いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

原子力村と女性棋士。 atomic power and woman shogi power

2011-05-23 19:34:27 | 日記
 (1)地震国で狭い日本の国土に54基もの原発設置を強力に推進してきた、原子力行政、東電を中心とする電力事業者群の特殊専門集団の「原子力村」、東日本大震災による福島原発事故では、かねてから指摘されてきた津波災害データ情報を顧(かえり)みずに結果として原子炉4基全壊事故を引き起こし、発生から2か月経過しても有効な手立ても打てずに収束の見通しも不透明のままだ。

 原子炉内の状況把握も出来ずに、楽観的な見方とは真反対のあらたな危険水域の発覚対応に追われる毎日だ。
 この問題での政府、国会での対応は、機能していない原子力委員会委員長が原子炉内への海水注入中断に「言った」とか「言わない」とか、首相が「中断させた」とか「させない、催促をし続けた」とか、無責任な責任転嫁の展開応酬にあきれるばかりだ。

 原子力行政、電力事業を支える「原子力村」に多くの人材を送り出してきた東大を中心とした大学(院)工学部原子力工学系分野では、福島原発事故を受けて今どんな授業、研究をしているのか知りたいものだ。
 原発の安全性に対する専門的、学究的、理論的分析、解析、裏付けと福島原発事故の「比較検証」、先輩人、教え子の「事故対応」について専門大学の授業、教員、学生の中では一体どう捉えられて、見られて、考えられているのだろうか。
 ついでに言うなら、電力事業者の「事実隠し」、「虚偽」による原発推進体質についてもだ。

 原発問題、福島原発事故の本質論、対応、問題解明、解説にかかわる行政、電力事業者、専門家のすべての「母体」が利益共存共栄型の「同一」、「同根」であることに、この問題の切り口の甘さ、対応の優柔不断、修正能力の不足が目立つのだ。

 (2)子ども達の将棋大会を見ていると、けっこう女子の姿が目につく。ところが、これが男女共通参加のプロ棋士(羽生名人を頂点とする奨励会)となると、現在女性棋士はひとりもいない。
 将棋は、連盟のもとに「奨励会」と「女流棋士」のふたつに分離されていて、相互の交流戦はない。
 「奨励会」は男女共通の実力制で昇級年令制限など条件が厳しく、最高実力リーグと言われる名人戦には頂点の10名の棋士だけがランクされる。
 「女流棋士」は女性プロ棋士だけの交流戦出場資格だ。

 今回、女流名人の里見さん(19)が「奨励会」入りを目指して挑戦している。現在1級合格を果たして、今後4段の男女共通参加プロ資格の取得を目指す。昇級の年令制限もありハードルは高いが、「女性初」を目指してのフロンティア挑戦(frontier spirit)だ。
 男女平等社会は、基本的には教育、雇用、スポーツ他で促進されており、将棋界でもようやく女性実力者(女流名人)が奨励会に挑む。

 将棋は名人戦になると1回戦が2日間の計7回戦勝負のロングランだ。座り続け、1手を打つのに1時間を費やすこともある知力、体力、気力、忍耐力、応用力、記憶力と人間の能力のすべてを駆使するバトルだ。
 物理的な攻撃がない分、この苛酷なバトルは女性の身体能力、資質には向いている。

 女流名人の里見さんのフロンティア挑戦が女性パワー(woman shogi power)の進出をまたひとつ促進することを大いに期待したいものだ。人間の可能性への無限の挑戦だ。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大学の果実。(機能改革) fun... | トップ | 復興と改革のパラダイム。par... »

日記」カテゴリの最新記事