いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国民の目覚め。 awakening of nations

2015-05-25 19:44:04 | 日記
 (1)世論調査も安倍首相のように端っから問題にしない、そうなのに内閣支持率は比較安定というパラドックス政治(paradoxical politics)という政治状況の中ではむなしい感じもするが、国会審議が始まる安保法制案には53%が反対、賛成は34%にとどまっている。

 そもそも安倍首相、政府による憲法解釈の変更による身勝手な自己都合で際限のない集団的自衛権の行使の中身、内容についてはよくわからないという意見も多く、それでも米国をはじめ同盟国が海外で攻撃を受けたことが国益に影響を及ぼすと判断した場合に日本も海外の戦闘地に参加する平和憲法の精神に反する「危険行為」である国民認識は強いということだ。

 (2)米国は防衛費予算の削減による安保政策手薄のところを日本に肩代わりしてもらおうという思惑、期待で早速歓迎の意向を示しているが、日本の国益に名を借りた米国の要請を断ることができるのか、国民の過半数に安保法制への不信感は強い。

 しかし、これはそもそも安倍首相が抑止力につながると信じて大局的、高所的見地から国民の意思(過半数の反対)とは関係なく政策を推進する強い政治姿勢を示しているので、国民が目覚める(政策反対による内閣支持率の低下低迷)ことしか民主主義の常道に戻る有効な手立てはない。

 (3)注目すべきは橋下市長の推進する大阪都構想が大阪市有権者による住民投票で否決されたことを「良かったとは思わない」が42%で、「良かったと思う」の36%を上回ったことだ。
 さらに橋下市長が任期満了後に政界を引退する意向を示したことについて「続けるべきだ」40%で、「妥当だ(37%)」と「すぐ辞めるべきだ(8%)」とあわせて45%ときっ抗していることだ。

 7年半の橋下府政、市政に府知事選挙、市長転出選挙、住民投票と付き合され、その間議会との対立に明け暮れた橋下市長の言う「ワンポイント(リリーフ)政治」、自画自賛政治を目の当たりにしてきた大阪府民、市民感情と、外から大阪圏の衰退を見てきた国民との意識、感情、感覚のズレ、ギャップ(gap)が反映された結果となった。

 (4)国民の橋下政治、政策の支持は、安倍政治、内閣支持率の比較高いのと共通した認識だ。ともに個性の強いトップダウン方式の政治理念を持ち、自らの政策理念の実現のために行政組織に有無をいわせなく従わせ強行突破をはかる政治手法で、見方によっては強い政治的リーダーシップが感じられるというものだ。

 前民主党政権での「決められない政治」に対するアンチテーゼ(anti these)としての国民の支持の高さだ。
 政策理念、概念が優先して中身、内容についてはあいまいで成熟度に欠けて、見栄えばかりが強調されるところも共通する。

 (5)自らの政治を「ワンポイント(リリーフ)政治」と自画自賛する橋下市長が任期満了で退任することになったのは、改革の旗手として信任してきた大阪市民にとっては幻想から目覚める結果としてよかったと思うが、一方で国民の橋下政治への期待感をどう受け止めるのか橋下さんの動向も興味はある。

 7年半をかけて途中紆余曲折はあっても大阪都構想を住民投票まで持ち込んだ橋下政治の主体性はある。
 橋下市長は民主主義はいいと述懐しているが、政治は国民、市民の理解と協力があっての一体性であり、健全な民主主義といえる。

 (6)大阪市民は目覚めた(awakening)が国民が安倍政治の自画自賛政治に目覚めるのはいつになるか、安倍政治がどうのこうのという以前に国民の主体性(subjectivity)が問われなければならない。国民改革が先だ。

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