いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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取り調べの長期化ーゴーン問題。 long term of investtigation-Ghosn affairs

2018-12-12 20:32:46 | 日記
 (1)警察、検察が事件容疑者を逮捕するのはよほどのことがない限り、核心に近い証拠をつかんでのもので、逮捕後の取り調べがあまり長期化するのは理解できない異常性だ。
 日産ゴーン前会長が役員報酬を有価証券報告書に過少記載した容疑で逮捕されて取り調べを受けて、拘留期間が切れる10日に起訴された。
 さらに同日に別件の最近3年間の報酬過少記載で再逮捕された。

 (2)さらに取り調べの長期勾留が続くことになる。証拠主義が前提の欧州など海外からは勾留が長すぎるとの批判が起きている。長期勾留、取り調べが続いているのは、ゴーン容疑者が逮捕容疑を否認して検察と対立して取り調べが長期化しているためだ。

 日本の検察は「わが国の法と証拠に基づき、公正に捜査していくだけ」(報道)と海外の批判を意に介さない構えだ。

 (3)日本の捜査、取り調べは改善されたとはいえ(多分)、容疑者の裏付け「自白」を取ることを念頭に取り調べ室で容疑者と検事との対峙で密室取り調べが進められ、かって検察の証拠デッチ上げ事件があきらかになって取り調べの可視化改革が進められている。

 海外では容疑者の人権保障も考えられて弁護士同席の取り調べが慣例で、こうした点からも日本の検察の密室取り調べへの海外からの批判も大きい。

 (4)さらに勾留期限切れにさらに同類のあらたな容疑で再逮捕して、さらに取り調べ勾留を続けることなど手法をとればいくらでも長期勾留(もちろん裁判所の許可が必要)が続けられることになり、容疑者への精神的苦痛、負担も大きくなることが予想される。

 そうした取り調べリスクは得てして容疑者を追い詰めて真実でない証言を生むことも考えられて冤罪(えんざい)につながるものとして好ましい捜査、取り調べ手法とはいえない。

 (5)入手した証拠が明白なものであれば理路整然と容疑者に事実を認めさせることは可能であり、あくまで容疑者の自白を待つような捜査、取り調べ手法は好ましくない。
 今回のゴーン前会長の役員報酬の過少記載容疑は、専門家によると「刑事処分のみならず行政処分も含めて先例がなく、何が虚偽記載になるのかあいまいな点も多い」(報道)として、ゴーン前会長ももらうべき追加報酬は確定しているものではないなど(同)記載の必要がないと容疑を否認して争うとしていることから、検察もより慎重に入念に取り調べ勾留が長期間続いているものとみられる。

 (6)また日産が内部調査で発覚したゴーン前会長の海外高級自宅の無償提供など「私的な資金流用}、「経費の不正使用」は海外で展開しており、検察も「舞台は海外で資金の流れを把握するのも容易ではない」(報道)と立件のハードルが高いことが考えられる。

 日本はこれまで海外に比べて裁判、公判が長期化することが課題としてあげられて、自白偏重から証拠主義が取り入れられて裁判、公判の短縮化がはかられているが、入手した確かな「証拠」にもとづく理路整然とした捜査、取り調べで事件の解明に結びつけなければ海外からの批判に応えられない。

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