(1)5月15日で沖縄の日本復帰50年を迎えた。半世紀もたてば日本として一体化、一国化していてもおかしくないものだが、政府と沖縄の対立は辺野古移設を巡って法廷闘争に持ち込まれて一体化にはほど遠い関係だ。一時、一部には日本編入前の琉球王朝として再び独立論まで出たこともある。
(2)沖縄復帰50年を迎えて、メディアの全国と沖縄を比較した世論調査で沖縄に在日米軍基地の70%以上が集中する現状について、「不平等」だと思う全国が40%、沖縄61%で「やむを得ない」全国35%、沖縄30%と回答した。
以前は沖縄に米軍基地が集中することに全国でも過半数が反対意思を示していたが、近年は「やむを得ない」が過半数を示す調査もある。
(3)日本は憲法第9条で国際紛争を解決する手段としては戦力不保持、交戦権を有しないと規定して、国防、防衛は日米安全保障体制の枠組みの中で維持されて米国の核の傘の下に守られているといわれる。
(4)沖縄は戦後米国に占領支配されて27年間、72年に日本に返還された。返還後は米軍基地の70%以上が沖縄に集中して、不平等な地位協定で実質米軍の治外法権下に置かれている。米軍からみれば戦後27年間米国領として統治して、日本に返還後も中国、北朝鮮のアジア共産主義国と対峙する要衝地域としての沖縄の地理的役割は重要性を増している。
(5)近年では米軍の中東戦略で出撃基地として使われて世界戦略に組み込まれている。そうした米軍の言葉は悪いが「使い勝手の良さ」が米軍基地が沖縄に集中する理由であり、そうした目線、事情が日本国民の沖縄米軍基地集中への不平等40%、やむを得ない35%の意識低下にあらわれて、過重負担を強いられている沖縄県民との認識、意識の格差につながっているとみられる。
(6)善意に解釈すれば全国の沖縄への米軍基地負担「押し付け」というよりは米軍の意向への「あきらめ」という意識が強いといえる。沖縄が独立琉球王朝として日本に編入された歴史的経緯、戦後27年間米国領として占領支配されたこと、米軍戦略上必要不可欠な要衝地域であることが沖縄の日本復帰50年でも沖縄に米軍基地の70%以上が集中して過重負担に苦しむ沖縄の現状に多くの国民がやむを得ないと考える理由でもあるとみるが、主権国家日本国民としては日米安保体制で国防、防衛をまかなおうとするならばその負担は全国民公平、平等に請け負うべきことは当然のことだ。