、イスラエルとパレスチナの領土対立の中でイランが中東利益を巡って米国との対立を強める複雑な関係、地域、位置にある。
米国が中東地域から手を引いたこともありイスラエルがこれまでの米国頼りから独自の中東諸国との関係、連携構築を進めて問題をさらに複雑にして強化、拡大の方向に向かっている。